10/10/01 14:53:34 zpzbDnD70
とにかく、アメリカの鉄道というのは古典的なATS(自動列車停止装置)やATC(自動列車制御装置)など、
信号機と連動したアナログの衝突回避システムはほとんど整備されておらず、
そこにランダムといって良い形でコンピュータの自動操縦システムや無線でのコミュニケーションシステムを入れるなど、
安全設計は極めてお粗末なのです。
そんな中、残念ながら事故は根絶できておらず、私が知っている限りでも、ワシントンDC郊外で地下鉄同士が衝突して8名が死亡した事故(2009年)など、
初歩的な信号見落としやポイント切り替えミスによる衝突や、踏切の安全管理の失敗による衝突脱線事故などが絶えないのです。
そんな中で、貨物線に高速鉄道を混在させようというのですから、考えてみれば危なっかしい話です。
これを機会に、高速鉄道計画が日本の「フル規格新幹線」のような「専用線」の建設に向かうことを期待したいのですが、果たしてどうなるでしょうか?
ただ、そうなるとコストは非常に高価なものとなります。
コスト高となれば、元来が「無料化」が進んでいるアメリカの高速道路網に対抗しての旅客輸送・貨物輸送というのは成り立たないことになります。
となると、これは日本としてもアメリカを笑えない話になります。
環境問題、特に排出ガスの問題を考えると鉄道は効率が良いわけで、その利用を促進したいのであれば、高速無料化というのは逆行した話になります。
この問題が1つあり、もう1つコストの問題も重要です。
これからどんどん整備新幹線が開通してゆくとなると、並行在来線の経営はJRとしては引き受けないことになっているわけです。
そこで、第三セクターによる鉄道存続という話になるわけですが、そうなると第三セクターは経営基盤が弱いために
長距離貨物列車に高額の通過料金を請求せざるを得ない、その結果として鉄道貨物のコスト体系も変わってくる可能性があるのです。