11/06/11 20:55:27.01 QkEGTuHo0
「はいもしもしこちらメリーだ。神戸、今何処にいる？
え、横の喫茶店……ああ、分かった分かった」
696:本当にあった怖い名無し
11/06/11 20:56:14.10 QkEGTuHo0
「すいません、目理先輩。わざわざ呼び出しちゃって」
「お久しぶりです、目理先輩」
697:本当にあった怖い名無し
11/06/11 20:57:48.71 QkEGTuHo0
「ああ、久しぶりだな」
喫茶店に入った俺は、大学の後輩二人に軽く挨拶をした。
698:本当にあった怖い名無し
11/06/11 20:58:28.46 QkEGTuHo0
今日は、彼らに相談があるといわれたのだ。
「んで、神戸。どうした？」
699:本当にあった怖い名無し
11/06/11 20:59:09.53 QkEGTuHo0
「実は……ちぎりのお腹に、僕らの子供がいるんです」
照れた顔をして後輩―神戸明（あける）―は頬を緩ませた。
700:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:00:45.65 QkEGTuHo0
「あーあー、そりゃあめでてえこって」
独り身な俺への嫌がらせか、と言外にこめる。
701:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:01:40.79 QkEGTuHo0
ったく、こいつらときたらいくら事情があるからって首に揃いのスカーフなんか巻きやがって。
目の毒以外の何者でもねえっつうんだ。
702:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:02:40.49 QkEGTuHo0
「相談というのは、その……よいお産婆さんか、病院を知りませんか、ってことなんです」
「私達、『こう』だから、多分、子供も『こう』生まれてくるだろうし……。母は、亡くなってしまって……」
703:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:03:21.47 QkEGTuHo0
落ち込んだ顔をする女をほっておいちゃあ、男が廃る。
「分かった。親父をあたってみる。決まったら、また連絡するからな」
704:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:04:07.38 QkEGTuHo0
コーヒーを飲み干すと、俺は席を立った。
「今日は風が強いからな。スカーフやら頭やらが飛んでいかねえようにしろよ」
705:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:04:58.52 QkEGTuHo0
そう告げてやると、二人は困ったように笑うのだった。
俺にジョークのセンスはあまりない。
706:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:05:39.66 QkEGTuHo0
「へえ……君の学校の後輩ですか。明くんとちぎりちゃん……なるほど、
『黒いスカーフの少女』の登場人物は、ＡくんとＣちゃんでしたね」
707:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:06:34.68 QkEGTuHo0
五十過ぎの男は、電話口で実に楽しげに笑っていた。
「分かりました。知り合いを二つ三つ当たってみますよ」
708:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:07:29.48 QkEGTuHo0
「ああ、頼むぜ親父」
「頼むといえば、僕もそろそろ孫の顔がみたいんですけどねえ」
709:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:08:15.93 QkEGTuHo0
「うるせえ、呪われてくたばれ」
たたきつけるようにして、俺は電話を切った。
710:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:08:58.79 QkEGTuHo0
電話の相手は、俺が知る限り世界で一番の変わり者のおっさんだ。
ガキの頃から見えないもんが見えていたせいで、都市伝説にのめりこみ、
711:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:10:11.77 QkEGTuHo0
自分を殺そうと襲ってきた『メリーさん』にプロポーズした真性のキ○ガイだ。
奴の名は目理 八雲。都市伝説の研究家として名高い……俺の実の父親である。
712:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:12:38.92 QkEGTuHo0
メリーさん「私、メリーさん。昨日笑笑で忘年会だったの。その後、二次会はすっとこどっこいで飲み直ししたの」
713:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:13:43.01 QkEGTuHo0
メリーさん「私、メリーさん。二日酔いなの」
714:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:14:42.35 QkEGTuHo0
「私メリーさん」
「またお前か！ ……って言う程“また”じゃないな」
715:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:17:14.31 QkEGTuHo0
「知りたいの？」
「……べ、別に、興味は無い」
716:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:23:58.21 QkEGTuHo0
「ふふふ、ツンデレなの」
「誰がやねん！？」
717:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:25:17.94 QkEGTuHo0
「むきになる所が怪しいの」
「ツンデレ疑惑ですか！？ 俺疑われてますかっ！？」
718:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:26:23.91 QkEGTuHo0
「それはともかく……お義母さんが言ってたの」
「おかあさん？ ああ、お袋の事か。ってお義母さん言うなっ！？
719:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:28:04.94 QkEGTuHo0
既成事実を作るなっ！？」
「着々進行中なの」
720:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:31:40.66 QkEGTuHo0
「……何、この外堀からの埋まり具合……で、お袋が何だって？」
「愛は放置で燃え上がる、って」
721:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:33:09.55 QkEGTuHo0
「何言ってくれやがってますかマイマザーっ！？」
「実際盛り上がったみたいなの。寂しかった？」
722:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:34:29.55 QkEGTuHo0
「寂しくねえよっ！」
「……私は」
723:本当にあった怖い名無し
11/06/11 21:36:13.50 zQ3KOjYA0
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の作者の人は、自分のSSが荒らしに使われてどう思ってるんだろうね
かわいそう