11/02/15 21:06:27 Q6cOycq0
>>182
>そのまま素直に受け取ればよいではないですか?
それが「素朴実在論」ですw。「五感で知覚できる対象」をそのまま実在物
と信じることです。五感にも誤りがありえますが、それは例外的な現象で、
「錯覚(誤った知覚)」「知覚異常」「幻覚」「妄想」として、是正・治療の
対象となります。
般若経は竜樹以前のもので、竜樹の「縁起・空」の原理は、まだ反映されて
いないように思います。竜樹の原理は、「もろもろの存在」の構成原理を
見出したものであり、すべての存在は、相対的(相互依存・関係性)という
抽象観念により構成されているのだから、そのもの自体の「自性」はなく、
執着する必要はない、ということです。「非実在」「幻」などと言っている
のではありません。若し「幻」であれば、大乗仏教は、非現実的な妄想の
宗教になってしまいます。竜樹は「世間の慣習」や「物理現象」を、無条件
の前提としています。
「色即是空」「空即是色」の意味は、「この世界は、人間の目に映じただけの
世界だから、『本当に』存在するのかどうかなどは、人間にはわからない。しかし
その世界こそ、人間が過去、現在、未来において生きることのできる唯一の世界だ」
と解します。「色即是空」に「空即是色」を併置したところがミソです。
さらに、「無もまた無」と、無も否定しています。