11/06/27 21:04:17.38 OgOOWkCk
昼食をくらかどで過ごしプレシャスタイムを堪能した私は、
よく晴れた空の真下、国道沿いを進む。
行く先は散髪屋。
くらかどを食し、所用を片付ける。
なんて平和で素敵な休日なのだろう。
そこには申し分の無い安寧がただただ横たわっていた。
散髪屋へと向かう足取りも必然と軽くなる。
この世の煩悩が昇華したかのような感覚すらも錯覚してしまう。
「旦那、なにか良いことでもあったので?」
「ふふっ、他愛ないことさ」
私の髪を軽快に泡立てながら、床屋の親父が声をかけてきた。
「なに、隠すことはないさ。くらかどを食べてきたんだろう?」
「親父、どうしてそう思うんだい」
「顔を見れば判るさ。くらかどを食べた奴は決まって同じ顔をしてる」
この床屋の親父、ただものではない。
少なくとも、くらかど黄金調和の神髄に接触した経験があるとみた。
この私と互角のくらかど信者か。
「かくいう俺も今朝くらかどを食わせて貰った身でね、ほら鏡を見てみな」
丁度洗髪を終えた私に、親父が鏡を見るよう促してきた。
どうだろう、そこには俺と同様、至福に満たされ破顔する床屋の親父の姿が映されていた。
「俺たちは調和の体現者同士だ、牽制しあうこともないだろう」
「ごもっとも」
「よし、散髪を始めるか。今日はどんな感じにするかい」
「ラーメン中盛りのようにしてくれ」
「承知した」
行こうよ!
くらかどへ