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ギリシア語の日常の言葉としては、「ロゴス」はまず第一に「言葉」のことである。
しかし、「ロゴス(logos)」はいろいろな場面で使われる言葉であって、その意味は
すっきりとはわかりにくい。もともとは、「一つに集める」という意味の動詞「レゲイン(legein)」
に由来するらしい。
「一つに集める」とは、バラバラに散らばった事物や事実を、数えながら筋目・秩序
にしたがって「とりまとめる」という、一種の秩序をもつ行為のことである。
「ロゴス」が「言葉」のことだというときには、一つひとつの「単語」が文法や用語法と
いう「秩序」にしたがって、まとまって全体として統一的な意味をかたちづくるという
事態が考えられいるわけで、そこにはあの「レゲイン」の意味合いを感じ取ることが
できるだろう。
ここから、「ロゴス」は、たんに「言葉」だけでなく、秩序、意味、理由、秩序、比例、
算定など、なんらかのパターン(型)、規則的なもの、「理(ことわり)」をもつことを
広くあらわすようになる。
しかし、人間がそのようにバラバラの事物や事実を発見してまとめ上げるという作業を行う
ことができるのは、他の動物とはちがって人間は生まれながらに「理性」をそなえ、
「言葉」をつうじてそれを「筋の通ったかたちで表現する」ことができるからである。
そこから、「ロゴス」には、さらに、「理性」、「言論」、「説明」などといった意味が
付け加わってくる。