11/04/29 16:27:17.81 LE6IMJWG0
これに近いな。
境界例の治療技法 6
患者への理解と対応:投影性同一視による操作
投影性同一視という防衛機制は、境界例の患者がよく使う防衛機制です。
これはどういう防衛機制かというと、分かりやすい表現で言えば、他人を利用した自己愛や、
他人を利用した自己嫌悪ということになります。つまり、他人を鏡のように使うのです。
そして、他人という鏡に映った自分に向かって、自己愛的な賞賛を投げかけたり、
あるいは逆に鏡に映る自分の醜い姿に向かって、激しい嫌悪感を剥き出しにしたりするのです。
表面的には相手を賞賛したり、憎しみを露にしたりしているように見えるのですが、
実際には相手の人は患者を映す鏡として利用されているだけなのです。
なぜこんなことをするのかというと、たとえば自己愛を映し出す場合で言えば、
自我が貧弱なために自分で自分を愛することができないからなのです。
自分に向き合おうとすると、どうしても見たくもない都合の悪い感情と向き合わざるを得なくなりますので、
そういう不愉快な事態を避けるために、他人という鏡に自分を映し出して、そこに自己愛を注ぐのです。
つまり、極端な言い方をすれば、他人の人格や個性などはどうでも良くて、
あくまでも自分の延長としての存在としてしか他人を理解しないのです。