10/10/01 14:54:56 zpzbDnD70
中には、「北海道新幹線の開通後に青函トンネルをどう貨物列車を通すか?」などというまだ解答の出ていない難問もあるわけです。
青函トンネルは距離が長いために、現在の貨物列車のスピードですと、新幹線と同じ方向に走る貨物列車を、
その前の新幹線の通過直後にすぐに発車させても、トンネル区間を過ぎるまでに「次の新幹線に追いつかれてしまう」のです。
これを回避するためには、トンネルの海底部分に追い越し設備を作る必要がありますが、これはコスト的に不可能、となると、
新幹線を減速するか、貨物のスピードを上げなくてはなりません。
また高速の新幹線と貨物列車が狭いトンネル内ですれ違うと風圧で貨物列車が脱線する可能性もあります。
特に一部にカラの車両があったりすると危険だというのです。
こうした問題に関しては技術的な解決法が見えていません。
一番良いのは、青函の区間だけ貨車を新幹線車両に乗せる「トレイン・オン・トレイン方式」ですが、かなりコストがかかりそうです。
上下線の間に遮風壁をという案もあるようですが、これも相当なコストになるでしょう。
いずれにしても、高速鉄道と貨物列車、そして鉄道と道路、空港整備といった交通行政に関しては、経済効果を考えながらコストや環境の問題、
更には安全の問題を踏まえた大局的な合意形成が必要になると思います。この点では、日米は同じ先進産業化社会として似たような悩みを抱えているというわけです。(了)