【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】at OCCULT
【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】 - 暇つぶし2ch118:毒衣紋 ◆5TLWX9QsC1zc
11/08/19 23:18:11.21 MVLToZ5A0
[世話になった]

母がまだ若いころに体験した話です。

蒸し暑いお盆の日の夜のこと。
家の外から「シャン・・シャン・・・」という鈴の音が聞こえる。
何事かと思い家の裏口から通りへと出てみると深い靄のなかに人影が見える。
それも1人2人ではない。坂の上から海のほうまで沢山の人の行列である。
とても生きているとは思えないような人たちの…
母は不思議と怖いなどという感情は抱かなかった。
すると、列の中から1人の中年の男が近づいてくるではないか。

「かぁちゃん…かぁちゃん……」
よく見ると先日亡くなった近所のおじさんである。
「かぁちゃん…世話に……なったなぁ」
それだけ言うとおじさんは再び列へと帰って行った。
生前言えなかった礼を言うためにあの世への行列から抜け出して来たのだろう。

母が気づくと布団の中で、朝になっていたそうだ。

【終】

119:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:19:31.46 zYhUUkPX0
二十九本目の蝋燭が消えました・・・
毒衣紋 ◆5TLWX9QsC1zcさん、ありがとうございました
                      γ
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みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさん、第三十話をお願いします・・・


120:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:21:00.27 3gJX/ByM0
『ロッカーの上に・・・』1/2

これは、私が、とある大学病院の内科で看護師をしていたときのお話です。

受け持ちだった寝たきりのおばあちゃん。
少し、痴呆もあり、コミュニケーションもなかなかとれず
お話もほとんどされなかったのですが、
ある夜勤の日、巡回にいくと、

なにやらモゴモゴと話したそうにしていました。

「どうしたの?何か用があるのかな?」
「ねぇねぇ、看護婦さん、、あそこの。。」
「ん?あそこ?」

おばあちゃんが指をさしたのは、病室のロッカー。
なんの変哲もない、普通のグレーのロッカー、天井と上部と30cmくらいの隙。

121:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:24:48.60 3gJX/ByM0
すみません、3ページまであります;;

2/3

「ロッカー?ロッカーがどうしたの?」
「あそこの上ね・・」

「あそこの上に人が寝てるけど、あれ、いいの?」

ふだん、なにを言ってるかよくわかりにくいおばあちゃんが
このとき、ハッキリとそう言いました。
勿論、そんなところに誰かいるはずもありません。

そのとき、何故だか、一瞬で全身に鳥肌がたちました。

それから、ほどなくしておばあちゃんは亡くなられました。


122:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:25:38.07 zYhUUkPX0
三十本目の蝋燭が消えました・・・
みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさん、、ありがとうございました
                      γ
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砂糖次郎さん、第三十一話をお願いします・・・



123:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:26:18.89 pJf+sL8/0
砂糖次郎様

何年か前の話。当時、学生だった自分は自転車でアルバイトに通っていたんだけど、
そのアルバイト先はちょっと遠くて、30分ほど自転車を漕がないといけなかったんだ。

その日も、店を閉めて帰る時間になったのは雑談していたこともあって、深夜0時を回る時間。
といっても、帰る道は国道に面しているので、車の往来は多いし、暗い道でもない。

海にほど近いところを走るので、いくつか橋を越えないといけなかったんだけど、
その2番目の橋で、川側のほうを見ると直径2mぐらいの光る球体が見えた。

その球体は遠い場所で光っているのでなく、5mぐらい先で光っている。
これはなんだろうと思って自転車を止めてその球体を見ていたんだけど、10秒ぐらいしたら消えてなくなりました。


周りで見ている人はいなく、プラズマってこれかと思ったけど、
あれはなんだったんだろう。

【終わり】

124:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:30:40.32 zYhUUkPX0
三十一本目の蝋燭が消えました・・・
砂糖次郎さん、、ありがとうございました
                      γ
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宮北 ◆dJNUgCnIngさん、第三十二話をお願いします・・・

125:本当にあった怖い名無し
11/08/19 23:31:38.36 HOjuFdLa0
>>124
まだみゅ雨さん終わってないよー

126:宮北 ◆dJNUgCnIng
11/08/19 23:33:56.87 VaWY4HNP0
「最上階の物件」(1/6)

私は今年の四月に引っ越しをした。
その際、不動産屋の方と話をしていて教えてもらった話。

その不動産屋の方をAさんとする。
Aさんはとあるマンションの最上階をお客さんに紹介した。
そのお客さんは母子家庭の方で、若い母親とその息子(4歳くらい)だった。
母親は最上階で見晴らしが良いにもかかわらず、とても安いのでそこに決めると言った。
Aさんは何故この良い物件がこんなにも安いのか、気になってはいた。
しかし、母親にも尋ねられなかったので調べることもないまま
その後親子にその部屋を貸すことになった。

127:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:35:16.38 zYhUUkPX0
大変失礼致しました。

みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさん3/3をお願いし致します。



128:宮北 ◆dJNUgCnIng
11/08/19 23:37:36.45 VaWY4HNP0
(2/6)

親子が最上階の部屋に引っ越した次の日の朝、母親から電話がかかってきた。
Aさんが電話に出ると、慌てたような声で
「すみません、あの、お聞きしたいことが…」
と言う。
「どうかなさったんですか」
とAさんが尋ねると、母親は答えた。
「息子が…真っ黒なおじさんが怖いって…。私もそれ、見たんです。
 この部屋で何があったんですか」
Aさんはやはり、と思ったそうだ。

129:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:37:51.88 3gJX/ByM0
 3/4

ただ、おばあちゃんに関しては、痴呆が少しあったのもあるので
そこまでだと、もしや痴呆のせいではという疑いもあったのですが、、
この話には後日談があります。

私の勤務する内科病棟はおもに、白血病などの疾患を扱う病棟だったため
若い患者さんも多かったのです。

その時期、スタッフの間で俄に噂になっていたのが、
ロッカーの話。
死期の近い患者さんは、ロッカーの上に生首がならんでいるとか
よく訴えられたのです。。。


130:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:41:05.14 3gJX/ByM0
4/4

しかし、痴呆もない、若い末期の患者さんです。。

その幻覚?を見た患者さんたちは、
たいてい、数日で亡くなられてしまうことが多く・・・・・・・

ロッカーの上にいた、人物?とはいったいなんだったのでしょうか。・・・・・・・

≪完≫

131:宮北 ◆dJNUgCnIng
11/08/19 23:42:57.47 VaWY4HNP0
(3/6)
本来高い家賃のはずが、安くなっているような物件はだいたいこういった「幽霊物件」か、貸す側に何か特別な理由
(たとえばいっきに部屋が空いたから埋めたい、など)がある場合なのだとか。

Aさんは一度電話を切ってすぐ、そのマンションのオーナーに電話をかけて話を聞いた。
すると、とんでもないことが分かった。
以前、その最上階の部屋には大きな会社の社長の息子が住んでいたらしい。
しかしその男は自分で働かず、衣食住を親に頼って暮らしていた。

132:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 23:50:47.55 k+LLH6dU0
規制らしいですね

133:宮北 ◇dJNUgCnIng代理
11/08/19 23:54:43.57 HOjuFdLa0
規制とのことで急遽代理

(4/6)
会社もうまくいっていたので、親も特に文句は言わず甘やかしていた。
そのうち男は自分で会社を立ち上げたが、もちろんそんな自堕落な奴が会社をうまく経営できるはずがなかった。

男がつくった会社は潰れ、一緒に会社を立ち上げた仲間にも裏切られて、多額の借金を負った。
男は親に頼ったが、とうとう見放されてしまい、誰も助けてはくれなかった。
そして、お先真っ暗になった男は何を思ったのか、自分の部屋、
つまり例の最上階の部屋で、自分にガソリンをかけて焼身自殺をしたのだそうだ。
部屋には真っ黒に焦げた男が倒れて亡くなっていたという。
後も、きれいにリフォームしたがその部屋を借りた人は皆すぐ出て行ってしまうのだ、とオーナーは語った。

134:宮北 ◇dJNUgCnIng代理
11/08/19 23:55:24.14 HOjuFdLa0
(5/6)

このことを聞いたAさんは、とりあえず親子と会って話をすることにした。
母親は疲れたような顔で何があったのか語ってくれた。

昨晩、引っ越しも無事終わり、もう遅いし片づけは明日にしようと息子と一緒に床についた。
だが、深夜になって息子がうなされる声で目が覚めた。
余りにも苦しそうなので、起こして
「どうしたの」
と尋ねるたところ、息子は怯えた様子で部屋の隅を指さして
「真っ黒なおじさんがこっちをにらんでる。怖い」
と言ったそうだ。


135:宮北 ◇dJNUgCnIng代理
11/08/19 23:56:05.09 HOjuFdLa0
(6/6)

夢でも見たのだろうと、息子を寝かしつけて自分も眠りに落ちたが
母親もうなされてまた目が覚めてしまった。
何とはなしにさっき息子が言っていた部屋の隅に目を向けると、
真っ黒な男がそこに立っていた。
母親は慌てて電気を付け、そちらを見ないようにしながら
最低限の荷物を持って息子を連れて部屋を出たのだそうだ。
親子はその後、別の部屋を借りて住んでいるという。

Aさんはこの話をしてくれた後、あなたも気をつけて下さいよ、と言った。
皆さんも部屋を借りるときは慎重に選んだ方がいいかもしれない。
【終】



136:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 23:56:12.44 gRUjOSJV0
三十二本目の蝋燭が消えました・・・
宮北 ◆dJNUgCnIngさん、みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさんありがとうございました
                      γ
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怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、第三十三話をお願いします

137:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 23:56:38.04 k+LLH6dU0
【変身】
わたしが小学生の頃の話、中休み、体育館、いじめられっこのAを跳び箱に閉じ込め、遊んでいたのだが。
恐怖におののき、箱の中、豚のように泣き喚く友人、はじめはそんな友人を面白がっていたのだが、
次第に彼の声も弱弱しく、風船の空気が抜けるような。
Aのことなど気にせず、狂った猿のように、箱の上にかわりばんこに座りあう、そしてわたしの番、
と思うと、突然の咆哮、まるで獣、いや、鬼、とても子供の喉から出る叫びではない、
地の底から轟くような重低音が、まるで体育館全体をふるわすように。
まわりの友人たちは蜘蛛の子よ、散って、倉庫から逃げ出す、取り残されるは箱の上のわたし、
あわてて箱から飛び降りようと箱に手をつく、そのとき、体が宙に浮く感覚、突然地面が膨れ上がり、と思うと、頭に鈍痛。
わたしは天井に頭をぶつけて、箱が崩れた。
振り返ると、顔を真っ赤に、泣きしゃぐるA。
やはりただのもやしっ子、しかし上を見上げると、天井までは十数メートルはゆうにある、
いったい全体、あの頭の痛みは幻だったというのか、確かにわたしは頭を天井に打ったのだが……。
何かぞっとするものがあって、わたしはAを見ないようにして、教室に戻る、
あの鬼の咆哮は何だったのか、確かめようにも、
一足先に教室に戻った連中は、けろりとした顔をしていた。【おわり】

138:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 23:57:16.93 gRUjOSJV0
三十三本目の蝋燭が消えました・・・
怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、ありがとうございました
                      γ
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Yenn ◆3qDMUSp0ngさん、第三十四話をお願いします

139:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:07:33.05 hPkmSRgw0
Yenn ◆3qDMUSp0ng様
病院 

 数年前、ある内科の大部屋に入院していました。
 そこは4人部屋で、アタシは窓際のベッド。
 隣の廊下側のベッドには、少し年上の女性が途中で入ってきました。
 ある日の夜中、ベットからカーテン越しにうめき声みたいな、
 小さな苦しそうな声が聞こえて、「大丈夫ですか?」と声をかけたんですが、
 微妙な声しか返ってきません。
 ナースコールをするか考えていると、看護婦さんが部屋に入ってきて、
 すぐに隣のカーテンを開けました。
 小さな話し声がしだして、これで大丈夫だろうと、その日は何事もなく、
 アタシはそのまま眠りに着きました。
 
 翌日朝、隣の女性にあいさつすると「昨日はごめんね」と。
 「大丈夫でしたか?」と尋ねると、彼女がしたのはこんな体験だったそうです。
 ヘッドホンを外して深夜番組を消そうと思った時、足元のカーテンが揺れた気がして、
 顔だけ向けて見てみると、小さな男の子が立っていた。
 少し霊感があったらしいその女性はすぐに、「生きてない」と思ったそうです。
 でも、体が動かない。ナースコールに手も触れない。
 
 なんとか気づいて助けてもらおうと、力いっぱい叫ぼうとしていた。
 それが、アタシの聞いた彼女のうめき声でした。
 アタシが声をかけたのは聞こえたそうですが、返事はやっぱりうめき声にしかならなかった。
 
 看護婦さんは深夜の見回りで、たまたま声を聞いて、あわててカーテンを開けて
 様子を見てくれたそうです。
 看護婦さんがカーテンを開けると同時に、その男の子は消えたそうですが、
 がっちり起きてた真横でそんな事が起こってるのに、全然何とも思わなかったアタシは、やっぱり霊感がないんだと思いました


【完】 

140:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:07:52.30 w273qgce0
三十四本目の蝋燭が消えました・・・
Yenn ◆3qDMUSp0ngさん、ありがとうございました
                      γ
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よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、第三十五話をお願いします

141:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:08:41.91 gy7GSVb50
[ 追われるモノ、追い詰めるモノ ]  

― 職場の爺様から聞いた話 ―

【1/3】
昔、戦争の時。
人は勿論、犬や馬も軍犬、軍馬として徴用されたという。
犬や馬は一箇所に集められ、様々な用途に借り出された。
そんな場所にある、自衛隊の基地にて。

夜な夜な、どこからともなく馬のいななく声が聞こえる。
地面を引っかくようなひづめの音、走る音も。
ある時、夜中の見回り当番に当たった時に、馬の音の怪異に出会った。
正直、ぶるった。
でも、ここでぶるったままじゃ男がすたる。
勇気を振り絞り、懐中電灯を向けると、半透明な白い馬が、
影のごとく走り抜けていった。



142:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:08:53.35 gy7GSVb50
【2/3】

追いかけようとしたが、それよりも先に脇から飛び出す影があった。

奴だ。

俺の同室のアホ。どうしようもないアホ。九州男児。

そいつが、奇声を上げながら馬を追っかけた。ちょっと酒臭いw
「待てっ!馬刺し、待てよ、ンダラァ!」
鉄砲玉のような勢いで馬を追い詰めていく九州男児。
奴はもともと足が速かった。俺じゃ追いつけねえ。
廊下は走っちゃいけないしな、真面目に巡回やるべえ。

しばらくして、九州男児がとぼとぼと戻ってきた。
「あいつ、壁ん中消えやがった。ちょうどいいツマミになったのに…」
としょんぼりしている。
俺は、幽霊の馬まで食らおうとしている九州男児が怖いと思った。



143:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:09:12.09 gy7GSVb50
【3/3】

が、もっと怖い体験がその後に俺を待っていた。
巡回をちゃんとやらなかったという事で、九州男児の巻き添えで
何故か俺まで外出禁止になったことだ。
普段閉じ込められたような生活をしている隊員にとって、
かけがえのない貴重な外出が禁止になる。これは本気でこたえる。

九州男児は怒った。怒って、「臭いにおいは元から絶つ!」と絶叫し、
何をどうしたか判らんが、最後まで馬を逃げられないように追い詰め、
九州男児が追い詰めた翌日から、馬の幽霊はパッタリと姿を見せなくなった。
それ以来、奴は馬刺しの男、と呼ばれるようになった。

ちなみに、アホはしばらくの間、最初に馬が消えた辺りの壁に
チューブわさびとパック醤油を立てかけて供えていたらしい。

…やっぱり人が一番怖い。

[ 完 ]

144:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:10:13.40 w273qgce0
三十五本目の蝋燭が消えました・・・
よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、ありがとうございました
                      γ
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釣り人 ◆sRCidpIShEさん、第三十六話をお願いします

145:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:12:06.66 kNyTOn2o0
「赤い服の女の子」

10年くらい前の事だけど、このスレの事知って思い出した事がある。

当時の職場(24時間営業の書店)にダイビングやってる後輩が居て、
地元の人間しか知らない釣りの好ポイントを聞いてきたって言うんだよ。
海岸線の国道から20分くらい入った広場に車を停めて、
そこから荷物持ってさらに30分は歩かなきゃならない。
でも、30cmオーバーのニザダイが入れ食いで時々グレもくる。
「先輩がいれば絶対大漁。大丈夫っスよ!オレの車4駆ですから」と言う。

平日に2人で休みを取り、その釣り場に出かけた。すごく良い天気だった。
後輩自慢の4駆を停めたら荷物持って、暑い中けもの道みたいなのをひたすら歩く。
変な寒気がするし、何だかセミの声も妙に遠くで聞こえる気がして
「熱中症?ヤバイじゃん」とか思ってたら、遠くにヒラヒラ赤いものが見える。
??何だ??って思って歩いてると、その赤いものは次第に近づいてきた。

146:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:15:24.53 kNyTOn2o0
あのさ、何て言うか「これから演奏会に出ます」って感じの可愛い女の子。
多分小学校の2・3年生くらいで、真っ赤な綺麗な服来て歩いて来るんだ。
肩に大きなカバン背負って...オレ、寒いし、もう声出すのも怖くて。
その子と目あわさないように、後輩の陰にかくれるみたいに黙って歩いた。

釣り場に着いてから後輩に
「あの子、地元の子かな?赤い服、可愛かったな、ハハハ」とか言ったら
「変な冗談やめて下さいよ」って全然相手にされない。
「途中で赤い服の女の子とすれ違ったろ、見なかったのかよ?」と食い下がったら
「オレ怖がりだけど、そんな安い話にはひっかかりませんよ」と笑う。

確かに良い釣り場で、その日は大きなニザダイと良型のグレを結構釣った。
でも、どうしても赤い服の女の子が気になって
「日が暮れてからが勝負っスよ」という後輩を説得し、早めに釣りを切り上げた。

147:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:19:08.86 kNyTOn2o0
荷物と魚の詰まったクーラーボックスを担いで車へ戻ったら
車を止めた広場のすぐ手前に、真っ赤な小さい靴が落ちてた。
さすがに後輩も青い顔になって、2人慌てて荷物乗せて車を走らせた。
一番近いローソンに着くまで、どっちも無言だったよ。
だって最初車停めた時、そんな靴なんか絶対落ちてなかったし。

まあ、怪談というより「変な話」かもしれないけどね。
もちろんその釣り場にはそれから一度も行ったことはない。

148:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:19:41.68 w273qgce0
三十六本目の蝋燭が消えました・・・
釣り人 ◆sRCidpIShEさん、ありがとうございました
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冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6さん、第三十七話をお願いします

149:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:19:57.70 hPkmSRgw0
冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6様

1/2

高校生の時分、同じクラスにオカルト好きな友人がいた。
そいつは俗に言う見える奴で、何者かに階段から突き落とされるなど、日常的に霊的な被害を受けることが多かったらしく
どこかの神社の宮司さんから頂いたらしいお守りをいつも腕や首からぶら下げていたのが印象的だった。
オカルト大好きな癖に髪の先から爪先まで全く0感だった俺は、霊感のある人間の近くにいると霊感の無い人間も感化され霊感を持つようになるという話を信じ、
二年間ほぼ毎日放課後までオカルトから好きなクラスメイトに渡り話に花を咲かせていた。
結果として俺は今現在未だに0感のままこの体質に甘んじている訳だが、
そんな俺でも一度だけ彼と一緒に不可解な体験をしたことを思い出したので回顧録の意味合いも込めここに書きこませて頂きます、前置きが長くなり申し訳ない。

150:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:21:14.83 hPkmSRgw0
2/3

高一の秋、十月頃だったと思う。放課後の人気の消え去った教室で俺と彼との二人でいつものように長々とくだらない雑談に耽っていたら、
突然に彼がコックリさんをやろうと言いだした。
正直オカルト的なことに関しては彼から積極的に僕に話を切り出してくることは殆ど無かったから
ほとほと驚いた。
この時から少し嫌な予感はしていたが、でも、
以前から何度も興じてきたものだったし、彼が珍しく俺に働きかけてきたことが気になってすぐにOKした
(ついでに夕日が教室に差し始めたことで雰囲気もなかなか良かった)。
例によって50音字や数字を書き並べた用紙の上に硬貨を置き、
お互いの指を硬貨に重ねる。


151:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:21:55.54 hPkmSRgw0
3/3

慣れた台詞を彼が唱え、通常通りならこのまま始められるコックリさんではあるが、何があったのか不意に「目を閉じて!」と彼に怒鳴られた。
彼は霊感持ちと共に、かなりの不思議ちゃんでもあったから、時々よく分からない挙動を取ったり冗談を言うことがよくあり、てっきり今回もその一環だと思ってキョトンとしていたら、「早く」と今度は消え入るような声で言われた。見れば彼も目を閉じていた。
何の気も無く目を閉じた後に気がついたが、彼が真剣に話す時はいつも小さい声でつぶやくようにボソボソと喋るのを思い出して、ひょっとして遂に心霊体験できるのかか!?と少しわくわくしていた。
その瞬間耳元で硬い金属の捻じれるような「ギギギギギギギィィィィィ~~~」という音が響いた。耳元で聴こえているのに、何故か何十mも遠くまで抜けていくかのような音。
あまりに突然のことにすっかりビビり俺は椅子から転げ落ちそうになったが、何とか踏ん張り目を閉じて耐え続けた。
数十秒(実際は数秒かもしれない)程経って音が落ち付きホッとした頃、今度は貧血で倒れこむ時のように意識が途絶えるかのような感覚に突然襲われた。何かが起こっているのは確実で耐え難い恐怖に襲われる。
本当に意識を失いそうだったし限界だった俺は思わず目を開けた、目の前の彼も同じくして目を開けたようだった。
「何か今一瞬意識飛んだり鉄みたいな音しなかった?」と聞かれ、互いに話込んでいくとどうも全く同じ体験をしたと分かった。結局、音の正体も意識のことについて聞いても彼は何故か教えてくれなかった。0感の僕にとってこれが唯一の怪異。
でも、もっと怖かったのは直後に彼が僕の人差し指をカッターで切らせ六芒星のような印が書かれた紙に指を付かせたことだが、高三のクラス替えと同時に袂を分かった現在彼が僕に何をさせたかったのは未だに分からないままでいる。

【了】

152:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:22:01.88 w273qgce0
三十七本目の蝋燭が消えました・・・
冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6さん、ありがとうございました
                      γ
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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第三十八話をお願いします

153:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:22:58.60 hPkmSRgw0
キツネ ◆8yYI5eodys様

体育館の絵」


【体育館の絵】1/5
あれはまだ小学生だった頃。
当時子供たちの間では学校の怪談がブームで、片田舎の学校の私らも友達とコックリさんを試したり、学校の怖い噂で盛り上がったものでした。
そんな私たちの学校にもお馴染みのトイレの花子さんや目が光るベートーベンの肖像画に混じって、とある怖い噂がありました。


――体育館の絵。


それは体育館の壁に掛けられた高さ2mほどの大きさで、
真ん中に赤ん坊を抱いた母親、その両脇に男の子と女の子がそれぞれ木の椅子に座っている構図の西洋画でした。

話によると郷土出身の画家が学校に寄贈した物とか。

それで肝心の噂と言いますのが、

やれ絵の中の母親の首が少しずつ長くなっているだの、
絵の中の少年が膝元で組んだ手にバレーボールが当たって以来、手の組み方がバレーのアンダーの形になっただの、
夜中、体育館からボールの跳ねる音や走り回る音が聞こえてくるだの……


どうです?いかにも小学生が考えたような怪談話でしょう?


そんな私たちのクラスには好奇心旺盛というか、物好きというか。
その体育館の絵について調べた子がいたんですよね。
きっと、噂の真相を確かめて目立ってやろう、とでも考えたのでしょう。

154:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:23:40.89 hPkmSRgw0
【体育館の絵】2/5
あれは梅雨に入った頃だったと記憶しています。

雨で昼休みに外で遊べなかった私たちは、何人かで定規飛ばしをして遊んでいました。
知ってます?ペンで机の上の定規を飛ばして、相手の定規を弾き飛ばして机から落とすと勝ちって遊び。

当時最強の30cm定規使いだったAくんを倒そうと奮闘していた時、教室の一角にクラスメイトが何人か集まって騒いでいました。
そこは例の絵について調べていた子……Bくんの席。

回転した30cm定規に巻き込まれて負けた私がその輪の中に首を突っ込んでみると、Bくんの机には開いたアルバムが置かれています。
白黒の子供たちが写った、いかにも古ぼけた卒業アルバムの写真。
どうしたの?と尋ねると、Bくんはちょっと強張った顔で1枚の集合写真を指差しました。

いまいち要領を得ない私が首を傾げていると、絵だの、首だの、手だの、周囲のクラスメイトが口々に騒いでいます。

ああ、なるほど!

その集合写真の背景は見覚えのある体育館で、Bくんが指差した先には噂の体育館の絵がバッチリ写っていたんです。
ですが、何かおかしい。
この気持ち悪い感じはなんだろう?

私はハッとしました。
白黒写真の中の体育館の絵。


母親の首は私が知っているものより明らかに短く、
少年の手は両手の指を交互に組んだ形で……バレーのアンダーじゃなかったんですよね。


155:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:24:22.38 hPkmSRgw0
【体育館の絵】3/5
小さな学校の噂って、駆け回るのが速い速い。
次の日には休み時間に学年を問わず別のクラスの子供が押し掛けるわ、アルバムを体育館に持って行って見比べると明らかに違うわで大騒動。
挙句、数日後に体育館の絵は先生たちによって職員室に移される事態にまでなりました。

絵が職員室へ移された翌日のことです。
クラスの美化委員だった私は朝早く学校に来て、クラスの花壇に水をやっていました。
ふと、遠くから響く救急車のサイレンの音。
それが段々と近付いてきて、花壇の近くの裏門から学校に入って来たではありませんか。

慌ててジョウロを捨てて追いかけるとそこは先生方の下足場の近くで、他のクラスの美化委員もちらほら集まっています。
運ばれてきたのは担架に乗せられて目を閉じたままの、他のクラスの先生でした。
そのすぐ後に出て来て、このことは他の生徒に言わないように、と強く私たちに注意した教頭先生の焦った顔が印象的だったことを覚えています。


後で断片的に噂で聞いたのは、
その先生は例の絵が置かれた職員室で遅くまで仕事をしていたこと。
朝早く学校に来た教頭先生が職員室で倒れている先生を発見したこと。

そして……例の絵が急遽、職員室から郷土資料館に移されたこと。
その絵が資料館で保管されたまま、公開されなかったこと。

あの夜、絵が移された職員室で、一体何があったのでしょうか?

156:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:25:03.36 hPkmSRgw0
【体育館の絵】4/5
それから十数年後。
大学を卒業し地元に一時帰省した私は、小学校時代の友人たちと久々に会う機会がありました。
友人たちに連絡を取ってくれたのはあの30cm定規使い、Aくん。
立派な町役場の職員に成長したAくんは郷土資料館に勤務しており、資料館内の喫茶室に集まろうってことになりました。
少しは資料館に金を落とせ、と電話で本音がボソッと漏れたのには笑いましたね。

その日、資料館の前にぞろぞろと懐かしい顔が集まり、入館料を払って入ったところで……私は唖然としました。



そこにあったのは、あの絵。



よう、と手を挙げて館内現れたAくんが私たちの様子を見て、一言。

「ああ、これやっぱり短くなってるよな……首」

そう、母親の首は記憶にある絵より短く、ついでに少年の手がバレーのアンダーじゃなくなっていたんです。


157:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:25:44.92 hPkmSRgw0
【体育館の絵】5/5
その後喫茶室で今どんな仕事してる、誰だれが結婚した、なんて一頻り地元トークで盛り上がった後、Aくんは「あの絵を描いた人に聞いたんだけどさ」と唐突に切り出し始めました。

Aくんの話を要約すると、
あの絵を描いた画家は戦時中に出征し、その間にご家族を亡くされたのだそうです。
その後、戦地を引き上げた彼が亡くなったご家族の写真をモデルに描き上げたのがあの絵で、せめて満足に勉強したり遊べなかった子供たちのために、と小学校に寄贈されたとのことでした。
また、その画家の方は2年前に亡くなられたのだそうです。

帰り際、ふと私はAくんになんであの絵が資料館で公開されなかったのか尋ねてみました。
するとAくんは、ぽつりと。

「同僚が言うには、何度修理してもすぐボロボロになるんだよね……」

そう言って資料保管室と書かれた不自然に真新しい木製のドアを指差しました。
そして、ドアの異常は2年ほど前にパタリと起こらなくなり、気がついた時には絵が元の姿……かつてBくんが見つけた白黒写真の中の絵のような格好に戻っていたのだそうです。
まるで画家が亡くなった2年前に合わせて、とでも言うように。

今になって思います。
ひょっとするとあの絵の子供たちは体育館で無邪気に遊んでいたんじゃないかと。
母親はご主人と会えるのをずっと待っていたんじゃないか、と。

そう――文字通り首を長くして。


【完】

158:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:25:53.82 w273qgce0
三十八本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
                      γ
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、第三十九話をお願いします

159:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/20 00:26:33.82 YQD1C8J80
【愛犬】

我が家では妹が小学生になったときに一匹の犬を飼い始めました

その犬は妹が結婚し家を出る三か月前、19歳で亡くなりました。

その翌年、妹がお盆に帰省して来た時でした

妹が居間に入ったところ 「パタン・・・」 と戸棚の上にあった愛犬の写真が倒れ

妹の足元に落ちたのです。

それはまるで、いつも妹の足元でじゃれていた愛犬の姿そのものでした・・・・・

【終わり】

160:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:26:49.70 w273qgce0
三十九本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
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ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、第四十話をお願いします

161:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:27:18.07 hPkmSRgw0
冷たい

冬の出来事。
私は仕事を終え、お風呂に入ってベッドに潜り寝て居ました。
寝返りを打とうと足を右側に伸ばしたら、足にあたって
その足がすぐに引っ込みました。
起こしちゃったと思って「あ、ごめん」って言おうとした時、気づいたんですよ。
私、一人暮らししてるんです。当然一人で寝てたんです。
何か、壁に当たったのを勘違いしているんじゃないかと思ってもう一度、怖いけどもう一度
さっきの場所に足をやってみたんです。
もちろん、布団以外にあたるものなんてありませんでした。

私のベッドはセミダブルベッドです。だけど私はもう、かなり前からの癖で左側ぎりぎり、
落ちるか落ちないかという場所で寝るという癖がついています。

あたった足はとても冷たかった。とっさに布団とっちゃってたのかな、あっためてあげようかな…
とまで思ってしまいましたが、無くなってくれていて、良かったです。

それから起き上がるまでに時間がかかりました。
だって、もしバラバラの手足なんかが布団のどこかから出てきたら、嫌ですから。

162:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:27:58.88 hPkmSRgw0
【完】

163:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:28:07.90 w273qgce0
四十本目の蝋燭が消えました・・・
ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、ありがとうございました
                      γ
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4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、第四十一話をお願いします

164:本当にあった怖い名無し
11/08/20 00:28:10.48 nNMa4s+N0
やっべ全然漢字読めねーw
誰か振り仮名つけて

165:4コ卵 ◆hcYOhjUtjg
11/08/20 00:29:01.18 TPh0jBLo0
【先生に聞いた話し】

高校生の頃、担任の先生に聞いた話です。
高校のすぐ近くのK大という大学を、2~3年前に卒業したばかりの、若い先生でした。

『学校の近くに"出る"って有名なアパートがあってなぁ。
噂は色々とあったけど、家賃がめちゃくちゃ安かったんで、全然気にしないで住んでた学生も結構いたんだよ。
ある時、先輩がそこのアパートを出るっていうんで、空き部屋に入らないか?っていう誘いがあったんだ。
当時は貧乏だったから、もう二つ返事で引っ越した。

最初の夜は、引越しの手伝いに来てくれた友達と飲んでそのまま寝ちゃったから、何も出なかった。
翌日、初めて一人で寝てたら……

出たね。

夜中にふっと目が覚めて、何気なく部屋を見渡したら、足元の方に赤い服着た女が立ってるんだよ。
わっ!と思った瞬間、金縛りに逢って動けなくなっちゃって…。

で、その女が、足元から近づいて来るんだけどさ…手をこう…首を締める時みたいな形にして、
前に突き出しながら…一歩一歩にじり寄って来るわけよ。

もう死に物狂いで動こうと思ったけど、途中で気を失っちゃってね、覚えてないんだけどね。
朝起きたら、首の周りに赤く指の跡みたいなのがついててさ…。
もう速攻その部屋出たけどね。

そのアパート?
あぁ、まだあるよ。

K大に行くやつがいたら、紹介してやるぞ?
ははは…。』 -おわり-

166:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:30:10.96 w273qgce0
四十一本目の蝋燭が消えました・・・
4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、ありがとうございました
                      γ
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りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、第四十二話をお願いします

167:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:30:37.07 hPkmSRgw0
りほ ◆aZ4fR7hJwM様

1/3
・一方的な雪合戦
長野でのお話。 夏の時期に申し訳ないのだが、雪庇というものをご存知だろうか?
屋根や木の枝に積もった雪が自重に耐え切らなくなったか、
もしくは何かの弾みでドサッと落ちてくるという物である。
雪と聞けばたわいもないように思えるかもしれないが、
昼の日差しで溶け、夜の寒さで固まるといった循環を繰り返したそれは
もはや雪と言うより氷塊といったものである。
それが音もなく頭上から落ちてくる。
場合によっては木の枝ごと落ちてくるのだから、なかなか恐ろしいものである。
そんな真冬の出来事を一つ。

あれは大学3年の冬。時期で言えば2009年の12月と記憶している。
春夏冬と毎回休暇になると祖父母宅に行っては釣りをしたり、
山小屋の整理、畑(土地)の手入れをしたりして過ごしているのだが、
春や夏に比べると冬は雪のせいでやれることが少なくなるし、釣りも禁猟である。
周りにはスキーや温泉だと楽しみを持つ者もいるのだが、
それらに興味の無い自分には少々退屈な時期だ。


168:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:31:18.19 hPkmSRgw0
2/3
しかし、冬でしか出来ないこともある。それは釣り場の探索だ。
夏には崖下や藪が生い茂り、釣行するのに難儀な場所でも冬の間なら
雪の上を進むことでより行動範囲を広めることも出来る。
雪上を進むのはそれなりにしんどいのだが、
普段は行かない場所で思いもしない良ポイントが発見できれば、
春からの釣りがまた一段と楽しいものになる。
そういう理由から冬の間は新たなポイントを探すべく、沢や森中を探索していた。
そんなある晴れた日、山小屋へ向かう途中にある小さな沢が目についた。
普段通り過ぎる場所であるのだが、もしかしたら奥に行けば良ポイントがあるかもしれない、
道から簡単に入れるので、もし良ければ今後のポイントの一つになるだろうという思いから探索を始めた。

車を降り森の中を歩く。耳の端に僅かに聞こえる水音を頼りに、先ず沢を目指す。
雪上を歩くにあたっては雪庇だけではなく、跳ね返りや天然の落とし穴にも注意しなければならない。
跳ね返りというのは枝に積もった雪の重さで曲がり、しなったまま雪に埋もれている木である。
重しとなって乗っている雪が無くなれば、勢い良く飛び出してくる場合があり、
あたるとちょっと痛い。 また、雪は地面ではなく藪の上に積もっている為、
気をつけなければズボッとはまる事もある。 それらに気をつけつつ、
30分ほど進み沢へ出、そこから沢沿いに上流へ10分ほど歩いた時、
ひらけた場所を見つけることができた。
さて、ここはどうだろうかと吟味している中、何かが頭に当たった。

169:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:31:59.25 hPkmSRgw0
3/3

大きさはゴルフボールくらいだろうか、感触からすると雪。
まぁー、天気も良いし、日差しで解けた雪庇だろうと思ったところにまたポンと頭に当たる。
やれやれと、雪庇が当たったであろう後頭部についた雪を払ってる内にふとおかしなことに気がついた。
雪庇というのは上から落ちてくるはずである。
何故後頭部に当たるんだ?そう考えてる間に今度は右耳付近の側頭部に当たった。
思わず飛んできた方角に目をやる。 …いや、雪庇だと思ったが、
もしかしたら跳ね返りで飛んできた雪かもしれん。
しかしそれならば他にも雪上に飛んできた跡があるはず、
なにより飛ばしたであろう木が直ぐ見つかるはずだ。
だが、周りを見渡してもその様な跡も木も無く、目に付くのは自分の足跡だけである。
必死に理由を考えている間にまた当たる。
流石にムカッときたので、足元の雪を硬く握り、
飛んできた方角へ思いっきし雪球をブン投げてやった。
その瞬間、後頭部にポンではなくゴツッという鈍い衝撃が走る。
氷だろうか、先程よりも一回り大きく、そして硬いやつが当たった。
…もう考えるのは止めだ、帰ろう。 森の中を抜ける途中にもいくつか頭に当たった。
流石に氷ではなく、最初のような雪だまであったが、反応はせずに車に戻り帰宅した。
あんな一方的では勝負にならん。あの沢にはそれ以来行ってないが、
今度はロケット花火でも持っていってやろうかと思う。

【完】


170:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:32:03.31 w273qgce0
四十二本目の蝋燭が消えました・・・
りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、ありがとうございました
                      γ
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のぶえ  ◆mF3J5kfOroさん、第四十三話をお願いします

171:のぶえ ◆mF3J5kfOro
11/08/20 00:34:39.33 S3jNAwBG0
部屋(1/3)

東京の大学に入って、最初の夏の話だ。
空調の利いた部屋でぬくぬくと布団をかぶり、夏虫の合唱を聞きながら過ごす夏はとても趣があることに気付いたのはこの頃。
その夜も俺は、座椅子に腰掛けて文庫本を読んでいた。中古で二十円の破格に期待など皆無だったのに、存外に夢中になってしまった。
本を閉じたとき短針は二時を回っていた。

翌日は、朝の十時から約束があることを思い出す。
少し考えてから眼鏡を外し、座椅子の背もたれをぐっと下ろすと、俺はその上に寝そべることにした。
朝にちゃんと覚醒できるように電気も空調も付けたままだ。
黄ばんだ毛布を被ると、すぐに俺は寝入った。

目が覚めた時、どれだけの時間が経っていただろうか、ここに記すことはできない。
なにしろ時計を確認することが出来なかったのだ。
俺は金縛りにあっていた。

こうなっては時間の経過を待つより他ないと、経験上知っていたものの、物のためしと俺は闇雲に身体を動かしてみた。
結果、閉じられた瞼が数ミリほどこじ開けられたような気がしないでもない。その程度の成果だった。
眼鏡を外していた上に半開きなものだから、視界はピントが合わず、余計にもどかしい感じになった。

このとき、時間を無駄にすることに耐えられなくて、九九など頭の中で唱えていた気がする。

172:のぶえ ◆mF3J5kfOro
11/08/20 00:36:43.12 S3jNAwBG0
(2/3)

仕方なく身を横たえたままにしていると、つと視界の端で何かが動いた。
最初は、何かの拍子でカーテンが翻ったのだろうといった程度の認識だった。
そんな暢気なものだから、次の瞬間に状況をより正確に理解したときの驚きは一入だった。心臓が鉛になったようだった。
動いていたのは戸だった。
玄関に続く戸が開き、そこから何者かが入ってきたのだ。

それまで、金縛りは何度も経験していた。
それを踏まえても、決して超常現象の類ではなく、身体の覚醒の不調によって説明できると信じていた。
しかし、今確かに、いるはずの無い何者かが迫っている。

恐怖で動けないでいるままの俺に、すり足で床を徐々に迫ってくるそれ。
真っ白になりそうな意識を繋ぎとめながら、俺はどうにか勇気を奮い起そうと、思いつくばかりの悪態を浮かべた。念仏が唱えられれば良かったんだが、生憎そんな高尚な語彙は持ち合わせていなかった。
そんな努力もむなしく、それは俺の足元に迫り、緩慢なしぐさで毛布に侵入を始めた。
俺は必死で即席念仏、もとい罵詈雑言を唱えようとする。

馬鹿野郎馬鹿野郎死ねハゲクソ死ねタコクソうぜえ死ねハゲクソ死ねハゲクソ死ねハゲクソ死ねクソ死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね


……

……

173:のぶえ ◆mF3J5kfOro
11/08/20 00:39:19.21 S3jNAwBG0
(3/3)

死ね

つと、祈りが通じたのだろうか。
その言葉が口を打って出たと思うと、俺の腹のあたりまで来ていたそいつはすっかり消えていた。
視力も回復していき、やがてだんだんと身体が動くようになった。
その間も震える体を鼓舞するために、持ちうる限りの汚い言葉を唱え続けた。

身体がすっかり覚醒すると、俺は立ち上がった。
毛布の中には、人ひとり分の空洞がぽっかりできていた。
進入路の戸は開いていた。
貧乏症の俺が、エアコンをつけたまま戸締りを忘れるということは考えられなかった。




思えば二時間の通学時間に嫌気がさした五月、不動産屋でその部屋を斡旋されたとき疑うべきだった。
清潔なクリーム色の部屋で、家賃は諭吉五枚。中央線まで歩いて五分。
決して悪くない条件だし、実際にマンションは俺が入った部屋を除いて満杯だったのだ。

部屋を出た今でも、たまにその前を通る時、カーテンをチェックするようにしている。
今のところ、半年ともった住人はいないようだ。



174:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:39:26.20 w273qgce0
四十三本目の蝋燭が消えました・・・
のぶえ  ◆mF3J5kfOroさん、ありがとうございました
                      γ
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、第四十四話をお願いします

175:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/20 00:40:28.37 YQD1C8J80
【失踪事件】(1/2)

私の遠縁に当たるM氏

前々からいわゆる「見える」らしく時折「あぁ、ここ。いるよ。」なんてボソッと口にする方でした。

そんなM氏がある日の朝、いつものように会社に出社したはずが

会社から「出社してこないのですが・・・」と連絡が来たのです。

心当たりを探しましたが夜になっても見つからず捜索願を出すことになりました


翌朝、警察から「M氏の車が見つかりました」と連絡が入り現場に向かいました

家族の立会いのもと車内を確認しましたがかばんや携帯、その朝渡した弁当箱も車内に残されたままの状態でした。

176:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/20 00:41:14.09 YQD1C8J80
(2/2)

いったいどこへいってしまったのか・・・?

そんな時、車内の捜索を続けていた警察官がトランクルームを開けたところいきなり大声を出したのです


見ると、トランクルームの中でM氏が横たわっていたのです。

恐る恐る起してみたところ・・・M氏は突然目を開き、錯乱状態で暴れだしたのです。

警察と家族で落ち着かせとにかく病院へ搬送されていきました

何が起きたのか、なぜこんな行動をとったのか未だに不明です。

ただM氏は救急車の中で延々と「逃げないと・・」「隠れないと・・」「追いかけてくる・・・」

とつぶやき続けていたそうです・・・・・

【終わり】

177:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:41:40.25 w273qgce0
四十四本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
                      γ
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みそ ◆bJiVr4F5Agさん、第四十五話をお願いします

178:本当にあった怖い名無し
11/08/20 00:42:48.97 Cmvx5LT9O
語り部の皆様
まずタイトルの前に
第何話かをつけましょう

179:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:45:40.03 hPkmSRgw0
みそ ◆bJiVr4F5Ag様

第45話

山の寺にて

数年前のことです。
私はその昔、小学校で遠足に行った、山の中にある七不思議のあるお寺へ行くことになりました。
20数年ぶりに見るお寺は、前より寂れているようにも感じました。
しかし、思い出しながら七つ見て、懐かしいねと楽しみました。
一通り見ましたが帰るには時間も早いので、戻って買いものでもしようと言うことになりました。
と、友人が靴ひもが解けたので先に行ってと言いました。先に行くのも何なので、少し進んだ所で待つことにしたのですが。

「おい、おい」

肩の後ろではっきりと、低い男の声が聞こえました。
私(ん?呼んだ??)
友人の声ではなかったので私の事とは思えず、疑問に思いながらも無視しました。
丁度七不思議のひとつ、開かずのトイレの前でのこと。そこからつい目をそらしました。

間もなく友人もきて、男の人が居たか聞いてみたのですが、いないよとの事。
そして突然鳴きだす多くの鴉の声。
私はうすら寒くなって、友人の手を引っ張り、急いで車に乗り出ました。
帰宅後、祖父にその話をした所。
「返事しないでよかったなぁ。答えたら天狗か何かにでも連れてかれたんじゃねえかな。
知らねえ奴に呼ばれたら変事すんなって、教えといてよかったなぁ。」
霊感の無い私が体験した、唯一の不思議な体験です。(完)

180:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 00:46:34.87 BV43BcX/0
四十四本目の蝋燭が消えました・・・
みそ ◆bJiVr4F5Agさんさん、ありがとうございました
                      γ
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釣り人 ◆sRCidpIShE、第四十六話をお願いします



181: ◆x6s/29sxi2
11/08/20 00:47:38.86 SBIpZAcr0
妄想乙w

182:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:48:44.06 kNyTOn2o0
第46話「中の人」

今夜は夜釣りに良い潮なんで張り切って出かけたんだけど
時々小雨も降るし、なんか遠くで雷がピカピカするし、
早々に切り上げて帰ってきたよ。帰りに缶コーヒー買って飲んだら
思い出した話があるんだ。確か98年の冬だったと思う。

釣りに行ったとき利用する自動販売機ってあるかい?
オレの良く行く釣り場は、駐車場の出口近くにいくつか自動販売機がある。
その中に、缶じゃなくて紙コップのコーヒーが買える奴があるんだ。
寒ーい日には釣りの帰りにホットコーヒー買うのが楽しみでさ。
一杯(?)70円で他より安いのも良い。お気に入りの販売機だった訳。

ただ100円玉を入れると10円玉のお釣りがジャラジャラ出てくる。
かじかんだ指で釣り銭取ろうとすると、落としたりして鬱陶しい。
だから50円玉が無い時は、なるべく100玉を1枚と10円玉を2枚入れて
釣り銭は50円玉1枚。これが何だかスカッとして気持ちいい。
でもその日は生憎財布に10円玉が1枚しか入ってなかったんだ。

183:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:51:38.35 kNyTOn2o0
しょうがないから100円玉を1枚だけ入れてホットコーヒーを買った。
砂糖入りでミルクは抜きのボタンを押す。いつも通りガタガタ音がして
コーヒー豆を挽いたあと、紙コップが出てきて抽出が始まる。
「釣り銭は10円玉3枚かー」と思ってたら、
その日はカチャッって1回だけ釣り銭の落ちる音がしたんだ。

「あれ?」って感じで釣り銭を取り出したら50円玉が1枚?
「変だな」とは思ったけど別に損した訳じゃないし、何だかラッキーだし。
そうこうしてるうちに「抽出中」のランプが消えたんで紙コップを取り出した。
そしたら...いつもより軽いんだよ、紙コップが。
紙コップの中をみたら、コーヒーが半分くらいしか入ってない。
何とも言えない妙な気持ちになったけど、。寒いし。まあ損はしてないし。

184:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:54:41.76 kNyTOn2o0
コップを口に運んでコーヒーを飲もうとしたら、
自動販売機の裏側あたりから、ハッキリ聞こえたんだよ。
小学生くらいの女の子の、けたたましい笑い声が...
深夜と言うより朝方に近い時間だ。背中がゾーッと冷たくなって
急いで車に戻って家に帰った。気がついたら袖口がコーヒーで染みになってる。
次の日は休みだったけどさすがに釣りに行く気にはならなかった。

今考えても、あの出来事が何だったのかはわからない。
酒の勢いで友達に話すと「妄想乙」とか「電波君」とか言われるけど、
あの甲高い、女の子の笑い声を思い出すと今でもゾッとするよ。
ま、それでもその釣り場には時々出かける。もうコーヒーは買わないけどね。
うまくいけば指4本~5本クラスのタチウオが4~5本釣れるとはいえ、
つくづく業の深い人種なんだよな。釣り人は。

(お終い)

185:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 00:55:38.16 BV43BcX/0
四十六本目の蝋燭が消えました・・・
釣り人 ◆sRCidpIShEさん、ありがとうございました
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4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、第四十七話をお願いします

186:4コ卵 ◆hcYOhjUtjg
11/08/20 00:57:00.09 TPh0jBLo0
第47話 【先生に聞いた話し その2】

高校の先生が大学時代に住んでいた『出る』アパートには、それを承知で安い家賃のために
住み続けている学生もいました。
先生の先輩Aさんもその一人だったそうです。

ある日、Aさんの彼女が部屋に遊びに来ました。
こたつを挟んで向い合い、彼女はベランダを背にして座り、しばらくおしゃべりをしていましたが、
ふいに彼女が背後を振り返り、また前を向いてちょっと首を傾げました。
その後もしきりに背後のベランダを気にしています。

「何?どうかした?」
「ううん…」
彼女は暫く黙り込みましたが、突然立ち上がって猛スピードでA君の傍に寄って来たそうです。

「A君の後ろの、その食器棚のガラスに人の姿が映ってたの。
ベランダに誰かいると思ってびっくりして振り返るんだけど誰もいなくて…。
見間違いかと思って前を向くとやっぱりまだガラスに映ってて…逃げようと思ったけど怖くて動けなくて…。
ようやく消えたから、急いで逃げて来たんだよ!
外に立ってたのって、ひょっとして…アレ!?」

「ああ、あれ……外じゃなくて、中だから」

それっきりその彼女には、フラれたそうです。

ちなみにAさんの部屋には、入居前からあっちこっちにお札が貼られていたそうですが、そんなものは
全く無視して、トイレだの風呂だのにしょっちゅう怪しい人影が出没していたそうです。
Aさんは
「別に何かして来るわけじゃないから放っておいても大丈夫だよ」
とまるで気にせず、結局卒業までその部屋に居たのだとか。  -おわり-

187:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 00:58:19.19 BV43BcX/0
四十七本目の蝋燭が消えました・・・
4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、ありがとうございました
                      γ
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よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、第四十八話をお願いします



188:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:59:03.28 gy7GSVb50
48話 [ おうちに帰ろう ]

― 再び、爺様から聞いた話。親友の方の体験談 ―

【1/3】

硫黄島(いおうとう)。
ここは、先の戦争にて亡くなられた方のお骨がまだ埋まっている。

ある悪天候の日、着陸しようとする機体があった。
車ですら、悪天候での運転は細心の注意を払い、気を使う。
ましてや、必要最小限の設備しかない硫黄島に、飛行機で着陸するならば
その気遣いは半端ではない。
自分の機位、姿勢、全てにおいて通常以上の注意を払わねばならない。
そんな中、ぽつり、ぽつりと灯(あかり)が見えてくる。
機位確認。最終チェック。



189:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:59:59.29 gy7GSVb50
 【2/3】
機体が滑走路に近づき、滑走路灯が見えたところで着陸。
無事に着いて、ふと先ほどの灯を見ると、コースの誘導に
ベストの位置ではあったのだが、そこには…

設置された灯は、なかった。
では、あれは…。

任務を済ませ、本土に帰る日。
積荷が計算よりも重たく感じる。操縦桿に伝わる重さが違うのだ。
感覚的に、滑走路一杯使って離陸したくなる。
飛行中も、気を使う。
だが、本土に帰ると、本当に、本当に一気に軽くなるのだ。
御霊(みたま)がきっと、愛しい家族の下へ戻っていかれたのだろう。

190:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 01:00:11.05 gy7GSVb50
【3/3】

それ以来、硫黄島に飛ぶことがある日は、帰りに
「どうぞ、○○(地名)まで自分は戻ります。一緒に行かれる方はどうぞ。」
と声を掛けてから戻った。
その時は、ちょっと楽しそうな、嬉しそうなざわめきのような
雰囲気が感じられたという。
そして退官する日、「今まで有難う」「お疲れ様」という言葉を、
聞きなれた同僚の声以外からも、贈られたそうだ。

[ 完 ]


191:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:01:53.70 BV43BcX/0
四十八本目の蝋燭が消えました・・・
よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、ありがとうございました
                      γ
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狐火 ◆QYJXQHmfdQDCさん、第四十九話をお願いします

192:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 01:07:17.72 hPkmSRgw0
狐火 ◆QYJXQHmfdQDC様

「赤いクレヨン」

ある夫婦が今まで暮らしていたアパートが手狭になってきたことと、貯金が溜まったので念願だったマイホームを購入することを決めた。
新築するだけの資金はないので中古物件で妥協することにして、不動産屋に相談した。
「出物だ」という価格の割には綺麗で適当な広さの中古住宅を購入することになった。
引越しを終えて新生活を始めた二人は、あることに気がつく。掃除した後でも廊下に赤いクレヨンが落ちていることがあるのだ。
夫婦は不動産屋に「この家で何かあったのか」と聞くが、不動産屋は「そういった事件は起きていない」と答えた。
しかし、何か思うところあったのか不動産屋は夫婦の元を訪れて家を再検証することにした。何も変わったことはないように見えたが、
不動産屋は家の間取りから「存在しなければならない部屋」があることに気づく。不動産屋は夫婦に了解を取って、夫と一緒に壁を壊し、隠されていた部屋を発見する。
部屋の壁には赤いクレヨンで「オカアサンダシテ オカアサンダシテ オカアサンダシテ オカアサンダシテ……」とびっしり書かれていた。
貴方も住宅を購入した際、間取りが変わっていたら注意してください。
賃貸だとリフォームされた間取りが以前に何かあったかもしれませんよ。。。?





193:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:07:41.59 BV43BcX/0
四十九本目の蝋燭が消えました・・・
狐火 ◆QYJXQHmfdQDCさん、ありがとうございました
                      γ
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4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、第五十話をお願いします


194:4コ卵 ◆hcYOhjUtjg
11/08/20 01:08:04.10 TPh0jBLo0
第50話 「玄関先の老婆」 【1/2】

うちの母が私を産んだばかりの年のお盆に、実家に里帰りした時の話しです。

当時の母の実家は、祖父が退職時に購入した平屋の中古物件でした。
既に母は嫁いで家を出ていたので、母がその家に泊まるのは、その日が初めてでした。

姉妹全員が集まった事もあり、祖母を含む女性達は、全員で縁側付きの部屋に集まって寝る事にし、
遅くまでおしゃべりを楽しんで、眠りについたのは日付が変わってからだったそうです。

台所に一番近いところに祖母が寝て、間に姉妹が、母は縁側に一番近い位置で寝ていました。
初めて泊まる部屋で、母はなんとなく寝つけず、何度も寝返りを打っていたそうです。

少しウトウトしかけた時、ふいに足元の襖が開く気配がしました。
母がそちらに目を向けると、開いた襖の向う…玄関のある板の間から、誰かがこちらを覗き込んで
いるのが見えました。

『おかあさん…?部屋が狭いから、一人であっちに移ったのかしら?』
覗き込んだ人影が、なんとなく年輩の女性っぽかったのと、覗き込んでいた位置が、随分下の方だったため、
祖母が板の間から寝そべったままで、襖を開けてこちらを覗き込んでいるのだと母は思いました。

195:4コ卵 ◆hcYOhjUtjg
11/08/20 01:09:29.31 TPh0jBLo0
【2/2】

突然その人影が、這うようにして部屋に入って来て、一番台所に近い所で寝ていた者の傍ににじり寄りました。
そちらに目を向けると、寝ていたのは祖母でした。
では、今入って来たのは…?そう思った瞬間、体が金縛りに遭ったかのように動かなくなりました。
その人影は、向こう側から順に、一人一人顔を確認するように覗き込んでは移動を繰り返し、とうとう母の
ところまでやって来ました。

人影は、老婆でした。

老婆は母の足元から少しずつ這い上がって来ます。その重さたるや、とても老婆のものとは思えず、胸が潰さ
れて息が出来ない程です。
そして老婆は母の顔を覗き込むと、ニタ~ッといやらしい笑みを浮かべました。

…母はそこで気が遠くなり、気付いたら朝だったそうなのですが、あまりにも胸が苦しいので、念のため病院に
行って検査をしたら
『まるでもの凄い力で締め付けられたみたいに、胃が上に上がってますよ。』
と言われたそうです。

その後、祖父がその家を買う前に住んでいた人が、嫁姑の仲がたいそう悪かったのだという話しを近所の人
に聞いたそうです。
気の強いお嫁さんは、玄関先の狭い板の間にお姑さんを閉じ込め、他の部屋には絶対に入らせないようにして、
自分は縁側や勝手口から出入りをしていたそうです。
お姑さんは寒い玄関先で不自由な生活を強いられ、とうとう体を壊して亡くなってしまいました。

近所の人の話しでは、お嫁さんはうちの母にちょっと雰囲気が似た人だったそうです。
ひょっとしたら、あの時老婆はお嫁さんの顔を確認してまわっていたのかもしれません。
-おわり-


196:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:09:56.85 BV43BcX/0
五十本目の蝋燭が消えました・・・
4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、ありがとうございました
                      γ
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釣り人 ◆sRCidpIShEさん、第五十一話をお願いします

197:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 01:12:27.25 kNyTOn2o0
第51話「波間から呼ぶ声」

かなり長いです。規制が少し心配。

かなり前のことだけれど、夏休みに
高校の仲間で、ある小さな島の民宿に泊まったんだ。
夕食を食べたら民宿の近くの砂浜に出て投げ釣り。
仕掛けを入れたら火を焚いて無駄話、最初は女の話とか...

火なんか焚いてにぎやかにやってちゃ魚なんか釣れない。
そのうち自然と怖い話大会になってきた。
なぜかっていうと仲間の一人、U君がすごい怖がりで
怖い話するとマジで怖がるから面白い。

その夜もU君は、
「夜釣りは怖いけど部屋に一人でいるのはもっと怖いから」
いやいやながら一緒に砂浜に来てたらしい。

怖い話大会になってしばらくの間
U君は「よせよー。そんなの怖いじゃん。」とか茶々入れてて
みんなもそれを面白がってたんだけど
そのうち怖い話が妙に盛り上がってきて
みんないつの間にかU君の事を気にしなくなった。

198:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 01:16:57.17 kNyTOn2o0
みんなで妙に盛り上がって怖い話を続ける内、変な感じがしてきた。
焚き火は勢いよく燃えてるのに、何だか妙に寒いんだよ。
時計をみたら未だ11時過ぎ、ビール沢山飲んでたけど小便したい訳でもない。
それとなくみんなの様子をうかがうと、
みんなも腕とか脚とか、さすりながら話を聞いてる。

オレだけじゃないんだって思った時に、変な声が聞こえてきたんだよ。
最初は何て言ってるのか判らなかったし、誰の声かも判らない。
話を中断してみんなで顔を見合わせたら...声の主はU君だった。

祈るように指を組んで、下向いて何かブツブツ言ってる。
みんなシーンとして聞いてると、切れ切れに「呼んでる...」とか
「あそこ...ここにも ふたり さん..に...ん」とか聞こえてくる。

まずいと思ってU君に声をかけようとしたら
それより早く漁師の息子のAがU君の肩をつかんで
「おいU、U! 聞くな!返事もするな!」って怒鳴った。

だけどU君はすっと立ち上がると真っ暗な海の方向を指さして、
「あそこか...あそこで呼んでるのか...」とつぶやきながら
勢いよく燃える焚き火を踏み越えて、海へ向かってヨロヨロ歩き出した。
一瞬呆気にとられて、ボーッとU君の後ろ姿を見てたけど
すぐにみんなU君を追いかけた。波打ち際までほんの十数歩の距離だ。

199:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 01:19:40.59 kNyTOn2o0
オレ達はすぐにU君に追いついた。
最初オレが後ろからU君の腕をつかんで止めようとしたんだ。
(この頃には正直みんなビビッて声も出なくなってた)

でもU君はオレの腕を軽々と振り払った。
U君はやせててオレより背が低いのに、すごい力だった。
漁師の息子のAは野球部OBのKと二人でU君の腰に飛びついた。
U君は一度ヒザをついたが...すぐに立ち上がって
AとKの二人をひきずりながら(!)、また歩き出した。

波打ち際までもう数歩、U君の靴は濡れた砂に沈みはじめてる。
オレはどうしたらいいかわからなくなって、ふとU君の顔を見た。

...笑ってた。いま思い出しても寒気がする何とも言えない笑顔だ。

その時、オレは打ち寄せる波の音に混じって妙な音を聞いた。
女の人の悲鳴のような、男の人のうなり声のような。
それは次第に大きく聞こえてくる。
すーっと引きこまれるように音のする方に顔を向けようとしたら
額の内側で何かが弾けて耳の中で大きな声がした。

「見るな!」

あんまり大きな声で、耳がキーンとなってすごく痛い。
オレは我に返って思い切り怒鳴った。「持ち上げろ!」
AとKが暴れるU君を担ぎ上げ、みんなで民宿まで走った。
後ろから何かが追いかけてくる気がして怖くてたまらないし、
すぐ近くのはずの民宿が何故かやたらに遠い。

200:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 01:21:25.65 w273qgce0
さる避けっス

201:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 01:26:01.85 kNyTOn2o0
部屋に着いたらU君に布団をかけてみんなで押さえつけた。
しばらくするとU君はぐったりして眠ってしまったけど
オレ達は全然眠れない。並んで座ってひたすら朝を待った。

ようやく日が昇り、あたりが明るくなった。昼過ぎには宿を出発しなきゃならない。
各自荷物をまとめたけど、問題は砂浜に置いてきた釣り具とクーラーボックスだ。
よっぽどそのまま置いていこうかとも思ったが、
忘れ物だと思われたりしたら民宿のおばさん達に迷惑かけちまう。

熟睡してるU君をK達に任せて、オレとAは二人で浜辺にでかけた。
二人とも黙って焚き火の残り火を始末し、クーラーボックスの氷と水を捨てて釣り具を片づけた。
民宿への帰り道、不意にAが口を開いた。
「昨夜は助かったよ。Uを止めようとしたとき、海から変な声が聞こえてさ。」
「お前が怒鳴らなかったらオレ、どうしていいかわからなかった。」

黙っていた方が良いのか迷ったけど、オレもAに言った。
「それ、オレにも聞こえたよ。」
「海の方見ようとしたら、耳の中で見るなって声がしてそれで...」

「そうか...」って言うとAは困ったような顔でしばらく黙ったが
民宿が見えてくると「声の話、K達には黙っていような。」と言い、
オレが黙って頷くとAはオレの肩を軽く叩いて少し笑った。

202:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 01:26:50.58 kNyTOn2o0
民宿へ戻って部屋へ入るとU君はもう起きていて、
荷物をまとめていたけど別に普段と変わった様子はない。
目を覚ました後、Kが「昨夜の事憶えてるか?」って聞いたら、
「オレ何時頃寝たんだろ。お前が部屋まで連れてきてくれたのか?」って言ったらしい。
どうやら怖い話大会の途中から全然憶えていないようだった。
帰りの車の中でもU君は一人元気にはしゃいでいたが、
オレ達は、眠いし話題が昨夜のことにならないように気を使うしでえらく疲れた。

家に帰ってからしばらくは部屋で一人で寝るのが怖かったし
夜中にトイレ行きたくなって目覚ましたりしたら、もう最悪だった。
でももう何年も前のことで、あの夜のこともいつのまにか忘れてた。
たまたまこのスレッドの事知ってあの出来事を思い出したんだけどね。

「お終い」

203:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:27:29.52 BV43BcX/0
五十一本目の蝋燭が消えました・・・
釣り人 ◆sRCidpIShEさん、ありがとうございました
                      γ
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よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、第五十二話をお願いします


204:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 01:28:44.78 gy7GSVb50
第52話 [ 女性専用車両にて ]
― 職場の女性から聞いた話 ―

【1/3】
朝の都営新宿線の先頭車両は、女性専用車両になっている。
男性は、体の不自由な人とその付き添い、または小学生以下の子供とその連れしか乗れない。
通勤時間帯に女性ばかりの車両に乗り込むのは勇気が居るせいか、
子供連れで乗っている男性は外国人くらい。
その外国人はニヤケていて非常にキモイ。が。まあ置いとく。

もう一人、どうみても、体が不自由とは思えない、吊り目の65歳~70歳位の男が乗っていた。
周りの女性は完全にスルー。しかし彼を中心にぽっかりと空間が出来ており、
その分周りは混雑していた。
そのうち、つり革の渡してある棒にぶら下がってみたり不審な動きをしだす。
女性達はそれでもスルー。




205:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 01:29:42.83 gy7GSVb50
【2/2】

不自然な空気の中、いくつかの駅を過ぎていく。
不審な男はそのまま、九段下の駅で降りていった。
その男の傍に居た、二人組が囁いていた。

「…あれ、身体障害者じゃないよね?」
「九段下って、朝鮮銀行が近くにあるんだよ」
「…そういえばつり目、だったね」
「触らぬ神になんとやら。禍国の国技に巻き込まれたくなかったら、
 空気を読むのも大事なんだよ」

都会って怖い、と心底思った。

[ 完 ]

206:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:30:23.11 BV43BcX/0
五十二本目の蝋燭が消えました・・・
よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、ありがとうございました
                      γ
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4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、第五十三話をお願いします




207:4コ卵 ◆hcYOhjUtjg
11/08/20 01:31:01.89 TPh0jBLo0
第53話 「帰って来る女」 【1/2】


伯父が新婚の頃住んでいた社宅の話しです。
社宅はかなり古いものでしたが、二階建てで、夫婦二人でとりあえず住むには十分でした。

伯母は、最初の頃は、ここは何の部屋にして、あれはあそこに置いて…と楽しそうにしていましたが、
ある日気がつくと、二階の部屋が締め切られ、全く使われていない様子。
おまけに二階自体に全く上がっていないようなのでした。
理由を聞くと、部屋が広すぎるから、とか物干し台の日当りが悪いから、というような事を言うので、
伯父はそうなのか?とその時はさほど気に止めなかったそうです。

ところがだんだんと伯母の様子がおかしくなり、家中の雨戸を締め切り、窓の開閉や人の出入りにも
酷く神経質になっている様子。
妻の異変に気付いた伯父が事情を問いただすと、この家に越して来た頃から毎日のように同じ夢を
見続けているというのです。

最初は引越しの片付けの途中でうっかり二階の部屋で居眠りをしてしまった時の事でした。


208:4コ卵 ◆hcYOhjUtjg
11/08/20 01:32:32.72 TPh0jBLo0
 【2/2】

ガラリと玄関の開く音がして、ダダダっと凄い勢いで階段を上がって来る音がし、
部屋に見知らぬ女が入って来たのです。
その女は伯母をジロリと睨みつけると、あとは物も言わず、ただじっとこちらに背を向けたまま
部屋のまん中に座っているそうなのです。

それ以来、夜となく昼となく、同じ夢を見るようになり、ついには起きている時にまで、見るように
なってしまったそうです。

気味が悪くなって、二階の部屋の戸を締め切って入れないようにしてみましたが、効果はなし。
やがて伯母は取り憑かれたように家中の雨戸を締め切り、窓を締め切り、誰も外から入れないように厳重に
戸締まりをするようになり、すっかり人が変わったようになってしまいました。
慌てた伯父は、その社宅から退居することに。

後から上司に聞いた話しでは、以前に入居していた社員の奥さんが、あの社宅に入居した頃から
精神的におかしくなり、体面を気にしたその社員が、奥さんが亡くなるまでずっと例の二階の部屋
に軟禁状態にしてしまっていた、ということでした。

伯母の夢に出て来たのはその奥さんだったのでしょうか。
あるいはその奥さんも伯母と同じように、何かの怪異に遭遇していたのでしょうか。
-おわり-

209:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:33:43.47 BV43BcX/0
五十三本目の蝋燭が消えました・・・
4コ卵 ◆hcYOhjUtjgさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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半兵衛 ◆B/.3uvv0Gkさん、第五十四話をお願いします






210:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 01:36:51.38 hPkmSRgw0
半兵衛 ◆B/.3uvv0Gk 1様

1/2

【題目】猫のお迎え
ある時、我が家の庭にきれいな三毛猫が迷いこんできました。
どうやら、おなかが大きいようでした。
当初、祖母は飼うことに反対しました。
しかし、特に猫好きであった祖父が自分の部屋で飼い始めてしまいました。
猫は赤ちゃんを数匹生みました。
親猫と、貰われての見付からなかったメスの一匹を飼うことにしました。
いざ飼い始めれば、家族皆で猫達を可愛がりましたし、猫達も良くなつきました。
親猫はあまり鳴きませんでしたが、娘の猫は事あるごとに良く鳴いたことを覚えています。
十数年が経ち、親猫が死に、それから数年後に娘の猫も死にました。
親子猫とも十分に寿命であった思います。
それからしばらく経って、祖父が亡くなりました。
祖父の遺体は、お寺での通夜までの間、家の仏壇間に安置されました。
夜、私は仏壇間の隣の部屋で蝋燭の番をしていました。


211:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 01:38:08.15 hPkmSRgw0
2/2

うとうとしていましたが、小さい影のようなものが仏壇間に入ったように感じられました。
こっそり覗いてみると、一匹の猫が祖父の枕元で座っていました。
すぐに消えてしまいましたが、体の模様が三毛であったように思います。
その後、あまり間を置かず、祖母が急病で他界しました。
祖父と同じように、遺体はしばらく家の仏壇間に安置され、夜になって私は蝋燭の番をしていました。
すると、また小さい影のようなものが仏壇間に入ったように感じられました。
そのときに、祖父の時にも同じことがあったことを思いだしました。
そっと、様子を見てみると、一匹の猫が祖母の枕元で座りました。。
体の模様は薄ぼんやりしていて良く見えませんでしたが、一言鳴いて消えてしまいした。
祖母は当初、猫を飼うことに反対していましたが、後年、ペットは死なれると悲しいからと言うのを思い出しました。
自分達を飼い始めたてくれた祖父と、実質的には面倒を見ていた祖母に対して、
親猫と娘の猫がそれぞれに迎えに来てくれたのだと思っています。(終わり)



212:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:38:50.70 BV43BcX/0
五十四本目の蝋燭が消えました・・・
半兵衛 ◆B/.3uvv0Gkさん、ありがとうございました
                      γ
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啓 ◆N5NMa8pQLuy1さん、第五十五話をお願いします

213:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 01:42:23.74 hPkmSRgw0
啓 ◆N5NMa8pQLuy1様

【後部座席】



RV車に乗っていた時の事です。
 当時付き合っていた彼を助手席に乗せて、2人で深夜に映画を観に行こうとしてました。
 信号で停まっていたら、偶然同じビル内で働いていた女の子達が横に並んで(車で)
 窓を開けて「どこ行くの?」「彼氏さんですかぁ?」など会話をして
 青信号に変わった瞬間に、私達の車の方が先に発進。
 お互い「またねー」などとにこやかに手を振って別れたんだけど。
 
 次の日。
 
 そのコ達と「昨日は偶然だったねー!」と会話をしていたら
 彼女達が笑顔で「あんなにたくさん乗っけて、どこ行ったんですかぁ?」と。
 「え?彼氏と2人だったよ。」
 「えー!何言ってるんですか後ろに3人?4人?乗せてましたよね?」
 「え?彼氏と2人だったけど・・・」
 「だって信号変わったとき、後ろに乗ってた人達も手を振ってくれましたよ」

 と、普通に話されました。騙しているんだなと思ったのですが
 私の顔色を見た彼女達が「ごめんなさい・・・けど、本当の話なんです。」と。
 それからしばらくはいろんな人に「ちょっと、聞いたけど大丈夫?」と言われてました。

 車を売却するときに、あまりの安値に驚いてわけを聞いてみると
 いわゆる「にこいち」で、なんらかの理由で二つの車を一つにしたものと聞き
 二度と中古車を購入することはしないと心に誓いました。

 終わり

214:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:43:00.28 BV43BcX/0
五十五本目の蝋燭が消えました・・・
啓 ◆N5NMa8pQLuy1さん、ありがとうございました
                      γ
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鳩太 ◆CHiCKevu8gさん、第五十六話をお願いします



215:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 01:43:18.82 hPkmSRgw0
鳩太 ◆CHiCKevu8g様

タイトル「旅客機」
1/2

小学校4年生のときの話。
その時は、体育の時間で校庭で体操をしていた。
真夏日で、ギラギラとする太陽光が見えそうなほどだったのを覚えている。
焼け付いたグラウンドで、僕ら生徒は校舎のほうを向き、先生の動きに合わせて汗を流していた。

突然、巨大なジャンボジェット機が校庭の裏山の方から校舎を超えてすっと姿を現した。
空を覆いつくすほど大きく、飛行機の陰で暗くなったグラウンドで僕らは一斉に声をあげた。
「飛行機だ!ジャンボジェット機だ!」
「すごい!すごいよ!」

しかし。
―極端な低空飛行だった。校舎の屋上に機体を擦りそうなほどに。
こちらから操縦席や乗客室の窓ガラスがはっきりと見える。

白いボディに青いラインのある機体だった。

飛行機はその後、向こうの空へ飛んでいき、やがて見えなくなった。
僕らはその後、飛行機のことをしばしば興奮気味に話したのを覚えている。

216:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 01:43:59.59 hPkmSRgw0
2/2

大人になってもそのことは不思議だった。
学校の裏手は山なのであり、周りは住宅地である。あれほどの低空飛行で飛べるはずがなく、
さらにジェットエンジン付の飛行機なのである。あのような飛行は不可能なはずだ。
しかし、しっかりとこの目で見た。
青いラインの曲がり加減や、その色合いまではっきり覚えていた。

僕だけでなく、未だに何人か覚えている友人達もいたこともさらに不思議がらせた。
あの真夏日に見た飛行機は一体何だったのだろう。

ある時、その飛行機の容姿をあまりにはっきりと覚えていたため、調べたことがある。
インターネットで「旅客機」と検索し、ひたすらに旅客機の写真をクリックしていった。
―ある写真で指が止まる。
イギリスの旅客機を写した写真。
機体の細かい所までも寸分違わぬものだった。

しかし、調べたところ僕のいた小学校を通るイギリス国際便の航路は存在しない……。

そして、思い出すと飛行機が飛んでいるときには全く音がしていなかった。
ジェットエンジン付であるはずの機体は無音のまま僕らの頭上を飛んでいったのである。

だが、未だに、真夏日の焦げ付くようなグラウンドで見た音もなく飛ぶ機影はしっかりと
僕の脳内に焼き付いて離れない。




217:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:44:37.72 BV43BcX/0
五十六本目の蝋燭が消えました・・・
鳩太 ◆CHiCKevu8gさん、ありがとうございました
                      γ
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りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、第五十七話をお願いします

218:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 01:44:40.36 hPkmSRgw0
【完】

219:りほ ◆aZ4fR7hJwM
11/08/20 01:47:11.55 78szAUOU0
・対抗意識 【1-4】

長野でのお話。
あれは高校3年の夏。時期で言えば2006年8月だったはず。
来る夏祭り(八丁原のそば祭り)に向け、祖父と共に山小屋の整理をしていた時の話である。
夕方になり、祖父は会合と言う名の宴会へ行き、僕は近くの沢へ釣りに向かった。
真夏の当時、P8時まではギリギリ何とか目視できる時間帯であった為、それまでと考えていたが
急遽振りだした雹と雷鳴轟く夕立に合い、P7時にはヒィヒィ言いながら山小屋に撤退するハメになった。
P9時前には出来上がった祖父も戻ってきた。酒のせいか、はたまた雹を浴びたのかやけに髪の薄くなった頭が
赤くなっていたのを覚えている。


220:りほ ◆aZ4fR7hJwM
11/08/20 01:49:11.47 78szAUOU0
【2-4】
P10時頃になり、布団を引き就寝。
何時頃だろうか、ふとトイレに行こうとして妙な物音に気づいた。
道路に面した窓側の方から
「ガリガリ…ガリ」といった音が聞こえてくる。
ここが町中であったらギョっとしただろうが、山の中である。
動物が居て当たり前、家の中に虫や蛇が出て当たり前なこの場所では
その様な怪音も対して気にならず、トイレを終えた後に祖父に
「なんか家引っかいてる。どうする?」と聞いたところ
「あん?、追っ払え」などと言い出す。
とりあえず鼠にしてはやけに豪快な音を出しているので、狢か鼬だろうと思い、
ドン!と窓際の壁を蹴飛ばす。静かになったので戻ろうとしたらまた「ガリガリ…」。



221:りほ ◆aZ4fR7hJwM
11/08/20 01:50:21.35 78szAUOU0
【3-4】
鬱陶しいので今度はドンドンドン!と連続で蹴飛ばし、静かになったところでもう1発とした時、
いきなりドゴォォン!という車がぶつかった様な大音が壁の向こうから響いた。
あまりのことにしばし固まってしまったが、慌てて祖父に報告したところ、
「自分には聞こえなかった。もしや熊か猪かもしれんからちょいと見て来い」とほざく。
さすがに嫌だったし、それ以降音もしなくなったのでそのまま寝たが、
翌日音のした付近を見ると確かに何かが壁の下をほじくった跡があった。
しかし、熊や猪、鹿といった大型動物が引っかいたような跡ではなく、猫ほどの大きさのものがほったような感じだ。

222:りほ ◆aZ4fR7hJwM
11/08/20 01:52:16.22 78szAUOU0
【4-4】
結局あの音を出したのが何であったのかは未だ解らない。
ただ、思い返せばあれだけの轟音にもかかわらず、壁や窓は一切揺れることが無かった。
本当に音だけ。
ただ、幸いにも翌年からは自分が車の免許を所得したので、
祭りの会合後も小屋に泊まることも無くなった。
しかし、また同じような怪音に遭遇したときには、負けないようにロケット花火でもぶっ放してやろうと決めた夏であった。
~終~

223:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:52:41.34 BV43BcX/0
五十七本目の蝋燭が消えました・・・
りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、ありがとうございました
                      γ
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、第五十八話をお願いします

224:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/20 01:53:15.56 YQD1C8J80
第五十八話【パチンコ店】(1/2)

隣町にあるパチンコ店、8列目の入り口から4番目のところだけが台がなく鉄板が打ち付けられています

これにはある理由があると聞いています


以前、そのパチンコ店の駐輪場で1人の男性が首吊り自殺しました

その男性が自殺する数時間前、最後に打っていた台がその8列目の入り口から4番目の台だったのです

その後、その台では不可解な現象が立て続けに起きました

225:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
11/08/20 01:53:59.28 YQD1C8J80
(2/2)

機械の誤作動、故障はあたりまえ、静電気が常に帯電しているのかいつも「パチッ!」とくる

最後には打っていた人が心筋梗塞で倒れ、救急車で運ばれるしまつ。

さすがに店側も「これではイカン・・・」と定休日に御祓いをし、台を撤去

そこを鉄板で封印したそうです。


だた、今でも深夜になると付近をうろつく不思議な影が目撃されるそうです・・・・

【終わり】

226:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 01:54:35.24 BV43BcX/0
五十八本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
                      γ
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BIGGOD ◆UL0yNua03wさん、第五十九話をお願いします

227:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 02:00:05.97 hPkmSRgw0
BIGGOD ◆FXm8E9Lrd9Ak様
1/2

題名「死んでしまえ!」

プルルルルルル
 
プルルルルルル
 
「はい?何ですか?」
 
知らない番号からの電話。セールスマンの声を予想していた私は、
向こうの無邪気な声にほっとした。
 
『いまどこぉ?』
 
イタズラ電話かと思ったりもしたが、相手はまだ小さい女の子のようだ。
どうやら、家族か何かに現在地を教えてもらおうとし、番号を間違えたのだろう。
 
「あら、どなたかな?」
 
答えると、女の子は言った。
 
『ねぇ、いま、どこにいるのぉ?』
 
・・・聞こえてなかったのだろうか。

 



228:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 02:01:43.45 hPkmSRgw0
2/2
「ごめんねぇ、番号まちがってるみたい、じゃあね。」
 
子供への接し方が分からない私は、適当に済ませようとした。
『あたし、まこちゃん。』
 
受話器を切ろうとした所で、女の子は言った。
『いま、どこぉ?』
「まこちゃん・・・、まちがえてるわよ。」
『あなた、だれぇ?』

・・・。ずぅずぅしい子だと、私は少し腹を立たせ、答えた。
 
「うちは柴田ですよ。」
これでようやく、間違いだと気付いてくれる。
『・・・・。』
なのに、女の子は黙ったままだ。
 
『・・・・アッテルジャナァイ・・・・?』
急に恐ろしい声に変わったのに驚いて、私は受話器を放り投げてしまった。
『………』
受話器からは何も聞こえない。
もう相手はきってしまったのか・・・・・。
 
おそるおそる、受話器を耳に当てた・・・・・・
『 死 ん で し ま え ! 』
ビックリして、恐ろしくなった私は、友人の家に行こうと外へ飛び出した。 
キキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!! 
ドカン

終わり。


229:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/20 02:02:21.64 BV43BcX/0

五十九本目の蝋燭が消えました・・・
BIGGOD ◆UL0yNua03wさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ

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            _ノ;し  i}  {J  |
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         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
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         `ー--─'"
ガタロー ◆l7Mb16VB82さん、第六十話をお願いします


230:ガタロー ◆l7Mb16VB82
11/08/20 02:02:52.28 w+0JlsO40
【位牌堂の屋根裏】
1/2

俺の親父は電気屋やってるんだが、その親父が今から20年以上前に田舎にある菩提寺の位牌堂の
電気の配線を通す作業をやってた時の話
当時の配線工事は今と違ってかなり面倒な作業だったらしく、位牌堂の屋根裏で懐中電灯片手に
四苦八苦していたそうだ
昼過ぎに始めた作業は日もだいぶ傾き始め、親父はもう明日に回そうとか考えていたとき、
カシャ…カシャ…と位牌堂から屋根裏にかけたハシゴを上ってくる音が聞こえたそうだ
親父はてっきり和尚さんが遅くなったんで見に来たのかと思い

「暗くてなかなか仕事が進まないですよ」

と話しかけたそうだ
しかしハシゴを上った人は無言。何も返事は返ってこない

「和尚さん?」

親父は懐中電灯をハシゴをかけている屋根裏の出入り口に向けるが、
親父のいる場所からは結構距離が離れており、懐中電灯の光もあまり当たらない
しかしシルエット程度は分かる。そこに人の居る感じは無かった

231:ガタロー ◆l7Mb16VB82
11/08/20 02:03:55.49 w+0JlsO40
2/2

気のせいかと思うも気味が悪くなった親父は今日は終わりと道具を片付け始めた
その時。

『クフフ・・・』

子供の押し殺した笑い声が屋根裏の出入り口から聞こえてきた
親父は再び懐中電灯を向ける。やはり誰も居ない
子供のいたずらか。しかしこの寺は和尚さん夫婦だけで子供は居ない
ではこの部落の子供が寺で遊んでるのか。しかしもう時間が時間である
そんな事を頭の中で考えていたとき

『キャハハハハハハハハハハハハハ!』

バタバタバタバタバタバタ!!!!!!と屋根裏を誰かが走り回る音が
子供の笑い声と共に辺り一面に広がった
慌てて懐中電灯を音のする方に照らすが何も見えない
しかし子供は狂ったような笑い声を上げながら相変わらず走り回っている
親父は努めて冷静に道具を片付け、走り回る見えない子供の笑い声をヨソに
屋根裏の出入り口に辿り着き、ハシゴに手をかけた

『バイバイ』

ハシゴを降りる時にそんな声がすぐ真正面から聞こえたそうだ。
そして親父は離れにいた和尚さんに今あった話をした

「ここはお寺ですからね。何でもいますよ」

和尚さんはそれ以上はあまり語らなかったらしい。
翌日、親父は和尚さんをハシゴの下に留め置いて配線作業を終わらせたそうな。
【終】


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