10/09/29 20:21:32 M/HmOmfm
>>439 >>441補足
なんかヨーロッパがどうこうといっているようなので、フランスの核はガロワの「比例的抑止」
であり、冷戦中は陸続きのソ連にマジで圧倒される危険があったので、自国の最後の抑止力
として導入されたんだよ。で、日本では比例的抑止は無意味なんだよね。以下詳細。
【比例的抑止の説明】
「比例的抑止理論」とは中小国向けの核抑止理論で、例え限定的であっても核を保有する
事により、相手との交渉能力を担保しようと言うものです。ハンガリー動乱を例に採り説明し
ます。
1956年11月、ソ連の傀儡国家だったハンガリーで革命が起こり、親ソ政権が倒れた、
と思われました。革命によって倒されたスターリン像は、それを象徴しています。ソ連はそれ
を嫌い、軍隊をハンガリー領内に侵攻させました。民衆たちの動乱はたちまち鎮圧され、ハ
ンガリーには再び親ソ政権がたてられました。他国の革命に武力介入し、力ずくで政権を作
り変えたのです。
ですが、ハンガリー動乱時にハンガリーが広島型原爆を3発保有していたら、その報復に
対する脅威のためにモスクワはブタペストと交渉せざるを得ず、この二国間には新たな暫定
合意が生まれた可能性が高い。と言うのが、ガロアの「比例的抑止理論」です。
ケネス・ウォルツ(ネオリアリズム理論の提唱者)は「飽和点」と言う概念で、「比例的抑止
理論」を次のように解説しております。
『この飽和点を過ぎると、信頼できる核抑止体制が整備されるのである。飽和点に達した国
家の間では、超大国が核兵器によって中等国家を破壊する能力を持っていても、超大国
自身も中等国家の保有する数十基から数百基の核兵器の報復攻撃を受けることになる。
すなわち、飽和点に達すると、中等国家と超大国の軍事バランスは対等になるのである。』