09/11/20 00:33:15 QMjD66Mx
正教には神学とか聖書学などの指標はなく、従って
議論とか論争の記録などがないようで、土着の宗教
との混合といったにおいがする。（ロシア・キリスト教史・黒川）
若い頃、正教哲学者といわれるベルジャーエフに共鳴し、読み
けった記憶があるが、主としてドストエフスキーの著から、正教の
性格を読み取るしかなかった。
一番感銘の深かったのは、カラ兄（カラマーゾフの兄弟）の「大審問官」
のところで、「地上に再び現れたイエスに向かって、私たちがちゃんと
やりますから、天にお帰りください」と言ってイエスを追い返したと、
カトリックの思想を皮肉り揶揄しているが、まことに当を得た表現だと、
それがカトリックに対する正教の見方として印象に残っている。
正教についての出版は非常に少なく、１、２の主教の著を読んだが、
かなり曖昧模糊であって、教理の説明に欠けているように思う。
今，川又氏のニコライの塔をパラパラと読み返してみているが。