【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】at OCCULT
【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】 - 暇つぶし2ch250:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:34:55.72 BV43BcX/0
失礼いたしました。

釣り人 ◆sRCidpIShEさん 引き続き 第66話をお願い致します。

251:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:40:00.10 BV43BcX/0
六十六本目の蝋燭が消えました・・・
釣り人 ◆sRCidpIShEさん、ありがとうございました
                      γ
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色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第六十七話をお願いします

252:代理投稿:色々諦めたロドリゲス ◇pbbxR7EI3w
11/08/20 02:40:10.09 vuz4Ec9S0
「母から聞いた話」
祖母が亡くなったとき、ふと気がつくと、祖母がいる部屋から
玄関の引き戸まで、全て「こぶし1つ半分」位、引き戸が開いていた。
「魂」の幅?

【完】

253:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:42:40.94 BV43BcX/0
六十七本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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半兵衛 ◆B/.3uvv0Gkさん、第六十八話をお願いします

254:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 02:43:27.29 hPkmSRgw0
半兵衛 ◆B/.3uvv0Gk 1様

【工場】
 私は製造業の会社に勤めています。
会社は昭和初期に建てられた古い工場と、最近建った開発棟が併設されています。
私は開発棟にて、主に試作品を作製する仕事をしています。
とある金曜日の夜、試作品の部品が壊れてしまいました。
月曜日には完成品を使用する必要があり、部品をあらためて購入する時間はありませんでした。
仕方なく私は工場に予備の部品が無いか、探しに行きました。
金曜日の夜ということもあって、すでに工場は真っ暗で、人気もありません。
予備の部品がありそうな場所は、工場の奥まったところにある倉庫でした。
倉庫は蛍光灯が1本あるだけで、かなり薄暗い状態でした。
倉庫の中で部品を探しましたが、なかなか見付かりません。
時間だけがどんどん経ち、次第にあせってきます。このままでは徹夜どころか、上司から大目玉をくらうことは明らかです。
私は半べそ状態で、なお部品を探し続けました。
そのとき不意に肩をたたかれたような気がしました。
後ろを振り向きましたが、誰もいません。
気のせいかと思い、また部品を探そうとしたときです。
視界の端、ちょうど倉庫の中央あたりに、縦に細長い影が立っているように見えました。
その瞬間、「ゴトッ」と何か物音がしました。
私は驚いて倉庫から飛び出しました。
しかし、どう考えても部品がありそうな場所は、この倉庫しかありません。
仕方なく再度倉庫に入ると、今度は予備の部品があっさり見付かりました。
その場所は中央の棚の付近で、しかも部品は一番手前に置いてありました。
ほっとして、開発棟に戻り、なんとかその日のうちに試作品を完成することが出来ました。
今思うと、遥か昔の先輩が後輩を不憫に思って、部品の場所を教えてくれたのかも知れません。(終わり)

255:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:45:47.47 BV43BcX/0
六十八本目の蝋燭が消えました・・・
半兵衛 ◆B/.3uvv0Gkさん、ありがとうございました
                      γ
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色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第六十九話をお願いします

256:代理投稿:色々諦めたロドリゲス ◇pbbxR7EI3w
11/08/20 02:46:12.57 vuz4Ec9S0
「同じく母から聞いた話」

おれには全く霊感は無いけど母には結構あるらしい。
祖父の墓参りに向かった母は霊園の道を登る途中、お墓の前に黙祷を
捧げている女性を見かけた。
「こんな中で、傘もささずに…って思ってちょっと目を逸らして見直
したらいなくなったの。変よねぇ…」
母自信は霊感とかの自覚はないらしい。

【完】

257:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:48:24.30 BV43BcX/0
六十九本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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れららさん、第七十話をお願いします



258:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 02:50:43.72 hPkmSRgw0
れらら様


黒い丸 1/3

 今から10年ほど前、まだ大学生だった頃に後輩のA君から聞いた話です。
 神奈川県の海沿いにある某大学。その大学のサッカー部は、代々先輩が卒業すると
それまで使っていたアパートの部屋を、新入生へ引き継ぐ伝統がありました。
 その部屋は2人で使う為に古い二段ベットが置かれており、その年はA君と
同じくサッカー部に入部した新入生のB君が使う事になりました。

 まだ新入生という事もあり、それほど話した事もない二人は、部活を終えれば
それぞれ別に食事を取り、アパートには寝るために戻る日が続きました。
 A君は二段ベットの下、B君は二段ベットの上。
 2,3ヶ月が経った頃。A君が深夜に目を覚ますと、B君が机でなにやら書きものを
しているのを見つけました。日記か何かだろうと思い、その日はそのまま寝ましたが
日に日に部活で見るB君の様子がおかしくなっていったそうです。
 そして深夜には机に向かい、必死な形相で、殴り書くようにペンを動かしていました。

 A君はその姿を見て怖くなり、部活の先輩に相談し、先輩と一緒にB君から事情を
聞いてみる事になりました。A君は相当精神的に参っていた様子で、泣きながら
此れまでの奇行の理由を教えてくれました。
 B君がアパートに越してから数週間後、アパートの外で足音が聞こえるようになったそうです。
 その足音は日に日に自分たちの部屋に近づいて来ており、一ヶ月前くらいからドアの戸を
ガチャリ、ガチャリと開けようとしており、何度か恐々と姿を見に行ったことがあったそうですが
ドアスコープには誰も映っていなかったそうです。

259:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 02:51:24.73 hPkmSRgw0
黒い丸 2/3

 日記を書き始めたのは一週間ほど前、ついに姿を見てしまったそうです。
いつものように通路を足音が近づき、ドアをガチャガチャと回し、そして部屋の中へ
ベチャ…ベチャ…と、濡れたモップを引き摺るような音が聞こえてきたそうで、ベットで布団を被り
震えながら何処かへ遠ざかるのを待っていたそうです。
 しかし、その音は二段ベットの梯子へ近づき、ベチャ…ベチャ…と、梯子を上ってきたと

 梯子の段数など4,5段程度なのに、その音は10分近い時間を掛けて、ベチャ…ベチャ…と
登り、ついに足音が止まったときには、明らかにベット脇に気配があったそうです。
 ジッ……と、こちらを見続ける気配に耐え切れず、数分後目を開けてみてみると

 真っ黒い、巨大な毛むくじゃらのモノが、ジッ…とB君を見ていたそうです。

 金縛りにあったように動けなくなり、恐怖で背筋が凍ったまま目を離すこともできず
B君は心の中で知りうる限りの神様、仏様へ祈り「消えてくれ!」と祈ったそうです。
それでも黒い毛むくじゃらの怪物は消えず、にやにやと笑いながら

「そんなの効かないよ」

 と、笑いながら呟いたかと思えば、段々とふくらみ、パンッ…と弾けてしまったとか
 その後、飛び起きてA君を起こしに梯子を降りると、地面は水をまいたように地面が濡れており
 A君は寝ぼけ眼で起こされたそうですが、気配すら気がつかず「何で地面が濡れてるの?」
とか言っていたので、それ以降相談もしなかったとか…。

 日記の内容を見せて貰うと、黒いペンで紙の破れるほどの筆圧でグチャグチャと
丸が書かれており、B君もなんで書いたのか覚えていないと言っていたそうですが…
 今度はその日記の黒モジャを見て、先輩が真っ青になったとか


260:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 02:52:05.97 hPkmSRgw0
黒い丸 3/3

 なんでも、先輩が一年だった頃、理由不明の自殺をした部員がいたそうで
 彼の使っていたのもこの部屋、しかも2段ベットの上だったとか…
 それからB君が使うようになるまで、荷物置き場になっていたそうです。
 
 自殺した部員と懇意だった先輩が荷物を整理にしこの部屋へ来たときに見たのが

 「あいつが来る」「殺される、殺される」

 と書かれた日記で、同じようにグチャグチャと塗りつぶすように描かれた
 黒い丸があったのだとか…

【終わり】


261:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:53:50.23 BV43BcX/0
七十本目の蝋燭が消えました・・・
れららさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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釣り人 ◆sRCidpIShEさん、第七十一話をお願いします


262:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 02:57:47.76 kNyTOn2o0
71話 合宿の夜

オレの通ってた高校には、結構立派な合宿所があった。
夏休みには、いろんな部活が交代で合宿をする。
オレの入ってた部活は男女共通で部員が多く、とてもにぎやか。
オレは1年生だったから、練習の時以外はほとんどパシリ。
2年の女子の先輩達と買い物行って荷物持ったり、
合宿の昼飯定番の冷やしそうめんやカレー作ってワイワイやってた。

夕方になるとOBやOGの先輩方がやってきて一緒に夕飯を食べる。
もちろん酒を飲んだり、後輩を他所に連れ出したりはしないが、
遅くまで起きて怖い話し大会なんかはあたりまえ。

合宿最終日、芝生に車座になって
みんなで怖い話しをしてたら、1時を過ぎた頃から
何だか寒くなってきた。

263:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 02:58:54.22 kNyTOn2o0
目がかすんできてるのか、近くの家の灯りがボンヤリ見える。
「灯り増えてる?」って思ってよく見ると、それはホタルの光。
黄緑色の光があっちにも、こっちにも。
オレたちを取り囲んで無数のホタルが光ってる。

そのうちみんな異常な数のホタルに気が付いて、
あわてて合宿所に帰って布団に潜りこんだ。
クーラーもないのに、朝方まで、とても寒かったよ。

こんな場で言うことでもないが、
怖い話しは場所と時を選んでやらなきゃな。
話が「本物」だと、そいつらが寄ってくるらしいぞ。

お終い

264:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:59:24.61 BV43BcX/0
七十一本目の蝋燭が消えました・・・
釣り人 ◆sRCidpIShEさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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たったかた~様◆UFe7PhFKw2さん、第七十二話をお願いします

265:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:00:29.95 hPkmSRgw0
たったかた~様

[ヘルメット]

あの日は仕事が忙しく、残業をして会社を出たのが深夜0時をまわってた。
広い道路が交差する信号で青になるのをまってた。
見晴らしもいいので、ボーと交差点付近を眺めていた。
歩行者用信号が点滅をはじめた頃、おらの左側からでっかいダンプが走ってきた。
それにつられるようにして、おらの後からけたたましい音をたててバイクが交差
点に突っ込んだ。
すごい衝撃音だった。
おらの車のボンネットに何かが、"ドンッ”て乗っかった。
フルフェイスだった。首がヘルメットと一緒にもげていた。
ちょうど向きあうようにヘルメットがこちらを向いていた。
そして、バイクの運転手と目が合ってしまった。
するとバイクの運転手は大きな声で「見るなっ!」と叫んだかと思うと、
おらの車のボンネットから滑り落ちた。
恐怖でパニックを起こしてしまった。

その後パトカーや救急車がきてバイクの運転手の死体を片付けていた。
警察から証人として事情聴取されてたおらが何げにタンカを見ると、
ヘルメットの中の目がおらを一睨みするとゆっくりとまぶたを閉じた。

【完】

266:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:00:45.96 BV43BcX/0
七十二本目の蝋燭が消えました・・・
たったかた~様◆UFe7PhFKw2、ありがとうございました
                      γ
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:色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第七十三話をお願いします



267:代理投稿:色々諦めたロドリゲス ◇pbbxR7EI3w
11/08/20 03:00:58.39 vuz4Ec9S0
「こっくりさん」

母と叔母、従姉の女性3名で家でこっくりさんをやった事があった。
色んな事を聞いてワイワイやっていたんだけど、最後の質問で
「お父さんはいつ帰ってきますか?」
って聞いたとき、返答の為の指が動きはじめた。
「 い ま 」
その瞬間、父の車の音が家の横で止まった。
さすがにびっくりした。
その頃父は別居していて、殆ど家に帰ってくる事自体がまれだったから。

【完】

268:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:02:56.23 BV43BcX/0
七十三本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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ばれかい ◆yj6HeeuFqYさん、第七十四話をお願いします

269:本当にあった怖い名無し
11/08/20 03:09:54.26 Cmvx5LT9O
あと27話だ

(´・ω・) ガンガレ

270:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:10:26.42 hPkmSRgw0
ばれかい ◆yj6HeeuFqY様

1/4
私が高校生の頃実家で飼っていた猫の話。
うちの猫をAとする。

うちの小屋に捨てられていた猫で
最初全くなつかなかったAに
私は毎日餌をあげ、なつかせるのに苦労した思い出がある。

餌付けが成功しはれてうちの猫になってくれたのだが
その後のAの人生は本当に過酷だったと思う。

田舎ならではの昼は放し飼いをしていたのだが
うちに来て2箇月ほどたったある日、
母の叫び声にびっくりして
外にでた私の目に入ったのは
近所の家の大型犬にくわえられた血だらけのAだった。

なんとか犬を撃退してAを助けたのだが
Aは虫の息でお腹に穴もあき内蔵も少しでていた。

すぐ病院へ連れていき手術をしてもらい命は助かったのだが
神経をやられてしまったAの後左足はもう二度と動くことはなかった。

その後リハビリを行い3本足で器用に歩くようになったのだが
どうしても動きに鈍さがあり
池におちたり、カラスに虐められたり苦労していた。
※夜中に外から猫の鳴き声がするとおもって外を見たら
 Aがうちの池で溺れニャーニャーいって助けを求めてたのも
 いい思い出w
 でもネズミや雀はうまく捕まえていたなぁ

271:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:11:07.17 hPkmSRgw0
2/4
うちに来て5ヶ月
うちの道路を挾んで向かいの家にメス猫が
住みついたようだった。※メス猫はBとします。


うち→□ ┃道路┃ □←向かいのうち

Aはオス猫。
Bに惚れたのかAは毎日左後ろ足を引きずりながら
毎日朝になると道路を渡りBの家へ行き一緒に遊んでいるようだった。
夏休みだった私は毎朝Aを送り出すのが日課になっていた。
※夜はAを家の中に入れて家の鍵を締めて外にでられないようにしてたので
 朝早くに家の鍵を開けてあげないとAは外に出られなかった
 鍵あけないとAがうるさくニャーニャー(あけろあけろと)鳴いて大変だったw

でもBはすぐ死んでしまった。
田舎の人はわかると思うが、田舎の小屋には昔ネズミ退治用の
毒団子ってのがあって、それを食べて死んでしまった。

Bが死んだということを理解できていないのか
それとも、探し続けていたのかはわからない。

Bが死んだあともAは毎日朝になると
道路を渡り、Aの家へ通うことをやめなかった。
Bの家の庭に行き、Bを呼んでいるかのように
「にゃーにゃー」足を引きずりながら歩き回って
「にゃーにゃー」と鳴いていた。

そして夜になると疲れてうちに帰ってくる。
ただいまを言うように「にゃー」といってうちに入る。
その繰り返しだった。

272:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:11:48.09 hPkmSRgw0
3/4
Aに言葉はわからないかもしれないが
「Bはもう死んだんだよ」って言い聞かせていた。
でも毎日通うのをやめない。

そんなある日の朝いつものようにAにいってらっしゃいを
して道路をわたるのを見送っていた時Aは車にひかれた。

毎日Bを呼び続けて疲れていたのかもしれない。
足を怪我してなかったら轢かれていなかったのかもしれない。

車にひかれたAのそばによると目は飛び出て
血だらけで顎も外れていた。
それでもまだあったかくて、息をしていて。。。。

病院へ連れていった。
息はあった。でももうダメだった。

飛び出た目は私が押し込んであげた。
庭にお墓も作ってあげた。

すごく悲しかった。
悲しくて辛かった。

次の日の朝になり
「にゃーにゃー(鍵をあけろ)」と鳴き声が聞こえた。

寝ぼけてたんだと思う
いつものようにAのために家の鍵を開けなきゃ
そう思って家の鍵を開けたとき、
もういないってことを思い出した(目が覚めた?)
不思議だった。

273:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:12:29.46 hPkmSRgw0
4/4

でも次の日も朝「にゃーにゃー(鍵をあけろ)」と聞こえた。
そして夜もAがいつも帰ってきてた時間頃に
「にゃー」と聞こえることが続いた。

もう10年になる。自分はもう実家にはいないのだが
今でもAがいた夏の時期になると鳴き声が聞こえる気がすると母がいう。

AはBが死んだことも、自分が死んだことも気づかずに
まだ、毎日Bを探しに道路を渡り向かいの家にいっているのかもしれない。

A、Bと会えてないの?
A、お前ももう死んでいるんだから、
二匹とも死んでいるんだから、頼むから二匹で幸せに遊んでいてくれ。
そう思わずに入られない。

猫にも魂はあると思う。そう思った不思議な怖い話です。

【完】

274:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:12:47.19 BV43BcX/0
七十四本目の蝋燭が消えました・・・
ばれかい ◆yj6HeeuFqYさん、ありがとうございました
                      γ
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匿名希望さん、第七十五話をお願いします



275:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:16:00.01 hPkmSRgw0
匿名希望様

『 で き ご こ ろ 』

経理部の田所洋子さんは、私が実話怪談マニアだと知り相談したい事があると言う。
彼女はワンルームマンションで独り暮らしをしている。
引越をしたその日の夜からそれは現れた。パタパタパタと布団の周りを子供が走り回る。
姿を見てはいないのだが、何故か子供だと判ると言う。子供は月二ぐらいのペースで現れた。

「それに絶妙なタイミングなの。」

必ず洋子さんが眠りに落ちそうになると走り回る。
夢うつつで足音を聞いていて、ハッと我に返ると消えるのだ。
現実に起こっている事なのか確信が持てなかった。

「だから恐怖心みたいなものは無かったのよね。」

その日も、うつらうつらしていると 布団の周りをパタパタパタと走る足音が聞こえてきた。
ほんの出来心だったと言う。
五月蠅い。転ばしてやろうと足を出した。ドスッ!と何かがぶつかった。

「衝撃がリアルで吃驚して飛び上がっちゃった。」
壁に頭をめり込ませて倒れている子供がいた。
両手両足をじたばたともがいている。
「わーッて叫びながら電気を付けたら消えていたんだよね。」
その後二度と現れる事は無かった。
「あれが座敷童だとしたら幸せを逃したのかなぁ。
どうしたら戻ってくると思う。」

座敷童なのか疑問だが、とりあえずお菓子でも置いておけばと答えておいた。
根拠は無いんだけど。
今でも彼女は部屋の片隅にお菓子と玩具を置いている。

276:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:16:41.09 hPkmSRgw0
【完】

277:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:18:15.12 BV43BcX/0
七十五本目の蝋燭が消えました・・・
匿名希望さん、ありがとうございました
                      γ
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色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第七十六話をお願いします

278:代理投稿:色々諦めたロドリゲス ◇pbbxR7EI3w
11/08/20 03:18:27.54 vuz4Ec9S0
「こっくりさんのつづき」

こっくりさんの続きだけど、父がこっくりさんの言うとおり、直後に
帰ってきた。
父はこういう事は嫌いなので慌ててこっくりさんを返し、何事もなかっ
たように振舞った。
父はやがて着替えをして飯を食った後に自分の家に戻ったんだけど、
次の日母と叔母は白狐の夢を見てうなされたらしい。

【完】

279:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:19:58.10 BV43BcX/0
七十六本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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ユウ ◆pK2t4W3twQさん、第七十七話をお願いします



280:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 03:20:35.14 w273qgce0
「田舎にて」
1/2

今思うと怖い、と言うより不思議な話。

小学生の時だったな、何年生かは忘れたけど。
俺の親父の実家が山形にあって、夏休みの何日かをそこで過ごしたのね。
田舎とか行くの初めてだったから、弟と一緒にワクワクしてたの覚えてる。

まぁ良く見る田舎の風景が広がっててさ。
コンビニなんかはもちろん無くて、雑貨屋に行くだけでも結構歩かないとならないような。
今でもああいった土地は好きなんだけどね。

で、田舎で遊ぶって言ったら大体が山とか川とかになるワケで。
弟と連れ立って夕方暗くなるまで遊んで、っていうのがそこでの過ごし方だった。

でも何日か経つと同じ場所で遊ぶのも飽きてくるんだよね、子供だし。
だから少し遠くに足を伸ばして遊び場を探すのにそう時間は掛からなかった。

ある日の夕方近くかな、実家からだいぶ離れた山に行ったのね。
周りに家も無くて、人影も無いようなトコ。
それでも来た道は一本道だったから不安は感じてなかったな。

山道の入り口に石碑みたいなのが建ってたのを覚えてる。
弟と一緒にしばらく歩いてたら、木の陰から「何か」がこっちを覗いてたんだ。

281:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 03:21:16.92 w273qgce0
2/2
大きさはどのくらいだったっけ、俺らとそんなに変わらなかったと思うけど。
夕闇で顔とかはよく見えなかった。
でもその中ではっきり見えたシルエット。

こっちを覗く頭のこめかみの辺りにツノが有ったんだよね。

もちろん弟と一緒に全力で逃げたよ。
人家の見えるトコまで全力で。
安堵感から足を止めて後ろを振り返ったけど、追っては来なかったみたい。

そのあと、親達には話しても取り合ってくれなかったけどね。

俺としては「鬼」とかの類だったのかな・・・なんて思ってる。
東北って妖怪の話とか多いじゃん?

でもそんなコト抜きに、意外とその辺の山とかにも居るのかもね。
(完)

282:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:22:06.09 BV43BcX/0
七十七本目の蝋燭が消えました・・・
ユウ ◆pK2t4W3twQさん、ありがとうございました
                      γ
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Yenn ◆3qDMUSp0ngさん、第七十八話をお願いします


283:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:25:27.28 hPkmSRgw0
Yenn ◆3qDMUSp0ng様
「狐」

 中学生になってすぐの、山の中でのオリエンテーリングで。
 五月の半ばで、もうある程度のクラス内の仲間わけはできていて、一人の男の子と仲良くなった。
 明るくて頭のいい、テニス部に入ったA君だった。
 冷静なツッコミキャラの男の子で、オリエンテーリングの直前に、
 教室の窓に片腕を突っ込んで血まみれになるというイベントを起こし、
 そのときすでに同学年で知らない人はいなかった。
 オリエンテーリング二日目。
 外イベントで疲れて、アタシは早々に女子の宿泊部屋に引きこもっていた。
 なんだか外が騒がしい。
 同室の女の子が部屋にとび込んできて、「アタシさん、ちょっと来て!」と、アタシの手を引いた。
 向かった先は男子の宿泊室の一室で、いいのかなと思いながらアタシはそこに足を踏み入れた。
 
 中は二段ベットが四つある、女子と同じ間取りの、いわゆる合宿所みたいな間取りで、
 男の子が狭いベットの間でひしめいて上を見てる。
 視線の先は、奥の二段ベッドのひとつの上に、四つん這いでこっちを睨むA君。
 目つきがおかしい。
 威嚇してる猫ってこんなだよねって、なぜか冷静に思った。
 アタシは踵を返して、先生のもとへ猛ダッシュした。
 その部屋はいやな、獣臭いにおいがしていた。
 その後次の日のイベントに、A君はいなかった。
 後日、A君にその日のことを聞いたけど、イベントから帰った後記憶がなく、気が付いたら家で寝ていたらしい。


 大人になって色んなオカルトな話を聞くようになって、あれが一種の「狐ツキ」といわれる状態なのを知った。
 それが精神病なのか、本当に何かが憑いたのか、今となってはわからないけど、
 あの生臭いような獣臭いような独特のにおいを、今のところアタシはあの時から嗅いだ事がない。


【完】

284:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:26:40.66 BV43BcX/0
七十八本目の蝋燭が消えました・・・
Yenn ◆3qDMUSp0ngさん、ありがとうございました
                      γ
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ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、第七十九話をお願いします




285:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:28:47.82 hPkmSRgw0
天井の彼女

1/2

今年の4月下旬の事でした。
横になっていると、ふと身体に違和感を覚えました。
私はたまに金縛りに遭う事があるのですが、完全に動けない訳ではないのですが
身体全体が痺れる感じがするのですが
その日は普段より、その身体のしびれが酷い状態でした。
部屋の中は遮光カーテンのお陰もあって真っ暗。
ベッドの位置から言うと右側を向いて寝ていたのですが
背後…いえ、背後と言うよりも部屋の真ん中にある蛍光灯のあたり
つまり天井から女性の「あー…あー…」と言う声が聞こえてきました。
声の聞こえ方からして、天井から逆さにぶら下がっている状態のようでした。
その声にただならぬ狂気を感じて目が開けられません。
その女性はずっと「あー…あー…」と言っています。
言いたい事があるならはっきり伝えて、と言おうと思いましたが声が出ません。
仕方がないので心の中でずっとそう念じていました。

286:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:29:29.18 hPkmSRgw0
2/2
するとその女性は「あー…あー……ゆきお…」と言いました。
ゆきお、とも雪を、とも取れるような言い方でしたが
残念ながら私には全く心当たりがありません。
他にもとぎれとぎれに何か単語を言っていたようですが残念ながら覚えていません。
部屋の中を移動している気がしましたが怖くて目が開けられませんでした。
ぎゅっと目を瞑っていたのですが、恐怖心がうんだのか、目の奥で
ベッドの右側に女性の白い足が浮かびました。
そしてまた天井に戻った様な気配がしました。
また頭にイメージが浮かびます。天井から逆さにぶら下がった女性の姿です。
髪はセミロングくらいでしょうか。乱れていて正確な長さはわかりませんが
恐らく肩より少し下くらいの長さでしょう。
体感にして10分。10分の間ずっと「あー…あー…」と言い続けていた女性は
結局大した情報を私に与えないまま消えてしまいました。
彼女が何をしたかったのかは私にはわかりません。

【完】

287:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:30:24.64 BV43BcX/0
七十九本目の蝋燭が消えました・・・
ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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枯野 ◆BxZntdZHxQさん、第八十話をお願いします






288:枯野 ◆BxZntdZHxQ
11/08/20 03:31:47.81 E2+qSFyH0
「肝試しで有名な場所では」1/2

もう10年近く昔のことだろうか。
従妹の美保が劇団もどきのサークルにいたことがある。
もどき、というのは大掛かりな公演などをやらず、
ネットに朗読劇などを上げるのが主な活動内容だったからだ。
このサークルに籍を置いていた頃、親睦会と称して心霊スポット巡りをしたそうだ。
別にホラーの朗読をやっていた訳ではない。
今考えるとちょっとどうかと思うが、
有名なバトル漫画の戦闘シーンをラジオドラマ風に演じたり、
やたら独白の多い少女漫画を朗読したり、そんな遊びをするサークルである。
取材とか役作りとかではなく、どうやら主宰の趣味だったようだ。

そんな親睦会で、印象に残った場所がいくつかあると美保は言う。
たとえば、ハイキングコースの途中にある公園。
元々はお寺の別院があった場所だが、
現在はその痕跡と石碑や地蔵があるだけである。
一行は夏の夜、その近くまで車で乗り付けた。宵の口だ。
辺りにはガードレール沿いに何台も車が止まっていて、
どうやら同じ様な目的の連中が集まっているらしい。

肝試しである。

チキンの俺からすれば、怪談の定型も定型の、
夜の心霊スポットに男女が車で乗り付けて馬鹿騒ぎなんてのは、
ちょっと間違ってるが鴨が自ら葱を背負って鍋に出汁を張っているようなものだ。
つい「馬鹿じゃないの?」と口をついたら、美保も苦笑いして、
「主宰がそう言う体験したことなくて、大好きなんだよな。
 あれこれ訊かれてうんざりした人もいるから、
 本当は見えたりした人でも主宰には黙ってるし、
 黙ってるから行くのを断りきれないって言うか。」

289:枯野 ◆BxZntdZHxQ
11/08/20 03:33:07.26 E2+qSFyH0
2/2
見えないから見たい。お前らも見たいだろう。じゃあ行こう。
そう言うことだ。
何だか気の毒になって来たが、こういうのは心霊ばかりの話ではない。

起伏のある道を進むと、先の方から話し声が聞こえた。
先客も賑やかだ。
結構な人数であろうざわめきと、若い女のはしゃぐ声がする。
足場の悪い坂道で息があがり自然と無口になった一行の中で、
美保は(DQNは無駄に体力あるよな)と先行グループの元気さに苦笑したという。
そうこうするうちに目前に石段が現れ、石段を上がると開けた場所に出た。
そこが目的地。
遊具などはないが、ベンチがそこかしこにある公園だ。

公園は静かだった。
ぽつりぽつりと灯る街灯の下、神社だか寺だかであった痕跡の石灯籠が並んでいる。
見晴し台になっている崖側も含め雑木林に囲まれた夜の公園は、
鬱蒼と影に覆われ、ひっそりと静まり返っていた。
公園から縦走するコースへ入る山道は真っ暗で、唸る様な虫の声だけが響いている。
足音も、話し声も聴こえない。
ついさっきまで聴こえていたざわめきの主はどこへ行ったのか。
暫く辺りを散策したり立ち話をしていたそうだが、山道から戻って来る者はなく、
石段を下り元来た道を帰る時も、それと思しきグループと出会う事はなかった。

肝試しで有名な場所に行くと、そんなことが度々あったと言う。

【完】


290:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:35:00.18 BV43BcX/0
八十本目の蝋燭が消えました・・・
枯野 ◆BxZntdZHxQさん、ありがとうございました
                      γ
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:色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第八十一話をお願いします






291:代理投稿:色々諦めたロドリゲス ◇pbbxR7EI3w
11/08/20 03:35:13.40 vuz4Ec9S0
「黒い手」

子供の頃、寝ているときに黒い手に腕を掴まれた。
腕はタンスから伸びていた。
肩までタンスの中に引きずられ、必死両脇に寝ていた父と母に助けを
求めたが、死人のように仰向けに寝たまま微動だにしなかった。
必死に抵抗してなんとか振りほどくことが出来たけど、あのまま顔が
タンスの中に入ったら「何が見えたんだろう」と思う事が今でもある。

【完】

292:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:37:21.22 BV43BcX/0
八十一本目の蝋燭が消えました・・・
:色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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炉火さん、第八十二話をお願いします

293:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:39:50.70 hPkmSRgw0
炉火様

におい


「怖い、と言うよりもおかしな話なんだけど」
そう前置きをして男性は当時お付き合いをしていた女性の話をしてくれました。

詳しくは省きますが
最初に「それ」を感じたのは、彼女とベットを共にしている時でした。

彼女の背中から少し離れた空間から
何とも表現しづらい「臭い…?」が漂ってくる事に気がついたんです。
「それ」は彼女の身体から、ではなく
彼女の背後、背中から5~60㎝程離れた空間から
丁度、人ひとり分の「空間」から
何とも言えない臭いが漂ってくるんです。

驚きはしたものの、まだ付き合い始めて日も浅い事、普段は何も感じる事がなかった事もあり
さほど気にはならない事。当初はそう思っていました。
ただ、肝心な時に限って突然その強烈な臭いが鼻を刺すと、どうしても気持ちが冷めてしまう。
日によってはあまりの強さに吐き気を催した事を必至で悟られないようにもしていました。


日が経つにつれ「それ」は悩みの種になり始めたものの、相手は女性ですから
流石に「君、臭くない?」とも聞けないし、周りに確認してもらうと言うわけにもいかない。

どうしたもんかと周りを様子を気にして見ている時にひとつ気が付いた事がありました。




294:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:40:31.25 hPkmSRgw0
2/2

例えば、友達と写真を撮る時、電車に乗る時、行列に並んでいる時
後ろはおろか周りの人間もそんな素振りは微塵も見せない様に思えた。
我慢している。気を使っている。とかではなく
どうやら「それ」を感じるのは自分だけ。のようなんですよね。
彼女が好意を寄せる男性だけが感じる異臭

その女性、本当に明るくて誰にでも分け隔たりなく接し愛想もいい
よく笑い周りからも悪い評判など聞いた事のないとても素敵な女性だったんですね。

ただ、人間そしらぬ顔をして裏では、過去には、何を持っているかはわかりませんからね。
今思えば臭いで吐きそうになってたのかどうかも疑わしい
女の子の背後からしか匂いがしないドブ臭い
「こいつ、何を背負ってるんだろう・・・」

そう思うと彼女の笑顔に恐怖を感じるようになって遂には別れてしまったそうです。
周りからは「なんてもったいない事を」とずいぶんと責められたそうですが
彼、
彼女の後ろにいるかもしれない「それ」とも付き合っていく事はどうしてもできなかったそうです。

【完】

295:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:41:50.27 BV43BcX/0
八十二本目の蝋燭が消えました・・・
炉火さん、ありがとうございました
                      γ
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しもこし ◆.BBLN94SlQさん、第八十三話をお願いします

296:しもこし ◆.BBLN94SlQ
11/08/20 03:42:56.85 8oQTLXVLP
1/4

夏休み。川下りにはまっていた我々は、友達5人で
遠方の有名な川を下りに行ったのでした。

スタート地点に車を止めて、川下りを始めたのは1時半過ぎ。
水も温かく、流れも穏やか。途中遊びながら、のんびりと行くことにしました。
途中、カヌーが岩にひっかかって随分と時間をロスしてしまったのを除けば
全体として大きな問題も無く、楽しい川下りでした。

ゴールについて、川から上がったのは17時半。
ゴール地点は渓谷の谷底で、500mほど歩いて登った所に電車の駅が一つあるばかりの山奥です。
近くに民家は一つもなく、道路は狭い林道です。
ドライバー役の友達が駅から電車に乗って、上流の駐車場に車を取りに向かうことになりました。
車を取ってきて、皆のボートを積んで、車で撤収するのです。

迎えの車を待つ間の1時間ほど、川で遊びながら時間を潰すことにしました。
しかし、1時間待ち、2時間待っても、一向に迎えの車は来ない。

19時を回ったころには、日はとっぷりと暮れ、林に包まれた川べりは真っ暗になってしまいました。

297:しもこし ◆.BBLN94SlQ
11/08/20 03:43:57.32 8oQTLXVLP
川下りの装備でしたから、手元には大したお金も、携帯電話も、食料も用意していませんでした。
真っ暗な中を濡れた体で待ち続けるのも辛く、まずは林道まで、歩いて出ることにしました。

川べりから林道までは片側がガケになった狭い未舗装の道路です。
林道に出てさらに2時間。しかしそれでも車は来ない。

最初は単に手間取っているだけだと思っていた私達も、次第に不安になってきました。
車を取りに行った友人に何か重大な事故に巻き込まれたのかもしれない。
しかし、こちらには連絡手段はありません。


9時半を過ぎた頃、流石に待つのも限界だと思い、手がかりを求めて駅に行くと

・・・友人が居ました。

聞けば車をぶつけてしまい、その事故処理をやっていたのだそうです。
ひとまず合流し、まずは電車で車が止めてある場所まで。
そして、皆でご飯をとってから、話し合った結果、車を運転して舟を回収に行くことになりました。

298:しもこし ◆.BBLN94SlQ
11/08/20 03:45:25.22 8oQTLXVLP
3/4

時間は深夜0時。ゴール地点がある駅に向かって車を走らせます。
途中から道は完全に山の中に入り、車1台すれ違えないほどの曲がりくねった狭い山道になりました。
進んでいくと、赤い橋、そしてトンネル。

深夜、人っ子一人居ない民家一つない山奥の赤い橋が、妙に不気味に感じられました。
それでもどうにか駅につき、狭い未舗装路を車で進み川べりへ。
真っ暗闇の中、ハンドルを一歩間違えたら谷底へ落ちてしまう、そんな状況でしたが、どうにか無事
ボートを回収し、戻ってこられました。

時間は深夜1時。流石に寝る時間です。
眠い中運転するのも危険だと考え、その山奥の駅で泊まることを提案しましたが
事故を起こした友達だけは、絶対に嫌だといいます。
途中で見た赤い橋が嫌な感じがした。この川にまつわる恐い話を聞いたことがある・・・などなど。
しかし、結局は深夜眠い中の移動のほうが危険と考え、皆で駅に車を止めて寝ました。

そして、翌朝は何事も無く現地を出発し、地元に帰ってきました。

299:しもこし ◆.BBLN94SlQ
11/08/20 03:46:26.06 8oQTLXVLP
4/4

さて、家に帰って数日後、ウェブニュースを眺めていると
私達が川下りをした6日前
私達が降ったコースで、カヌーにのった女性が
溺れて亡くなったとの記事を見つけました。

そこで急に友人の話を思い出し、気になって調べてみると・・・
途中で見た赤い橋。そしてその先にあったトンネル。
そこは、その地域でも有名な心霊スポットなのだそうです。

そして、私達が最初、車を待ち続けたゴールの水辺。
かつては、上にかかる鉄橋からの飛び降り自殺が絶えず
現在でも毎年のように、その川で観光客の水難事故が起こっているのだそうです。

【おわり】

300:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:47:28.19 BV43BcX/0
八十三本目の蝋燭が消えました・・・
しもこし ◆.BBLN94SlQさん、ありがとうございました
                      γ
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ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、第八十四話をお願いします


301:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:48:17.26 hPkmSRgw0
充電器

1/2

私の部屋では、よく物がなくなります。
たまに配置のおかしくなっている小物があります。
元々大雑把な性格の私は、別段気にもとめてなかったのですが…。

3週間に一回程度の割合で、ケイタイの充電器がコンセントから抜けている事があります。
そこでも大雑把な私は、きっとコンセントが足りなくて充電器を抜いたんだと思っていました。
しかし、何度も何度も同じような事があり、充電器が抜けている部分に別の何かがささっている
訳ではないと気づいてから、少し薄気味悪く感じるようになりました。

ちなみにこれは、数日をかけて書いているのですが、書き始めてから
毎日ケータイの充電器だけ、コンセントから抜けているのを発見する様になりました。

それだけ足を引っかけやすい所にある訳でもなく、抜けやすくなっている訳でもありません。

ある日の夜、私がテーブルライトの明かりで本を読んでいました。
すると突然、部屋全体ががたがたと鳴り始めました。
何事かと身体を起こすと、一人暮らしの私の部屋に、私の他にもう1人、人が居たんです。
私のケータイの充電器を持って立っていました。

目が合いました。私はその顔に見覚えがありました。
その顔は、私が小学生の頃に見た事がありました。
でも同級生ではありません。
その人…その子は小学校高学年くらいの私の姿をしていました。

302:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:48:58.78 hPkmSRgw0
2/2

身体が硬直しました。
これもドッペルゲンガーと言うのだろうか。とすれば私は死んでしまうんだろうか。
でも、何故私のケータイの充電器を持っているんだろう…。

その子に声をかけようと思いました。もうこんな事は終わらせなければなりません。

「ねぇ、それ、どうしていつも抜くの?」

子供は答えません。

「困りはしないんだけど、毎回コンセントにさすのは面倒だからやめてくれるかな?」

子供の口が動きましたが、声は聞こえませんでした。

「わかったら手に持ってる物を置いてくれる?」

子供は素直に手から充電器を離しました。

「ありがとう。それで…貴方は私なの?」

「おねえちゃんがあたしを殺したんだ!」

そう言ってもう1人の私は消えてしまいました。

私は、子供の頃の記憶がほとんどありません。
それを子供の頃の私が悲しんでいるのでしょうか…。

【完】

303:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:50:04.00 BV43BcX/0
八十四本目の蝋燭が消えました・・・
ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、ありがとうございました
                      γ
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色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第八十五話をお願いします


304:代理投稿:色々諦めたロドリゲス ◇pbbxR7EI3w
11/08/20 03:50:12.67 vuz4Ec9S0
「旧実家の4不思議」

母が引っ越してしまったのでもう中を見ることも出来ない前の家。
幼稚園から就職する頃まで過ごした家なんだけど、不思議な事がある。
・2階の廊下の天井に、いくつもの手のひらの跡のような染みがある。
・1階が店舗、2階が居住スペースでリビングも2階でそこで家族で
 雑談をしていると、たまに階段を登ってくる音がする。
 もちろん見ても誰もいない。
・なんでかは判らないんだけど、模様が入ったガラスが外の信号の光
 で人の顔の様に見えてすごく怯えていた事があった。
 でも、その日だけで、次の日には人の顔に見えなかった。
 同じ場所で光って、同じ場所のベッドで寝ているのに。
・霊感の強い友人の女の子が遊びに来た時に「この家は男を嫌ってる」
 と言われた。父は別居で家に殆ど来ないし、おれも高校以降家に帰る
 事はまれだった。

【完】

305:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:51:55.71 BV43BcX/0
八十五本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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匿名希望さん、第八十六話をお願いします




306:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 03:53:48.68 hPkmSRgw0
匿名希望様

タイトル「我が家のルール」

川霧さんは念願のマイホームを買った。
裏が墓地だったので安く買えたという。

「30年ローンだけどね。」
新居に住む事になり家族で幾つかのルールを作った。
ささやかな抵抗をしたのだが家の中でのタバコは禁止になった。
「二階のベランダで吸えばいいって
嫁さんは言うんだけどさ。下が墓地だから」
なんだか気味が悪かった。
しかし一ヶ月を過ぎた頃には真夜中でも平気で吸えるようになった。
静かな墓地を眺めながらの一服もオツなものだと笑う。
深夜の一時過ぎ、睡眠前の一服を吸おうと
ベランダに出ると和型墓石のてっぺんに誰かが立っていた。
故人をモニュメントした墓?
感心していたら、それが万歳をするように両手を上げた。
全身黒タイツ姿のように見えたという。

人だと分かると今度は少し怖くなった。
真夜中に墓石の上にいる全身黒タイツなんて変態に決まっている。
警察に通報しよう。

突然そいつは墓石の上からポンッと飛び降りた。
ビクッと空中で止まり、今度は左右に勢いよく揺れる。
両手両足をダラリとさせ
首が妙に伸びた黒い人がブランコのように揺れていた。

『夜ベランダに出る事は禁止!』川霧家のルールが増えた。
【完】

307:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:54:59.74 BV43BcX/0
八十六本目の蝋燭が消えました・・・
匿名希望さん、ありがとうございました
                      γ
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色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第八十七話をお願いします

308:代理投稿:色々諦めたロドリゲス ◇pbbxR7EI3w
11/08/20 03:55:25.50 vuz4Ec9S0
「一反木綿」

母の田舎に遊びに行った時、道の向こう側から白くひらひらした物が
こちらに飛んできた。
そこには虫取りに出ていたおれ1人。
どんどん近づきすれ違った。
なんか、越中ふんどしの腰紐がないような感じの長い布。
呆然と横を通りすぎるのを眺め、背後に通りすぎた瞬間背後に向き直った。
そこには何もいなかった。

【完】

309:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 03:56:51.57 BV43BcX/0
八十七本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
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枯野 ◆BxZntdZHxQさん、第八十八話をお願いします

310:枯野 ◆BxZntdZHxQ
11/08/20 03:58:12.60 E2+qSFyH0
「樹海にて」1/3

従姉の美保が、演劇サークルの親睦会で樹海を散策したと言う。
もう10年近く昔の話でディテールは忘れてしまった様だが、こんな事があったそうだ。

サークルの主宰が「心霊体験をしてみたい」クチで、
メンバーは度々親睦会の名目の心霊スポット巡りに駆り出されていた。
ただ、樹海ツアーは陽気のいい時分の昼間の催行で、
特別な装備もなく遊歩道を散策するだけとの触れ込みだった為、
一行は気楽な観光旅行のつもりで参加したのだと言う。

しかし、やはり行動理念に難のあるサークル主宰だ。
遊歩道を散策する他のグループの姿が見えなくなると、鞄からある物を取り出した。
雑誌などを捨てる時、結束するのに使うビニールの紐である。
これを目印にして、遊歩道から外れた所を歩いてみようと言い出した。
以前にもこの主宰の話を聞いて「馬鹿か」と言った俺は、再び同じ言葉を口にした。
「怒ると思ったw」と美保は笑い、でもちゃんと紐は私が回収したからと付け足した。
今となっては真相は薮の中だが、この辺は美保の良識を信じたいところだ。

それはさておき。
一行は10人弱だったが、主宰に同行して遊歩道を外れたのは3人だった。
主宰直々に指名したひとりと、美保とその友人。
指名された人と美保はこれまでの同じ様な会で怪異に出会っていたので、
主宰はどうしても連れて行きたかったらしい。
もちろん迷子になるのは本意でないので、
遊歩道脇の木に括ったビニール紐を引いて行く。

50メートルも離れると、遊歩道で待つ仲間たちの姿も確認出来なくなり、
100メートルほどで話し声も聴こえなくなった。
白い紐はパッケージに300メートルと書いてあるので、それが切れる前に戻る約束になっている。



311:枯野 ◆BxZntdZHxQ
11/08/20 03:59:50.47 E2+qSFyH0
2/3
植生は身近な雑木林と変わらない気がしたが、草はみっしりと密度高く、
木は低い位置からうねりねじれる様に伸びている。
いいとは言えない足場を、4人は踏み分け踏み分け進む。
ただしっとりと濃厚な緑の空気が肺に重く、一行は押し黙った。
何もない。
あるのは緑と、その隙間から覗く高い空だけだ。
無言の一行が歩いたのは、多分20分かそこいらの事だろうと思う。
それが気が遠くなる長い時間のように思えて来た頃、ビニール紐の終点が見えた。

主宰の手元には空っぽになった紐の外装と、白い紐のはじっこ。
何故かそれを持っていた主宰本人がほうと息をついて、笑った。
「戻ろうか 」
一番怖い思いをしたがっていた癖に、彼が一番緊張していたらしい。
主宰が紐を手繰り来た道を戻り始めると、3人もそれに従った。
緊張の糸は切れ、一行は口々に感想を話し始めた。
「なんだか怖かった」「でも意外と空気が綺麗で気持ちいいかも」「観光地だもの 」
…他愛ないやり取りをしつつ、紐の半分ほどを手繰ったところで、
主宰から指名を受けて来ていた人が「あれ」と何かに気付いた。
彼女の視線の先を見ると、地面が少し窪んだ所に草臥れた布の塊があった。
来る時には草むらの影で見えなかったのか、
キャンバス地のバッグが打ち捨てられているようだった。
美保は何の気なしに、視線をそこから上に移動させた。
うねった広葉樹の幹が、美保が手を伸ばしてちょうど届く位の高さで横に張っている。
そしてバッグが落ちている真上辺りの幹の皮が不自然に剥けている。
いやだな、と思った。
でも、何も感じない。
シチュエーションが厭な事を想起させているだけだろう。
「行きましょう」と主宰を促すと、彼はちょっと後ろ髪引かれる顔をしたが、素直に従った。
しかし、全員がその窪みに背を向け歩き出そうとした瞬間。


312:枯野 ◆BxZntdZHxQ
11/08/20 04:01:26.94 E2+qSFyH0
3/3
♪ピーピピーリリピーリリー……
レベルが上がった!
いや、ファイナルファンタジーのレベルアップのファンファーレが鳴った。
美保の携帯だった。
遊歩道で待っている仲間だろうと、美保は鞄から携帯を取り出した。
少し遅かったのか、呼び出しは終わっていた。
だが、そこにははっきりと「圏外」の表示がある。
立ち止まり、美保は他の3人にも携帯を出してもらい確認した。
同じキャリアだったのは美保と友人、他の2人はそれぞれ別だった。
そして、主宰の携帯以外は全て圏外。
とりあえず主宰の携帯から待っているメンバーに電話を…と言いながらまた歩き始める。
すると、
♪ピーピーピリリラー……今度は別の携帯が鳴った。
見ると、やはり圏外。
一行は立ち止まらない。少し早足になる。
♪シャラララン…シャララン……また圏外の携帯が鳴っている!
美保は咄嗟に鳴っている携帯をもぎ取り、切れる寸前に通話ボタンを押した。
「もしもし!?」
電話の向こうは、ザーッというノイズが鳴っているだけだった。
ほんの僅かそのノイズが聴こえた後、ブツリと通話は終わった。
訳が分からない。
一行は退路を見誤らない様に、それでも最速で木立を抜けた。

遊歩道に戻り残りのメンバーに訊ねてみると、誰も電話をかけて来てはいなかった。
遊歩道では美保と友人の携帯もアンテナが立っている。
森の中で、圏外だった3個の携帯にだけかかって来た電話は何だったのだろうか。
現在では樹海の中でもかなり携帯が通じるそうだが、
それでは、こんなことはもう起こらないという事だろうか?

【完】

313:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:02:59.50 BV43BcX/0
八十八本目の蝋燭が消えました・・・
枯野 ◆BxZntdZHxQさん、ありがとうございました
                      γ
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炉火さん、第八十九話をお願いします



314:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:04:43.82 hPkmSRgw0
炉火様

交差点

みさなんも仕事をしてると車を使われる事が多いと思います。
自分も、営業で外を回る時などは殆どが車での移動です。

とある某県の某市 その方面に営業に行く時に
まれに上司と一緒に車に乗って移動する時があるんですよ。
で、そっち方面って僕がまだ道に疎い事もあり
裏道使えば早いからって、いつも上司が運転してくれるんですね。

とある方面のとある交差点。
無意識なんでしょうね、ウチの上司

その、とある交差点
そこで上司、いつもぽそっと呟くんですよ。
「まーたあのばあちゃんいるよ。いっも危ないんだよなー、轢きそうになっちゃうよ」・・・って
「あー、そうですねぇ、おばあちゃんだし、気をつけないと危ないですよねぇ」
って、最近は自分そう答えるようにしてるんですよ。
「最近は」って言うのは

僕ね、その交差点で、上司の言うそのおばあちゃんっての
未だに見た事ないんですよね。
とても見通しの良い交差点ですよ
電柱も並木もなにも遮る物のない交差点。

ウチの上司、毎回毎回
一体何を見てるんでしょうね?

因みに、僕が一人で運転する時はは、そこ、絶対通りません。
【完】

315:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:06:17.46 BV43BcX/0
八十九本目の蝋燭が消えました・・・
炉火さん、ありがとうございました
                      γ
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         `ー--─'"
たったかた~◆UFe7PhFKw2さん、第九十話をお願いします





316:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:06:56.71 hPkmSRgw0
たったかた~様

[足]

ある女性が深夜帰宅するために、人通りの少ない道を歩いていた。
その女性はハイヒールを履いていたため、ひっそりとした道に足音だけが
リズムよく響いていた。
すぐそこに曲がり角がうっすらと街灯に照らされていた。
「そこを曲れば家まであと少しだから」女性は独り言を呟いた。
その角を曲ったとたん足元に違和感を感じた。
それに今まで響いていた足音も消え、何かフカフカしたものの上を歩いているよ
うだった。
女性は足を止め、自分の足元を見た。
薄明かりの中で目をこらすと、女性は悲鳴にもならない声を上げた。
何とそこには気味の悪い笑みを浮かべた男が、女性の靴を下から掴んでいた。



【完】

317:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:08:17.20 BV43BcX/0
九十本目の蝋燭が消えました・・・
たったかた~◆UFe7PhFKw2さん、ありがとうございました
                      γ
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枯野 ◆BxZntdZHxQさん、第九十一話をお願いします



318:枯野 ◆BxZntdZHxQ
11/08/20 04:08:51.69 E2+qSFyH0
「扉」1/2

母方の一番下の従妹が、一時期老人ホームのバイトをしていた。
本人に言わせると「洗濯機を見張る仕事」だったらしい。
要するにホーム内の洗濯物を洗っている部屋で、
機械が止まったりしない様に監視していたと言うことだろうか。
ほんとうに洗濯機の相手をするだけの仕事で、まさに「見張って」いたそうだ。
従妹…仮に桜と呼ぶ。

その日も桜は施設の地下で、洗濯機を見張っていた。
見張りとはいえ洗濯機のある部屋は湿気と熱気があるので、
廊下にあるベンチで、仕上がった洗濯物を畳みながら、時々部屋を覗く。
人気のない廊下にベンチはひとつ、洗濯室の方に体を向けると斜めに腰掛ける事になる。
洗濯室と反対側に斜めを向くと会議室で、今日は使われていない。
洗濯機や乾燥機のうねる音をBGMにただ黙々と洗濯物を畳む。
無我の境地に到達しそうだ。
いつもと変わらない作業……

ドン!ドンドンドンドンドン!!

桜はハッと振り返った。
静寂を破り、確かにドアを叩く音が響いた。
斜め後ろ。
会議室の向かいの部屋のドアが、確かに打ち鳴らされた。
でも、誰もいない。会議室は使われていない、向かいの部屋は使っているのを見た事もない。
それに、自分は朝から洗濯機を見張っている。誰かが階段を下りて来たら前を通る筈だ。


319:枯野 ◆BxZntdZHxQ
11/08/20 04:10:17.06 E2+qSFyH0
2/2

桜は立ち上がり、おそるおそるドアのレバーを引いた。
ガチリ、と鈍い音がしただけで、レバーは動かない。
鍵がかかっている。
誰もいない…いる筈がない。
桜は気のせいだと自分に言い聞かせて、作業に戻った。

暫く勤めた後、事務の口が見つかって桜は他の会社に就職した。
洗濯機の見張りのバイトは結構長く続いたが、その後は不審な物音などはなかったそうだ。
ただ一度だけ、鍵がかかっていた地下の部屋の扉が開いているのを見た。
がらんとした部屋に、祭壇がしつらえられてあった。
おそらく、滅多に使われない霊安室。ならば…
あの時ドアを叩いていたのは誰だったのだろう?

【完】

320:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:10:49.51 BV43BcX/0
九十一本目の蝋燭が消えました・・・
枯野 ◆BxZntdZHxQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、第九十二話をお願いします


321:本当にあった怖い名無し
11/08/20 04:11:29.27 Hj1w24YT0


        YOUSUKE  BIG  GOD
     
     URLリンク(live.nicovideo.jp)


322:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:11:58.02 hPkmSRgw0
逆さま

私はお話を読んでいると、無意識のうちに頭の中でイメージを浮かべるクセがあります。
とある、怖いお話を読んでいた時の事です。
その時も無意識に、頭に映像が浮かんでいました。
家にまつわる心霊現象について書かれていたお話だったと思います。
読んでいる途中で、浮かんでいる映像に何か違和感を覚えました。
お話に関係のない何かが居るのです。
それは…天井から逆さにぶら下がった女の人。
つい先日、私の部屋に現れた女性でした。
もうお話を読むどころではありません。
普段ならお話を読んでいる最中しか映像は浮かばないのですが
その時は違いました。
その女性が、知らない部屋にぶら下がっているのがまだ見えているのです。
ゆっくりと辺りをキョロキョロしていました。
「見てはいけない!」何故かわかりませんがそう思いました。
彼女の動きが一瞬止まりました。
私は開いていたページを急いで閉じました。
これできっと彼女も消えると思いました。
しかし、頭の中のイメージは鮮明になっていきます。
横を向いている彼女が笑った気がしました。
するとぐるりと首だけをこちらに向け、口を動かしました。
声は聞こえませんが「み、つ、け、た」そう言っているようでした。
そして頭の中のイメージは途切れたのですが…
座っていた私の目の前に、上からのぞき込むように逆さまの顔が現れ
嬉しそうに口を「あー」と開けて消えました。
これからも逆さまの彼女は現れるのでしょうか…。

【完】

323:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:13:37.81 BV43BcX/0
九十二本目の蝋燭が消えました・・・
ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、ありがとうございました
                      γ
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匿名希望さん、第九十三話をお願いします




324:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:14:49.97 hPkmSRgw0
匿名希望様


1/2

タイトル「自慢話」


「体験するまでは信じられないって。」
デザイン事務所に勤める吉田さんは都内にある某ビジネスホテルに泊まった。
6時間に及ぶ打合せも無事に終わり、
緊張が解けた彼はクライアントと一緒に酒を飲んだ。
ホテルに入ったのは深夜の2時をまわっていたという。

「スーツぐらいは脱ごうと。でも酒による金縛りってやつか。」

ベッドの上で心地良い睡魔を味わっていたら・・・
ドン!と壁を叩く音が部屋に響いた。
続けて隣の部屋から誰かが壁を何度も叩いた。
吉田は壁を叩き返した。
相手も叩き返してきた。何度かそんな応酬が続いた。

「怒りで睡魔が吹っ飛んだよ。酒というガソリンも入っていたしな。」

怒鳴り声をあげながら部屋を出た。
隣の部屋からも若い女性が出てきた。

「うるせぇんだよ!ハゲオヤジ!!」

酒臭い女は吉田に暴言を吐いた。

「見た目は結構イイ女なんだぜ。その女に糞だの死ねだのと叫ばれてみろ。」

325:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:15:31.07 hPkmSRgw0
2/2

意表をつく展開に吉田も圧倒されてしまった。
お構いなしに暴言を吐き続ける女。

「俺は女には優しい。何度も言うがこれも酒が悪いんだ。」

吉田も罵声を浴びせ返した。
しかし女はまったく怯まなかった。お互い罵声を浴びせあった。
つかみ合いの喧嘩になりそうになった時、

「ドン!ドン!ドン!ドン!って、
俺がいた部屋の中からドアを激しく叩く音がしたんだ。」

同時に女の部屋からも誰かがドアを叩いた。二人は声を無くした。
「部屋には誰もいないんだって、意味分んねえよ。
そしたら今度は部屋の中から大声で笑う女の声が。
二つのドアを狂ったように叩きながら笑っているんだぜ!」
同じ女の笑い声が聞こえていたと言う。

「女と一緒に悲鳴を上げながら逃げたよ」

二人は一階にあるフロントに向かって走った。

「これが情動二要因理論てやつだ。
恐怖でドキドキすると恋愛が芽生えやすいという理論なんだけどさ。
それが縁でその女と付合っている。そういう現象は本当にあるんだって。」

吉田は自慢げに笑った。

【完】

326:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:16:48.11 BV43BcX/0
九十三本目の蝋燭が消えました・・・
匿名希望さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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龍聖 ◆U.fI9vC3eUさん、第九十四話をお願いします






327:龍聖 ◆U.fI9vC3eU
11/08/20 04:26:39.05 kbxEWbN+0
第九十四話

【倉庫】

数年前のことです。
父の会社がとある倉庫を借りることになりました。
奥行きのある倉庫の前には簡単な作業が行えるスペース。
そして倉庫内外から入れる事務所が隣接しています。
さらに事務所には倉庫内の階段から繋がる二階がありました。


倉庫を借りてすぐ、会社内ではある話題で持ち切りになったそうです。
『階段を上る足音がする。白い服を着た女がいる。女の子がいる』
社員だけでなく、作業に来ていたパートさんもほぼ全員が音を聞いたり姿を見ていました。
私の父を除いて。


ある日の夜、父が倉庫に行かなければならなくなりました。
「別に怖いわけではないけど」という前置きをしつつ、父は私に一緒に来てほしいと言いました。
私は全力で拒否をしましたが、執拗な言い様にうんざりし渋々行くことにしました。
倉庫に着き「絶対中には入らないからね!」と言い、私は外で父を待っていました。
噂の女性の出没場所を大体聞いていた私は、絶対事務所の二階の窓を見ないよう意識的に下を向いていました。


328:龍聖 ◆U.fI9vC3eU
11/08/20 04:28:47.80 kbxEWbN+0
そう、絶対見ないと下を向いていたはずなのです。
しかし私の目はしっかりと事務所の二階の窓、そこから下を見下ろす白い服の女性の姿を捉えていたのです。
全身が固まり、冷たいものを感じました。
「これは見てはいけないものだ!」
直感でそう思い、目を合わせないように急いで視線を移しました。
腕は鳥肌でびっしりで、冷たい汗と共に体が震えていました。
その後すぐに倉庫から父が戻って来ましたが、父は何も見ていないと言っていました。


この話には、ちょっとした後日談があります。
社員の内の一人がその女性を連れて帰ってしまったらしいのです。
ある日を境に事故が頻発し怪我を負い、病気をするようになったのです。
身体に重みを感じたこと、そして倉庫でのこともあり然る場所へ相談しに行ったところ、直ぐお祓いの運びになったそうです。
そこで女性を背負っていたことが分かりました。

329:龍聖 ◆U.fI9vC3eU
11/08/20 04:30:52.49 kbxEWbN+0
好奇心も少しあり、私は父に頼み倉庫のことを調べてもらいました。
そこで分かったのは、事務所はもともと民家で、そこの二階で病気で亡くなった女性がいること。
神棚を残して、住んでいた家族が引っ越してしまったということでした。
女性の家族と引っ越した家族が同じ家族かどうかはまでは分かりませんでした。


お祓い後ですが、その後も倉庫で女の姿が目撃されています。
もともと二人いるということなので、お祓いされた女性とは別かもしれませんが。
目撃者によると、戻ってきているとのことでした。


その後その倉庫は別の会社が使ってたようですが、どうやら倒産したようです。


【了】

330:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:32:29.44 BV43BcX/0
九十四本目の蝋燭が消えました・・・
龍聖 ◆U.fI9vC3eUさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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BIGGOD ◆UL0yNua03wさん、第九十五話をお願いします








331:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:34:15.29 hPkmSRgw0
BIGGOD ◆FXm8E9Lrd9Ak様


題名影の歌

1/2


土曜日の昼間、私は友人のBIGGODとカラオケに来ていた。
 
「ありがとう~♪君のことは忘れない……♪」
 
歌が終了し、点数が表示される。
……82点。
いつもと変わらない。
 
「はい、次、BIGGODの番だよ」
私はそう言って、BIGGODにマイクを手渡した。
BIGGODは『ありがとう』と言って受け取る。
それと同時に、BIGGODの好きな、ホラー系の曲が流れ始めた。


332:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:35:28.91 hPkmSRgw0
 
「私に襲い来る黒い影……♪それは私を殺そうとする……」
「どんなに逃げても追ってきて♪それでも私は逃げ続けるの♪」
 
 
BIGGODの声って、綺麗だな。
そんなことを考えているうちに、歌はいよいよクライマックスに差し掛かった。
 
 
「とうとう私はあきらめて~♪私は影に殺サレタ……♪」

ざしゅっ。
 
狭い部屋の中が、BIGGODの真っ赤な血に染まった。
機械は、BIGGODなどどうでもいいというように
美しいメロディーを流し続けている。
私はただ、呆然と立ち尽くしていた。
 
 
『ネエ、アナタハ、ドンナ歌ヲ歌ッテクレルノ?』
 
どこからか、期待に満ちた声がした。

【完】

333:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:40:40.41 BV43BcX/0
九十五本目の蝋燭が消えました・・・
BIGGOD ◆UL0yNua03wさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第九十六話をお願いします










334:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:41:05.41 hPkmSRgw0
キツネ ◆8yYI5eodys様

「刑場跡の三角石」


【刑場跡の三角石】1/4
あれは高校時代のことです。
週末、部活を終えた私は仲間たちと部室で駄弁っていました。
話の内容はというと……まあ、くだらないシモネタだったんじゃないでしょうか。
とうに日が暮れた部室で、いやはや、どういう会話の流れを辿ったのかは
分かりませんが、みんなで肝試しに行こう!ということになりました。
確か部員のKくんが、

「うちの近くに『出る』って場所があるよ。しかも昔処刑とかやってたらしい」

と言うので場所も決まり。
強がり真っ盛りの年代だった私たちは、口々に幽霊なんていないよ、全然怖くないし、などと強がっていたのを覚えています。
私たちは一度家に帰って学校の近くのコンビニに集合し、自転車でKくんの家に向かいました。

少し山道を登るから、とKくんが言うので私たちはKくんの家に自転車を置かせてもらい、懐中電灯で遊びながら目的の場所へ。
舗装されてはいるものの車1台分ほどの狭い道を抜けると、そこは森に囲まれた真っ暗な広場……入口から懐中電灯で照らしても奥が見えないほど広く、暗い場所でした。
周囲の森に吸い込まれそうな錯覚を覚えていますと、じゃあ始めよう、とKくんが発した声で我に返ります。

おっと、一応ルールがあったので記しておきましょう。
1人ずつ広場に入ってそのどこかにある祠を探し、そこKくんが予め置いておいたうまい棒を持って再び広場の入り口まで戻ってくる。
前の人が戻ってきたら、次の人がスタートする――

さすがKくん!シンプルで安上がり。

335:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:41:46.50 hPkmSRgw0
【刑場跡の三角石】2/4
私は順番が最後ということで、のんびり待っていました。
意外にも広場が広いのか、はたまた祠を探すのに手間取ってしまうのでしょうか。
みんな帰ってくるまでに結構な時間がかかり、一息ついてうまい棒をかじる顔は汗だくでした。

さて、いよいよ私の番。
「置いて帰らないでよ?」「えー、怖いの?」などとやり取りした後で、懐中電灯のスイッチを入れて、いよいよ広場に踏み込みます。
中に入ってみると分かるのですが、広場はいびつな形で、奥行きも結構深い。
迷うのは嫌だったので、私は公園を囲む森沿いに進むことにしました。

どれほど歩いたでしょうか?
急に森が途切れた小高い場所に、小さな三角屋根が見えます。
あそこかー、と緊張が解けた私が近付くと、それは木造の小さな、私の腰ほどまでの高さの祠でした。
あった!
うまい棒はその小さな祠の中に1本だけ……ちぇ、キャベツ味か。

懐中電灯でうまい棒を照らしながら祠から離れようと踏みだした時でした。

何故か足を取られてすっ転んだ私。
何かに躓いたのかな、と倒れたまま懐中電灯を足元に向けると、地面から何かが飛びだしていました。
よく見ると、それはちょうど正方形を半分に割ったような三角形の大きな石。
ついてないな、と潰れたうまい棒を拾い上げ、立ちあがろうとした――その時でした。

336:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:42:28.02 hPkmSRgw0
【刑場跡の三角石】3/4
『……ずるり。』


突然、数メートル先の森の中から音が響きました。
何かを引きずるような、そんな音。
さらに耳に神経を集中させると引きずるような音に混じって、コキリ、コキリ、と何だか固い物がぶつかるような、こすれるような音まで聞こえてきます。

慌てて森の方に目を向けると、小さな人影が目に入りました。
背の低い人影。
それがずるり…、ずるり…と足を引きずるような格好で私に向かって歩いてきたんです。


するり…コキリ。ずるり…コキリ。


次第に鮮明になるソレは、着物というにはズタボロの布を纏った男の人でした。
それにしては背が、こう、子供のように低い。
その違和感に気付いたまさにその時。
倒れ伏した私の目の前をずるり…コキリ、と男の人が横切っていきました。
過ぎて行ってくれた、とほっとその後ろ姿を見た時、私は目を見開きました。

その男の人が引きずっていたのは両の足の、膝から下の部分。
そうです、膝から下を引きずるようにして、膝先で歩いていたのです。
ずるり、コキリ。ずるり、コキリと。

男の人の姿が森に消えると、フッと身体が軽くなったのを感じました。
そして、懐中電灯とうまい棒を手に、全速力で駆けて入口まで引き返しました。

337:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:43:10.16 hPkmSRgw0
【刑場跡の三角石】4/4
それから数年後。
大人になった私はそんな事があったのなんてすっかり忘れていたのですが、ある時友人と酒のつまみに怪談話をしていたときに、ふと、思い出しました。

それがずっと頭に引っかかっていた私は、去年、地元に帰った時に郷土の歴史に詳しいAくんにその場所、刑場跡だという場所について聞いてみたんです。

Aくんが調べてくれたところ、そこは確かに刑場の跡だったとのこと。
翌日、私はAくんの車でその場所に向かいました。
懐かしのあの広場は変わっておらず、あの日の出来事をAくんに話してみました。
バカな、と一笑に付したA君ですが、男の人が歩いて行った方向を見て驚いた表情を見せました。
Aくんに一言、ついて来い、と言われた私はそのままAくんに連れられて車で移動しました。

その車中でAくんが教えてくれたこと。
それは江戸時代、この地域には藩が定めた「念仏禁制」というものがあり、一向宗、いわゆる浄土真宗が禁止されていたそうです。
しかし農民の中で根強く信仰されており、見つかると見せしめに酷い拷問や処刑を受けたのがあの場所だったのです。
例えば水責め、火責め。
裸にした若い娘に、塩水に浸してピンと張った縄を跨いだ状態で歩かせる。
中には洗濯板のような尖った石の上に正座させ、膝の骨が砕けるまで平たい正方形の石を何枚も膝に乗せていく。

ちょうど、あの時地面から生えていた三角形の石を2枚重ねたような平たい石を。

車が停まり、A君が案内してくれたのは小さな洞穴でした。
隠れ念仏洞といって、一向信徒が隠れて念仏を唱えた場所だそうです。
そしてこの念仏洞は、ちょうどあの晩、男の人が進んだ森の先に当たると教えてくれました。

あの足を引きずっていた男の人は、ひょっとしてこの念仏洞に向かって歩いていたのでしょうか?
砕けたその足でもなお、この念仏洞に。

私は目をつぶり、静かに念仏洞に向かって手を合せました。
心の中で南無阿弥陀仏、と唱えながら。

【完】

338:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:51:56.63 BV43BcX/0
九十六本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
                      γ
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匿名希望さん、第九十七話をお願いします






339:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:52:43.38 hPkmSRgw0
匿名希望様

タイトル「想定外」
1/2

建設関係の仕事をしている川村さんは朝が弱い。
早朝から工事がある日は、
同じく朝が弱い会社の先輩と遅刻をしないように前夜から現場に入る事がよくあった。
先輩のセダンで仮眠をとる事が多かったという。
霊園での早朝からの仕事が入る。
いつものように前夜現場に入り霊園の駐車場にセダンを止めた。

「お化けに喧嘩を売ってくるわ。いるなら出るよな。お前も来い。」

元ヤンキーでちょっと歯が溶けている先輩はたまに突拍子も無い行動をとることがある。
時計を見ると午前一時を少し回っている。
誰もいないこの駐車場でも気味悪いのに墓場に入るなんて御免だ。

<若い頃やったシンナーで脳味噌がトロケてるから>

バカな事をやった時の先輩の口癖だ。
罰当たりな行為をしそうなので断った。

先輩は妙なテンションの雄叫びをあげながら車から飛び出すと、
転々と設置された街灯の向こう側にある墓地の闇の中へと消えていった。

五分も経たないうちに墓場から全力疾走で戻って来るのが見えた。
下半身は裸だ。
先輩は本当にバカだ。悲しくなる。
先輩は大きめのナニを激しく上下させなから車に向かって走って来る。
無表情なのに目だけが血走った姿には殺気すら感じた。


340:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:53:25.75 hPkmSRgw0
2/2

スピードを落とさず全力疾走で突っ込んでくる。
ドンッ!と車のボンネットに飛び乗ると、そのまま屋根を乗り越えて後ろに走って行った。
愛車が命だと豪語していた先輩とは思えない行為だ。
あっけにとられながら走り去っていく先輩を凝視した。
背中に視線を感じて振りかえる。
前方の闇から青白く輝くドッヂボール大の塊が二つ、車を目掛けて飛んでくるのが目に入った。
その光の塊は先輩を追うように同じ軌道で飛んで来る。
一つはフロントガラスギリギリで上空へと飛び上がったが、後一つはボン!とフロントガラスに激突した。
水で膨らませた風船を地面に叩きつけた様に割れたという。
ビシャッと青白い粘着質な液体がフロントガラスに広がると蒸発するように消えていった。
一人でいるのは怖い。この場から逃げたいがエンジンが掛らない。
先輩を追う為にドアを開けると車内灯がついた。
フロントガラスで青い塊が弾けた場所に顔の跡があった。
脂汗で濡れた顔面を必死に押しつけた様な生々しい顔の跡がハッキリと分かる。
押し潰された鼻、見開かれた両目、そして大きく開いた口。
その表情はフロントガラスに激突することが想定外で驚いるように見えた。

結局墓場で何があったのかは記憶が無いからと教えてもらえなかったという。
霊園の入り口前で震えていた下半身むき出しの先輩は高熱を出して一週間も会社を休んだ。
罰が当たるとは先輩も想定外だったのは確かなようだ。


341:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:54:24.34 hPkmSRgw0
【完】

342:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:55:57.38 BV43BcX/0
九十七本目の蝋燭が消えました・・・
匿名希望さん、ありがとうございました
                      γ
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パンドラさん、第九十八話をお願いします








343:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:56:17.35 hPkmSRgw0
パンドラ様
1/2

これは疲れているときに電車で遭遇した話です

「一緒においで」

皆さんは電車に乗るときつり革とか椅子に座ったりすると思います。
私はそのときつり革につかまってのっていたんです。

目の前に窓があってそこから水滴が落ちているのをみかけたんです。
「えぇ・・雨降ってんのかよ・・・傘ないんだよなぁ・・・」
そんなことを思っていたんです

音楽を聴きながらテンションあげようとしてプレーヤーをつけようとしたとき、
ふと、目の前の窓をみたんです。
そこには、透明とは程遠い赤黒い液体がツーッっと流れていたんです。

今思えば多分それは血だとおもいます。
気持ち悪くなって、見ないようにしました。

トンネルに入るとそれも暗がりで見えなくなって
安心していたんです。

344:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 04:57:07.78 hPkmSRgw0
2/2

トンネルをでてから顔を上げてみると、
そこに、女の上半身が見えていたんです。
血走った目で私をにらみつける様はまさに鬼のようでした。
でも回りは何の反応も示さないんです。

怖くなって一つ前の駅で降りたんです。
まあ、結局家まで歩くことになったんです

長い道を歩いていると、ボーっとしていたせいか人にぶつかったんです。
女の方だったんですが、まるでぶつかったことがなかったかのように、普通に立っていたんです。
謝罪したんですが、まったく反応は返って来ず、気味が悪くなって帰ったんです。

また歩いていると人にぶつかって、見たらさっきぶつかった女の人だったんです。
完全にビビッて家に駆け込むようににげたんです。
家に入って塩を玄関にぶっ掛けたんです。
これで安心と思って自分の部屋に入ってPCの電源をいれると、スタート画面が出た瞬間、
PCの電源が落ちました。 ブレーカー見てみたんですが、普通に動いていました。
自室に戻ってPCの電源をいれましたが、やっぱり付きません。
画面を覗くと自分の顔が映っています。
その横にさっきの女の人が映っていました。
その女は私に笑顔で
「一緒にくるか?」
と話しかけてきました。私はおびえながら拒否しました。
その瞬間鬼ともいえるような形相になり、私を睨みながら自室を出て行きました。
あいつは一体なんだったのでしょう?

もしかしたら家にまだいるのかもしれません

【完】


345:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 04:59:25.28 BV43BcX/0
九十八本目の蝋燭が消えました・・・
パンドラさん、ありがとうございました
                      γ
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あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第九十九話をお願いします







346:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/20 05:00:01.79 8+aRKMPa0
「操り人間」

(1/2)

友人Dと霊感持ちのKの話です。
Kが霊感があるのはみんな知っていました。そこでDがある霊体験をKに相談したのです。

Dの体験というのは随分前から金縛りにあっていて、その夜も金縛りが始まったそうです。
でもその夜はいつもと違って自分の手足がぶらんぶらんと勝手に動くのだそうです。
身体はベッドに張りつけられた様に動かないのに、まるでひっくり返った昆虫がもがく様に
自分の意思に反して動き続ける手足。
Dは目も開けられて、首も動かせたので、自分の身体のありえない様子を驚愕しながら
見ていたそうです。

Dの話を聞いたKが一言「生霊だね」

私は二人の話を聞いていて『生霊って怖いというけど、本当にそんな事になるんだ』と
びっくりしました。
そしてDはこれからどうしたらいいんだろうと思ってまた、話に耳を傾けました。

347:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/20 05:01:13.78 8+aRKMPa0
(2/2)

D「俺もいろいろ考えたんだけどさ、思い当たる節があって…」
K「うん、わかるよ。D君が理解して自分で解決しようと考えてるのもわかる。
  だからきっともう金縛りに合う事もないよ」

さすがのK。Dの思いも今後もわかるんだ。
私は感心しながら明るく笑っているDの顔を見て安心しました。

そして私はKに言いました。
「生霊かぁ~私はどっちかっていうと飛ばしそうだな」

…笑って流してくれるかと思ったのにK曰く「うん、それはありえるね」

私「えええ~マジでえぇ~!?」

3人で大爆笑でした。

「完」

348:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 05:01:44.21 BV43BcX/0
九十九本目の蝋燭が消えました・・・
あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、第百話をお願いします







349:りほ ◆aZ4fR7hJwM
11/08/20 05:02:55.23 78szAUOU0
・次は…俺か?イヤ、それは無い
【1-4】
長野でのお話。
昔話や童話、言い伝えというのはどんなに眉唾なものであっても言われる以上、それなりの理由や体験があるのだろう。
ところで、長野ではないがこのような話を聞いたことがないだろうか?
ある猟師が山に入ったところ、目の前に次々と生き物が現れては次のものに喰われる。その中の1匹をとろうとした時に、ふと次は自分ではないか?
と思い難を逃れるというものである。ではでは…

記憶が正しければ、大学1年の夏。時期は2007年の9月になるかならないかというところ。
夏も終盤で日も短くなってきたが、未だ蒸し暑い日々が続く。
確かその日は午後まで他の用事が入り、正直疲れてはいたのだが、釣行することにした。
この時期の渓流釣りは良い避暑にもなるので夕涼みがてらになるからね。
林道をいけるところまで車で進み、川に辿り着く。普段ならここから更に奥へと沢を登っていくのだが、
その日は疲れが溜まっていたので、ちょっと進んだ先にある魚止めの堤に腰を下ろし、釣果関係無しでのんびりすることに決めた。

350:りほ ◆aZ4fR7hJwM
11/08/20 05:03:57.20 78szAUOU0
2-4】
岩の上に腰を下ろし、足は冷たい渓流の流れにさらしながら時折堤の下の糸先に目をやる。そんな最中、あるものが目に入った。
木々の葉がいくらか積もったテトラの上にて黄緑の物体がうごめいている。飛蝗だ、おそらくウマオイだろうか。
それがテトラの上に落ちた葉を食べていた姿であった。
しばらくした後、ウマオイはテトラの上から茂みの方へと移動し始めたのだが、茂みの中から何かが飛び出してきた。
見たところトノサマガエルか、ヒキガエルだと思う。
そいつが飛び出ると同時にウマオイを飲みんだ。弱肉強食の摂理を目の当たりにし、感慨にふけっているところにバシャと何かが跳ねたような音がした。


351:本当にあった怖い名無し
11/08/20 05:04:09.28 QZ7sq/1G0
しかしこのオカルト板もゆとり能全開というか、ぬるくなったよね

352:りほ ◆aZ4fR7hJwM
11/08/20 05:05:10.26 78szAUOU0
【3-4】
思わず岩魚か!と思い目を向けるが、そこに居たのはおどろおどろしい色をした大き目のヤマカガシであった。
変温動物なのにこんな冷たい水に入って大丈夫なのか?という心配を他所に、そいつは水面をスルスルと進んで行き、
シャッ!とカエルに噛み付きそのまま水中へと引きずり込んだ。しばしの後、蛇は水中から出るとテトラの上にて日光浴を始めた。
腹を見る限り、どうやらカエルは飲み込んだようである。この辺りであの某話みたいだなと一人笑っていると、不意に蛇が此方を見た。
始めは「よく堤の上の自分に気づいたな」と思ったのだが、蛇はじっと此方を見たまま動かない。


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