11/06/26 21:05:25.72 TXVIrBId0
その後、彼女と彼女のお母さんは新興宗教を辞めた。
かなり揉めてしまって、祖父が知人の弁護士に相談し、
しばらく俺の家に避難させた。教団と思われる嫌がらせもあったが、
俺は家族が増えたようで楽しかった。
祖父は前の言葉通り、教団関係者を誰も敷地内に入れなかった。
数年後その教団の教祖が強制わいせつ罪で摘発された。
やはり、あの時行かせなくて良かったと俺は心底思い、妻に話した。
そして、
「でも怖いな。こんな悪魔みたいな奴、信じていたこともあったんだろ?」
と聞いた。
「それはお母さん。私は子供の頃から、あなたしか信じてなかったよw」
妻は幼い息子を胸に抱いてあやしながら幸せそうに笑った。
妻の向こうの居間でステテコに腹巻姿の祖父が、
寝転んでテレビを見ているのが見えた。
キッチンのオーブンからは、
妻のおばあさんレシピのクッキーが焼けてきた良い匂いがした。
幸せな今だからかもしれませんが、
もしもあの時、祖父に相談せずに教団の人たちが、
彼女を迎えに来たとしたら、自分が何をしようとしていたのかを考えると
洒落にならないくらい怖くなるんです。
長文失礼致しました。ノシ