11/03/26 20:45:31.25 p4upjvsV0
済まん、事務所を「三階」と書いたが、正しくは二階と三階のあいだにあった。
(なんせ九十年代前半の話であり、記憶がやや薄れている・・ )
事務所はエレベーターでしか行けない。
エレベーターが停まるのは一階、二階、中二階(と呼ぶのだろうか?)、三階、四階の、計五箇所。
従業員が二、三、四階の各劇場へ移動するのは、一旦エレベーターで事務所へ上がってから、
事務所から出ている裏階段を使う事になる。
裏階段は表階段(つまりお客様用階段)とXの字に交差していて、
どちらにいても、もう一方の階段(階段内)が視認可能。
しかしあいだに強いネットが張られているため、互いを行き来したりは不可能だ。
・・その少女はいつも一人で観に来ていた。
ロビーと表階段は透明な扉で仕切られていて、前の回の上映中は、ロビーに入る事が出来ない。
だからお客さんは前の回の上映中、ロビーへ入れず階段で待たされる事になる。
少女はいつも階段に座っていた。
扉を隔てて、すぐに受付兼売店があったから、そこの係りをしていた日は、
少女の横顔が間近に見られた。
美しかった。
目はトロンと半開きで、ほとんど笑う事は無かったけれど、頬のカーブが絶品だった。
続く・・ と思う。