10/09/29 20:24:57 M/HmOmfm
>>447続き
但し「比較的抑止理論」は、限定的な核抑止理論でしかありません。例えばロシアがフラン
スを全面征服しようとすれば、「フランスは核反撃にでるだろう」と考えるため、全面戦争は
抑止可能なはずです。しかし、限定目標侵略…領土の一部だけとか、一定の条件をフランス
に飲ませるこを意図しての条件闘争とか… の場合、フランスは自国の生存がかかっている
わけではないので、核の使用に踏み切れない、とロシアが考える恐れがあります。よって限
定目標侵略には、フランスの核だけでは抑止が効かないと考えられたわけです。故に英仏共
に、アメリカの核とリンケージ(核の傘に入る)しているのです。
ちなみに、フランスと違い島国の英国が何故核を持っているのかといえば、それはリフキン
ド・ドクトリンと言う独自の核戦略に基づくものです。リフキンドドクトリンとは、平時から「イギ
リスの権益を侵す場合、核攻撃を覚悟してね。」と発表する事で、イギリスの権益保護を狙っ
たアグレッシブな核戦略だが、フォークランドを見れば判るように、まるで役に立ってない。
先に記しましたが、日本ではMADが成立しない以上は核抑止を手に入れる事ができませ
ん。比例的抑止については、そもそも必要がありません。比例的抑止で抑止できるのは、イ
ラク戦争のような全面戦争だけです。ですが日本に全面戦争を仕掛けられる国家がアメリカ
のみであり、他の国にはその能力がない現状では、全く意味がありません。つまり、日本が核
を持っても、全く意味がないのです。