11/08/23 22:03:34.23 jVp1q/Ki0
試験結果の入った封筒を郵便受けから取り出した瞬間の事を覚えている。
心臓がドキドキ打っていた。僕の未来がその封筒に入っていた。封を開くと、それまで
何千回となく視覚化した欄に焦点を合わせた。94点だった。
もう一度見た。読み違えたに違いないと思いながら。だがやはり94点だった。
家の中へ持っていって見返した。やはり94点。
その晩、僕は椅子に座りながらGMATの試験結果をすぐそばに置き、壁を見つめては
次に94点を見つめ返した。それが変わるのをずっと期待していた。変わらなかった。
そしてその晩、自分にとってあらゆるものごとが一変してしまったことを知った。
宇宙の仕組みについて自分がそれまで理解していたつもりだったことはことごとく
間違っていた。
僕は断言法をかさねて何度か用いたが、そのたびに信じ難い成功を収めた。あまりに
うまくいったので、1988年に有名な新聞連載漫画化になろうと決めた時には、
実を言うと控えめな目標に感じられた。
新聞連載漫画化として成功する確率はおよそ10,000分の1である。
その確率は知っていたが、自分には適用されないと考えた。大手漫画配給会社にサンプルを
郵送した時には、自分がまさにしかるべき場所にいて、まさにしかるべきことをやっている
という感覚があった。ものごとがこのとおりうまく運ぶということについて、
僕は一度も疑ったことがない。
「ディルバートの未来予測-21世紀における愚の繁栄-」p320の1