【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】at OCCULT
【今夜】 百物語2011本スレ 【怪宴】 - 暇つぶし2ch50:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:50:17.74 zf04GSaIO
(2/3)

その日、夜中の二時くらいだったと思う。
仕事中に急に腹痛になって一人抜け出して一番近い二階のトイレに入った。
誰もいないことに慣れていたから、当たり前になっていた。
しかし個室に入ると誰かが入ってくるのがわかった。
そのまま隣の個室のドアが閉まる音がした。
用を終えて出ると、隣のドアが閉まっているのが見えた。
私以外に誰か入っているのは初めて、しかも仕事中だ。
人様の様子を伺っているほど変態ではないので、そのまま手を洗い出ようとしたところで閉まっていたドアが開いた。
中には誰もいなかった。
驚いた私の横を足音だけが聞こえて、私の立つ横の洗面台の蛇口が開いた。
水が少しの間流れて、また止まる。
そのままトイレの出入り口のドアが開いて『誰か』は出て行ったらしい。
半ば呆然としながら、私もトイレから出ることにした。
その後も何度か『それ』に遭遇することはあったけど、姿は見えないしなんとなく気のせいだ、と思い込むことにしていた。
何度かそのトイレを使用しているのを見られ、フロア長に帰り際に声をかけられた。
長「二階のトイレ、気持ち悪くない?」
私「そうですね」
確かに嫌な感じはするけど、便利なのには代えられない。
長「あの二階のトイレ、皆使わないの。
幽霊が出るからって」
言われてやっぱりそうなんだ、くらいにしか思わなかった。
今まで遭遇した事もフロア長には一応話してみた。
長「怖くない?」
私「姿見てませんから」
どうやらかなりの人が体験しているせいで、あの二階のトイレは使われなくなったらしい。
気をつけてね、とは言われたが、別に害はないのでそのまま使用することにした。
休憩になり、話の種にと友達と一緒にその二階のトイレに行くことにした。
それぞれ個室に入ったところで、トイレのドアが開く音がした。


51:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 21:52:43.94 zf04GSaIO
(3/3)
その日、私はいつも入っている一番奥のトイレではなくて、『何か』がいつも入っているトイレのさらに隣にいた。
友人には私がいつも使っているトイレを使用してもらった。
誰か入ってくる音に友人が声をかけてくる。
友人「これ?」
私「うん、そう」
友人に答えながら、用を足し終えてドアを開ける。
もしかしたら私達が入ってきたのを見て、他の社員が入ってきたのかもしれない。
下手にいうのも申し訳ないので、手を洗うために洗面台へと向かった。
友人「ねぇ、本当にここでるのかな?」
私「さあね。でも空いているからいいじゃない」
それから友達の声は聞こえなくなった。
おかしいな?と思いながらも、とりあえず怖いだろうからトイレの中で彼女を待つことにした。でもなかなか出てこない。
いい加減痺れを切らせて、彼女を呼ぼうとした時悲鳴が聞こえた。
泣き叫ぶ声と共に、彼女がトイレから飛び出してくる。
私がどうしたのかと聞く前に、彼女はトイレから走り出していく。
それを見送ってから私が彼女のいたトイレを見ると、閉まっているトイレとの壁に黒いものが見えた。
彼女が見たのはそれだろう。閉まっている真ん中のトイレから、『何か』が壁を乗り越えようとしていた。
短い髪の赤いワンピースの女。黒く見えたのは髪の毛だった。
仕事着は白いし、帽子を被っているので絶対に社員ではない。
友人は女の顔を間近でみてしまったらしい。
女は私をチラッと見ると、また閉じられた個室に戻った。
私も手を洗うとそそくさと出ることにした。あの女が出て来る前にと。

あとで友達に聞いたところ、あの女は「いつもと違う」と何度も言っていたらしい。
つまりいつもは私が至近距離で女に見つめられていたんだと思う。
半分潰れた顔で、間近で覗き込まれた友人はすぐさま会社を辞めてしまった。
しばらくの間私はその会社に通っていて、変な物音を聞いたりおかしなことはあったがそのトイレに懲りずに世話になっていた。だがその女は二度と見てない。



52:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:53:43.10 zYhUUkPX0
十本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
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:色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第十一話をお願いします・・・

53:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 21:58:31.28 pJf+sL8/0
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3w様

「心霊写真」


友人達と久しぶりに会ったとき、数年前に撮った集合写真で心霊写真っぽく
ふざけて写したものを見る事になった。

だけど1つだけ、どうしても手がありえない場所にあるものがあった。

肩の上に手のひらが乗ってるような、構図的にはありがちなんだけど、
誰もそこに手を置いた記憶がない。

そのうち1人が「あ、これ、マジだわ…」ってつぶやいた。

「だって、無いから。」

って。

他のヤツも「…マジだわ」「やばいよ、これ…」とか言い始めた。

どうしても判らなくてイライラしながら「だから、何がないんだよ!」
って聞いたんだ。

そしたら、そいつと他のヤツも一言で言い切った。


「だってこの手、生命線が無い。」


【完】

54:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 21:59:16.76 gRUjOSJV0
十一本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
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御闇内 ◆1.vBi/ONCQさん、第十二話をお願いします

55:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 21:59:38.05 zYhUUkPX0
    「レプリカ」     1/3


僕の母は、15才の時に上京し、そのまま知り合いの美容院で働くことになりました。

高度成長期に乗りかけの、まだまだ貧しい時代でした。
お客さんの中には、戦争から帰還した“Sさん”という方がいて、皆から“兵隊さん”とよばれていました。
Sさんは、お店に来る時はいつも有名な羊羹など、珍しいお土産に持って来てくれて、母が喜ぶ顔を嬉しそうに見ていたそうです。

ある時、お店の皆さんで、T山に登りにいくことになりました。母もとても楽しみにいきました。
しかし山の入り口に入る時に、目の前の光景に動けなくなったそうです。
そこには包帯をグルグル巻きにした兵士が何十人と座り込み、割れたドンブリを膝元に置いていました。
右腕のない兵士の隣にいたのは、いつもニコニコと羊羹を持って来てくれるSさんでした。

一瞬、目が合った気がしましたが、母はすぐに顔を見られないように頭を垂れてその場を離れました。
一緒に来たお店の人達は、気付いてないようにしているのもわかりました。

(兵隊さんは、どんな思いであそこに座っていただろう、と思うと胸が苦しくて仕方なくなるの。)
(肩より低く頭を垂れながら乞うたお金で、自分の食べる物も買わず高い羊羹やお団子を買って、、、私は何も知らずに私は喜んでたの。)

母は、山登りもお参りの時も涙がぽろぽろと止まらなかったそうです。


56:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:00:24.81 zYhUUkPX0
2/3

それから三年後の夏、優しい兵隊さんは亡くなりました。

あのT山で見かけてから一度だけ店に来て、母に受けとってほしいものがあるのと言ったそうです。
その時に渡されたのが、人の頭部の彫り物で、学校の美術室に飾ってあるようなものでした。
母の記憶では、大きさは大人の拳くらいだったそうです。
「これは本物を真似して作ったんだよ」
Sさんは、少し笑ってそれだけしか言いませんでした。
母には、その価値はわかりませんでした。
ですが初めてもらう珍しくてきれいなものがとてもうれしくて、箪笥の上に飾って毎日やわらかい布で拭いていたそうです。

しばらくして、他の住み込みの人から
「うす暗い時に、あの頭が話してるみたいに口が動いて見える」と言われるようになりました。
母は、いたずらでそんな話が出てるんだ、くらいにしか思っていませんでした。


その朝、母はいつも通り住み込みの家を掃除していました。
そしてあの彫り物の前を拭いていたところ、突然、なんの前触れもなく「カシャン」という音を立てて、頭部が割れてしまったのです。
咄嗟に手を出した手に尖った破片が刺さり、指先から血が流れました。

母はそれを押さえることも出来ずに割れた頭部を見ていました。

「それ」は

57:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:01:51.82 zYhUUkPX0
3/3

母の血が滴れた、割れた破片の中で

唇がわなわなと動いていました。「ワタシ」と言ってるようでした。

目が合いました。その瞼が震えていました。

「それ」は泣いていたのです。

母は倒れました。意識が遠のく時、耳鳴りがまるで蝉時雨に包まれているようだったと言います。

店の奥さんに揺り起こされて気が付きました。

奥さんは、「サワちゃんどうしたの?!あら怪我してるじゃないの」と驚いてハンカチで母の指を押さえながら
「兵隊さん…Sさんを覚えてる?亡くなったんですって。汽車に轢かれて…」

そして割れた置き物を拾いながら 「頭が割れてたんですって……」

あとから聞いた話では、兵隊さんは狂ったように「待ってくれ」と泣き叫びながら、誰もいない踏切の中に飛びこんでいったそうです。


母は今年の夏も、蝉時雨の鎮まりを待っています。  


                     【完】

58:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:02:00.95 gRUjOSJV0
十二本目の蝋燭が消えました・・・
御闇内 ◆1.vBi/ONCQさん、ありがとうございました
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あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第十三話をお願いします

59:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:02:36.51 pttk6Sb50
「足跡」

(1/2)
アパートの私の部屋の横には「使われない鉄製の階段」があります。
(以下「トマソン」と書きます)
住人が2階に上がる階段は入口にあるし、何のためにそこにあるのか未だにわかりません。

最初に話しておきますが、トマソンに行くには子供か、大人なら小柄な人でも横に
歩かなければ通れないくらいの通路しかなく、中の通路からは子供でも体を小さくして
やっと通れる隙間があるだけです。
私は10年近くアパートに住んでいますが、一度もそのトマソンを上り下りする音を聞いた
事がありません。そんなトマソンだけれど、住むのに邪魔になるわけでもないし特に気
にもしていませんでした。

ある日の冬、珍しく雪が降りました。雪国生まれの私はとても懐かしくまた嬉しくも
あり、夜にかけて2㎝くらい積もった雪をベランダからとトマソンに積もった雪も携帯
で撮りました。
翌朝、もう溶けたかな…と雨戸を開けるとまだ積もったままなので、私は携帯片手に
雪の上を歩こう、と思いうきうきして部屋を出てトマソンを横目で見てギョッとしました。

昨日の夜には無かった足跡がトマソンの真ん中あたりの2段にだけついているのです。

60:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:03:50.75 pttk6Sb50
(2/2)
私はとっさにベランダと出入り口に行き足跡を確認しましたが、トマソンに行く足跡は
どこにもありませんでした。
私は不気味に思いながらもその足跡を観察して、ますます驚愕しました。

足跡は下からのものも無いし、上に向かうものも無いのです。そしてつま先だけの足跡
で踵の部分が無いのです。
後で階段を確認しましたが、足が乗る奥行を測ったら26㎝あり、外股の踵の無い足跡を
推測すると30㎝もの足のサイズという事になります。

…私はこの無用の階段をもうトマソンとは呼べなくなりました。
あれから何度か雪が積もるけど、もう階段に足跡がつく事はありません。

でも、今は見えないけど、確実に誰かが毎日利用しているかもしれないのですから…。

「完」

61:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:03:54.95 gRUjOSJV0
十三本目の蝋燭が消えました・・・
あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、ありがとうございました
                      γ
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鈴羅 ◆TCpk32es4VKmさん、第十四話をお願いします

62:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:04:26.43 pJf+sL8/0
鈴羅 ◆TCpk32es4VKm様

「よく見る夢」

1/2
夢でさ、何度も見る夢ってあるよな。
俺の場合何個か種類があるんだけど、今回はその中の一つ。
夢の中で俺は薄暗いビルの中にいる。
非常口の明かりしかないようなところで、中央に螺旋階段があって、その周りにいくつも部屋がある。
毎回、メンバーは変わるんだけど何人かの友人達と一緒にそのビルを探検してる。
ちゃんと目的があって、高校時代は部室を探すため、とかだった。
なぜかいつもビルの3階くらいから始まって、どんどん地下へ降りていく。
部室を探してたりするわけだから周りの部屋もどんどん開けていく。
部屋の中には大体幽霊がいて、皆に見えてる。
どいつもこいつも青白い顔で髪の毛を振り乱してたり恐ろしい形相で扉を開けてすぐの所にいる。
皆怯えるんだけど俺だけ妙に冷静で、なぜか幽霊たちは俺にどんどん付いていく。
地下階の始まりまで降りてくといつも着流しの着物に羽織ものはおってスーツなんかで被るような
帽子を被った小柄だけどどっしりした貫禄のある爺さんがいる。
爺さんは「おう、待ってたぞ。」なんて言って俺たちを先導していく。
ここから先はビルからどこかの神社か仏閣の中みたいな和風の建物を歩いていく。


63:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:05:08.04 pJf+sL8/0
鈴羅 ◆TCpk32es4VKm様

2/2
地下のはずなのに障子窓があって、ほんのり明るい。歩いているところは狭い廊下で人一人がやっと通れるような幅。
障子窓と、反対の壁にはちょっとした棚みたいな段差が有って、色々な材質の小さな仏像が置いてある。
水晶とかガラス、石などの普通のからガスライター用のボンベ製のまで。
さっきまで怖い雰囲気のとこにいたもんだからつい仏像に拝もうとすると前を歩く爺さんが振り返って
「拝むなよ」って冷たい声で言う。「ここのは拝むもんじゃないんだ」らしい。
さらに狭い廊下を歩くと、仏像は無くなって周り一杯におみくじの結んだのとか唐辛子みたいなガラス細工
がつるしてある場所を潜る。
潜った先には見上げても膝しか見えないような大きな仏像と、その前に赤い座布団が置いてあって俺らは一人づつ
そこの座布団に座って仏像を拝む。
爺さんはその間俺の背中をさすりながら「頑張った、頑張ったな。」って言ってくれる。
それが終わると厄払いの時なんかで入るような待合室に通されて、だいたいいつもそこで目が覚める。
この間の夢では俺はそのあとトイレに行って爺さんに「尻にまだいる」って言われて尻をゆっくりさすられたがw
さすられてる間はすっごく暖かくて、温熱マッサージみたいに気持ちがいいのと、不思議とどの場面でも怖くないのが
俺的にオカルト。
そうそう、その爺さんだけどこの間母ちゃんに夢のことを話したら古い写真を見せてくれた。
母ちゃんのほうの親戚で、俺の曾曾曾爺さんにあたる人らしい。



64:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:05:13.25 gRUjOSJV0
十四本目の蝋燭が消えました・・・
鈴羅 ◆TCpk32es4VKmさん、ありがとうございました
                      γ
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空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、第十五話をお願いします

65:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:08:17.37 zf04GSaIO
峠の女(1/2)

友達とコンビニに行ったときの話。
有名な走り屋の集まる峠の下のコンビニで、やんちゃな連中がたくさんいた。
その中でコンビニの中で買い物をする為にレジに並んでいた。
結構人がいたので、面倒だなーなんて思っていた時に山の方から猛スピードの車がくるのが見えた。急ブレーキの音が店内まで聞こえて、皆何事かとそっちを注目した。
停まった車はDQN車。
そこから慌てるように二人の男が飛び出してきた。自動ドアが開いて、その男二人は口々になんか喚いていた。
「女が!」「幽霊だった!」
そんな事を言っていたと思う。はっきり言って動揺しすぎていて、噛み噛みだしわからん。でも顔は真っ青で。
幽霊が出ると有名な峠だし、そんなに気にしてなかったんだけど、そのうちレジで並んでた一人が「わっ!?」と声を上げた。
そのうちに店内がぎゃぎゃーと騒がしくなって、店の中の客は窓際じゃなくて奥の方へと逃げ出してた。
なんだろうと思った時に、友人に教えられてようやくわかった。
DQN車の中を覗き込んでいる女がいた。
どう考えても普通の女じゃなかった。動きが何か変。
そのうちこちらに気づいて全力で走ってきた。長い髪がぐっしょり濡れているみたいだし、服もなんだか汚い。しかも裸足。
なんだか向こうが透けて見える。
もう店内大パニック。


66:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:09:10.42 zf04GSaIO
(2/2)

バンっ!て音がして、女は自動ドアにぶつかってそのままその場にしゃがみ込んだ。
何が起こったのか一瞬わからなかったが、悲鳴は大爆笑に変わった。
自動ドアが開かなかったから、全力でぶつかったのだから相当痛そう…。
笑ってから、落ち着いてもう一回見たときには女はいなかった。
ドアの前にも駐車場にも。
女が『人間じゃない』事に気づいて笑いもしぼんでいった。
姿が見えないだけで、まだいるかもしれない。笑った自分達を恨むかもしれないと、誰ともなく思ったんだと思う。
とりあえず会計を終えても誰も出て行かない。出入り口に近づくのも誰しない。
十分くらい経ってから、奥から店長らしき人が出てきて自動ドアの前に向かった。
「大丈夫ですよ」
って言いながら泣いていたDQN二人に塩をばらばらと投げつける。
「怖い人は言ってください、塩サービスしてます」
笑いながら言ってる店長のお言葉に甘えて、塩を撒いてもらってみんな外に出ることにした。やっぱり女の姿はなかったけど。
「これで三回目です」
とこっそり教えてくれた店長。どうやら峠を攻めるDQN車に憑いてくるんじゃないかということだった。
実は私は女を見たのはこれで二回目。
一回目は生きている人間じゃないかと本気で思ったくらいだ。
一回目の時は、車の屋根にしがみついてそのまま女は行ってしまったので正直、ドッキリ系の撮影かと思っていたんだけど。
違ったらしい。



67:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:09:18.57 gRUjOSJV0
十五本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
                      γ
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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第十六話をお願いします

68:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:10:11.70 pJf+sL8/0
キツネ ◆8yYI5eodys様

「小さなワンピース」


【小さなワンピース】1/4
私が子供の頃、近所に仲の良い幼馴染がいました。
1人は同級生のAくんで、もう1人はその2歳年上のお姉ちゃん。
家が近く家族ぐるみの付き合いもあって、ほぼ毎日のように遊んでいたもんです。

あれは小学生の夏休みのこと。

いつものように幼馴染宅の裏手の河原で目一杯遊んでいた私たちは、
突然降り出した夕立でずぶ濡れになりながら逃げるように幼馴染宅に駆け込みました。
おばさんから「あんたたち今日もね!」とお小言を頂戴し、
みんなでお風呂から上がった後、私とAくんがゲームで遊んでいた時です。

ちょいちょい、とお姉ちゃんに手招きされて私とAくんが付いて行くと、そこは見慣れたAくんとお姉ちゃんの部屋。
私とAくんが腰掛けるなり、お姉ちゃんが切り出しました。


「暑いからちょっと怖い話してあげよっか」


私たちの返事も聞かずに、お姉ちゃんはポツリ、ポツリと語り始めました。

69:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:10:52.85 pJf+sL8/0
【小さなワンピース】2/4
それは昨晩の話だそうで。

その晩は夕方の大雨のせいか蒸し暑さを増した熱帯夜で、お姉ちゃんはなかなか寝付けませんでした。
真っ暗な部屋の中で聞こえてくるのは寝ている弟のAくんの寝息と、開け放した窓の外、堤防を挟んだ川の音。
その時、お姉ちゃんは『川の音』が妙に耳に付いて、ますます意識が冴えてしまったそうです。

不意に川の音に混じって、

ずる……ぺちゃり。

と、如何とも形容しがたい音が耳に届きました。


ずる……ぺちゃり。

ずる…ぺちゃり。

ず…ぺちゃ。


音は次第に間隔が短く、次第に大きく。
まるで自分に向かって近付いている、と感じたお姉ちゃんは真夏の熱帯夜だというのに寒気を感じたといいます。


ぺちゃ…ぺちゃ…ず…ぺちゃ。


耐えきれなくなったお姉ちゃんは頭からすっぽり布団をかぶって、泥棒だったらどうしよう?早く弟を起こして逃げた方がいいんじゃないか?などと考えたそうです。



70:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:11:46.03 pJf+sL8/0
【小さなワンピース】3/4
どれほどの間そうしていたのでしょうか。
お姉ちゃんがじっと耳を澄ますと音が止んでいます。

――そうだ、今のうちにお母さんのところに行こう。

そう考えて、恐る恐る布団の端を持ち上げた時でした。

……ぺちゃ!

布団の隙間に見えたのは小さな目。
いいえ。
眼球の無い真っ黒に窪んだ眼窩で、じっ、とお姉ちゃんを覗き込む小さな女の子の顔でした。

――痛い。冷たい。痛い。動けない。助けて。

そんな感情が奔流のように混ざり合ったところで、お姉ちゃんの記憶が途切れたのだそうです。


翌朝、お姉ちゃんが目を覚ますと、そこは朝日が差し込む自分の部屋でした。
気持ち良さそうに寝ていた弟のAくんを蹴り起こそうとした時、ふと昨晩の記憶が蘇って何気なく窓の外に目を遣りました。
窓の下、日差しが照り返すコンクリートの上の何かが目に入ります。
お姉ちゃんが網戸を開けて拾い上げたのは、水玉模様の布切れ。



それは所々が大きく破れた、びしょ濡れの小さなワンピースでした。

71:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:12:27.11 pJf+sL8/0
【小さなワンピース】4/4
以上がその日お姉ちゃんから聞いた、じゃなくて無理やり聞かされた話でした。
お姉ちゃんが語った内容は強く印象に残っているのですが、いやはや、文章にするとなかなか再現できないものですね。
お恥ずかしい限りです。

さて、余談ではありますがこの話にはちょっとした続きがあります。

お姉ちゃんの話を聞いて2日過ぎた頃だったと思います。
家族で食卓を囲んでいた時、テレビから私が住んでいる町の名前が聞こえてきました。
普段、ご町内で交通事故や火事が起きると大事件として話題を独占するような小さな田舎町です。
しめた、明日の登校日の時友達と話すネタになる、とでも思った私はテレビに釘付けになりました。

テレビに表示されていたのは、私の家から5キロほど離れた地区の名前。
簡略化された地図の、川の真上に描かれた赤い×印。
後ろに(5)と書かれた女の子の名前。
その名前の前に書かれた『死亡』の文字。

そして……ローカルニュースのキャスターは最後に「死因は水死とみられています」と読み上げました。

後で分かったことなのですが、亡くなられたのは10キロ以上離れた川の上流の隣町の女の子で、
ちょうどあの日――お姉ちゃんが夜中に奇妙な体験をした日に行方不明になっていたのだそうです。


川で亡くなった女の子と、私の幼馴染お姉ちゃんの体験は何か関係あったのでしょうか?

今となっては分かりませんが、ただ一つだけ。
翌日から幼馴染のお母さんのお小言に「川で遊んじゃダメだからね!」という一言が追加されたのを鮮明に覚えていることぐらいでしょうか?


【完】

72:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:12:31.44 gRUjOSJV0
十六本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
                      γ
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あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、第十七話をお願いします

73:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:13:08.19 pttk6Sb50
「古道具」

(1/2)
とある城下町に行った時の事、城を見た帰りに土産物を見ていました。
私は古道具にとても興味があり、その時も一軒の古道具屋さんを見つけました。

そこでは道具を売っているのではなく、ご主人の先代が薬問屋で、ご主人曰く
「この店構えを残しておきたかった事と、この町を訪れる人に歴史を紹介したくて
この場所を展示場にしたんです」と。
ご主人がそうしているうちにご主人の元に明治以降の古い物が集まるようになり、
その当時の薬の看板を始め、下駄、旅の小物、秤、地図…等々、所狭しと古い
ものがたくさん展示されていました。
私はひとつひとつどんな時にどういうふうにして使うのかを聞くとご主人も細かく丁寧に
教えてくれて、私は昔の人の知恵の凄さに感心したり、ご主人とたくさんお話をして
和気あいあいと長い時間を過ごしました。

そこには薬屋の帳場もあり、薬箪笥や屏風もありました。ご主人の意向であがらせて
もらい、また細かく見ていると、ご主人が額縁に飾ってある書きものを「これは勝海舟
直筆の書です」と言うので「ええ~、凄い!」と驚いて、また帰りがけに写真を撮って
もいいかと聞くと「どうぞ気兼ね無く」と言うので気になるものをたくさん撮り、
帳場を撮ったあと、フラッシュを点けてない事に気づき、帳場だけフラッシュを点けて
2枚撮りました。

74:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
11/08/19 22:14:21.05 pttk6Sb50
(2/2)
私は良い旅だったなぁ…と電車の中で撮った写真を見直しました。
するとフラッシュを点けた帳場の写真にうっすらと煙草の煙の様な白いもやが写って
いました。2秒前に同じ場所を撮った写真には写っていません。
どう見ても光の反射ではなく、被写体が動くわけは無いし、私も手元を動かしていない
のでブレた時のものでもありません。

…これは何だろう…何か変なものが写ってしまった…
私はこういう写真を初めて撮ったのですが特に怖さも感じませんでした。
もしかするとご主人と楽しそうに会話をしていたから、先代も話を聞きに来たのかな。
そう考えたらとても微笑ましく感じました。
だけどもしかすると勝海舟の霊だったら凄い事ですよこれは…とあとでちょっとだけ
思ったのはここだけの話です。

「完」

75:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:14:24.99 gRUjOSJV0
十七本目の蝋燭が消えました・・・
あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCMさん、ありがとうございました
                      γ
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空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、第十八話をお願いします

76:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:16:04.60 zf04GSaIO
住職(1/3)

ある事情で、幽霊が出ると言う家に住むことになった。
本当に怖い思いもしたのだけど、その時にアル中じゃないかってくらい酒が好きな住職にお世話になった。
背中に大怪我をしたりしたけど、その時に助けてくれたのはその住職だった。
幽霊屋敷を出ることになってしばらく、私はようやく落ち着いた生活ができるようになった。
住職とは二ヶ月くらいは連絡を取らなかったと思う。
その日、どうしても幽霊屋敷にいけなくてはいけない事になっていた。
私の土地、ということになるので下見みたいなものだ。
初めてこの家に来るAさんという人と一緒で、お互い結構緊張していた。
ぼろぼろの家だし、中ではかなり怖い目にあった。
住職の話では、特に危害はないだろうって事なので中に入って見学…みたいな話だった。
Aさんも肝試しみたいだね、なんて冗談を言いながら中を見て回った。
中で傷害事件もあったし、そのままで放置されていたので変なにおいもした。
「本当に出るんですか?」
なんて聞かれて、さぁとしか答えることが出来なかった。
昼間だし、そんなに怖いことは起こらないだろうって思っていたし。
家の惨状について説明しながら、丁度二階に行こうとしていた時に、突然叫び声が聞こえた。
家に来たのはAと二人っきりなので、当然第三者の叫び声となる。
というか、前にもこんなことあったな…と、背筋が寒くなる。
Aさんも長く続いている『うおー!』見たいな叫び声に、ぞっとしてきたみたい。
どうしようかって顔を見合わせた途端、二階で何かを叩くような音と、走り回る音が聞こえ始めた。
明らかに五、六人騒ぎまくってる感じ。
部外者入れたのがまずかったか!?と、もう青ざめて座り込みそうなAさんの手を引いて外に出る。
そしたら、ぴたっと止まった。
怖くなって車の近くまで避難したけど、家はなんともない。
叫び声も聞こえないし、何も壊れた様子はなかった。
「今のなんですか!?」
「さぁ」
めちゃくちゃ慌てるAさんには申し訳ないけど、それしか言えなかった。


77:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:17:23.87 zf04GSaIO
(2/3)

夜ならわかるけど、こんな昼間にってのが正直怖かった。また霊体験が続くのかと本気で泣きそうだった。
その時、地面が大きく揺れた。
地面だけじゃなくって、家もその後ろの林も。
―3・11の本震だった。
少し広い場所まで逃げて、その後ろで幽霊屋敷が倒壊してくのが見えた。
揺れに耐え切れなくって、二回目?の大きな揺れであっけなく倒壊した。
「運良かったですね……」
なんて弁護士さんは言ったけど、どう考えても地震前に追い出されたって感じだった。
住職いわく、私は『気に入られている』らしいので、そのおかげかもしれないけど。ともかく、家と一緒に死ぬことはなかった。
ほっとして余震もそれほど大きいのがないのを確認してから、とりあえず車で山を降りようってなった時に、携帯電話が鳴って出ると本当にタイミングよく住職から電話があった。
『大丈夫か?』
「今の地震大きかったですね。
私は大丈夫ですけど、そちらは平気ですか?」
音が悪くて、雑音が入る。
もともとそこでは携帯の電波が入りにくかったから、気にしなかった。
『絶対にその土地は手放しちゃ駄目だよ。
今は君が居るから落ち着いているから。
遠くへ引っ越すにしても、土地の名義だけは死ぬまで離しては駄目だ』
ああ、来ているの知ってたからだなー、なんて思った。
「はい、わかってます」
答えながら、隣では一生懸命家族と連絡を取ろうとするAさんの姿。
混乱しながら、車に乗り込んで帰ろうとAさんに促される。
「それじゃ一度そちらにも顔を出しますから」
『気持ちだけでいいよ。
それより気をつけて。これから色々あると思うけど、俺は君の味方だから。
ずっと守っててあげるから、安心しなさい。破戒僧だけどね』


78:空色 ◆p4Tyoe2BOE
11/08/19 22:18:11.13 zf04GSaIO
(3/3)

酔ってんのかな?とか思いながら、そういってくれたのが嬉しかった。
「ありがとうございます。
それじゃまた」
なんていって、電話を切った。
切ってから今度は知人に電話をしようと思ったけど、電話が通じなくなってた。
山だからとかそういう問題じゃなくって。
地震の影響で、一日くらい携帯では連絡が取れなくなった。
幸いネットやメールで連絡取れる人は大丈夫だったけど。
二日後、最初に住職を紹介してくれた人から連絡があった。
地震の直後に、住職は亡くなったことを教えてもらった。
自宅が倒壊して、亡くなっているのを発見された。後で聞いたら即死だったらしい。
じゃ、昨日の電話は?と確認しても間違いなく十五時代に住職からの着信記録があった。
死んでまで心配してくれたのだろうかと思うと、本当にごめんなさいと思う。
巻き込んでしまったせいで、迷惑かけたし、凄く良くしてもらった。
お礼もしてないのに……。
そう思うと、凄くやりきれない。
家族じゃなくって、こんな他人を気にかけてくれてありがとうございました。
あれからまだ色々あるけど、ちょっと運が良かったりするのは住職のおかげかもしれないと勝手に思うことにしている。




79:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:18:15.41 gRUjOSJV0
十八本目の蝋燭が消えました・・・
空色 ◆p4Tyoe2BOEさん、ありがとうございました
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色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、第十九話をお願いします

80:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:21:32.56 pJf+sL8/0
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3w様

「全盲の親戚の爺さん」

小学校3年生の夏休み、母の田舎である長野に行った。

親類の家に泊まるのだけど、そこに「全盲」のお爺さんがいた。

爺さんは全盲ではあるけど何十年とそこに住んでいるので
杖さえあれば近辺の散歩などは当然軽いものだったが、

「ほれ、見ろ、そこにカエルがいる」
「屋根の上に猫がいるな」

など、「全盲」では判らないはずのものを指摘していた。

しかもそれは、夜での出来事だった。


【完】

81:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:21:40.02 gRUjOSJV0
十九本目の蝋燭が消えました・・・
色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3wさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、第二十話をお願いします

82:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:22:47.82 pJf+sL8/0
後日談

心霊スポットに行った次の日の事です。
友人と深夜のドライブに出かけ、山の中で車をとめて話し込んでいました。
駐車場には4本のライトがありました。
まず、私達の居た所のライトが消えました。
「なんか消えちゃったねー」
そんな事を言いながら車を回し別のライトが点いているところへ。
数分後、また私達の居た所のライトが消えました。
「何か法則性があるのかな?」
と、私達はおもしろ半分でまたライトの点いているところへ車をやりました。
しばらくして、やはり消えました。
残りはあと1本。何分おきに消えるか、これは法則性なし。
そこに行ってから何分か、これも法則性なし。
やはり好奇心が勝ちました。
最後の1本へ車を移動させました。
まさか全部は消えないだろうと思っていました。

数分後、消えました。
二人とも無言になりました。ゆっくりと車を走らせ、下に降りていきます。
夜も遅いし帰ろうと言う事になり、私の家まで送ってもらう事になりました。
あともう少しで家、と言う時。
スナックの看板が一斉に消えました。3時39分でした。
そこには、スナックが4軒ほどありますが全ての看板が一斉に消えるなんて事はあり得ません。

友人はかなり怯えてしまい、とりあえず早く帰るしかありませんでした。
家の下まで送ってもらい、家に入って明かりをつけて思った事があります。


私は家を出るとき、廊下の電気は絶対に、消さない。
【完】

83:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:23:28.98 pJf+sL8/0
名前を代理投稿のままにしてしまいました。すみません。ゆあでお願いします。

84:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 22:23:33.44 gRUjOSJV0
二十本目の蝋燭が消えました・・・
ゆあ ◆96j0kyRRhEF2さん、ありがとうございました
                      γ
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仏師 ◆/g.//wsKSn4Bさん、第二十一話をお願いします

85:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:24:15.04 pJf+sL8/0
仏師 ◆/g.//wsKSn4B様

人形供養
 
身寄りのない叔母が亡くなり、唯一の親族である私の実家で葬式を出した後に、叔母の遺品を整理していたら
古い日本人形を見つけた。古いわりには手入れをしていたらしく、痛みが見えない。
形見分けでもないが、私がその人形を貰うことになった。だが、婿養子の彼が「気味が悪い」と
いいだし渋々、離れにある土蔵に収納して四十九日が過ぎた頃。
深夜になると壁に何かを、ぶつけてる音が聞こえてくる。さすがに三日三晩続いたのに業を煮やし
彼と音のする方に行ってみた。
 やはり土蔵の中からで かすかに、童謡も聞こえるではないか。。。
京都では有名な丸竹夷(まるたけえびす)といって子供が覚えやすい歌詞である。
懐かしいと思いながら、ぶつかる音は手毬だと判明したが鍵を開ける勇気もなく
翌朝に神社の方に相談し引き取ってもらうことにした。
 住職曰く「叔母が生前より寂しい時に話しかけたり、遊んでいた」想いの入った人形であり。
念が強いので、護摩木で箱をつくりその中に納め、封し、御炊き上げをする。と。
 当日、他の人形と共に焼かれる最中に、怪異が起きた・・・箱が動く?正確には暴れているとの
表現が正しいだろうか。ゴトゴトッ!ギギギ!ガリガリガリッ!そして弱々しい歌声で
丸竹夷を!・・・なんだか悲しくなって自然と泣いている私が「お人形さんを叔母さんへ送ります」と
ポツリと発したらその振動は収まり、わらべ歌も聞こえなくなっていった。

              完

86:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:24:44.41 zYhUUkPX0
二十一本目の蝋燭が消えました・・・
仏師 ◆/g.//wsKSn4Bさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6さん、第二十二話をお願いします・・・

87:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:33:10.72 zYhUUkPX0


失礼いたしました・・・

啓 ◆N5NMa8pQLuy1さん第二十二話をお願いします・・・

88:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:35:34.62 pJf+sL8/0
啓 ◆N5NMa8pQLuy1様
【彼女の声】
1/3
10年程昔の事ですが、幼なじみのお兄さんにHさんという男性を紹介されました。
ドライブへ連れて行ってもらい、お食事をしてその日はお別れ。
部屋へ入り落ち着いた頃にPHS(当時)へ着信。Hさん。
「今日はどうもありがとう!また時間作って会ってくれる?」
素敵な方だったので、もちろんOK。
幼なじみのお兄さんへすぐに電話して、報告したのですが
話を聞くと3年近く彼女もいなくて、好きな人もなかなか出来ないヤツだと。
ふーん・・・と思いながらも、ラッキー!くらいにしか思っていませんでした。

その次の日の夜12時近くに、Hさんから着信。

「残業でこの時間だよー。ごめんねこんな遅くに」
「全然大丈夫だよー、この時間ならまだ起きてたし」

などと他愛もない会話をしていたのですが、横から女性がHさんへ

「ちょっと誰と話してるの!?」
「また女?」
「いい加減にしてよ」

うわぁー、なんだかんだ彼女?らしい人いるじゃないのと落胆し
彼女いるの?とも聞けず(Hさんに悪いので)、素っ気無く電話を切りました。
それが気になったらしく、次の日もその次の日も着信がありましたが無視。
それから一ヶ月程経った頃、幼なじみから電話があり、その時の事を聞かれました。

「Hが気にしてたぞー、悪い事言ったんじゃないかって。」
「だって、Hさん彼女いるんだよね?話してる時に横から文句言っててー!」
「そうかー・・・ じゃあHに言っておくから、次に電話来たら出てやってくれ」


89:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:36:15.31 pJf+sL8/0
2/3

そのあとすぐにHさんからの着信。電話に普通に出ると、どうも様子が変で。
前に会話をした時に、どんな事を女性が言っていたのかなどを詳しく聞かれました。
一通り話したあと、こちらもなんなのだろう?と腑に落ちなかったので
なんなのですか?と少し怒り気味に聞くと、少し黙ったあと静かに言いました。

「Eちゃん、俺本当にEちゃんとだったら仲良くなれるんじゃないかと思ってた。
けど迷惑を掛けられないから、俺はもう近づかないよ」

なにかあるなとピンと来たので、良かったら教えてくれないかな?と。

「俺が好きになりそうな人が出てくると、必ず邪魔をする女がいるんだ。
前に好きになったコも、Eちゃんと同じこと言ってたよ。彼女いるんでしょう?って。
そのコは交通事故に遭ってしまったし、他のコも色々・・・」


90:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:36:56.83 pJf+sL8/0
3/3

それ以上は聞けなかったので、すぐに幼なじみへ電話。
そこで聞いたのは、Hさんが付き合っていた女性が勘違いで自殺してしまったと。
電話での声だけでも、当時はもの凄く怖かった事を覚えています。
けど、それだけじゃないんです。

それから1ヶ月も経たない頃、友人らとClubへ行った時の事。
フロアで踊っていると、こちらへ視線があるのに気付き見てみるとなんとHさん。
偶然同じClubに居たみたいで、まずいなぁーと。お互い言葉は交わさずにいたのですが
なんとなく意識をしていて、居心地が悪く。
フロアから出て、カウンターへお酒を取りに行った時。

私の頭上に、高さ数メートルあるであろう天井からライトが落ちてきました。
近くにいた従業員が庇ってくれて、私には一切怪我はありませんでしたが
その人は手に怪我をしていました。すぐにオーナーが来て、今までこんな事は無く
大変申し訳無いと謝罪してくれましたが、私は放心状態。

普通にそんな事故があったら、怪我が無く良かったで済むのですが
私には思い当たるフシがあるので、言葉も出ず。
私を追いかけて、フロアから出てきたであろうHさんがすぐ後ろに居て
振り返ったままの姿勢で、じーっと見詰め合ったまま無言。
Hさんはお友達を連れて、挨拶もせずそのClubから出て行きました。

そのHさん、今どうしているのかも幼なじみに会っても聞けずにいます。


終わり

91:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:38:50.92 zYhUUkPX0
二十二本目の蝋燭が消えました・・・
啓 ◆N5NMa8pQLuy1さん、ありがとうございました
                      γ
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はつし ◆qIYKkyK6xEさん、第二十三話をお願いします・・・

92:はつし ◆qIYKkyK6xE
11/08/19 22:39:44.20 QHOsZPO5O
「お墓参りごっこ」

(1/2)
小学生の頃の話。
ぼくらにとってそこらじゅうにいる昆虫は格好のオモチャだった。
とんぼの頭をちぎって飛ばしてみたり、蝶の羽をもいでずらっと並べてみたり、燃やしてみたり、水をかけてみたり…。
毎日毎日飽きもせず繰り返してた。
ぼくだけじゃなくて同じぐらいの年の仲間は皆やってたことだから、まぁ子供特有の残酷さってやつです(今はもう虫に触れる事さえできないヘタレに成長しました)。
遊んだ後の残骸は放置して自然に返してたんだけど、ある時、誰かがそれらを地面に埋めて土を盛り、更に木の棒を差してお墓に見立てたものを作った。
それから、皆がお墓を作るようになった。
手を合わせて祈ったり、お経っぽい言葉を呟いたるする奴もいて、そしてそれも誰からともなく皆が真似をした
暫くすると、神妙な顔をして『お墓参り』をする、その行為自体がだんだん面白くなってきた。
更に時がたつと、その『お墓参り』をする為だけに虫を殺すようになった。

そうする内、小さい虫じゃもの足りなくなる奴が出てきた。
お墓がでかい=すげぇ! ヒーロー! みたいな感じです。わかるかな。
虫→アマガエル→金魚→亀→蛇→鯉、みたいに、どんどん対象がでかくなっていく。
ぼくは亀あたりで怖くなって離脱した。
あの『お墓参り』がどこまでエスカレートしていったのかは知らない。

93:はつし ◆qIYKkyK6xE
11/08/19 22:40:50.86 QHOsZPO5O
(2/2)
後日談でもないが。
今年の盆に帰省した時、久々に『墓地』に行ってみたんだ。
流石にこまごまとした虫の墓は風雨にさらされてなくなってた。
でも、直径1mはあろうかという馬鹿デカイ盛り土が3つもあったのにはちょっとビビった。
あの下には何が埋まってるんだろう。



94:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:42:27.94 zYhUUkPX0
二十三本目の蝋燭が消えました・・・
はつし ◆qIYKkyK6xEさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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のらはり ◆EUWlqFWJAkさん、第二十四話をお願いします・・・

95:のらはり ◆EUWlqFWJAk
11/08/19 22:42:59.79 9IkBRKai0
(1/2)
祖父は山の上の送電線の監視を仕事としており、長年T山に登り続けていた。
そのため祖父はT山を知り尽くしていて、休日などはよく祖父を先頭に家族で山登りをしていた。

あれは自分が高校生の時のこと。
春の雪解け後に出てくるふきのとうを狙って、祖父と自分と弟は一緒にT山を登っていた。
よく言う「山のルール」はやはりここでも存在し、すれ違う人との挨拶は絶対だった。
「挨拶しても返してこないのは幽霊だ」などと祖父は半分くらい冗談交じりで話していた。
雪解けの季節とはいえ、まだ雪はあちこちに残っており、それを踏みしめてのぼってくので思ったよりきつく、
先頭の祖父は元気にひょいひょいと登っていたが、後ろの自分と弟は下を向きながらフウフウ言いながら
登っていた。

すると先頭の祖父が「こんにちはー」と挨拶したので、自分たちも「こんにちはー」と言った。
そしてすぐ異変に気づいた。
誰ともすれ違わないのだ。
下を向いていたって足くらいは見えるし、そもそも歩く音が聞こえるはずである。
しかし足など見えないし、足音も聞こえない。
「ねぇ、今誰か通ったの?」
同じことを思っていたらしい弟がそう聞いた。
「ん、何も通ってないぞ?」「え、だって今じいちゃん誰かに・・」

96:のらはり ◆EUWlqFWJAk
11/08/19 22:43:56.10 9IkBRKai0
(2/2)
と弟が言いかけたところで、こっちに振り向いていた祖父がキッと山道の前方をにらみつけた。
遠くからクマよけの鈴の音が聞こえる。
微かにだが、複数人のものと思われる足音も聞こえる。
「道を変えよう」
そう言って祖父は笹の生い茂るあきらかな獣道へと入っていった。
「え、待ってよーじいちゃーん」
と祖父を追いかけていった弟の後に続く形になった私は一瞬だけだが、前方から来た集団が見えた。
黒い服を着た男性がなにやら大きな荷物を抱えていた。
その後、しばらくけもの道を歩いて祖父は「今年はふきのとうはやめておこう」と言って、気持ちゆっくりめに山を降りた。

次の日、地元紙を読んでいた祖父が「やっぱりな」と呟いた。
そこにはT山で行方不明になっていた大学生の遺体が雪が解け始めた谷沢で見つかったという記事だった。
「見つかったのがうれしくって、魂だけ先に下りてきてしまったんだな。
あの時はおぼえていなかったが、今はなんとなくおぼえている。
たしかに俺はあの時挨拶をしたんだ。そしたら返ってきたんだ、『ただいま』ってな。」

97:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:45:55.94 zYhUUkPX0
二十四本目の蝋燭が消えました・・・
のらはり ◆EUWlqFWJAkさん、ありがとうございました
                      γ
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169 ◆riBiLQMQ3Uさん、第二十五話をお願いします・・・

98:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:47:45.56 XHetkJRU0
(1/4)

 小さい頃、お盆にお墓参りに行ったときの話。
 私は家族と一緒に手を合わせていました。
 辺りは当然ずらっと並んだお墓。普通なら怖いと感じていたのでしょうが、
お盆らしく、たくさんのお供え物や花をたむけられたお墓は、カラフルで
楽しそうに見えました。
 だから、変なものが見えてもあまり怖くなかったのかもしれません。

99:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:48:18.76 XHetkJRU0
(2/4)

 お線香をあげているときに気づいたのですが、ずっと向こうのお墓の陰から、
白い、人の頭くらいの何かがひょいっひょいっと見え隠れしているのです。
私はおもしろくなってそれをじっと見ていました。と、頭をぽんっと叩かれ
ました。
「お参りちゅうによそ見しちゃ駄目でしょ!」

100:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:48:54.89 XHetkJRU0
(3/4)

 母がちょっと怖い顔で私を見下ろしていました。
 私は素直にごめんなさいと言って、急いでお参りをすませ、またあの白い
ものがいた辺りを見ましたが、もうそこには何も動いていませんでした。
 お母さんが怒るからだ…そう思ってがっかりしているうちに、家族全員の
お参りが終わり、みんな水桶やお線香の残りを持って移動し始めました。
 

101:169 ◆riBiLQMQ3U
11/08/19 22:49:27.36 XHetkJRU0
(4/4)

 私はどうしてもあの白いものがもう一回見たくてぐずぐずしていましたが、
母にせかされ、仕方なくみんなについて歩き出しました。
 かなり歩いてから、最後にもう一回!と思って振り返りました。

 白い、顔のないものが、こちらに向かって手を振っていました。 【終】

102:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:54:52.45 zYhUUkPX0
二十五本目の蝋燭が消えました・・・
169 ◆riBiLQMQ3Uさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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赤目さん、第二十六話をお願いします・・・



103:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:56:56.36 pJf+sL8/0
赤目様

僕が二十歳ごろの話です。

とあるホテルだか旅館に泊まったときの話です。
ホテルに泊まると霊が出てきてという話は時々聞くと思うのですが、
そのホテルで寝ていたら金縛りにあったのです。
高校生から眠りに落ちるときに時々金縛りになることがありました。
ところが、眠った後で金縛りになったのは初めてでした。
「嫌だなー。」「まさか幽霊なんて出ないよなー。」と思いながらいたら、
胸の上あたりに重いものを感じました。
そうしたら、首を絞められるような感じがあったのです。
息が出来ない、胸の圧迫感もありかなり驚きました。
しかし体は動かないのでどうしようもありません。
しかし頭では幽霊が出たのをある程度冷静に考えていました。
そうして冷静に考えた頭ではじき出した答えは、
「この幽霊は何もしていない僕に危害を加えている。僕はホテル代も払っている。
何も不法侵入したわけではない。ということはこの幽霊は僕に悪意をもって首を絞めているんだ。
八つ当たりにしては理不尽すぎる!」
とそんなことを考え出た答えは恐怖の感情より、怒りの感情でした。
それでも首を絞められていることには変わりはない。
とりあえず首を絞めている手を払わなくてはいけない。
腕を動かそうとしても動かない。
それでも強引に腕を動かそうとしたら、自分の幽霊のような腕がぬるりと体から抜け出した!
そのまま首を絞めている腕をつかむと思いっきり掴んだ。
そのころ僕は柔道と合気道をしていたため腕力もそれなりにあったと思う。
握力に任せて幽霊の腕を逆に締め上げていく。
締め上げていくと首の圧力がどんどん軽くなっていく。





104:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 22:57:37.68 pJf+sL8/0
2/2

首の圧力がなくなった時に思いっきり足元に投げつけたら、
入り口と部屋を仕切っているふすまがガタガタって音を出していた。
そこで気がついたら朝でした。
昨日のことを思い出してふすまを見たら、昨日は締めて寝たはずのふすまが5センチぐらい開いていました。


合気道の先生は神道の神主もしていて、幽霊に合ったときの話や神様の話といろいろ話していたことがありました。
人間は恐怖に飲まれると人間の本来持っている力を出せなくなる。
緊張や恐怖にあったとき落ち着いて対処すれば助かることもあり、冷静になれって話ていました。
今回体験した幽霊の話はそんな先生の話があったから何事もなかったことでした。

【完】

105:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 22:58:41.80 zYhUUkPX0
二十六本目の蝋燭が消えました・・・
赤目さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、第二十七話をお願いします・・・



106:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 22:59:27.89 k+LLH6dU0
『夏の夜、こびりついてきえない、とある悪夢、わたしの悪夢、そのスケッチ』(1/1)
黄金色 開けしところ
篠笛(しのぶえ)に 鼓のさざめき
十二単の 行灯に
畳の露は きらきらと
星降る店(たな)より 甘き蜜
らむね わたがし たまごやき
紫を 透かして見える
ほどけし結いは 地獄絵図
影法師 ガマの口にて
―めんめんめくらの お嬢ちゃん   星の祝いに ひとりとは
  七つの姫の やぶの宮へと ―
赤き灯(とも)りに 天邪鬼
天邪鬼
まよいさまよい お面屋の
袖の限りの 雀の銭で 
買いたる面は のっぺらぼう
のっぺらぼう
鮮衣(せんえ)の花 一面に
緑にピンク 紫の紅(べに)べったりと
さけんばかりに
さけんばかりに
大空を
飲まんほどに
迷いの宮 抜けし刻には
かささぎの夜も 更けつつあらん
急ぎ安寿(あんじゅ)が 浮かべし面は
 天を睨み
墨の流れに 消えゆかん
星に照る 兄様の顔
番(つがい)の別れを 恨み呪わん
天の鏡に 【終わり】

107:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:00:42.46 zYhUUkPX0
二十七本目の蝋燭が消えました・・・
怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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たったかた~さん、第二十八話をお願いします・・・





108:本当にあった怖い名無し
11/08/19 23:06:35.17 YVHfCzraP
長くて読む気がしない

109:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:11:36.10 pJf+sL8/0
たったかた~様

[入れ代り]
1/6

200x年xx月xx日(x曜日)

午後14:30
右肩にこぶみたいなのができてきた。
見ているとだんだん皮膚が盛りあがり、裂けて目玉が出てきた。
不思議な事に痛みも出血もない。
白いボールのようだが黒目があり、その周りが充血している。

午後14:40
左肩にも同じようにこぶができてきた。
やはり同じように皮膚が盛りあがり、裂けて二つ目の目玉が出てきた。
やはり痛みも出血もない。
気持ち悪いが病院に持っていくために、バケツを階下から用意してきた。

午後14:50
今度は右の肘にこぶができた。
人間の左手首の骨が出てきた。
バケツの中に放りこむ。


110:本当にあった怖い名無し
11/08/19 23:12:12.10 td22gft10
あれ? もう23:00か時間が経つのが早いな。

>>41
懐かしすぎるwww



111:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:12:17.75 pJf+sL8/0
2/6

午後15:00
右膝にこぶができた。
右手首が出てきた。
やはり、痛みも出血もない。

午後15:10
左肘にこぶ。
左足首が出てきた。

午後15:20
左膝にこぶ。
右足首が出てきた。
いったいいつまで続くのだろう?

午後15:30
左わき腹から突然皮膚を破って腕が折り畳んだ状態で出てきた。
どっちの腕だろう?

午後15:39
右わき腹から腕が出てきた。
同じように折り畳んだ状態だ。
両腕が揃った。
バケツに入らないのでレジャーシートを敷き、
並べてみる。


112:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:12:58.60 pJf+sL8/0
3/6

午後15:48
右太もものつけ根から片脚が出てきた。

午後15:57
今度は左太ももから片脚が出てきた。
どっちがどっちの足だかわからないが、一応並べてみる。
自分の身体をよく見てみると、出てきたところはもうすでに
皮膚の再生が終わって、傷口さえ見えない。
人間の皮膚の再生力とはこんなに凄いものだとは思わなかった。
少し感激する。

午後16:05
首筋、ちょうどボンクボのあたりから腰のあたりにかけて、
皮膚が裂け、肋骨と脊髄が出てきた。
目玉以外は全部骨だ。
しかし、私の身体のどこにこんなものがあったのだろう?

午後16:08
あとは骨盤と頭蓋骨が出てくれば、白骨死体一体分が揃う。
臀部から骨盤が出てきた。
どうやら男性の骨のようだ。

午後16:15
みぞおちから臍にかけて皮膚が裂けてきた。
頭蓋骨が出てこようとしている。
これで一体が揃う事になる。
しかし今までとは違い、ゆっくりと出てきている。
今ようやく目のあたりだ。
鼻の部分の穴が少し見えてきた。


113:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:13:39.52 pJf+sL8/0
4/6
午後16:50
頭蓋骨が出てきた。
何故頭蓋骨はこんなに時間がかかったのだろうか?
全部の骨を組みあわせてみる。
目玉をポッカリと空いた穴の中へ入れてみる。
ちょっと怖いが、理科室の骨格模型のようになった。

午後18:00
人間が横たわっている。
人間の皮膚を背中側頭部から腰のあたりまで、ナイフで裂く。
内臓を傷つけないように慎重に切りこみを入れる。
臀部から足にかけて、裁ち鋏で切っていく。

午後19:00
ようやく、切りこみが終わった。
ゆっくりと頭部から皮を剥いでいく。
以外と時間がかかるものだ。

午後20:18
綺麗に皮が剥げた。
しかしこの人間も不思議だ。
皮を剥いだのに血が一滴も出ない。
ちょっと体脂肪が多い気がするが、よしとしよう。
ちょっと休憩をする。

午後20:35
ゆっくりと慎重に内臓を取出し、自分の身体に入れてみる。
具合は…完璧とは言えないが、まぁこんなものだろう。
コイツ、脂肪肝だ。
一度内臓を取出し、ナイフで肝臓の脂肪を削っていく。


114:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:14:38.76 pJf+sL8/0
5/6
午後21:15
再度内臓を自分の身体に入れる。
さっきより具合がいいようだ。

午後21:30
剥ぎ取った皮に右脚をゆっくり滑りこませる。
スルリと入った。
次は左足。
途中で骨が引っ掛かったが、皮を少し引っ張りながら入れた。
あとは難無く皮を着る事ができた。
当り前だ。
俺には筋肉がないのだから。

午後21:55
皮がブヨブヨして気持ち悪い。
首と手を180度回転させて、裂け目を縫っていく。
頭部は鏡を見ながら縫う。

午後22:22
全部縫い終わった。
後は筋肉をつけるだけだ。
そこに転がっている死体の筋肉を慎重に骨から剥がして行く。

午後23:00
遅いディナータイムだ。
剥がした筋肉を少しずつ頬ばる。

午後23:57
食事を終え、暫しの休息。
まだ身体がブヨブヨしている。


115:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:15:19.66 pJf+sL8/0
5/6

200x年xx月xx日(x曜日)

午前01:00
鏡で傷口の確認をしてみる。
もう塞がっている。
抜糸をする。

午前01:30
待望の入浴タイムだ。
バスタブにいっぱいのお湯を張り、身体を沈める。
皮膚が水分を吸い込むのがはっきりとわかる。

午前03:00
バスタイム終了。
濡れた髪をドライヤーで乾かす。
ようやく皮がフィットした。

午前03:15
レジャーシートに転がっている白骨を処分しなくてはいけない。
車で近所の山に行き、登山道から少し離れた茂みに穴を掘って埋めた。
目玉は取出して木の枝に突きさした。
早朝、カラスが食べに来るだろう。

午前04:00
ひと眠りする事にする。
慣れていない事をすると非常に疲れる。



116:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:16:00.66 pJf+sL8/0
6/6

午前05:00
起床。
出勤の準備をする。
階下へ降りてトーストを頬ばりながら、コーヒーで流しこむ。

午前06:00
昨夜の疲れがまだ残っているが、出勤のため家をでる。
これから、平凡な毎日が始まろうとしている。


【完】



117:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:16:37.63 zYhUUkPX0
二十八本目の蝋燭が消えました・・・
たったかた~さん、ありがとうございました
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毒衣紋 ◆5TLWX9QsC1zcさん、第二十九話をお願いします・・・

118:毒衣紋 ◆5TLWX9QsC1zc
11/08/19 23:18:11.21 MVLToZ5A0
[世話になった]

母がまだ若いころに体験した話です。

蒸し暑いお盆の日の夜のこと。
家の外から「シャン・・シャン・・・」という鈴の音が聞こえる。
何事かと思い家の裏口から通りへと出てみると深い靄のなかに人影が見える。
それも1人2人ではない。坂の上から海のほうまで沢山の人の行列である。
とても生きているとは思えないような人たちの…
母は不思議と怖いなどという感情は抱かなかった。
すると、列の中から1人の中年の男が近づいてくるではないか。

「かぁちゃん…かぁちゃん……」
よく見ると先日亡くなった近所のおじさんである。
「かぁちゃん…世話に……なったなぁ」
それだけ言うとおじさんは再び列へと帰って行った。
生前言えなかった礼を言うためにあの世への行列から抜け出して来たのだろう。

母が気づくと布団の中で、朝になっていたそうだ。

【終】

119:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:19:31.46 zYhUUkPX0
二十九本目の蝋燭が消えました・・・
毒衣紋 ◆5TLWX9QsC1zcさん、ありがとうございました
                      γ
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みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさん、第三十話をお願いします・・・


120:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:21:00.27 3gJX/ByM0
『ロッカーの上に・・・』1/2

これは、私が、とある大学病院の内科で看護師をしていたときのお話です。

受け持ちだった寝たきりのおばあちゃん。
少し、痴呆もあり、コミュニケーションもなかなかとれず
お話もほとんどされなかったのですが、
ある夜勤の日、巡回にいくと、

なにやらモゴモゴと話したそうにしていました。

「どうしたの?何か用があるのかな?」
「ねぇねぇ、看護婦さん、、あそこの。。」
「ん?あそこ?」

おばあちゃんが指をさしたのは、病室のロッカー。
なんの変哲もない、普通のグレーのロッカー、天井と上部と30cmくらいの隙。

121:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:24:48.60 3gJX/ByM0
すみません、3ページまであります;;

2/3

「ロッカー?ロッカーがどうしたの?」
「あそこの上ね・・」

「あそこの上に人が寝てるけど、あれ、いいの?」

ふだん、なにを言ってるかよくわかりにくいおばあちゃんが
このとき、ハッキリとそう言いました。
勿論、そんなところに誰かいるはずもありません。

そのとき、何故だか、一瞬で全身に鳥肌がたちました。

それから、ほどなくしておばあちゃんは亡くなられました。


122:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:25:38.07 zYhUUkPX0
三十本目の蝋燭が消えました・・・
みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさん、、ありがとうございました
                      γ
                      (
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砂糖次郎さん、第三十一話をお願いします・・・



123:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/19 23:26:18.89 pJf+sL8/0
砂糖次郎様

何年か前の話。当時、学生だった自分は自転車でアルバイトに通っていたんだけど、
そのアルバイト先はちょっと遠くて、30分ほど自転車を漕がないといけなかったんだ。

その日も、店を閉めて帰る時間になったのは雑談していたこともあって、深夜0時を回る時間。
といっても、帰る道は国道に面しているので、車の往来は多いし、暗い道でもない。

海にほど近いところを走るので、いくつか橋を越えないといけなかったんだけど、
その2番目の橋で、川側のほうを見ると直径2mぐらいの光る球体が見えた。

その球体は遠い場所で光っているのでなく、5mぐらい先で光っている。
これはなんだろうと思って自転車を止めてその球体を見ていたんだけど、10秒ぐらいしたら消えてなくなりました。


周りで見ている人はいなく、プラズマってこれかと思ったけど、
あれはなんだったんだろう。

【終わり】

124:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:30:40.32 zYhUUkPX0
三十一本目の蝋燭が消えました・・・
砂糖次郎さん、、ありがとうございました
                      γ
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宮北 ◆dJNUgCnIngさん、第三十二話をお願いします・・・

125:本当にあった怖い名無し
11/08/19 23:31:38.36 HOjuFdLa0
>>124
まだみゅ雨さん終わってないよー

126:宮北 ◆dJNUgCnIng
11/08/19 23:33:56.87 VaWY4HNP0
「最上階の物件」(1/6)

私は今年の四月に引っ越しをした。
その際、不動産屋の方と話をしていて教えてもらった話。

その不動産屋の方をAさんとする。
Aさんはとあるマンションの最上階をお客さんに紹介した。
そのお客さんは母子家庭の方で、若い母親とその息子(4歳くらい)だった。
母親は最上階で見晴らしが良いにもかかわらず、とても安いのでそこに決めると言った。
Aさんは何故この良い物件がこんなにも安いのか、気になってはいた。
しかし、母親にも尋ねられなかったので調べることもないまま
その後親子にその部屋を貸すことになった。

127:御闇内 ◆1.vBi/ONCQ
11/08/19 23:35:16.38 zYhUUkPX0
大変失礼致しました。

みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさん3/3をお願いし致します。



128:宮北 ◆dJNUgCnIng
11/08/19 23:37:36.45 VaWY4HNP0
(2/6)

親子が最上階の部屋に引っ越した次の日の朝、母親から電話がかかってきた。
Aさんが電話に出ると、慌てたような声で
「すみません、あの、お聞きしたいことが…」
と言う。
「どうかなさったんですか」
とAさんが尋ねると、母親は答えた。
「息子が…真っ黒なおじさんが怖いって…。私もそれ、見たんです。
 この部屋で何があったんですか」
Aさんはやはり、と思ったそうだ。

129:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:37:51.88 3gJX/ByM0
 3/4

ただ、おばあちゃんに関しては、痴呆が少しあったのもあるので
そこまでだと、もしや痴呆のせいではという疑いもあったのですが、、
この話には後日談があります。

私の勤務する内科病棟はおもに、白血病などの疾患を扱う病棟だったため
若い患者さんも多かったのです。

その時期、スタッフの間で俄に噂になっていたのが、
ロッカーの話。
死期の近い患者さんは、ロッカーの上に生首がならんでいるとか
よく訴えられたのです。。。


130:みゅ雨 ◆ycuS0GXjHE
11/08/19 23:41:05.14 3gJX/ByM0
4/4

しかし、痴呆もない、若い末期の患者さんです。。

その幻覚?を見た患者さんたちは、
たいてい、数日で亡くなられてしまうことが多く・・・・・・・

ロッカーの上にいた、人物?とはいったいなんだったのでしょうか。・・・・・・・

≪完≫

131:宮北 ◆dJNUgCnIng
11/08/19 23:42:57.47 VaWY4HNP0
(3/6)
本来高い家賃のはずが、安くなっているような物件はだいたいこういった「幽霊物件」か、貸す側に何か特別な理由
(たとえばいっきに部屋が空いたから埋めたい、など)がある場合なのだとか。

Aさんは一度電話を切ってすぐ、そのマンションのオーナーに電話をかけて話を聞いた。
すると、とんでもないことが分かった。
以前、その最上階の部屋には大きな会社の社長の息子が住んでいたらしい。
しかしその男は自分で働かず、衣食住を親に頼って暮らしていた。

132:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 23:50:47.55 k+LLH6dU0
規制らしいですね

133:宮北 ◇dJNUgCnIng代理
11/08/19 23:54:43.57 HOjuFdLa0
規制とのことで急遽代理

(4/6)
会社もうまくいっていたので、親も特に文句は言わず甘やかしていた。
そのうち男は自分で会社を立ち上げたが、もちろんそんな自堕落な奴が会社をうまく経営できるはずがなかった。

男がつくった会社は潰れ、一緒に会社を立ち上げた仲間にも裏切られて、多額の借金を負った。
男は親に頼ったが、とうとう見放されてしまい、誰も助けてはくれなかった。
そして、お先真っ暗になった男は何を思ったのか、自分の部屋、
つまり例の最上階の部屋で、自分にガソリンをかけて焼身自殺をしたのだそうだ。
部屋には真っ黒に焦げた男が倒れて亡くなっていたという。
後も、きれいにリフォームしたがその部屋を借りた人は皆すぐ出て行ってしまうのだ、とオーナーは語った。

134:宮北 ◇dJNUgCnIng代理
11/08/19 23:55:24.14 HOjuFdLa0
(5/6)

このことを聞いたAさんは、とりあえず親子と会って話をすることにした。
母親は疲れたような顔で何があったのか語ってくれた。

昨晩、引っ越しも無事終わり、もう遅いし片づけは明日にしようと息子と一緒に床についた。
だが、深夜になって息子がうなされる声で目が覚めた。
余りにも苦しそうなので、起こして
「どうしたの」
と尋ねるたところ、息子は怯えた様子で部屋の隅を指さして
「真っ黒なおじさんがこっちをにらんでる。怖い」
と言ったそうだ。


135:宮北 ◇dJNUgCnIng代理
11/08/19 23:56:05.09 HOjuFdLa0
(6/6)

夢でも見たのだろうと、息子を寝かしつけて自分も眠りに落ちたが
母親もうなされてまた目が覚めてしまった。
何とはなしにさっき息子が言っていた部屋の隅に目を向けると、
真っ黒な男がそこに立っていた。
母親は慌てて電気を付け、そちらを見ないようにしながら
最低限の荷物を持って息子を連れて部屋を出たのだそうだ。
親子はその後、別の部屋を借りて住んでいるという。

Aさんはこの話をしてくれた後、あなたも気をつけて下さいよ、と言った。
皆さんも部屋を借りるときは慎重に選んだ方がいいかもしれない。
【終】



136:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 23:56:12.44 gRUjOSJV0
三十二本目の蝋燭が消えました・・・
宮北 ◆dJNUgCnIngさん、みゅ雨 ◆ycuS0GXjHEさんありがとうございました
                      γ
                      (
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怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、第三十三話をお願いします

137:怪獣の子供 ◆dxakKNa1zM
11/08/19 23:56:38.04 k+LLH6dU0
【変身】
わたしが小学生の頃の話、中休み、体育館、いじめられっこのAを跳び箱に閉じ込め、遊んでいたのだが。
恐怖におののき、箱の中、豚のように泣き喚く友人、はじめはそんな友人を面白がっていたのだが、
次第に彼の声も弱弱しく、風船の空気が抜けるような。
Aのことなど気にせず、狂った猿のように、箱の上にかわりばんこに座りあう、そしてわたしの番、
と思うと、突然の咆哮、まるで獣、いや、鬼、とても子供の喉から出る叫びではない、
地の底から轟くような重低音が、まるで体育館全体をふるわすように。
まわりの友人たちは蜘蛛の子よ、散って、倉庫から逃げ出す、取り残されるは箱の上のわたし、
あわてて箱から飛び降りようと箱に手をつく、そのとき、体が宙に浮く感覚、突然地面が膨れ上がり、と思うと、頭に鈍痛。
わたしは天井に頭をぶつけて、箱が崩れた。
振り返ると、顔を真っ赤に、泣きしゃぐるA。
やはりただのもやしっ子、しかし上を見上げると、天井までは十数メートルはゆうにある、
いったい全体、あの頭の痛みは幻だったというのか、確かにわたしは頭を天井に打ったのだが……。
何かぞっとするものがあって、わたしはAを見ないようにして、教室に戻る、
あの鬼の咆哮は何だったのか、確かめようにも、
一足先に教室に戻った連中は、けろりとした顔をしていた。【おわり】

138:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/19 23:57:16.93 gRUjOSJV0
三十三本目の蝋燭が消えました・・・
怪獣の子供 ◆dxakKNa1zMさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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Yenn ◆3qDMUSp0ngさん、第三十四話をお願いします

139:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:07:33.05 hPkmSRgw0
Yenn ◆3qDMUSp0ng様
病院 

 数年前、ある内科の大部屋に入院していました。
 そこは4人部屋で、アタシは窓際のベッド。
 隣の廊下側のベッドには、少し年上の女性が途中で入ってきました。
 ある日の夜中、ベットからカーテン越しにうめき声みたいな、
 小さな苦しそうな声が聞こえて、「大丈夫ですか?」と声をかけたんですが、
 微妙な声しか返ってきません。
 ナースコールをするか考えていると、看護婦さんが部屋に入ってきて、
 すぐに隣のカーテンを開けました。
 小さな話し声がしだして、これで大丈夫だろうと、その日は何事もなく、
 アタシはそのまま眠りに着きました。
 
 翌日朝、隣の女性にあいさつすると「昨日はごめんね」と。
 「大丈夫でしたか?」と尋ねると、彼女がしたのはこんな体験だったそうです。
 ヘッドホンを外して深夜番組を消そうと思った時、足元のカーテンが揺れた気がして、
 顔だけ向けて見てみると、小さな男の子が立っていた。
 少し霊感があったらしいその女性はすぐに、「生きてない」と思ったそうです。
 でも、体が動かない。ナースコールに手も触れない。
 
 なんとか気づいて助けてもらおうと、力いっぱい叫ぼうとしていた。
 それが、アタシの聞いた彼女のうめき声でした。
 アタシが声をかけたのは聞こえたそうですが、返事はやっぱりうめき声にしかならなかった。
 
 看護婦さんは深夜の見回りで、たまたま声を聞いて、あわててカーテンを開けて
 様子を見てくれたそうです。
 看護婦さんがカーテンを開けると同時に、その男の子は消えたそうですが、
 がっちり起きてた真横でそんな事が起こってるのに、全然何とも思わなかったアタシは、やっぱり霊感がないんだと思いました


【完】 

140:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:07:52.30 w273qgce0
三十四本目の蝋燭が消えました・・・
Yenn ◆3qDMUSp0ngさん、ありがとうございました
                      γ
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よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、第三十五話をお願いします

141:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:08:41.91 gy7GSVb50
[ 追われるモノ、追い詰めるモノ ]  

― 職場の爺様から聞いた話 ―

【1/3】
昔、戦争の時。
人は勿論、犬や馬も軍犬、軍馬として徴用されたという。
犬や馬は一箇所に集められ、様々な用途に借り出された。
そんな場所にある、自衛隊の基地にて。

夜な夜な、どこからともなく馬のいななく声が聞こえる。
地面を引っかくようなひづめの音、走る音も。
ある時、夜中の見回り当番に当たった時に、馬の音の怪異に出会った。
正直、ぶるった。
でも、ここでぶるったままじゃ男がすたる。
勇気を振り絞り、懐中電灯を向けると、半透明な白い馬が、
影のごとく走り抜けていった。



142:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:08:53.35 gy7GSVb50
【2/3】

追いかけようとしたが、それよりも先に脇から飛び出す影があった。

奴だ。

俺の同室のアホ。どうしようもないアホ。九州男児。

そいつが、奇声を上げながら馬を追っかけた。ちょっと酒臭いw
「待てっ!馬刺し、待てよ、ンダラァ!」
鉄砲玉のような勢いで馬を追い詰めていく九州男児。
奴はもともと足が速かった。俺じゃ追いつけねえ。
廊下は走っちゃいけないしな、真面目に巡回やるべえ。

しばらくして、九州男児がとぼとぼと戻ってきた。
「あいつ、壁ん中消えやがった。ちょうどいいツマミになったのに…」
としょんぼりしている。
俺は、幽霊の馬まで食らおうとしている九州男児が怖いと思った。



143:よもや ◆t7bs99KZl0wn
11/08/20 00:09:12.09 gy7GSVb50
【3/3】

が、もっと怖い体験がその後に俺を待っていた。
巡回をちゃんとやらなかったという事で、九州男児の巻き添えで
何故か俺まで外出禁止になったことだ。
普段閉じ込められたような生活をしている隊員にとって、
かけがえのない貴重な外出が禁止になる。これは本気でこたえる。

九州男児は怒った。怒って、「臭いにおいは元から絶つ!」と絶叫し、
何をどうしたか判らんが、最後まで馬を逃げられないように追い詰め、
九州男児が追い詰めた翌日から、馬の幽霊はパッタリと姿を見せなくなった。
それ以来、奴は馬刺しの男、と呼ばれるようになった。

ちなみに、アホはしばらくの間、最初に馬が消えた辺りの壁に
チューブわさびとパック醤油を立てかけて供えていたらしい。

…やっぱり人が一番怖い。

[ 完 ]

144:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:10:13.40 w273qgce0
三十五本目の蝋燭が消えました・・・
よもや ◆t7bs99KZl0wnさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
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釣り人 ◆sRCidpIShEさん、第三十六話をお願いします

145:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:12:06.66 kNyTOn2o0
「赤い服の女の子」

10年くらい前の事だけど、このスレの事知って思い出した事がある。

当時の職場(24時間営業の書店)にダイビングやってる後輩が居て、
地元の人間しか知らない釣りの好ポイントを聞いてきたって言うんだよ。
海岸線の国道から20分くらい入った広場に車を停めて、
そこから荷物持ってさらに30分は歩かなきゃならない。
でも、30cmオーバーのニザダイが入れ食いで時々グレもくる。
「先輩がいれば絶対大漁。大丈夫っスよ!オレの車4駆ですから」と言う。

平日に2人で休みを取り、その釣り場に出かけた。すごく良い天気だった。
後輩自慢の4駆を停めたら荷物持って、暑い中けもの道みたいなのをひたすら歩く。
変な寒気がするし、何だかセミの声も妙に遠くで聞こえる気がして
「熱中症?ヤバイじゃん」とか思ってたら、遠くにヒラヒラ赤いものが見える。
??何だ??って思って歩いてると、その赤いものは次第に近づいてきた。

146:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:15:24.53 kNyTOn2o0
あのさ、何て言うか「これから演奏会に出ます」って感じの可愛い女の子。
多分小学校の2・3年生くらいで、真っ赤な綺麗な服来て歩いて来るんだ。
肩に大きなカバン背負って...オレ、寒いし、もう声出すのも怖くて。
その子と目あわさないように、後輩の陰にかくれるみたいに黙って歩いた。

釣り場に着いてから後輩に
「あの子、地元の子かな?赤い服、可愛かったな、ハハハ」とか言ったら
「変な冗談やめて下さいよ」って全然相手にされない。
「途中で赤い服の女の子とすれ違ったろ、見なかったのかよ?」と食い下がったら
「オレ怖がりだけど、そんな安い話にはひっかかりませんよ」と笑う。

確かに良い釣り場で、その日は大きなニザダイと良型のグレを結構釣った。
でも、どうしても赤い服の女の子が気になって
「日が暮れてからが勝負っスよ」という後輩を説得し、早めに釣りを切り上げた。

147:釣り人 ◆sRCidpIShE
11/08/20 00:19:08.86 kNyTOn2o0
荷物と魚の詰まったクーラーボックスを担いで車へ戻ったら
車を止めた広場のすぐ手前に、真っ赤な小さい靴が落ちてた。
さすがに後輩も青い顔になって、2人慌てて荷物乗せて車を走らせた。
一番近いローソンに着くまで、どっちも無言だったよ。
だって最初車停めた時、そんな靴なんか絶対落ちてなかったし。

まあ、怪談というより「変な話」かもしれないけどね。
もちろんその釣り場にはそれから一度も行ったことはない。

148:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:19:41.68 w273qgce0
三十六本目の蝋燭が消えました・・・
釣り人 ◆sRCidpIShEさん、ありがとうございました
                      γ
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冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6さん、第三十七話をお願いします

149:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:19:57.70 hPkmSRgw0
冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6様

1/2

高校生の時分、同じクラスにオカルト好きな友人がいた。
そいつは俗に言う見える奴で、何者かに階段から突き落とされるなど、日常的に霊的な被害を受けることが多かったらしく
どこかの神社の宮司さんから頂いたらしいお守りをいつも腕や首からぶら下げていたのが印象的だった。
オカルト大好きな癖に髪の先から爪先まで全く0感だった俺は、霊感のある人間の近くにいると霊感の無い人間も感化され霊感を持つようになるという話を信じ、
二年間ほぼ毎日放課後までオカルトから好きなクラスメイトに渡り話に花を咲かせていた。
結果として俺は今現在未だに0感のままこの体質に甘んじている訳だが、
そんな俺でも一度だけ彼と一緒に不可解な体験をしたことを思い出したので回顧録の意味合いも込めここに書きこませて頂きます、前置きが長くなり申し訳ない。

150:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:21:14.83 hPkmSRgw0
2/3

高一の秋、十月頃だったと思う。放課後の人気の消え去った教室で俺と彼との二人でいつものように長々とくだらない雑談に耽っていたら、
突然に彼がコックリさんをやろうと言いだした。
正直オカルト的なことに関しては彼から積極的に僕に話を切り出してくることは殆ど無かったから
ほとほと驚いた。
この時から少し嫌な予感はしていたが、でも、
以前から何度も興じてきたものだったし、彼が珍しく俺に働きかけてきたことが気になってすぐにOKした
(ついでに夕日が教室に差し始めたことで雰囲気もなかなか良かった)。
例によって50音字や数字を書き並べた用紙の上に硬貨を置き、
お互いの指を硬貨に重ねる。


151:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:21:55.54 hPkmSRgw0
3/3

慣れた台詞を彼が唱え、通常通りならこのまま始められるコックリさんではあるが、何があったのか不意に「目を閉じて!」と彼に怒鳴られた。
彼は霊感持ちと共に、かなりの不思議ちゃんでもあったから、時々よく分からない挙動を取ったり冗談を言うことがよくあり、てっきり今回もその一環だと思ってキョトンとしていたら、「早く」と今度は消え入るような声で言われた。見れば彼も目を閉じていた。
何の気も無く目を閉じた後に気がついたが、彼が真剣に話す時はいつも小さい声でつぶやくようにボソボソと喋るのを思い出して、ひょっとして遂に心霊体験できるのかか!?と少しわくわくしていた。
その瞬間耳元で硬い金属の捻じれるような「ギギギギギギギィィィィィ~~~」という音が響いた。耳元で聴こえているのに、何故か何十mも遠くまで抜けていくかのような音。
あまりに突然のことにすっかりビビり俺は椅子から転げ落ちそうになったが、何とか踏ん張り目を閉じて耐え続けた。
数十秒(実際は数秒かもしれない)程経って音が落ち付きホッとした頃、今度は貧血で倒れこむ時のように意識が途絶えるかのような感覚に突然襲われた。何かが起こっているのは確実で耐え難い恐怖に襲われる。
本当に意識を失いそうだったし限界だった俺は思わず目を開けた、目の前の彼も同じくして目を開けたようだった。
「何か今一瞬意識飛んだり鉄みたいな音しなかった?」と聞かれ、互いに話込んでいくとどうも全く同じ体験をしたと分かった。結局、音の正体も意識のことについて聞いても彼は何故か教えてくれなかった。0感の僕にとってこれが唯一の怪異。
でも、もっと怖かったのは直後に彼が僕の人差し指をカッターで切らせ六芒星のような印が書かれた紙に指を付かせたことだが、高三のクラス替えと同時に袂を分かった現在彼が僕に何をさせたかったのは未だに分からないままでいる。

【了】

152:ユウ ◆pK2t4W3twQ
11/08/20 00:22:01.88 w273qgce0
三十七本目の蝋燭が消えました・・・
冷夏30℃ ◆dy8RdA2.M6さん、ありがとうございました
                      γ
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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第三十八話をお願いします

153:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:22:58.60 hPkmSRgw0
キツネ ◆8yYI5eodys様

体育館の絵」


【体育館の絵】1/5
あれはまだ小学生だった頃。
当時子供たちの間では学校の怪談がブームで、片田舎の学校の私らも友達とコックリさんを試したり、学校の怖い噂で盛り上がったものでした。
そんな私たちの学校にもお馴染みのトイレの花子さんや目が光るベートーベンの肖像画に混じって、とある怖い噂がありました。


――体育館の絵。


それは体育館の壁に掛けられた高さ2mほどの大きさで、
真ん中に赤ん坊を抱いた母親、その両脇に男の子と女の子がそれぞれ木の椅子に座っている構図の西洋画でした。

話によると郷土出身の画家が学校に寄贈した物とか。

それで肝心の噂と言いますのが、

やれ絵の中の母親の首が少しずつ長くなっているだの、
絵の中の少年が膝元で組んだ手にバレーボールが当たって以来、手の組み方がバレーのアンダーの形になっただの、
夜中、体育館からボールの跳ねる音や走り回る音が聞こえてくるだの……


どうです?いかにも小学生が考えたような怪談話でしょう?


そんな私たちのクラスには好奇心旺盛というか、物好きというか。
その体育館の絵について調べた子がいたんですよね。
きっと、噂の真相を確かめて目立ってやろう、とでも考えたのでしょう。

154:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:23:40.89 hPkmSRgw0
【体育館の絵】2/5
あれは梅雨に入った頃だったと記憶しています。

雨で昼休みに外で遊べなかった私たちは、何人かで定規飛ばしをして遊んでいました。
知ってます?ペンで机の上の定規を飛ばして、相手の定規を弾き飛ばして机から落とすと勝ちって遊び。

当時最強の30cm定規使いだったAくんを倒そうと奮闘していた時、教室の一角にクラスメイトが何人か集まって騒いでいました。
そこは例の絵について調べていた子……Bくんの席。

回転した30cm定規に巻き込まれて負けた私がその輪の中に首を突っ込んでみると、Bくんの机には開いたアルバムが置かれています。
白黒の子供たちが写った、いかにも古ぼけた卒業アルバムの写真。
どうしたの?と尋ねると、Bくんはちょっと強張った顔で1枚の集合写真を指差しました。

いまいち要領を得ない私が首を傾げていると、絵だの、首だの、手だの、周囲のクラスメイトが口々に騒いでいます。

ああ、なるほど!

その集合写真の背景は見覚えのある体育館で、Bくんが指差した先には噂の体育館の絵がバッチリ写っていたんです。
ですが、何かおかしい。
この気持ち悪い感じはなんだろう?

私はハッとしました。
白黒写真の中の体育館の絵。


母親の首は私が知っているものより明らかに短く、
少年の手は両手の指を交互に組んだ形で……バレーのアンダーじゃなかったんですよね。


155:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:24:22.38 hPkmSRgw0
【体育館の絵】3/5
小さな学校の噂って、駆け回るのが速い速い。
次の日には休み時間に学年を問わず別のクラスの子供が押し掛けるわ、アルバムを体育館に持って行って見比べると明らかに違うわで大騒動。
挙句、数日後に体育館の絵は先生たちによって職員室に移される事態にまでなりました。

絵が職員室へ移された翌日のことです。
クラスの美化委員だった私は朝早く学校に来て、クラスの花壇に水をやっていました。
ふと、遠くから響く救急車のサイレンの音。
それが段々と近付いてきて、花壇の近くの裏門から学校に入って来たではありませんか。

慌ててジョウロを捨てて追いかけるとそこは先生方の下足場の近くで、他のクラスの美化委員もちらほら集まっています。
運ばれてきたのは担架に乗せられて目を閉じたままの、他のクラスの先生でした。
そのすぐ後に出て来て、このことは他の生徒に言わないように、と強く私たちに注意した教頭先生の焦った顔が印象的だったことを覚えています。


後で断片的に噂で聞いたのは、
その先生は例の絵が置かれた職員室で遅くまで仕事をしていたこと。
朝早く学校に来た教頭先生が職員室で倒れている先生を発見したこと。

そして……例の絵が急遽、職員室から郷土資料館に移されたこと。
その絵が資料館で保管されたまま、公開されなかったこと。

あの夜、絵が移された職員室で、一体何があったのでしょうか?

156:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:25:03.36 hPkmSRgw0
【体育館の絵】4/5
それから十数年後。
大学を卒業し地元に一時帰省した私は、小学校時代の友人たちと久々に会う機会がありました。
友人たちに連絡を取ってくれたのはあの30cm定規使い、Aくん。
立派な町役場の職員に成長したAくんは郷土資料館に勤務しており、資料館内の喫茶室に集まろうってことになりました。
少しは資料館に金を落とせ、と電話で本音がボソッと漏れたのには笑いましたね。

その日、資料館の前にぞろぞろと懐かしい顔が集まり、入館料を払って入ったところで……私は唖然としました。



そこにあったのは、あの絵。



よう、と手を挙げて館内現れたAくんが私たちの様子を見て、一言。

「ああ、これやっぱり短くなってるよな……首」

そう、母親の首は記憶にある絵より短く、ついでに少年の手がバレーのアンダーじゃなくなっていたんです。


157:代理投稿 ◆96j0kyRRhEF2
11/08/20 00:25:44.92 hPkmSRgw0
【体育館の絵】5/5
その後喫茶室で今どんな仕事してる、誰だれが結婚した、なんて一頻り地元トークで盛り上がった後、Aくんは「あの絵を描いた人に聞いたんだけどさ」と唐突に切り出し始めました。

Aくんの話を要約すると、
あの絵を描いた画家は戦時中に出征し、その間にご家族を亡くされたのだそうです。
その後、戦地を引き上げた彼が亡くなったご家族の写真をモデルに描き上げたのがあの絵で、せめて満足に勉強したり遊べなかった子供たちのために、と小学校に寄贈されたとのことでした。
また、その画家の方は2年前に亡くなられたのだそうです。

帰り際、ふと私はAくんになんであの絵が資料館で公開されなかったのか尋ねてみました。
するとAくんは、ぽつりと。

「同僚が言うには、何度修理してもすぐボロボロになるんだよね……」

そう言って資料保管室と書かれた不自然に真新しい木製のドアを指差しました。
そして、ドアの異常は2年ほど前にパタリと起こらなくなり、気がついた時には絵が元の姿……かつてBくんが見つけた白黒写真の中の絵のような格好に戻っていたのだそうです。
まるで画家が亡くなった2年前に合わせて、とでも言うように。

今になって思います。
ひょっとするとあの絵の子供たちは体育館で無邪気に遊んでいたんじゃないかと。
母親はご主人と会えるのをずっと待っていたんじゃないか、と。

そう――文字通り首を長くして。


【完】


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