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支那事変は国民総動員によって日本人を規制し、日本は阿修羅の様相に突入したのだ。天皇の名のもとの「一億火の玉の団結」へと。
私達当時の少年の心は、国家のために死のうと覚悟するほど、純真な心は教育をとおして誤った洗脳をされたのであった。
曰く大和魂。曰く「死は鴻毛よりも軽く、義は山岳よりも重しと覚悟せよ」。すなわち国家のためには、もっとも軽い鴻毛のように死に、
国家に対する義理は山よりも重いものだ、と教え込んだ思想である。
軍国日本を汚すものは、断固として打ち破るという社会情勢の下、私もまた、ついに中学を中退して軍人志願に踏み切ってしまったものであった。
(中略)
私が軍隊で得たものは、社会意識の一員としての犠牲的精神と行動であった。
しかし、特定の国家意識に支配された、正しい中道を逸した思想による犠牲は、それが人生の目的であり使命であるはずがない。
それは誰にとっても、真実の自己を見定めるための偉大な体験というべきものであった。
同じ人間同士が、思想の相違や民族的な感情によって、血で血を洗う死闘を展開している姿は、むしろ動物にも劣る所業といえる。