11/05/27 05:43:53.42 +QMYZJWj0
それから2週間ぐらいしてからだろうか、偶然大学から帰る途中不動産屋の人に道でばったりあった。
俺は何気なくこの間の事を少し話してみようと言う気になって少しおしゃべりをしてみた。
「あの箱を返したご家族はとても喜んでいらっしゃいましたよ。」
そう言い終えたところで不動産屋さんの顔がどうもおかしい。怪訝そうな表情なのだ。
俺もこれ以上どう話を続けてよいか分からず暫し沈黙が続いた後、不動産屋さんがこう言ったのだ。
「えーその件なんですがね、その以前の住人の方というのは初老を迎えた辺りの身寄りの無い女性の方でして・・」
えっ?!俺は少し混乱してしまった。そして不動産屋の人が続けて教えてくれたのだ。
「結局あの後その方と連絡がつかず、○さんの連絡先も未だ教えていないんです。」
俺は不動産屋の人が冗談でも言っているのかと思ったのだが真面目な表情を見るとどうやら嘘ではないらしい。