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そこで初めて金縛りが解けていないことに気づくと、
今度は足元から荒い呼吸音のようなものが聞こえてきた。
来るな、来るな、来るな、そう必死に念じながら、
この場所で女と子供が殺されたんだと閃いた。
じゃあ、誰が殺したんだ?そう思った瞬間、男の激しい吐息が
聞こえてきた。それもまた近づいてくる。
逃れようとして必死に体を動かそうとすると、まるで押さえ
込まれるかのように、胸が激しく圧迫され、呼吸ができなくなった。
おそらくそれで気を失ったのだろう。
その後、Oさんの声で目が覚めた。体を起こそうとして、胸の辺りに
鈍い痛みが走った。思わず顔をしかめると、Oさんは何かを知っている
ような口ぶりで話しかけた。
「肋骨の圧迫骨折か。ちょっとヒビが入った程度だけど、ここではもう
働けないな。まあご苦労様だったね。シップすれば一月で痛みはなくなるよ」
結局なぜその仮眠室に幽霊が出るかは分からなかった。
ただ、その施設が建てられる前、そこに住宅があったということは確からしい。