11/03/18 21:58:12.94 fyifGOal0
旧い映画館の思い出話。
ちょっと昔の、まだ九十年代の体験ですが、書いてみます。
節電のため途切れ途切れになると思う。
避難生活の娯楽代わりに、良ければお付き合い頂きたい。
映画館に勤めていました。
そこは昭和の香りが色濃く残る、何か時間が停まったような場所だった。
四階建てで、ニ~四階の三フロアが、映画館になっていた。
四十年以上建っていると聞かされたが、古ぼけていながら頑丈そうな階段がニ系統、
そして八十年代に設置されたらしいエレベーターが、あった。
階段の「ニ系統」とは、お客様用と従業員用とに分かれていたからです。
お客様用のエレベーターは一階からだが、従業員用のは二階からしかなかった。
従業員は出勤したら、まずエレベーターで三階の事務所へ行き、そこから初めて裏階段が使える。
・・ちょっと複雑な造りだけれど、あとでややこしくならないように書いといた。
従業員は、日によって割り当てられる階が違う。
それぞれの階の、売店を任される時もあれば、映写機を回す日もある。
事務所に入れられる時もある。
そんな私の勤めていた映画館に、とても容姿のいい一人の少女が、たびたび来てくれた。
少女と言っても小学生というほどには幼くなく、しかし成人には見えない年頃。
彼女が来てくれた日には、売店係を割り当てられるのを、願ったものだ。
・・続く(と思う)。