【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】at OCCULT
【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】 - 暇つぶし2ch7: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】
11/08/19 21:00:56.49 MLNnkrOt0
放送はどこだ?

8:昨日の人 ◆3wiF1V29nQ
11/08/19 21:01:40.53 inQZMRwE0
   夏の風景  1/4

 小学校低学年の頃のお話。

 妹(ちい)を連れて市民プールへ遊びに行った帰り道。
遠くで蝉がシワシワ鳴いている、何処までも続く田んぼ道。
急に風が冷たくなってきたので(雷(らい)さまがきそうだー。)と思った。
(これ以上は早くこげんー。)後ろに妹を乗せた私は既に立ち漕ぎ状態だ。
「間に合わなかったら一本(いっぽん)さんなー。ちい、落ちるなよー。」後ろを向き妹に言う。
ギュッと私のシャツをつかみ返して「にいちゃん、降りようか?」と聞き返してくる。
「カラータイマーはまだふつーだ!」兄の意地。
一本さんが見える頃には、空は暗く時折シカッゴロゴロゴロと眩しい位に輝いた。
「雷さま早いから、一本さんとこで雨宿りするぞー。」「うん。」
 一本さんの道を挟んで斜め前に、それはそれはボロボロのトタン屋根。
小さなバス停に二人で逃げ込んだ。埃の匂いと共に大粒の雨が降り出した。

9:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:02:29.69 HOjuFdLa0
>>7
雑談スレにURLある

10:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:02:58.23 MLNnkrOt0
8 昨日の人 ◆3wiF1V29nQ sage 2011/08/19(金) 21:01:40.53 ID:inQZMRwE0
   夏の風景  1/4

 小学校低学年の頃のお話。

 妹(ちい)を連れて市民プールへ遊びに行った帰り道。
遠くで蝉がシワシワ鳴いている、何処までも続く田んぼ道。
急に風が冷たくなってきたので(雷(らい)さまがきそうだー。)と思った。
(これ以上は早くこげんー。)後ろに妹を乗せた私は既に立ち漕ぎ状態だ。
「間に合わなかったら一本(いっぽん)さんなー。ちい、落ちるなよー。」後ろを向き妹に言う。
ギュッと私のシャツをつかみ返して「にいちゃん、降りようか?」と聞き返してくる。
「カラータイマーはまだふつーだ!」兄の意地。
一本さんが見える頃には、空は暗く時折シカッゴロゴロゴロと眩しい位に輝いた。
「雷さま早いから、一本さんとこで雨宿りするぞー。」「うん。」
 一本さんの道を挟んで斜め前に、それはそれはボロボロのトタン屋根。
小さなバス停に二人で逃げ込んだ。埃の匂いと共に大粒の雨が降り出した。
とか言ってないで放送はどこー?

11:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:03:37.74 MLNnkrOt0
>>9
雑談スレってどこー?

12:昨日の人 ◆3wiF1V29nQ
11/08/19 21:03:59.59 inQZMRwE0
2/4
一本さんは田んぼの真ん中にある、大きな栗の木。根元に小さな御キツネ様が奉られている。
四方を見渡しても田園が彼方まで広がっている。広大な田園の中に一本さんと道を挟んでボロバス停。
妹と入ったバス停も雨宿り程度なら心配要らないようだった。いつもの夕立なら。

 雷さまと夕立は、この辺なら当たり前に夏の夕方にくる。雷さまが鳴り出し、物凄い雨が降り、
あっという間(30分~1時間程度)に去って行く。だけど今回は雷さまが止まない、近い。
雨が降り出せば雷さまは遠のく、はずなんだけど。
 シカッッ!ドンッッ!!キカッッ!ドゴーン!!
眩しいストロボを焚かれたかと思えば、お腹を飛ばされるような衝撃。光と音が近い。
「にいちゃん、一本さんあぶない!」妹が叫ぶ。釣られて一本さんを見た。
 ピッッッシュルルルルゴッ!ッズズゥゥゥン・・・
距離にしても子供の歩幅で20m離れていない、一本さんに直撃した。
音が聞こえない。豪雨も雷さまの音も聞こえないィイーンって音しか聞こえない。
片手で私のシャツを掴んだままの妹が指差す、一本さんの木を。


13:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:05:14.44 MLNnkrOt0
ねとらじじゃねーのかよ!

14:昨日の人 ◆3wiF1V29nQ
11/08/19 21:06:13.46 inQZMRwE0
3/4
 一本さんの木の根元には青く光るの子供がいた。
その子はしばらく木の周りをウロウロすると、顔を覆うように泣き出したように見えた。
「・・・ぃいちゃん!にいちゃん!一本さん!」やっと耳が聞こえた。妹が叫んでいる。
「一本さんこっちへ来てー!」「一本さん早くこっちへー!」わけも分からず兄妹で子供に叫び続けた。
木の焼けた匂いがした。一本さんに雷さま落ちたのかってあらためて感じた。

 一本さんは私たちを見ると、今度はこっちへ来いと手招きをしていた。
「にいちゃん、いこ!一本さんとこいこ!」圧倒され妹をおぶって道を横切った。

 ッキシャッッッ!ドンッッ!!

 今まで居たバス停が無くなった・・・子供も・・・


 帰り道今までの空が嘘のよう、妹を乗せ家路につく。

15:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:06:58.67 AB2Q5ANU0
ねとらじって何?

16:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:07:04.37 HOjuFdLa0
>>11
ここや
スレリンク(occult板)l50

17:昨日の人 ◆3wiF1V29nQ
11/08/19 21:08:15.48 inQZMRwE0
4/4
 翌日兄妹どちらからともなく「一本さんとこいこ」となった。
当時ラムネは20円。瓶代込みの値段だ。二人で小遣い20円。
「一本さん、熱かったから」って置いてきた。

 一本さんは落雷で枯れたけど、新芽がそのまま育ってる。
今でも田園の只中に小さくなっちゃったけど、一本さんはあります。

18:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:08:44.86 zYhUUkPX0
一本目の蝋燭が消えました・・・
昨日の人 ◆3wiF1V29nQさん、ありがとうございました
                      γ
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あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第二話をお願いします

19:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 21:09:29.29 pttk6Sb50
「母の洗濯機」

ピピピピピピピ………
ある日いつもの様に洗濯をしていると洗濯機から異音がしたので見に行くと、音が止み、
再び水が入る音がして洗濯を始めた。
私はまた動き出したのでその時は途中で放り出した用事の方が気になり、すぐに戻った。

その日は朝から晴れて暑い日だったので、たまった洗濯物を一気に片付けようと思い、
私は2回目の洗濯を始めた。そしてまた洗濯が終わる頃にピピピピピピピ………。
結局1回目の洗濯は合計3回もすすぎをした事になってしまったけど、2回目はすすぎ
は1回でいいやと思い、音が鳴りやんで再び水が入る時に停止しようと洗濯機のフタを
開けた。
すると思いに反して水が溜まっていたので「あれ?」と思い脱水のボタンを押した。
…そういえばこの洗濯機ももう5年以上使ってるし、すすぎのみの選択も出来なくなって
るし、もう寿命か…と思うと同時に前に使っていた洗濯機が壊れた時の状況が思い
出された。

…母の葬式が済んで家に帰り、洗濯をしようとしてフタを開けたら
水が溜まっていた時の事を…

あの時とまるで同じだな…と思い、ふとカレンダーを見るともうすぐお盆。
「Aちゃん、たまには遊びにおいで」母の声が聞こえた気がして、今年は早めにお墓参り
に行こうと思う夏の日だった。

「完」

20:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:09:56.11 zYhUUkPX0
二本目の蝋燭が消えました・・・
あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、ありがとうございました
                      γ
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太魔美 ◆aKQ2SJ2lbMさん、第三話をお願いします・・・

21:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:11:42.61 GpadOyup0
おお始まってたか。


22:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 21:14:08.54 pJf+sL8/0
太魔美 ◆aKQ2SJ2lbMさん

タイトル「赤いポルシェの女」 1/2

友人のNが危険物取り扱いの資格が欲しくて
嫌々ながらもガソリンスタンドでバイトを始めた。
恥ずかしがり屋のNは大きな声で挨拶するのが苦手だったのだ。
だが資格を取るために我慢することにしたそうである。
Nの働くガソリンスタンドは24時間営業の店だった。
Nの勤務時間は夜9時から翌朝の8時まで。客はそんなに多くはなかった。
ある平日の深夜2時頃、赤いポルシェがスタンドに入ってきた。
車の窓が下がり、キツイ香水の匂いがNの鼻をついた。

「ハイオクで満タン」
厚化粧をし、着物を着た若い女が車の中から吐き捨てるように言った。
Nが車の後方に回り、給油しようとした時、ポルシェの後部座席で何かが光った。
目を凝らすとそれは斧だった。
よく見ると両手に斧を抱え、アイスホッケーのマスクを被った男が
後部座席で丸まっていたのだ。
機転を利かせたNは運転席の女に話かけた。
「お客様、当店ではただいまコーヒーをサービスしています
中に入って是非、お飲みください」

「わたし、コーヒーは嫌いなのよ、それより早くガソリンを入れてよ」
女が無愛想に急かした。
「嫌いでも飲んでもらわないと困るんです。とにかく車から降りて店の中へきてください」
Nは必死に粘った。



23:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 21:14:49.40 pJf+sL8/0
太魔美 ◆aKQ2SJ2lbMさん
2/2

女は眉間にシワを寄せた。
「しつこいわネ、アンタ、頭がオカシいんじゃないの」
つぎに女は何かに気がついたかのように、急に笑い出した。
「なんだアンタ、後部座席に隠れてるヤツが、斧でアタシを殺そうとしてると思ったのね」
Nは一瞬、訳が分からなくなった。

「わたしに気付かれてるとも知らないで、後ろで丸まってるイモ虫野郎のことは気にしなくてイイのよ」
女は優しい口調でNに言った。

給油を済ませた赤いポルシェは、風のように走り去って行ったという。【完】

24:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:15:18.25 zYhUUkPX0
三本目の蝋燭が消えました・・・
太魔美 ◆aKQ2SJ2lbMさん、ありがとうございました
                      γ
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、第四話をお願いします・・・

25:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/19 21:15:48.64 MJGkjTcm0
【通勤列車】(1/2)

知人A氏が約20年前に体験した出来事です


当時、某関東圏に勤めていたA氏はその日の朝もいつものように通勤快速で出勤していました。

すると突然乗っていた列車が途中で停止したのです。

直後に「只今、人身事故発生により運転を見合わせております。しばらくお待ちください」

と、アナウンスが流れました

「冗談じゃないよ。なんでよりによってこんな時間に・・・・」

「遅刻するじゃねえか!何やってんだよ!!」

「サイテー・・・」

列車内はさまざまな文句、不満などであふれ、嫌な雰囲気のまま数十分が過ぎました。

26:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/19 21:19:59.26 MJGkjTcm0
『カンッ カンッカンッカンッカカカカカンッッ!!』


と、乗っていた車両の床下から何か硬いもので叩くような音がその車両内に響き渡ったのです

それまでうるさかった車内は一瞬にしてシン・・・・と静まり返り

停車駅に到着するまで、誰一人一言も声を発することはありませんでした。
【終わり】

27:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:20:50.82 zYhUUkPX0
四本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
                      γ
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空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、第五話をお願いします・・・


28:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:23:10.66 zf04GSaIO
やぐら(1/2)

友人Aの母親の話。
友人Aの母親が、知人の様子を見に上京ついでに鎌倉に観光に行った時に、某有名やぐらへと行ったそうだ。
フェンスで囲まれた土地を横目に、やぐらへと到着。
『霊域につき撮影禁止』という立て札があるのだが、おばちゃん達は気にせずに中に踏み込み写真を撮ったそうだ。
その瞬間、カメラが動かなくなったそうだ。
シャッターを押しても動かない。
その数瞬前までは普通に撮れていたのに、霊域に踏み込んで写真を撮ろうとした途端だったのでさすがにおばちゃん達も驚いたそうだ。
しかし、小さな祠のようなものがあるだけで、特にめぼしい物があるわけではない。
おばちゃんが記念にと、よりによってそこで白い軽い石を拾って帰ったそうだ。
しかし地元に帰ってきて、すぐさまそのおばちゃんは高熱にうなされる事となった。
病院にも行ったのだが、風邪ではないか?と言われるだけで、原因不明。
三日目におばちゃんから友人A(離れて住んでいる息子)に電話があったそうだ。
「夜になると血まみれの鎧武者と女の人が出てきて、私を殺そうとする」
きっと熱のせいだよ、と友人Aは言ったそうだ。
「違うのよ。だって何回も首も絞められたし」
熱で妄想まで見始めたかと心配になった友人Aは急いで帰郷。
四日でやつれ果てた母親の姿に呆然としたそうだ。彼曰く「あれがとり憑かれてるって奴だ」と言うほどに。
変な手の形に似た痣なども出来ていて、彼は母親の言うことを信じることにした。
けれど原因がわからないので詳しく鎌倉の話を聞くと、白い石が原因ではないかと言うことになった。
「持っていたら危ないかもしれないから、お寺に持ってくよ」
と母親が何故か鏡の前に置いていたのを取り上げて(凄く嫌がったらしい)、近所の寺に持ち込んだそうだが、丁重に供養をお断りされたそうだ。
「人の骨かもしれません。
とても強い怨念があります、こちらではなく鎌倉のしかるべきお寺におさめるほうがいいでしょう」
あと、母親の代わりにとってもきつく怒られたと零していた。
確かにそういった場所から物を持って帰るなどありえない。
そう言われて知人は鎌倉へ向かい、お寺に供養を頼むことにした。


29:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 21:24:13.56 k+LLH6dU0
『夏の悪夢』
黄金色 開けしところ
篠笛に 鼓のさざめき
十二単の 行灯に
畳の露は きらきらと
星降る店より 甘き蜜
らむね わたがし たまごやき
紫を 透かして見える
ほどけし結いは 地獄絵図
影法師 ガマの口にて
―めんめんめくらの お嬢ちゃん   星の祝いに ひとりとは
  七つの姫の やぶの宮へと ―
赤き灯りに 天邪鬼
天邪鬼
まよいさまよい お面屋の
袖の限りの 雀の銭で 
買いたる面は のっぺらぼう
のっぺらぼう
鮮衣の花 一面に
緑にピンク 紫の紅べったりと
さけんばかりに
さけんばかりに
大空を
飲まんほどに
夢の迷宮 抜けし刻には
かささぎの夜も 更けつつあらん
急ぎ安寿が 浮かべし面は
 天を睨み
墨の流れに 消えゆかん
星に照る 兄様の顔
番の別れを 恨み呪わん
天の鏡に

30:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 21:24:47.13 k+LLH6dU0
あ、失礼
第五話はもう投稿されてましたね

31:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:28:35.60 zf04GSaIO
(2/2)
けれど一日で実家と鎌倉の往復は難しくて、東京の自分の家に白い石を一度置くことになったらしい。
骨じゃないかなどと言われたものだけに、薄気味悪い上に、母親が霊を見ているというので怯えつつ、ネットで調べて寝床の周りに盛り塩をして寝ることにしたそうだ。
夜中奇妙な音で目が覚めた友人Aは、つけっぱなしで寝たはずの電気が消えているのに気づいて慌てた。
起き上がって電気をつけようとしたところで、音が近いことに気づいて動けなくなったらしい。カリカリと何かを引っかくような音と、微かな呻き声。
その音が聞こえる玄関には白い石が置いてある。
怖いのは山々だが、このままじゃもっと怖いので友人Aは起き上がって電気をつける為に壁のスイッチへと近づいたそうだ。
「ねぬ……ねぬ…」と呻き声が繰り返す言葉が怖い。そしてスイッチを入れても電気が付かない。
焦りまくった友人は携帯電話を掴むと、とりあえず光源になるだろうと携帯のライトをつけたそうだ。
その瞬間、自分の横に誰か立っているのが見えたらしい。
緑と青と白で鳥の模様だったと後で教えてくれたが、女だと断言していた。
「ねぬねぬねぬ」と繰り返しているのはその女だったと気づいて、携帯を閉じるのも怖くてそのまま電話をかけて誰か友人を呼ぼうとした時に、女がふっと耳元に息を吹きかけてきたらしい。
冷たいくせに焦げ臭かったそうだ。
同時に女が耳元ではっきりと言った。
「死ねぬ」
その声が怖くて、友人Aはそのまま気絶してしまった。
気が付くと朝で、盛り塩はそのままだったが、何故か白い石を握った状態だったという。
起きてすぐに電車に乗ると、鎌倉へ向かったそうだ。
お寺に収めて、同時にお払いもしてもらったと、泣きそうな顔で話してくれたのが印象的だった。
「あとで調べて怖くなった」
と、友人Aは教えてくれた。
某やぐらの在る辺りは八百人近くの人間が死んでいる。
自害も多かったり、かなり悲惨な歴史を残している。
彼は非常識なおばちゃんの行動を責めたが、おばちゃん自身もそんなまねをする人ではないので持ってきたのを家族皆が不思議がったそうだ。白い石を鎌倉に返してからすぐに熱は引いておばちゃんは元気になった。
幽霊もそれっきり見ていないという。




32:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:29:07.35 zYhUUkPX0
五本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第六話をお願いします・・・

33:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 21:29:40.41 pttk6Sb50
「ストラップ」

店で携帯を片手に服を見ている時にカチャッて何かが落ちた音がした。
下を見ると携帯ストラップ。私はネジが緩んだのかな?そう思い家で直そうと先に
買い物を済ませた。
ストラップは時々落ちる。それはネジが緩むか紐が切れるかのどちらかだ。
今回もそうだろうと思ってどこから落ちたのかよく見てみた。するとネジだけ残ってる
のも無いし、落ちた方はボールリングのストラップで金具が緩んでるわけでも無かった。
私は「えっ?」と思いながら2つを何度も見比べて、どうやったら落ちるのかしばらく
考えた。
…まるで知恵の輪の様に切れ目も無いのにすり抜ける様にして落ちたストラップ。
私は謎を解くべく友達にも見てもらった…けどみんな不思議そうな顔をするばかりで
何で落ちたのか未だにわからない。
ちなみに落ちたストラップは姉が住む地域のご当地ものだった。
…私はその謎のストラップを携帯に付けるか迷っていた。
すると友達が「落ちたものを付けると縁起が悪いよ」と言い、私はそれもそうだなと
思い付けるのをやめた。そして家に持ち帰ろうと思ったけど、気まぐれで通り道の
金網にぶらさげた。

そうやって、自分の手元からそのストラップを完全に離したせいかはわからないが、
それまで不仲でしょっちゅうメールや電話で喧嘩ばかりしていた姉から一切連絡が
来なくなった。そればかりか、姉との関係が年賀メールのやりとりや、地震の安否を
確認する程度の自然な仲になったのだ。
…これはストラップが私と姉の憎しみの全てを自ら落ちる事によって落としてくれたの
かな?と、都合のいい考えかもしれないけど私はそう思っている。

「完」

34:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:30:51.19 zYhUUkPX0
六本目の蝋燭が消えました・・・
あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、ありがとうございました
                      γ
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空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、第七話をお願いします・・・

35:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:35:32.47 zf04GSaIO
白黒

まだ小さい頃の話。
私は鍵っ子で、学校帰りは一人が多かった。
学校の帰り道いつもの細い道を歩いていると、不意に肩を叩かれた。
振り返ったが、誰もおらず頭の中には?が浮かんでいた。
気のせいで済まし、また家の方を見ると絶句した。全部白黒。一瞬で色盲になっていた。
でも意味がわからない私は驚きながらもその風景を楽しんでいた。
白と黒の濃紺で出来た世界は、不思議で仕方なかった。
そのうち、変な事に気づく。
道には白黒の人が何人もいた。子供も大人もいて、座っていたり立っていたりするのだが、一度も見たことがない人達。
着物の人もいるし、皆なんだか動きが遅い。それに少し透けているように見えた。
おかしい事ばかりだな、と思いながら家に入ると中にも人がいた。
泥棒!?と考えたけれど、その人は帰ってきた私を見て泣きはじめてしまった。
歳は母くらい、でも見たことがない綺麗な女の人だった。
泥棒なのに何だか初めてあった気がしなかったのもあってとりあえず家に入ろうとした途端、女の人が手を突き出してきた。
「ダメだよダメだよ。見ちゃだめ」
と何回も言われ、背後を示された。
意味が解らないまま振り返ると、自分の後ろは色がついた世界だった。
また振り返って綺麗な人を見ようとしたが、そこはもう白黒の世界じゃなかった。綺麗な人もいない。
それっきり白黒の世界はみていないのだが、色盲になったにしてもおかしな体験だった。(というか、症状として有り得ないみたい)
数十年後自称霊感持ちの友人から、家への道には霊がいるという話を聞いた。
詳しく聞くと白黒で見た人達とほぼ同じ。
そして我が家には綺麗な女の人、多分守護霊だろうというのがいるのまで。
此処で軽い疑問が出来た。
最初に肩を叩いて白黒の世界を見せたのは誰なのか?
あれから白黒の視界になった事はないので、解らないままでいいのかも知れない。




36:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:35:46.94 rOy1wVJf0
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  i   /     ヽ          i
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  ヽ |"'=;,,、  、;;=''"""\       |
   .l .'vニ・ュ ,  ノニ・=  )ヘ   .,、 |
   リ/  ´|   `     .',  /)| |
    .|  r'  .-、      .| ./´/.ノ
    .|  `フ⌒´        .リノT´ .|
    .ヽ (,rェュ、ンヽ、    ノ .|  |
     \(__,ノ      /  i  |
      .`'、⌒     / /   | .|
         |ー―'´   ,'   .|リノ
       /      ̄ ̄    .ヽ
       ! イ  °    °  ト!
       |     ,,∩,,   |
        ヽ  _ (::)(::).. _ /
         ヽ┘  ̄ ̄ └'


37:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:35:58.91 eHcZCCS70
七本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました

        /⌒ヽ⌒ヽ
               Y
            八  ヽ
     (   __//. ヽ,, ,)
      丶1    八.  !/
       ζ,    八.  j
        i    丿 、 j
        |     八   |
        | !    i 、 |
       | i し " i   '|
      |ノ (   i    i|
      ( '~ヽ   !  ∥
        │     i   ∥
      |      !   ||
      |    │    |
      |       |    | |
     |       |   | |
     |        !    | |

あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第七話をお願いします・・・

38:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:36:19.17 zYhUUkPX0
七本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、第八話をお願いします・・・

39:本当にあった怖い名無し
11/08/19 21:37:02.42 AB2Q5ANU0
>>37 吹いたwww 不意をつかれたわw

40:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 21:37:06.72 pJf+sL8/0
百物語にて


去年の百物語の最中に起こった事です。
DJさんの放送を聴きながらうっとりと怖いお話を堪能していました。

しかし、もよおす物はもよおす訳であって、私はトイレへ向かいました。
私の家は1K、ユニットバスと言う事で、トイレはその中のスペースにあります。
トイレに座った時、半分閉まっていたシャワーカーテンが揺れました。
そんなに凄い勢いで入ってきたかな?と若干不思議に思いましたが
早く放送を聞きに戻りたかったので気にしない事にしました。

また、シャワーカーテンが揺れました。
少し視線をずらして、固まりました。
お風呂に誰かがいる。

いや、あり得ないんです。私は一人暮らしなんです。
鍵を開けたまま家を出た事もないし、今日家に帰って来た時も家の中からちゃんと鍵をかけました。


41:謎の少女
11/08/19 21:37:10.92 fKq6szPq0

     ∩
    _( ⌒)   ∩__ 
  / /,. ノ ̄\ / .)E)
 /i" |/ /|_|i_トi_| /     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |ii.l / /┃ ┃{ /     <  おじゃがじゃがじゃが~ おじゃが池!
 |i|i/ / ''' ヮ ''ノ/       \_____
 i|/ /j`ニT" /
 |(      ヽ
 ゞヽ  '   '|
.   |      |

42:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 21:37:47.72 pJf+sL8/0
失礼しました。先ほどの話は終わりです。

43:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:39:04.96 zYhUUkPX0
八本目の蝋燭が消えました・・・
ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、ありがとうございました
                      γ
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、第九話をお願いします・・・

44:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/19 21:39:22.82 MJGkjTcm0
【村の鎮守の・・・】(1/4)

私が住む村は南北に細長く、南端と北端にそれぞれ小さな神社があります

南端にあるのが『火の神様』 北端にあるのが『水の神様』が祀られているとされています

いわゆる「村の鎮守」とでも言いましょうか・・・

そして毎年小正月の「さいのかみ」(どんと焼きとも言われますが・・・)は

必ず『火の神様』が祀られている南端にある神社の近くで行うのが慣わしとなっています

45:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/19 21:41:32.44 MJGkjTcm0
(2/4)
実は今から30年ほど前、一度だけその場所を変えたことがあります。

その頃から村の北側が開発されて分譲住宅がいくつか出来てきたことにより北側に住む人が急増したのです

その住人の多くから「さいのかみ」の場所をもっと北側に移動させるように要望が出るようになり

多数決で北側へと移動することになったのです

46:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/19 21:43:56.13 MJGkjTcm0
(3/4)
その年、村では異常事態が発生しました

数十年、まったく火事が起きていなかった村内で半年あまりのあいだに

4件の火災が立て続けに起きたのです

ある家はタバコの不始末で、ある家はてんぷら鍋から

またある家では神棚に燈したろうそくの火が榊に引火して燃え広がったり・・・・

47:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/19 21:46:05.18 MJGkjTcm0
(4/4)
翌年「さいのかみ」はまたもとの場所に戻すことになりました

それから約30年、村内での住宅火災は1件も起きていません・・・・・

【終わり】

48:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:46:40.30 zYhUUkPX0
九本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
                      γ
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空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、第十話をお願いします・・・

49:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:49:15.31 zf04GSaIO
深夜の工場(1/3)

とある会社の出来事。
その会社は駅までの送迎バスがあった。
それに乗るとかなりの時間をかけて山の中ほどにある会社に着く。
仕事もきついので「逃げられないように送迎がある」と言われていた。
実際、自家用車での通勤は禁止。
近くに社員寮はあったけど、ほとんど入っていない状態だった。次から次へと人がやめていくらしい。
そんな職場の夜勤勤務に入ることになった。
拘束時間は一応八時間なのだが、毎日四時間残業は当たり前。
それが連日続く。
職場は二階と一階があって、私は二階にいた。
二階は着替えのロッカーと休憩室にも近くてラッキーだった。
わずか二十分くらいの休憩。その間に四十人くらいの人がいっぺんにトイレに向かう。一階と休憩室、そして二階にしかない。それぞれ三つくらいしか個室がなくて一階と休憩室のトイレはいつも長蛇の列。
仲良くなった友達と、休憩室のトイレにいつもは行っていたのだけど、その日はたまたま彼女がいなかったので私はロッカーから一番近い二階のトイレに行くことにした。
入ってみると、誰もいない。
他の混み様を知っているだけに気味が悪いながらも中に入って用を足す事に。
中に入った途端、トイレの自動ドアが開く音がした。
誰かの足音がして、隣に誰か入ったのがわかった。
用を足して出て、自然に隣に視線が行くが隣もその隣も空いている。
あれ?と不思議に思いながら、手を洗い乾燥機を使って外に出る。
空いているのが嬉しくて、度々そこを使うことにした。気味が悪いが、利便性を優先することにした。


50:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:50:17.74 zf04GSaIO
(2/3)

その日、夜中の二時くらいだったと思う。
仕事中に急に腹痛になって一人抜け出して一番近い二階のトイレに入った。
誰もいないことに慣れていたから、当たり前になっていた。
しかし個室に入ると誰かが入ってくるのがわかった。
そのまま隣の個室のドアが閉まる音がした。
用を終えて出ると、隣のドアが閉まっているのが見えた。
私以外に誰か入っているのは初めて、しかも仕事中だ。
人様の様子を伺っているほど変態ではないので、そのまま手を洗い出ようとしたところで閉まっていたドアが開いた。
中には誰もいなかった。
驚いた私の横を足音だけが聞こえて、私の立つ横の洗面台の蛇口が開いた。
水が少しの間流れて、また止まる。
そのままトイレの出入り口のドアが開いて『誰か』は出て行ったらしい。
半ば呆然としながら、私もトイレから出ることにした。
その後も何度か『それ』に遭遇することはあったけど、姿は見えないしなんとなく気のせいだ、と思い込むことにしていた。
何度かそのトイレを使用しているのを見られ、フロア長に帰り際に声をかけられた。
長「二階のトイレ、気持ち悪くない?」
私「そうですね」
確かに嫌な感じはするけど、便利なのには代えられない。
長「あの二階のトイレ、皆使わないの。
幽霊が出るからって」
言われてやっぱりそうなんだ、くらいにしか思わなかった。
今まで遭遇した事もフロア長には一応話してみた。
長「怖くない?」
私「姿見てませんから」
どうやらかなりの人が体験しているせいで、あの二階のトイレは使われなくなったらしい。
気をつけてね、とは言われたが、別に害はないのでそのまま使用することにした。
休憩になり、話の種にと友達と一緒にその二階のトイレに行くことにした。
それぞれ個室に入ったところで、トイレのドアが開く音がした。


51:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:52:43.94 zf04GSaIO
(3/3)
その日、私はいつも入っている一番奥のトイレではなくて、『何か』がいつも入っているトイレのさらに隣にいた。
友人には私がいつも使っているトイレを使用してもらった。
誰か入ってくる音に友人が声をかけてくる。
友人「これ?」
私「うん、そう」
友人に答えながら、用を足し終えてドアを開ける。
もしかしたら私達が入ってきたのを見て、他の社員が入ってきたのかもしれない。
下手にいうのも申し訳ないので、手を洗うために洗面台へと向かった。
友人「ねぇ、本当にここでるのかな?」
私「さあね。でも空いているからいいじゃない」
それから友達の声は聞こえなくなった。
おかしいな?と思いながらも、とりあえず怖いだろうからトイレの中で彼女を待つことにした。でもなかなか出てこない。
いい加減痺れを切らせて、彼女を呼ぼうとした時悲鳴が聞こえた。
泣き叫ぶ声と共に、彼女がトイレから飛び出してくる。
私がどうしたのかと聞く前に、彼女はトイレから走り出していく。
それを見送ってから私が彼女のいたトイレを見ると、閉まっているトイレとの壁に黒いものが見えた。
彼女が見たのはそれだろう。閉まっている真ん中のトイレから、『何か』が壁を乗り越えようとしていた。
短い髪の赤いワンピースの女。黒く見えたのは髪の毛だった。
仕事着は白いし、帽子を被っているので絶対に社員ではない。
友人は女の顔を間近でみてしまったらしい。
女は私をチラッと見ると、また閉じられた個室に戻った。
私も手を洗うとそそくさと出ることにした。あの女が出て来る前にと。

あとで友達に聞いたところ、あの女は「いつもと違う」と何度も言っていたらしい。
つまりいつもは私が至近距離で女に見つめられていたんだと思う。
半分潰れた顔で、間近で覗き込まれた友人はすぐさま会社を辞めてしまった。
しばらくの間私はその会社に通っていて、変な物音を聞いたりおかしなことはあったがそのトイレに懲りずに世話になっていた。だがその女は二度と見てない。



52:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:53:43.10 zYhUUkPX0
十本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
                      γ
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:色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第十一話をお願いします・・・

53:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 21:58:31.28 pJf+sL8/0
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3w様

「心霊写真」


友人達と久しぶりに会ったとき、数年前に撮った集合写真で心霊写真っぽく
ふざけて写したものを見る事になった。

だけど1つだけ、どうしても手がありえない場所にあるものがあった。

肩の上に手のひらが乗ってるような、構図的にはありがちなんだけど、
誰もそこに手を置いた記憶がない。

そのうち1人が「あ、これ、マジだわ…」ってつぶやいた。

「だって、無いから。」

って。

他のヤツも「…マジだわ」「やばいよ、これ…」とか言い始めた。

どうしても判らなくてイライラしながら「だから、何がないんだよ!」
って聞いたんだ。

そしたら、そいつと他のヤツも一言で言い切った。


「だってこの手、生命線が無い。」


【完】

54:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 21:59:16.76 gRUjOSJV0
十一本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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御闇内 ◆1.vBi/ONCQさん、第十二話をお願いします

55:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:59:38.05 zYhUUkPX0
    「レプリカ」     1/3


僕の母は、15才の時に上京し、そのまま知り合いの美容院で働くことになりました。

高度成長期に乗りかけの、まだまだ貧しい時代でした。
お客さんの中には、戦争から帰還した“Sさん”という方がいて、皆から“兵隊さん”とよばれていました。
Sさんは、お店に来る時はいつも有名な羊羹など、珍しいお土産に持って来てくれて、母が喜ぶ顔を嬉しそうに見ていたそうです。

ある時、お店の皆さんで、T山に登りにいくことになりました。母もとても楽しみにいきました。
しかし山の入り口に入る時に、目の前の光景に動けなくなったそうです。
そこには包帯をグルグル巻きにした兵士が何十人と座り込み、割れたドンブリを膝元に置いていました。
右腕のない兵士の隣にいたのは、いつもニコニコと羊羹を持って来てくれるSさんでした。

一瞬、目が合った気がしましたが、母はすぐに顔を見られないように頭を垂れてその場を離れました。
一緒に来たお店の人達は、気付いてないようにしているのもわかりました。

(兵隊さんは、どんな思いであそこに座っていただろう、と思うと胸が苦しくて仕方なくなるの。)
(肩より低く頭を垂れながら乞うたお金で、自分の食べる物も買わず高い羊羹やお団子を買って、、、私は何も知らずに私は喜んでたの。)

母は、山登りもお参りの時も涙がぽろぽろと止まらなかったそうです。


56:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:00:24.81 zYhUUkPX0
2/3

それから三年後の夏、優しい兵隊さんは亡くなりました。

あのT山で見かけてから一度だけ店に来て、母に受けとってほしいものがあるのと言ったそうです。
その時に渡されたのが、人の頭部の彫り物で、学校の美術室に飾ってあるようなものでした。
母の記憶では、大きさは大人の拳くらいだったそうです。
「これは本物を真似して作ったんだよ」
Sさんは、少し笑ってそれだけしか言いませんでした。
母には、その価値はわかりませんでした。
ですが初めてもらう珍しくてきれいなものがとてもうれしくて、箪笥の上に飾って毎日やわらかい布で拭いていたそうです。

しばらくして、他の住み込みの人から
「うす暗い時に、あの頭が話してるみたいに口が動いて見える」と言われるようになりました。
母は、いたずらでそんな話が出てるんだ、くらいにしか思っていませんでした。


その朝、母はいつも通り住み込みの家を掃除していました。
そしてあの彫り物の前を拭いていたところ、突然、なんの前触れもなく「カシャン」という音を立てて、頭部が割れてしまったのです。
咄嗟に手を出した手に尖った破片が刺さり、指先から血が流れました。

母はそれを押さえることも出来ずに割れた頭部を見ていました。

「それ」は

57:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:01:51.82 zYhUUkPX0
3/3

母の血が滴れた、割れた破片の中で

唇がわなわなと動いていました。「ワタシ」と言ってるようでした。

目が合いました。その瞼が震えていました。

「それ」は泣いていたのです。

母は倒れました。意識が遠のく時、耳鳴りがまるで蝉時雨に包まれているようだったと言います。

店の奥さんに揺り起こされて気が付きました。

奥さんは、「サワちゃんどうしたの?!あら怪我してるじゃないの」と驚いてハンカチで母の指を押さえながら
「兵隊さん…Sさんを覚えてる?亡くなったんですって。汽車に轢かれて…」

そして割れた置き物を拾いながら 「頭が割れてたんですって……」

あとから聞いた話では、兵隊さんは狂ったように「待ってくれ」と泣き叫びながら、誰もいない踏切の中に飛びこんでいったそうです。


母は今年の夏も、蝉時雨の鎮まりを待っています。  


                     【完】

58:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:02:00.95 gRUjOSJV0
十二本目の蝋燭が消えました・・・
御闇内 ◆1.vBi/ONCQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第十三話をお願いします

59:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:02:36.51 pttk6Sb50
「足跡」

(1/2)
アパートの私の部屋の横には「使われない鉄製の階段」があります。
(以下「トマソン」と書きます)
住人が2階に上がる階段は入口にあるし、何のためにそこにあるのか未だにわかりません。

最初に話しておきますが、トマソンに行くには子供か、大人なら小柄な人でも横に
歩かなければ通れないくらいの通路しかなく、中の通路からは子供でも体を小さくして
やっと通れる隙間があるだけです。
私は10年近くアパートに住んでいますが、一度もそのトマソンを上り下りする音を聞いた
事がありません。そんなトマソンだけれど、住むのに邪魔になるわけでもないし特に気
にもしていませんでした。

ある日の冬、珍しく雪が降りました。雪国生まれの私はとても懐かしくまた嬉しくも
あり、夜にかけて2㎝くらい積もった雪をベランダからとトマソンに積もった雪も携帯
で撮りました。
翌朝、もう溶けたかな…と雨戸を開けるとまだ積もったままなので、私は携帯片手に
雪の上を歩こう、と思いうきうきして部屋を出てトマソンを横目で見てギョッとしました。

昨日の夜には無かった足跡がトマソンの真ん中あたりの2段にだけついているのです。

60:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:03:50.75 pttk6Sb50
(2/2)
私はとっさにベランダと出入り口に行き足跡を確認しましたが、トマソンに行く足跡は
どこにもありませんでした。
私は不気味に思いながらもその足跡を観察して、ますます驚愕しました。

足跡は下からのものも無いし、上に向かうものも無いのです。そしてつま先だけの足跡
で踵の部分が無いのです。
後で階段を確認しましたが、足が乗る奥行を測ったら26㎝あり、外股の踵の無い足跡を
推測すると30㎝もの足のサイズという事になります。

…私はこの無用の階段をもうトマソンとは呼べなくなりました。
あれから何度か雪が積もるけど、もう階段に足跡がつく事はありません。

でも、今は見えないけど、確実に誰かが毎日利用しているかもしれないのですから…。

「完」

61:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:03:54.95 gRUjOSJV0
十三本目の蝋燭が消えました・・・
あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、ありがとうございました
                      γ
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鈴羅 ◆TCpk32es4VKmさん、第十四話をお願いします

62:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:04:26.43 pJf+sL8/0
鈴羅 ◆TCpk32es4VKm様

「よく見る夢」

1/2
夢でさ、何度も見る夢ってあるよな。
俺の場合何個か種類があるんだけど、今回はその中の一つ。
夢の中で俺は薄暗いビルの中にいる。
非常口の明かりしかないようなところで、中央に螺旋階段があって、その周りにいくつも部屋がある。
毎回、メンバーは変わるんだけど何人かの友人達と一緒にそのビルを探検してる。
ちゃんと目的があって、高校時代は部室を探すため、とかだった。
なぜかいつもビルの3階くらいから始まって、どんどん地下へ降りていく。
部室を探してたりするわけだから周りの部屋もどんどん開けていく。
部屋の中には大体幽霊がいて、皆に見えてる。
どいつもこいつも青白い顔で髪の毛を振り乱してたり恐ろしい形相で扉を開けてすぐの所にいる。
皆怯えるんだけど俺だけ妙に冷静で、なぜか幽霊たちは俺にどんどん付いていく。
地下階の始まりまで降りてくといつも着流しの着物に羽織ものはおってスーツなんかで被るような
帽子を被った小柄だけどどっしりした貫禄のある爺さんがいる。
爺さんは「おう、待ってたぞ。」なんて言って俺たちを先導していく。
ここから先はビルからどこかの神社か仏閣の中みたいな和風の建物を歩いていく。


63:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:05:08.04 pJf+sL8/0
鈴羅 ◆TCpk32es4VKm様

2/2
地下のはずなのに障子窓があって、ほんのり明るい。歩いているところは狭い廊下で人一人がやっと通れるような幅。
障子窓と、反対の壁にはちょっとした棚みたいな段差が有って、色々な材質の小さな仏像が置いてある。
水晶とかガラス、石などの普通のからガスライター用のボンベ製のまで。
さっきまで怖い雰囲気のとこにいたもんだからつい仏像に拝もうとすると前を歩く爺さんが振り返って
「拝むなよ」って冷たい声で言う。「ここのは拝むもんじゃないんだ」らしい。
さらに狭い廊下を歩くと、仏像は無くなって周り一杯におみくじの結んだのとか唐辛子みたいなガラス細工
がつるしてある場所を潜る。
潜った先には見上げても膝しか見えないような大きな仏像と、その前に赤い座布団が置いてあって俺らは一人づつ
そこの座布団に座って仏像を拝む。
爺さんはその間俺の背中をさすりながら「頑張った、頑張ったな。」って言ってくれる。
それが終わると厄払いの時なんかで入るような待合室に通されて、だいたいいつもそこで目が覚める。
この間の夢では俺はそのあとトイレに行って爺さんに「尻にまだいる」って言われて尻をゆっくりさすられたがw
さすられてる間はすっごく暖かくて、温熱マッサージみたいに気持ちがいいのと、不思議とどの場面でも怖くないのが
俺的にオカルト。
そうそう、その爺さんだけどこの間母ちゃんに夢のことを話したら古い写真を見せてくれた。
母ちゃんのほうの親戚で、俺の曾曾曾爺さんにあたる人らしい。



64:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:05:13.25 gRUjOSJV0
十四本目の蝋燭が消えました・・・
鈴羅 ◆TCpk32es4VKmさん、ありがとうございました
                      γ
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空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、第十五話をお願いします

65:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:08:17.37 zf04GSaIO
峠の女(1/2)

友達とコンビニに行ったときの話。
有名な走り屋の集まる峠の下のコンビニで、やんちゃな連中がたくさんいた。
その中でコンビニの中で買い物をする為にレジに並んでいた。
結構人がいたので、面倒だなーなんて思っていた時に山の方から猛スピードの車がくるのが見えた。急ブレーキの音が店内まで聞こえて、皆何事かとそっちを注目した。
停まった車はDQN車。
そこから慌てるように二人の男が飛び出してきた。自動ドアが開いて、その男二人は口々になんか喚いていた。
「女が!」「幽霊だった!」
そんな事を言っていたと思う。はっきり言って動揺しすぎていて、噛み噛みだしわからん。でも顔は真っ青で。
幽霊が出ると有名な峠だし、そんなに気にしてなかったんだけど、そのうちレジで並んでた一人が「わっ!?」と声を上げた。
そのうちに店内がぎゃぎゃーと騒がしくなって、店の中の客は窓際じゃなくて奥の方へと逃げ出してた。
なんだろうと思った時に、友人に教えられてようやくわかった。
DQN車の中を覗き込んでいる女がいた。
どう考えても普通の女じゃなかった。動きが何か変。
そのうちこちらに気づいて全力で走ってきた。長い髪がぐっしょり濡れているみたいだし、服もなんだか汚い。しかも裸足。
なんだか向こうが透けて見える。
もう店内大パニック。


66:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:09:10.42 zf04GSaIO
(2/2)

バンっ!て音がして、女は自動ドアにぶつかってそのままその場にしゃがみ込んだ。
何が起こったのか一瞬わからなかったが、悲鳴は大爆笑に変わった。
自動ドアが開かなかったから、全力でぶつかったのだから相当痛そう…。
笑ってから、落ち着いてもう一回見たときには女はいなかった。
ドアの前にも駐車場にも。
女が『人間じゃない』事に気づいて笑いもしぼんでいった。
姿が見えないだけで、まだいるかもしれない。笑った自分達を恨むかもしれないと、誰ともなく思ったんだと思う。
とりあえず会計を終えても誰も出て行かない。出入り口に近づくのも誰しない。
十分くらい経ってから、奥から店長らしき人が出てきて自動ドアの前に向かった。
「大丈夫ですよ」
って言いながら泣いていたDQN二人に塩をばらばらと投げつける。
「怖い人は言ってください、塩サービスしてます」
笑いながら言ってる店長のお言葉に甘えて、塩を撒いてもらってみんな外に出ることにした。やっぱり女の姿はなかったけど。
「これで三回目です」
とこっそり教えてくれた店長。どうやら峠を攻めるDQN車に憑いてくるんじゃないかということだった。
実は私は女を見たのはこれで二回目。
一回目は生きている人間じゃないかと本気で思ったくらいだ。
一回目の時は、車の屋根にしがみついてそのまま女は行ってしまったので正直、ドッキリ系の撮影かと思っていたんだけど。
違ったらしい。



67:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:09:18.57 gRUjOSJV0
十五本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
                      γ
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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第十六話をお願いします

68:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:10:11.70 pJf+sL8/0
キツネ ◆8yYI5eodys様

「小さなワンピース」


【小さなワンピース】1/4
私が子供の頃、近所に仲の良い幼馴染がいました。
1人は同級生のAくんで、もう1人はその2歳年上のお姉ちゃん。
家が近く家族ぐるみの付き合いもあって、ほぼ毎日のように遊んでいたもんです。

あれは小学生の夏休みのこと。

いつものように幼馴染宅の裏手の河原で目一杯遊んでいた私たちは、
突然降り出した夕立でずぶ濡れになりながら逃げるように幼馴染宅に駆け込みました。
おばさんから「あんたたち今日もね!」とお小言を頂戴し、
みんなでお風呂から上がった後、私とAくんがゲームで遊んでいた時です。

ちょいちょい、とお姉ちゃんに手招きされて私とAくんが付いて行くと、そこは見慣れたAくんとお姉ちゃんの部屋。
私とAくんが腰掛けるなり、お姉ちゃんが切り出しました。


「暑いからちょっと怖い話してあげよっか」


私たちの返事も聞かずに、お姉ちゃんはポツリ、ポツリと語り始めました。

69:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:10:52.85 pJf+sL8/0
【小さなワンピース】2/4
それは昨晩の話だそうで。

その晩は夕方の大雨のせいか蒸し暑さを増した熱帯夜で、お姉ちゃんはなかなか寝付けませんでした。
真っ暗な部屋の中で聞こえてくるのは寝ている弟のAくんの寝息と、開け放した窓の外、堤防を挟んだ川の音。
その時、お姉ちゃんは『川の音』が妙に耳に付いて、ますます意識が冴えてしまったそうです。

不意に川の音に混じって、

ずる……ぺちゃり。

と、如何とも形容しがたい音が耳に届きました。


ずる……ぺちゃり。

ずる…ぺちゃり。

ず…ぺちゃ。


音は次第に間隔が短く、次第に大きく。
まるで自分に向かって近付いている、と感じたお姉ちゃんは真夏の熱帯夜だというのに寒気を感じたといいます。


ぺちゃ…ぺちゃ…ず…ぺちゃ。


耐えきれなくなったお姉ちゃんは頭からすっぽり布団をかぶって、泥棒だったらどうしよう?早く弟を起こして逃げた方がいいんじゃないか?などと考えたそうです。



70:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:11:46.03 pJf+sL8/0
【小さなワンピース】3/4
どれほどの間そうしていたのでしょうか。
お姉ちゃんがじっと耳を澄ますと音が止んでいます。

――そうだ、今のうちにお母さんのところに行こう。

そう考えて、恐る恐る布団の端を持ち上げた時でした。

……ぺちゃ!

布団の隙間に見えたのは小さな目。
いいえ。
眼球の無い真っ黒に窪んだ眼窩で、じっ、とお姉ちゃんを覗き込む小さな女の子の顔でした。

――痛い。冷たい。痛い。動けない。助けて。

そんな感情が奔流のように混ざり合ったところで、お姉ちゃんの記憶が途切れたのだそうです。


翌朝、お姉ちゃんが目を覚ますと、そこは朝日が差し込む自分の部屋でした。
気持ち良さそうに寝ていた弟のAくんを蹴り起こそうとした時、ふと昨晩の記憶が蘇って何気なく窓の外に目を遣りました。
窓の下、日差しが照り返すコンクリートの上の何かが目に入ります。
お姉ちゃんが網戸を開けて拾い上げたのは、水玉模様の布切れ。



それは所々が大きく破れた、びしょ濡れの小さなワンピースでした。

71:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:12:27.11 pJf+sL8/0
【小さなワンピース】4/4
以上がその日お姉ちゃんから聞いた、じゃなくて無理やり聞かされた話でした。
お姉ちゃんが語った内容は強く印象に残っているのですが、いやはや、文章にするとなかなか再現できないものですね。
お恥ずかしい限りです。

さて、余談ではありますがこの話にはちょっとした続きがあります。

お姉ちゃんの話を聞いて2日過ぎた頃だったと思います。
家族で食卓を囲んでいた時、テレビから私が住んでいる町の名前が聞こえてきました。
普段、ご町内で交通事故や火事が起きると大事件として話題を独占するような小さな田舎町です。
しめた、明日の登校日の時友達と話すネタになる、とでも思った私はテレビに釘付けになりました。

テレビに表示されていたのは、私の家から5キロほど離れた地区の名前。
簡略化された地図の、川の真上に描かれた赤い×印。
後ろに(5)と書かれた女の子の名前。
その名前の前に書かれた『死亡』の文字。

そして……ローカルニュースのキャスターは最後に「死因は水死とみられています」と読み上げました。

後で分かったことなのですが、亡くなられたのは10キロ以上離れた川の上流の隣町の女の子で、
ちょうどあの日――お姉ちゃんが夜中に奇妙な体験をした日に行方不明になっていたのだそうです。


川で亡くなった女の子と、私の幼馴染お姉ちゃんの体験は何か関係あったのでしょうか?

今となっては分かりませんが、ただ一つだけ。
翌日から幼馴染のお母さんのお小言に「川で遊んじゃダメだからね!」という一言が追加されたのを鮮明に覚えていることぐらいでしょうか?


【完】

72:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:12:31.44 gRUjOSJV0
十六本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
                      γ
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あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第十七話をお願いします

73:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:13:08.19 pttk6Sb50
「古道具」

(1/2)
とある城下町に行った時の事、城を見た帰りに土産物を見ていました。
私は古道具にとても興味があり、その時も一軒の古道具屋さんを見つけました。

そこでは道具を売っているのではなく、ご主人の先代が薬問屋で、ご主人曰く
「この店構えを残しておきたかった事と、この町を訪れる人に歴史を紹介したくて
この場所を展示場にしたんです」と。
ご主人がそうしているうちにご主人の元に明治以降の古い物が集まるようになり、
その当時の薬の看板を始め、下駄、旅の小物、秤、地図…等々、所狭しと古い
ものがたくさん展示されていました。
私はひとつひとつどんな時にどういうふうにして使うのかを聞くとご主人も細かく丁寧に
教えてくれて、私は昔の人の知恵の凄さに感心したり、ご主人とたくさんお話をして
和気あいあいと長い時間を過ごしました。

そこには薬屋の帳場もあり、薬箪笥や屏風もありました。ご主人の意向であがらせて
もらい、また細かく見ていると、ご主人が額縁に飾ってある書きものを「これは勝海舟
直筆の書です」と言うので「ええ~、凄い!」と驚いて、また帰りがけに写真を撮って
もいいかと聞くと「どうぞ気兼ね無く」と言うので気になるものをたくさん撮り、
帳場を撮ったあと、フラッシュを点けてない事に気づき、帳場だけフラッシュを点けて
2枚撮りました。

74:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:14:21.05 pttk6Sb50
(2/2)
私は良い旅だったなぁ…と電車の中で撮った写真を見直しました。
するとフラッシュを点けた帳場の写真にうっすらと煙草の煙の様な白いもやが写って
いました。2秒前に同じ場所を撮った写真には写っていません。
どう見ても光の反射ではなく、被写体が動くわけは無いし、私も手元を動かしていない
のでブレた時のものでもありません。

…これは何だろう…何か変なものが写ってしまった…
私はこういう写真を初めて撮ったのですが特に怖さも感じませんでした。
もしかするとご主人と楽しそうに会話をしていたから、先代も話を聞きに来たのかな。
そう考えたらとても微笑ましく感じました。
だけどもしかすると勝海舟の霊だったら凄い事ですよこれは…とあとでちょっとだけ
思ったのはここだけの話です。

「完」

75:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:14:24.99 gRUjOSJV0
十七本目の蝋燭が消えました・・・
あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、ありがとうございました
                      γ
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空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、第十八話をお願いします

76:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:16:04.60 zf04GSaIO
住職(1/3)

ある事情で、幽霊が出ると言う家に住むことになった。
本当に怖い思いもしたのだけど、その時にアル中じゃないかってくらい酒が好きな住職にお世話になった。
背中に大怪我をしたりしたけど、その時に助けてくれたのはその住職だった。
幽霊屋敷を出ることになってしばらく、私はようやく落ち着いた生活ができるようになった。
住職とは二ヶ月くらいは連絡を取らなかったと思う。
その日、どうしても幽霊屋敷にいけなくてはいけない事になっていた。
私の土地、ということになるので下見みたいなものだ。
初めてこの家に来るAさんという人と一緒で、お互い結構緊張していた。
ぼろぼろの家だし、中ではかなり怖い目にあった。
住職の話では、特に危害はないだろうって事なので中に入って見学…みたいな話だった。
Aさんも肝試しみたいだね、なんて冗談を言いながら中を見て回った。
中で傷害事件もあったし、そのままで放置されていたので変なにおいもした。
「本当に出るんですか?」
なんて聞かれて、さぁとしか答えることが出来なかった。
昼間だし、そんなに怖いことは起こらないだろうって思っていたし。
家の惨状について説明しながら、丁度二階に行こうとしていた時に、突然叫び声が聞こえた。
家に来たのはAと二人っきりなので、当然第三者の叫び声となる。
というか、前にもこんなことあったな…と、背筋が寒くなる。
Aさんも長く続いている『うおー!』見たいな叫び声に、ぞっとしてきたみたい。
どうしようかって顔を見合わせた途端、二階で何かを叩くような音と、走り回る音が聞こえ始めた。
明らかに五、六人騒ぎまくってる感じ。
部外者入れたのがまずかったか!?と、もう青ざめて座り込みそうなAさんの手を引いて外に出る。
そしたら、ぴたっと止まった。
怖くなって車の近くまで避難したけど、家はなんともない。
叫び声も聞こえないし、何も壊れた様子はなかった。
「今のなんですか!?」
「さぁ」
めちゃくちゃ慌てるAさんには申し訳ないけど、それしか言えなかった。


77:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:17:23.87 zf04GSaIO
(2/3)

夜ならわかるけど、こんな昼間にってのが正直怖かった。また霊体験が続くのかと本気で泣きそうだった。
その時、地面が大きく揺れた。
地面だけじゃなくって、家もその後ろの林も。
―3・11の本震だった。
少し広い場所まで逃げて、その後ろで幽霊屋敷が倒壊してくのが見えた。
揺れに耐え切れなくって、二回目?の大きな揺れであっけなく倒壊した。
「運良かったですね……」
なんて弁護士さんは言ったけど、どう考えても地震前に追い出されたって感じだった。
住職いわく、私は『気に入られている』らしいので、そのおかげかもしれないけど。ともかく、家と一緒に死ぬことはなかった。
ほっとして余震もそれほど大きいのがないのを確認してから、とりあえず車で山を降りようってなった時に、携帯電話が鳴って出ると本当にタイミングよく住職から電話があった。
『大丈夫か?』
「今の地震大きかったですね。
私は大丈夫ですけど、そちらは平気ですか?」
音が悪くて、雑音が入る。
もともとそこでは携帯の電波が入りにくかったから、気にしなかった。
『絶対にその土地は手放しちゃ駄目だよ。
今は君が居るから落ち着いているから。
遠くへ引っ越すにしても、土地の名義だけは死ぬまで離しては駄目だ』
ああ、来ているの知ってたからだなー、なんて思った。
「はい、わかってます」
答えながら、隣では一生懸命家族と連絡を取ろうとするAさんの姿。
混乱しながら、車に乗り込んで帰ろうとAさんに促される。
「それじゃ一度そちらにも顔を出しますから」
『気持ちだけでいいよ。
それより気をつけて。これから色々あると思うけど、俺は君の味方だから。
ずっと守っててあげるから、安心しなさい。破戒僧だけどね』


78:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:18:11.13 zf04GSaIO
(3/3)

酔ってんのかな?とか思いながら、そういってくれたのが嬉しかった。
「ありがとうございます。
それじゃまた」
なんていって、電話を切った。
切ってから今度は知人に電話をしようと思ったけど、電話が通じなくなってた。
山だからとかそういう問題じゃなくって。
地震の影響で、一日くらい携帯では連絡が取れなくなった。
幸いネットやメールで連絡取れる人は大丈夫だったけど。
二日後、最初に住職を紹介してくれた人から連絡があった。
地震の直後に、住職は亡くなったことを教えてもらった。
自宅が倒壊して、亡くなっているのを発見された。後で聞いたら即死だったらしい。
じゃ、昨日の電話は?と確認しても間違いなく十五時代に住職からの着信記録があった。
死んでまで心配してくれたのだろうかと思うと、本当にごめんなさいと思う。
巻き込んでしまったせいで、迷惑かけたし、凄く良くしてもらった。
お礼もしてないのに……。
そう思うと、凄くやりきれない。
家族じゃなくって、こんな他人を気にかけてくれてありがとうございました。
あれからまだ色々あるけど、ちょっと運が良かったりするのは住職のおかげかもしれないと勝手に思うことにしている。




79:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:18:15.41 gRUjOSJV0
十八本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
                      γ
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色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第十九話をお願いします

80:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:21:32.56 pJf+sL8/0
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3w様

「全盲の親戚の爺さん」

小学校3年生の夏休み、母の田舎である長野に行った。

親類の家に泊まるのだけど、そこに「全盲」のお爺さんがいた。

爺さんは全盲ではあるけど何十年とそこに住んでいるので
杖さえあれば近辺の散歩などは当然軽いものだったが、

「ほれ、見ろ、そこにカエルがいる」
「屋根の上に猫がいるな」

など、「全盲」では判らないはずのものを指摘していた。

しかもそれは、夜での出来事だった。


【完】

81:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:21:40.02 gRUjOSJV0
十九本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、第二十話をお願いします

82:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:22:47.82 pJf+sL8/0
後日談

心霊スポットに行った次の日の事です。
友人と深夜のドライブに出かけ、山の中で車をとめて話し込んでいました。
駐車場には4本のライトがありました。
まず、私達の居た所のライトが消えました。
「なんか消えちゃったねー」
そんな事を言いながら車を回し別のライトが点いているところへ。
数分後、また私達の居た所のライトが消えました。
「何か法則性があるのかな?」
と、私達はおもしろ半分でまたライトの点いているところへ車をやりました。
しばらくして、やはり消えました。
残りはあと1本。何分おきに消えるか、これは法則性なし。
そこに行ってから何分か、これも法則性なし。
やはり好奇心が勝ちました。
最後の1本へ車を移動させました。
まさか全部は消えないだろうと思っていました。

数分後、消えました。
二人とも無言になりました。ゆっくりと車を走らせ、下に降りていきます。
夜も遅いし帰ろうと言う事になり、私の家まで送ってもらう事になりました。
あともう少しで家、と言う時。
スナックの看板が一斉に消えました。3時39分でした。
そこには、スナックが4軒ほどありますが全ての看板が一斉に消えるなんて事はあり得ません。

友人はかなり怯えてしまい、とりあえず早く帰るしかありませんでした。
家の下まで送ってもらい、家に入って明かりをつけて思った事があります。


私は家を出るとき、廊下の電気は絶対に、消さない。
【完】

83:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:23:28.98 pJf+sL8/0
名前を代理投稿のままにしてしまいました。すみません。ゆあでお願いします。

84:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:23:33.44 gRUjOSJV0
二十本目の蝋燭が消えました・・・
ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、ありがとうございました
                      γ
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仏師 ◆/g.//wsKSn4Bさん、第二十一話をお願いします

85:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:24:15.04 pJf+sL8/0
仏師 ◆/g.//wsKSn4B様

人形供養
 
身寄りのない叔母が亡くなり、唯一の親族である私の実家で葬式を出した後に、叔母の遺品を整理していたら
古い日本人形を見つけた。古いわりには手入れをしていたらしく、痛みが見えない。
形見分けでもないが、私がその人形を貰うことになった。だが、婿養子の彼が「気味が悪い」と
いいだし渋々、離れにある土蔵に収納して四十九日が過ぎた頃。
深夜になると壁に何かを、ぶつけてる音が聞こえてくる。さすがに三日三晩続いたのに業を煮やし
彼と音のする方に行ってみた。
 やはり土蔵の中からで かすかに、童謡も聞こえるではないか。。。
京都では有名な丸竹夷(まるたけえびす)といって子供が覚えやすい歌詞である。
懐かしいと思いながら、ぶつかる音は手毬だと判明したが鍵を開ける勇気もなく
翌朝に神社の方に相談し引き取ってもらうことにした。
 住職曰く「叔母が生前より寂しい時に話しかけたり、遊んでいた」想いの入った人形であり。
念が強いので、護摩木で箱をつくりその中に納め、封し、御炊き上げをする。と。
 当日、他の人形と共に焼かれる最中に、怪異が起きた・・・箱が動く?正確には暴れているとの
表現が正しいだろうか。ゴトゴトッ!ギギギ!ガリガリガリッ!そして弱々しい歌声で
丸竹夷を!・・・なんだか悲しくなって自然と泣いている私が「お人形さんを叔母さんへ送ります」と
ポツリと発したらその振動は収まり、わらべ歌も聞こえなくなっていった。

              完

86:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:24:44.41 zYhUUkPX0
二十一本目の蝋燭が消えました・・・
仏師 ◆/g.//wsKSn4Bさん、ありがとうございました
                      γ
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冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6さん、第二十二話をお願いします・・・

87:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:33:10.72 zYhUUkPX0


失礼いたしました・・・

啓 ◆N5NMa8pQLuy1さん第二十二話をお願いします・・・

88:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:35:34.62 pJf+sL8/0
啓 ◆N5NMa8pQLuy1様
【彼女の声】
1/3
10年程昔の事ですが、幼なじみのお兄さんにHさんという男性を紹介されました。
ドライブへ連れて行ってもらい、お食事をしてその日はお別れ。
部屋へ入り落ち着いた頃にPHS(当時)へ着信。Hさん。
「今日はどうもありがとう!また時間作って会ってくれる?」
素敵な方だったので、もちろんOK。
幼なじみのお兄さんへすぐに電話して、報告したのですが
話を聞くと3年近く彼女もいなくて、好きな人もなかなか出来ないヤツだと。
ふーん・・・と思いながらも、ラッキー!くらいにしか思っていませんでした。

その次の日の夜12時近くに、Hさんから着信。

「残業でこの時間だよー。ごめんねこんな遅くに」
「全然大丈夫だよー、この時間ならまだ起きてたし」

などと他愛もない会話をしていたのですが、横から女性がHさんへ

「ちょっと誰と話してるの!?」
「また女?」
「いい加減にしてよ」

うわぁー、なんだかんだ彼女?らしい人いるじゃないのと落胆し
彼女いるの?とも聞けず(Hさんに悪いので)、素っ気無く電話を切りました。
それが気になったらしく、次の日もその次の日も着信がありましたが無視。
それから一ヶ月程経った頃、幼なじみから電話があり、その時の事を聞かれました。

「Hが気にしてたぞー、悪い事言ったんじゃないかって。」
「だって、Hさん彼女いるんだよね?話してる時に横から文句言っててー!」
「そうかー・・・ じゃあHに言っておくから、次に電話来たら出てやってくれ」


89:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:36:15.31 pJf+sL8/0
2/3

そのあとすぐにHさんからの着信。電話に普通に出ると、どうも様子が変で。
前に会話をした時に、どんな事を女性が言っていたのかなどを詳しく聞かれました。
一通り話したあと、こちらもなんなのだろう?と腑に落ちなかったので
なんなのですか?と少し怒り気味に聞くと、少し黙ったあと静かに言いました。

「Eちゃん、俺本当にEちゃんとだったら仲良くなれるんじゃないかと思ってた。
けど迷惑を掛けられないから、俺はもう近づかないよ」

なにかあるなとピンと来たので、良かったら教えてくれないかな?と。

「俺が好きになりそうな人が出てくると、必ず邪魔をする女がいるんだ。
前に好きになったコも、Eちゃんと同じこと言ってたよ。彼女いるんでしょう?って。
そのコは交通事故に遭ってしまったし、他のコも色々・・・」


90:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:36:56.83 pJf+sL8/0
3/3

それ以上は聞けなかったので、すぐに幼なじみへ電話。
そこで聞いたのは、Hさんが付き合っていた女性が勘違いで自殺してしまったと。
電話での声だけでも、当時はもの凄く怖かった事を覚えています。
けど、それだけじゃないんです。

それから1ヶ月も経たない頃、友人らとClubへ行った時の事。
フロアで踊っていると、こちらへ視線があるのに気付き見てみるとなんとHさん。
偶然同じClubに居たみたいで、まずいなぁーと。お互い言葉は交わさずにいたのですが
なんとなく意識をしていて、居心地が悪く。
フロアから出て、カウンターへお酒を取りに行った時。

私の頭上に、高さ数メートルあるであろう天井からライトが落ちてきました。
近くにいた従業員が庇ってくれて、私には一切怪我はありませんでしたが
その人は手に怪我をしていました。すぐにオーナーが来て、今までこんな事は無く
大変申し訳無いと謝罪してくれましたが、私は放心状態。

普通にそんな事故があったら、怪我が無く良かったで済むのですが
私には思い当たるフシがあるので、言葉も出ず。
私を追いかけて、フロアから出てきたであろうHさんがすぐ後ろに居て
振り返ったままの姿勢で、じーっと見詰め合ったまま無言。
Hさんはお友達を連れて、挨拶もせずそのClubから出て行きました。

そのHさん、今どうしているのかも幼なじみに会っても聞けずにいます。


終わり

91:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:38:50.92 zYhUUkPX0
二十二本目の蝋燭が消えました・・・
啓 ◆N5NMa8pQLuy1さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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はつし ◆qIYKkyK6xEさん、第二十三話をお願いします・・・

92:はつし ◆qIYKkyK6xE
11/08/19 22:39:44.20 QHOsZPO5O
「お墓参りごっこ」

(1/2)
小学生の頃の話。
ぼくらにとってそこらじゅうにいる昆虫は格好のオモチャだった。
とんぼの頭をちぎって飛ばしてみたり、蝶の羽をもいでずらっと並べてみたり、燃やしてみたり、水をかけてみたり…。
毎日毎日飽きもせず繰り返してた。
ぼくだけじゃなくて同じぐらいの年の仲間は皆やってたことだから、まぁ子供特有の残酷さってやつです(今はもう虫に触れる事さえできないヘタレに成長しました)。
遊んだ後の残骸は放置して自然に返してたんだけど、ある時、誰かがそれらを地面に埋めて土を盛り、更に木の棒を差してお墓に見立てたものを作った。
それから、皆がお墓を作るようになった。
手を合わせて祈ったり、お経っぽい言葉を呟いたるする奴もいて、そしてそれも誰からともなく皆が真似をした
暫くすると、神妙な顔をして『お墓参り』をする、その行為自体がだんだん面白くなってきた。
更に時がたつと、その『お墓参り』をする為だけに虫を殺すようになった。

そうする内、小さい虫じゃもの足りなくなる奴が出てきた。
お墓がでかい=すげぇ! ヒーロー! みたいな感じです。わかるかな。
虫→アマガエル→金魚→亀→蛇→鯉、みたいに、どんどん対象がでかくなっていく。
ぼくは亀あたりで怖くなって離脱した。
あの『お墓参り』がどこまでエスカレートしていったのかは知らない。

93:はつし ◆qIYKkyK6xE
11/08/19 22:40:50.86 QHOsZPO5O
(2/2)
後日談でもないが。
今年の盆に帰省した時、久々に『墓地』に行ってみたんだ。
流石にこまごまとした虫の墓は風雨にさらされてなくなってた。
でも、直径1mはあろうかという馬鹿デカイ盛り土が3つもあったのにはちょっとビビった。
あの下には何が埋まってるんだろう。



94:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:42:27.94 zYhUUkPX0
二十三本目の蝋燭が消えました・・・
はつし ◆qIYKkyK6xEさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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のらはり ◆EUWlqFWJAkさん、第二十四話をお願いします・・・

95:のらはり ◆EUWlqFWJAk
11/08/19 22:42:59.79 9IkBRKai0
(1/2)
祖父は山の上の送電線の監視を仕事としており、長年T山に登り続けていた。
そのため祖父はT山を知り尽くしていて、休日などはよく祖父を先頭に家族で山登りをしていた。

あれは自分が高校生の時のこと。
春の雪解け後に出てくるふきのとうを狙って、祖父と自分と弟は一緒にT山を登っていた。
よく言う「山のルール」はやはりここでも存在し、すれ違う人との挨拶は絶対だった。
「挨拶しても返してこないのは幽霊だ」などと祖父は半分くらい冗談交じりで話していた。
雪解けの季節とはいえ、まだ雪はあちこちに残っており、それを踏みしめてのぼってくので思ったよりきつく、
先頭の祖父は元気にひょいひょいと登っていたが、後ろの自分と弟は下を向きながらフウフウ言いながら
登っていた。

すると先頭の祖父が「こんにちはー」と挨拶したので、自分たちも「こんにちはー」と言った。
そしてすぐ異変に気づいた。
誰ともすれ違わないのだ。
下を向いていたって足くらいは見えるし、そもそも歩く音が聞こえるはずである。
しかし足など見えないし、足音も聞こえない。
「ねぇ、今誰か通ったの?」
同じことを思っていたらしい弟がそう聞いた。
「ん、何も通ってないぞ?」「え、だって今じいちゃん誰かに・・」

96:のらはり ◆EUWlqFWJAk
11/08/19 22:43:56.10 9IkBRKai0
(2/2)
と弟が言いかけたところで、こっちに振り向いていた祖父がキッと山道の前方をにらみつけた。
遠くからクマよけの鈴の音が聞こえる。
微かにだが、複数人のものと思われる足音も聞こえる。
「道を変えよう」
そう言って祖父は笹の生い茂るあきらかな獣道へと入っていった。
「え、待ってよーじいちゃーん」
と祖父を追いかけていった弟の後に続く形になった私は一瞬だけだが、前方から来た集団が見えた。
黒い服を着た男性がなにやら大きな荷物を抱えていた。
その後、しばらくけもの道を歩いて祖父は「今年はふきのとうはやめておこう」と言って、気持ちゆっくりめに山を降りた。

次の日、地元紙を読んでいた祖父が「やっぱりな」と呟いた。
そこにはT山で行方不明になっていた大学生の遺体が雪が解け始めた谷沢で見つかったという記事だった。
「見つかったのがうれしくって、魂だけ先に下りてきてしまったんだな。
あの時はおぼえていなかったが、今はなんとなくおぼえている。
たしかに俺はあの時挨拶をしたんだ。そしたら返ってきたんだ、『ただいま』ってな。」

97:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:45:55.94 zYhUUkPX0
二十四本目の蝋燭が消えました・・・
のらはり ◆EUWlqFWJAkさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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169 ◆riBiLQMQ3Uさん、第二十五話をお願いします・・・

98:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:47:45.56 XHetkJRU0
(1/4)

 小さい頃、お盆にお墓参りに行ったときの話。
 私は家族と一緒に手を合わせていました。
 辺りは当然ずらっと並んだお墓。普通なら怖いと感じていたのでしょうが、
お盆らしく、たくさんのお供え物や花をたむけられたお墓は、カラフルで
楽しそうに見えました。
 だから、変なものが見えてもあまり怖くなかったのかもしれません。

99:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:48:18.76 XHetkJRU0
(2/4)

 お線香をあげているときに気づいたのですが、ずっと向こうのお墓の陰から、
白い、人の頭くらいの何かがひょいっひょいっと見え隠れしているのです。
私はおもしろくなってそれをじっと見ていました。と、頭をぽんっと叩かれ
ました。
「お参りちゅうによそ見しちゃ駄目でしょ!」

100:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:48:54.89 XHetkJRU0
(3/4)

 母がちょっと怖い顔で私を見下ろしていました。
 私は素直にごめんなさいと言って、急いでお参りをすませ、またあの白い
ものがいた辺りを見ましたが、もうそこには何も動いていませんでした。
 お母さんが怒るからだ…そう思ってがっかりしているうちに、家族全員の
お参りが終わり、みんな水桶やお線香の残りを持って移動し始めました。
 

101:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:49:27.36 XHetkJRU0
(4/4)

 私はどうしてもあの白いものがもう一回見たくてぐずぐずしていましたが、
母にせかされ、仕方なくみんなについて歩き出しました。
 かなり歩いてから、最後にもう一回!と思って振り返りました。

 白い、顔のないものが、こちらに向かって手を振っていました。 【終】

102:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:54:52.45 zYhUUkPX0
二十五本目の蝋燭が消えました・・・
169 ◆riBiLQMQ3Uさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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赤目さん、第二十六話をお願いします・・・



103:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:56:56.36 pJf+sL8/0
赤目様

僕が二十歳ごろの話です。

とあるホテルだか旅館に泊まったときの話です。
ホテルに泊まると霊が出てきてという話は時々聞くと思うのですが、
そのホテルで寝ていたら金縛りにあったのです。
高校生から眠りに落ちるときに時々金縛りになることがありました。
ところが、眠った後で金縛りになったのは初めてでした。
「嫌だなー。」「まさか幽霊なんて出ないよなー。」と思いながらいたら、
胸の上あたりに重いものを感じました。
そうしたら、首を絞められるような感じがあったのです。
息が出来ない、胸の圧迫感もありかなり驚きました。
しかし体は動かないのでどうしようもありません。
しかし頭では幽霊が出たのをある程度冷静に考えていました。
そうして冷静に考えた頭ではじき出した答えは、
「この幽霊は何もしていない僕に危害を加えている。僕はホテル代も払っている。
何も不法侵入したわけではない。ということはこの幽霊は僕に悪意をもって首を絞めているんだ。
八つ当たりにしては理不尽すぎる!」
とそんなことを考え出た答えは恐怖の感情より、怒りの感情でした。
それでも首を絞められていることには変わりはない。
とりあえず首を絞めている手を払わなくてはいけない。
腕を動かそうとしても動かない。
それでも強引に腕を動かそうとしたら、自分の幽霊のような腕がぬるりと体から抜け出した!
そのまま首を絞めている腕をつかむと思いっきり掴んだ。
そのころ僕は柔道と合気道をしていたため腕力もそれなりにあったと思う。
握力に任せて幽霊の腕を逆に締め上げていく。
締め上げていくと首の圧力がどんどん軽くなっていく。





104:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:57:37.68 pJf+sL8/0
2/2

首の圧力がなくなった時に思いっきり足元に投げつけたら、
入り口と部屋を仕切っているふすまがガタガタって音を出していた。
そこで気がついたら朝でした。
昨日のことを思い出してふすまを見たら、昨日は締めて寝たはずのふすまが5センチぐらい開いていました。


合気道の先生は神道の神主もしていて、幽霊に合ったときの話や神様の話といろいろ話していたことがありました。
人間は恐怖に飲まれると人間の本来持っている力を出せなくなる。
緊張や恐怖にあったとき落ち着いて対処すれば助かることもあり、冷静になれって話ていました。
今回体験した幽霊の話はそんな先生の話があったから何事もなかったことでした。

【完】

105:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:58:41.80 zYhUUkPX0
二十六本目の蝋燭が消えました・・・
赤目さん、ありがとうございました
                      γ
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怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、第二十七話をお願いします・・・



106:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 22:59:27.89 k+LLH6dU0
『夏の夜、こびりついてきえない、とある悪夢、わたしの悪夢、そのスケッチ』(1/1)
黄金色 開けしところ
篠笛(しのぶえ)に 鼓のさざめき
十二単の 行灯に
畳の露は きらきらと
星降る店(たな)より 甘き蜜
らむね わたがし たまごやき
紫を 透かして見える
ほどけし結いは 地獄絵図
影法師 ガマの口にて
―めんめんめくらの お嬢ちゃん   星の祝いに ひとりとは
  七つの姫の やぶの宮へと ―
赤き灯(とも)りに 天邪鬼
天邪鬼
まよいさまよい お面屋の
袖の限りの 雀の銭で 
買いたる面は のっぺらぼう
のっぺらぼう
鮮衣(せんえ)の花 一面に
緑にピンク 紫の紅(べに)べったりと
さけんばかりに
さけんばかりに
大空を
飲まんほどに
迷いの宮 抜けし刻には
かささぎの夜も 更けつつあらん
急ぎ安寿(あんじゅ)が 浮かべし面は
 天を睨み
墨の流れに 消えゆかん
星に照る 兄様の顔
番(つがい)の別れを 恨み呪わん
天の鏡に 【終わり】

107:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:00:42.46 zYhUUkPX0
二十七本目の蝋燭が消えました・・・
怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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たったかた~さん、第二十八話をお願いします・・・





108:本当にあった怖い名無し
11/08/19 23:06:35.17 YVHfCzraP
長くて読む気がしない

109:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:11:36.10 pJf+sL8/0
たったかた~様

[入れ代り]
1/6

200x年xx月xx日(x曜日)

午後14:30
右肩にこぶみたいなのができてきた。
見ているとだんだん皮膚が盛りあがり、裂けて目玉が出てきた。
不思議な事に痛みも出血もない。
白いボールのようだが黒目があり、その周りが充血している。

午後14:40
左肩にも同じようにこぶができてきた。
やはり同じように皮膚が盛りあがり、裂けて二つ目の目玉が出てきた。
やはり痛みも出血もない。
気持ち悪いが病院に持っていくために、バケツを階下から用意してきた。

午後14:50
今度は右の肘にこぶができた。
人間の左手首の骨が出てきた。
バケツの中に放りこむ。


110:本当にあった怖い名無し
11/08/19 23:12:12.10 td22gft10
あれ? もう23:00か時間が経つのが早いな。

>>41
懐かしすぎるwww



111:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:12:17.75 pJf+sL8/0
2/6

午後15:00
右膝にこぶができた。
右手首が出てきた。
やはり、痛みも出血もない。

午後15:10
左肘にこぶ。
左足首が出てきた。

午後15:20
左膝にこぶ。
右足首が出てきた。
いったいいつまで続くのだろう?

午後15:30
左わき腹から突然皮膚を破って腕が折り畳んだ状態で出てきた。
どっちの腕だろう?

午後15:39
右わき腹から腕が出てきた。
同じように折り畳んだ状態だ。
両腕が揃った。
バケツに入らないのでレジャーシートを敷き、
並べてみる。


112:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:12:58.60 pJf+sL8/0
3/6

午後15:48
右太もものつけ根から片脚が出てきた。

午後15:57
今度は左太ももから片脚が出てきた。
どっちがどっちの足だかわからないが、一応並べてみる。
自分の身体をよく見てみると、出てきたところはもうすでに
皮膚の再生が終わって、傷口さえ見えない。
人間の皮膚の再生力とはこんなに凄いものだとは思わなかった。
少し感激する。

午後16:05
首筋、ちょうどボンクボのあたりから腰のあたりにかけて、
皮膚が裂け、肋骨と脊髄が出てきた。
目玉以外は全部骨だ。
しかし、私の身体のどこにこんなものがあったのだろう?

午後16:08
あとは骨盤と頭蓋骨が出てくれば、白骨死体一体分が揃う。
臀部から骨盤が出てきた。
どうやら男性の骨のようだ。

午後16:15
みぞおちから臍にかけて皮膚が裂けてきた。
頭蓋骨が出てこようとしている。
これで一体が揃う事になる。
しかし今までとは違い、ゆっくりと出てきている。
今ようやく目のあたりだ。
鼻の部分の穴が少し見えてきた。


113:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:13:39.52 pJf+sL8/0
4/6
午後16:50
頭蓋骨が出てきた。
何故頭蓋骨はこんなに時間がかかったのだろうか?
全部の骨を組みあわせてみる。
目玉をポッカリと空いた穴の中へ入れてみる。
ちょっと怖いが、理科室の骨格模型のようになった。

午後18:00
人間が横たわっている。
人間の皮膚を背中側頭部から腰のあたりまで、ナイフで裂く。
内臓を傷つけないように慎重に切りこみを入れる。
臀部から足にかけて、裁ち鋏で切っていく。

午後19:00
ようやく、切りこみが終わった。
ゆっくりと頭部から皮を剥いでいく。
以外と時間がかかるものだ。

午後20:18
綺麗に皮が剥げた。
しかしこの人間も不思議だ。
皮を剥いだのに血が一滴も出ない。
ちょっと体脂肪が多い気がするが、よしとしよう。
ちょっと休憩をする。

午後20:35
ゆっくりと慎重に内臓を取出し、自分の身体に入れてみる。
具合は…完璧とは言えないが、まぁこんなものだろう。
コイツ、脂肪肝だ。
一度内臓を取出し、ナイフで肝臓の脂肪を削っていく。


114:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:14:38.76 pJf+sL8/0
5/6
午後21:15
再度内臓を自分の身体に入れる。
さっきより具合がいいようだ。

午後21:30
剥ぎ取った皮に右脚をゆっくり滑りこませる。
スルリと入った。
次は左足。
途中で骨が引っ掛かったが、皮を少し引っ張りながら入れた。
あとは難無く皮を着る事ができた。
当り前だ。
俺には筋肉がないのだから。

午後21:55
皮がブヨブヨして気持ち悪い。
首と手を180度回転させて、裂け目を縫っていく。
頭部は鏡を見ながら縫う。

午後22:22
全部縫い終わった。
後は筋肉をつけるだけだ。
そこに転がっている死体の筋肉を慎重に骨から剥がして行く。

午後23:00
遅いディナータイムだ。
剥がした筋肉を少しずつ頬ばる。

午後23:57
食事を終え、暫しの休息。
まだ身体がブヨブヨしている。


115:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:15:19.66 pJf+sL8/0
5/6

200x年xx月xx日(x曜日)

午前01:00
鏡で傷口の確認をしてみる。
もう塞がっている。
抜糸をする。

午前01:30
待望の入浴タイムだ。
バスタブにいっぱいのお湯を張り、身体を沈める。
皮膚が水分を吸い込むのがはっきりとわかる。

午前03:00
バスタイム終了。
濡れた髪をドライヤーで乾かす。
ようやく皮がフィットした。

午前03:15
レジャーシートに転がっている白骨を処分しなくてはいけない。
車で近所の山に行き、登山道から少し離れた茂みに穴を掘って埋めた。
目玉は取出して木の枝に突きさした。
早朝、カラスが食べに来るだろう。

午前04:00
ひと眠りする事にする。
慣れていない事をすると非常に疲れる。



116:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:16:00.66 pJf+sL8/0
6/6

午前05:00
起床。
出勤の準備をする。
階下へ降りてトーストを頬ばりながら、コーヒーで流しこむ。

午前06:00
昨夜の疲れがまだ残っているが、出勤のため家をでる。
これから、平凡な毎日が始まろうとしている。


【完】



117:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:16:37.63 zYhUUkPX0
二十八本目の蝋燭が消えました・・・
たったかた~さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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毒衣紋 ◆5TLWX9QsC1zcさん、第二十九話をお願いします・・・

118:毒衣紋 ◆5TLWX9QsC1zc
11/08/19 23:18:11.21 MVLToZ5A0
[世話になった]

母がまだ若いころに体験した話です。

蒸し暑いお盆の日の夜のこと。
家の外から「シャン・・シャン・・・」という鈴の音が聞こえる。
何事かと思い家の裏口から通りへと出てみると深い靄のなかに人影が見える。
それも1人2人ではない。坂の上から海のほうまで沢山の人の行列である。
とても生きているとは思えないような人たちの…
母は不思議と怖いなどという感情は抱かなかった。
すると、列の中から1人の中年の男が近づいてくるではないか。

「かぁちゃん…かぁちゃん……」
よく見ると先日亡くなった近所のおじさんである。
「かぁちゃん…世話に……なったなぁ」
それだけ言うとおじさんは再び列へと帰って行った。
生前言えなかった礼を言うためにあの世への行列から抜け出して来たのだろう。

母が気づくと布団の中で、朝になっていたそうだ。

【終】


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