【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ16【友人・知人】at OCCULT
【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ16【友人・知人】 - 暇つぶし2ch400:本当にあった怖い名無し
11/02/11 06:38:39 nHU8k05+0
フサさん、こんなとこで何してるっスか。

401:本当にあった怖い名無し
11/02/11 12:33:46 sKWY/3f70
銃を向けられる度に5セントもらっていたら、今頃大金持ちだぜ!

402:なまり
11/02/12 20:39:44 1zVZuIuDO
俺の親友の体験した話を投下。
いろいろあるけど、
とりあえずこいつやべえと思った話を書く。

俺の親友(仮にももことする)は俺が小学校3年生の頃に引っ越してきた。
俺の学校は二宮さんの銅像がある、まあいたって田舎な学校だ。
そいつは髪が長く泣き虫な女だった。
一緒に遊ぼうと声をかけてもひとりで本読んでるからいい、そんなことを言ってまわりの奴らとは極力関わろうとはしなかった。

403:なまり
11/02/12 20:40:49 1zVZuIuDO
そいつがある日、俺に「今度の日曜日遊ぼう」と声をかけてきた。
俺は特になにもなかったし「いいよ」と言ったのだが土曜日になると母親に「日曜日は用事があるからだめ」と言われた。
で、俺は日曜日の朝に電話で「遊べなくなった」と伝えた。
するとももこは「わかった、電話ありがとう」そう言ってまたねと電話を切ったのだが、
後日話を聞くとどうやらももこは暇すぎてひとりで近所の空き地と言っても砂利がひいてある駐車場で遊んでいたらしい。

404:なまり
11/02/12 20:42:26 1zVZuIuDO
3時過ぎから遊んでいたももこだがひとりで本を読んでいたらあっという間に5時。
彼女の門限は5時だったらしく、しかし家はすぐ近く。5時の鐘がなったからそろそろ帰ろうと砂利を蹴っていたんだと。

そしてふと目についたスクラップ置き場。
事故でぐしゃぐしゃになった車が並べてある所がその砂利道の目と鼻の先にあるのだが、
ももこはそこを何の気なしに見た。

するとそこにはおじいさんがいたそうだ。

405:本当にあった怖い名無し
11/02/12 20:43:02 fCBppVNa0
支援


406:なまり
11/02/12 20:43:23 1zVZuIuDO
まあ、そこにおじいさんがいるのはおかしくない。
道を散歩しているじじいなんてどこにもいるからな。

しかし何かおかしい。
ニコニコとこちらを見て笑うおじいさんを見ていると気付いた。

頭しかない。

そこで普通はきゃあああ!みたいな展開になるのだろうが、やはりももこ。
ぺこりとあたまを下げて手を振ったらそのおじいさんはきえたそうだ。

その話を聞いた俺は背筋がやばかった。なによりそんな話をニコニコしながら話すももこの方が怖かった。

407:なまり
11/02/12 20:45:42 1zVZuIuDO
文字にするとあんまり怖くないな。
とりあえず他のはなしはまた今度。

408:本当にあった怖い名無し
11/02/12 21:09:35 j58Hv6Ze0
小学3年か
女の旬じゃないか
女の旬は小学3~5年だから
異論は聞くが認識できない

409:本当にあった怖い名無し
11/02/12 21:16:06 A++3eMUCO
小学3年生の泣き虫な女の子だと?
ふぅ…

410:本当にあった怖い名無し
11/02/12 22:24:36 irMxKOK6O
>>402
乙。装飾なしのこういう実話系もよいね

>>395
URLリンク(www.google.co.jp)

411:本当にあった怖い名無し
11/02/12 22:36:50 bfU7Cnc7O
>>402
ここにしたのか、大変乙です。

>>410
ごくまれに実話っぽい人もいるよね。
漫画家とか親類の話書いてた人とかもう来ないんだろうか……

412:本当にあった怖い名無し
11/02/12 22:44:40 j58Hv6Ze0
ほーらお兄ちゃんのを触ってごらん?

413:本当にあった怖い名無し
11/02/12 23:37:34 8MkWynVY0
>>402-406 乙
怖い様でなんかほのぼのしてるなw
またよろしく
>>411 お疲れの人なら何かの話の顛末を待ってるとか言ってたっけ・・・?
百物語にいたのが最後?あれは去年?一昨年?
いとこのお姉さんの話が好きだ

414:本当にあった怖い名無し
11/02/13 11:20:42 MlWbUH/+0
眼鏡のレンズの内側に映ってる
向かいのアパートをウロウロする影
どうしたらいい
眼鏡外すと雑多な声と 「あ」 という声が混じる
女の人の声

415:本当にあった怖い名無し
11/02/13 17:25:16 1S7nF/V40
>>414
なにそれこわい

416:本当にあった怖い名無し
11/02/13 17:34:08 mjAQR4Xt0
完全に糖質です、医者に行って下さい。

417:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:09:50 ArON4Oae0
事件の翌日。

「先輩、今朝の新聞見ました?」

 仕事中の先輩は無口だ。
 いや、仕事以外の場面でも無口ではあるのだが。

 仕事の時は仕事に関係のない話題には一切答えてくれない。
 真面目なのではなくて不器用なのだ、と分析している。



418:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:12:18 ArON4Oae0
先輩は残業をするので帰りながら話すという手も使えない。
 そもそも家の方向が一緒なのかすら知らない。

 消去法的にこの昼の時間が先輩と話をできる唯一のチャンスとなる。
 カツ丼の大盛りを食べながら先輩にそう尋ねる。



419:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:14:43 ArON4Oae0
「見てないよ」

 先輩に新聞を読む習慣がないのは知っていた。
 ただあれだけの事があったのだから、という淡い期待があったのは否めない。



420:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:16:15 ArON4Oae0
何はともあれあの事件について、先輩に説明する必要があるだろう。
 説明しなければ意見を聞くことすらできない。



421:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:18:34 ArON4Oae0
メリーさん。
 それは間違いなく今の日本で最も注目度の高い名前だろう。



422:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:20:30 ArON4Oae0
メリーさん。
 それは日本の人口の約1%、130万人近くの人を殺害した、
 歴史上最大クラスの虐殺者の名前となっている。




423:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:25:29 ArON4Oae0
 具体的になにが起きたかは専門家によって調査されているところだが、
 今朝の新聞を読む限りではこんな感じらしい。

 昨日の昼。テレビに割り込んで映し出される映像。
 青い背景。小柄な少女。



424:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:27:32 ArON4Oae0
その少女が繰り返し自分の名前をメリーであると宣言する。
 そして自分が怪談のメリーさんである事を説明する。



425:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:29:52 ArON4Oae0
 彼女はそこで言う。

「私メリーさん。あなたの後ろにいるの」

 たったそれだけ。
 それだけでその番組を見ていた130万人近くの人が死んだ。



426:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:31:41 ArON4Oae0
信じがたい話ではある。
 しかし実際に起きてしまった事に対して、
 信じる信じないという話をするのはナンセンスだ、と思う。



427:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:34:30 ArON4Oae0
それに伴い再びこの様な事が起きないように、
 政府からテレビ禁止令が出ている。

 よって現在この社員食堂のテレビも電源が切られている。
 といった状況説明を先輩に行う。



428:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:36:56 ArON4Oae0
新聞、インターネット等のメディアでは既に色々な説が出ている。
 北の細菌兵器だの、米の音波兵器だの、中国の毒入り食物だの。

 しかしどれもしっくりこない。
 明らかに現実的な理由ではない。



429:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:39:27 ArON4Oae0
死因についてもはっきりとした情報がない。
 唯一はっきりしているのは130万人近くの人が死んだ、という事実だけ。

 救いは子供への被害が少なかったことだ。
 平日の昼どきテレビを見ている層に子供は多くない。



430:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:43:01 ArON4Oae0
「考えておくよ」

 先輩はそう言うと食べ終えた皿を持って返却口へ向かっていく。
 こっちは説明するのに必死で半分も食べ終えてない。
 流石にこれだけの差があると引き留めておくのも悪い気がする。



431:本当にあった怖い名無し
11/02/13 22:54:43 ArON4Oae0
考えておく、と言ったからには興味はあるのだろう。
 興味がなければ無視されるか、どうでもいい言葉を返される。



432:本当にあった怖い名無し
11/02/13 23:08:03 ArON4Oae0
先輩は変な人ではあるが嘘はつかない。
 考えておく、と言ったからには考えてくるだろう。



433:本当にあった怖い名無し
11/02/13 23:12:49 ArON4Oae0
明日の昼のことを考え、高鳴る胸の鼓動を感じつつ、
 目の前にある冷めたカツ丼を片づける作業に戻るのだった。



434:本当にあった怖い名無し
11/02/14 01:53:20 yjwyxvlB0
なんか山田悠介の小説みたい、悪い意味ではなく。

435:本当にあった怖い名無し
11/02/14 23:06:55 oXp9s94d0
カツ丼に惑わされるとこだった
何も起きてないんだど、これから?

436:本当にあった怖い名無し
11/02/14 23:07:42 oXp9s94d0
つか、終わってんの???

437:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:41:28 AF10cfkN0
[意味のある話]

はじめに…

「メモ」という話をご存知ですか?
ちょっと不可思議な話で、あちらこちらで様々な考察がされている話です。

今回のこれは、それについての話になります。
なので、元ネタを知っていたほうが分かりやすいかも知れません…。
あしからず。


1/18
舞「…今度は何?」

姉貴の部屋を訪ね、「これについてちょっと…」と言った俺に、姉貴がそう答えてくる。

俺「少し、お知恵を…ですね」
そう言いながら、俺は例のごとくプリントアウトしてきた1枚の紙を差し出す。

俺「この、「メモ」って話のことなのですが…」
舞「…」
恭しく差し出したつもりだが、受け取ってくれない姉貴。
特に機嫌が悪い様子でもないが、何故だろう?と思っていると―

舞「何だか、甘いものが食べたいわね」
俺「…へ?」
舞「無料、って怖いわよね」

何食わぬ顔で、独り言のように言う姉貴。
…そういうことか。


438:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:44:17 AF10cfkN0
2/18
俺「それは勿論、準備させて頂きます」
駅前で、姉貴の好きそうなお菓子でも買ってくればよかろう。

舞「お母さんの分もね」
サラッと追加される。が、まぁ良いか。取引成立だ。

姉貴に紙を渡し、簡単な説明をする。
説明と言っても内容のことではなく、この話がネットなどで色々と考察がされていること、しかしこれといった答えが出ていない、という説明だ。

いつものように小首を傾げながら、その内容を2度3度と読み返す姉貴。
お菓子はロールケーキにしよう、などと考えながら、反応を待つ俺。

すると―

舞「…意味が分からないわね」
俺「あら…」

お手上げか?
残念だが、まぁ、そういうこともあるか…

舞「そもそも、何なのかが分からないわ」
俺「何なのかって?」
舞「意味のある話なの?これ」
俺「意味は―」

オカルト系のこういった話では、「意味が無い」という結論になるものも多々ある。
この話にも、当然そういった説はある訳だが…

俺「あるものとして、考えられないかな」
意味が無い、だと…つまらない。


439:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:47:27 AF10cfkN0
3/18
舞「…この話には意味がある、って考えていいのね?」
俺「うん」
舞「あと…嘘は無い?」
俺「嘘?」

舞「これって謎掛けでは無いでしょ?この話の謎を解きなさい、って言っている訳ではないわよね」
俺「まぁ…そうだな」

舞「そうすると、あり得ないことや、実際には無かったことが含まれている可能性もあるわよね」
俺「ふーむ…」
誰かが何の意味もなく書いた話―謎掛けではない文章なら、嘘が入っていようがいまいが、誰が困る訳でもないし、文句を言うのも筋違いだろう。

…しかし、それだと解きようがない。

俺「嘘も無し、で」
舞「…分かったわ」

そう言って、再び紙に目を落とす姉貴。
俺はワクワクしながら、その様子を見守る。


440:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:49:22 AF10cfkN0
4/18
そして、数分後。

舞「全て事実で、意味はある。それが前提ね?」
そう言いながら姉貴が顔を上げる。
俺「あぁ」

舞「じゃあ、光一に聞くけど…この話について、どれくらい考えた?」
俺「ん?えーっと…」
この話を知ったのは、確か1年くらい前だ。
当然そのときはあれこれ考えたし、それからも時々思い出しては思考を巡らせていた。

俺「どれくらいかなぁ…延べ何日か、何週間か…結構考えたよ」
舞「答えは出た?」
俺「いや。どうにも分からず…」
舞「そう」
俺「…面目ない」
デキの悪い弟です。はい。
昔から、優秀な姉とは色々と比較されていたっけな…なんてことを思い出して、少し凹む。

舞「そんなこと気にしないで良いのよ。分かったから」
俺「あぁ…って、分かったの?」


441:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:50:34 AF10cfkN0
5/18
俺「凄いなぁ、これの謎が解けたのかぁ…」
流石と感嘆の声が出る。
しかし―

舞「謎、ねぇ…」
首を傾げる姉貴。ニュアンスが違うのかな?

俺「意味が分かった、って言ったほうが良い?」
舞「…意味は分からないわね」
俺「へ?」
???
何だ?
分かったけど意味が分からない?
意味が分からないけど分かった?

俺「えーっと、どういう…ことでしょう」
舞「1つの説として、聞いてね」
俺「…あぁ、うん」

何だか煙に巻かれた気分だったが、俺は姉貴の話を聞くことにした。


442:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:52:19 AF10cfkN0
6/18
舞「この話の主人公―1人称は、弟さん。それは良いわね?」
俺「あぁ」
妹とも考えられなくはないが…まぁ、弟だろう。

舞「お姉さんは、実家ではない所で暮らしている。結婚しているか未婚なのかは不明」
まぁ、不明だ。
しかし、1人で帰ってきたとか、旦那さんがどうのとは書いてないから、未婚である可能性が高いだろうとは思う。

そういえば、最初の一文を読んで、実はこの家族の名前は「久々実」なんじゃないか―なんて考えたこともあった。
読み方は分からないが、「久々実家」を、「久々実」と「家」に分けて…。
まぁ、もしそうだとしても、そこには何の意味もなさそうだが。

舞「で、そのお姉さんが脱いだ服から、メモが落ちる訳だけど…これって、どういった状況かしらね」
俺「状況って…そのままじゃ?」
舞「脱いだ服からメモが落ちるって、普通にあること?」
俺「まぁ、たまーには…」
稀な状況だろうけど、無くはないだろう。

舞「たまにだけどある、ね」
俺「うん」
何でそんなところに引っ掛かるのか知らないが、まったくあり得ないことではないだろう。


443:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:58:38 AF10cfkN0
7/18
舞「あと、”脱いだ服”ってあるけど、これは何かしら」
俺「脱いだ服は…脱いだ服、じゃない?」
舞「…」

…あ。

俺「普通に考えると、コートとか上着とかじゃない?」
何だか間抜けなことを言ってしまった気分になり、俺は慌てて付け加える。

舞「そうね。あと、脱いだ服は、”脱いであった服”とも考えられるわよね」
俺「んー?…あぁ、そうだな」
既に脱いで、置いてあった服を動かしたときにメモが落ちた場合でも、「脱いだ服から落ちた」と言えるだろう。
それが何か、意味があるのか?と思ったが…

舞「まぁ、どちらとも分からないから、考えるだけ無駄だけど」
俺「あ…そう」
なんという肩透かし。
…ま、いっか。

舞「で、メモね。…そもそも、メモを書くときって、どんなとき?」
俺「メモか…」
どういった時にメモを書くかは…色々と考えられるな。
俺「人から話を聞いたときとか、何かを見たとき…何かを思い付いたとき…かな」
舞「そうね」

…ん?姉貴の説と言いながら、何故か俺があれこれ答えているな。


444:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:02:36 AF10cfkN0
8/18
舞「でも、これも分からないわね」
俺「分からない?」
舞「このメモがどういった状況で書かれたかなんて、分からない」
俺「…あぁ」
それはまぁ、確かに分からない。

…うーん、何だか分からないことだらけだ。
これで答えに近づいているのだろうか?

俺「あのさ、途中で悪いんだけど―」
少し不安になった俺は、ここで姉貴に1つの説を教える。
それは、これは妊娠した女性の話で、堕胎をしたときのことについて書かれたものである、という説だ。
俺が調べた中で、これが一番納得できそうな説だった。

しかし―

舞「…それは無いと思うけど?」
と、バッサリと切って捨てられる。

俺「そうかなぁ…」

お腹の赤ん坊が右に左に動いたとか、右目と左目が確認できたとか…でも、堕胎してしまって「ごめんね」と…結構良い説だと思うのだが。


445:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:05:43 AF10cfkN0
9/18
舞「これ、メモ書きよ?日記じゃなく」
俺「うん」
舞「お腹の子供の成長の過程を、日記じゃなくてメモに残すの?」
俺「…あり得ないかな」
舞「母親がお腹の子供の成長の記録を、一言のメモ書きで済ますなんて…考えたくないわね」
少し嫌悪感を含ませながら姉貴が言う。
同じ女性として、許せない説だったのかも知れない。

俺「ほら、日記の切れ端かも知れないじゃない」
舞「一言だけの日記だってこと?」
俺「…そうか」

確かに、ちょっと考えにくいか。
主語も述語もない、一言だけの日記。
それが、お腹の赤ちゃんの成長日記?
もちろん、絶対にあり得ないとは言えないが…無理があるように思える。
少なくともこの文章を読んだ限りでは、このメモが日記であるとは考えられないかな。


446:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:09:20 AF10cfkN0
10/18
舞「ところで、このメモだけど…」
俺「ん?」
舞「どんな紙に書かれていたと思う?」
俺「…メモ用紙とか?」
何でも良いような気がするが…?

舞「先に言っておくと、紙のことなんて関係ないのだけど…少し考えると、何となく分かるわよ」
俺「ほぉ…」

関係ないなら別に…と言いたいところだが、まぁいいか。

舞「このメモには、1日、2日、って書かれているわよね」
俺「そうだな」
舞「でも、さっきの成長の記録の話じゃないけど、もしそういったものなら、1日目、2日目、って書くわよね」
俺「カウントしていく感じなら、そうだろうな」

舞「でもそうは書いていなくて、この後にカレンダーの話も出ていることから、これは”日付”って考えられる」
俺「…うん」
特に異議は無い。俺も日付だと思っていた。

舞「でも日にちだけで、何月なのかは書いていない」
俺「無いね…」
舞「何でかしら?そもそも、普通日付を書くなら…例えば12月なら、こうして”12/1”って書かない?」
渡した紙にボールペンで”12/1”と書きながら、姉貴が言う。
俺「そう…かも」

確かに、普段メモ書きでとかで日付を書くときは、”1日”ではなく”12/1”と書くかな…。
それに、メモとしての実用性を考えるなら、何月であるかを分かるように書くのが普通だろう。


447:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:13:06 AF10cfkN0
11/18
舞「それで考えてみたのだけど…この日付って、メモの紙に元から書いてあったものじゃないかしら」
俺「元から?」
何だか、少し飛躍した気がするが…?

舞「そう。だからこれ、システム手帳のリフィルじゃないかと思うの」
俺「リフィル…」
システム手帳に付け足す、あの紙のことか。

舞「曜日が書いてない、日付だけのリフィルってあるでしょ」
俺「あるね…」

確かにそう考えると、メモが7日までになっている説明が付く。
丁度1週間だ。1枚で1週間になっているリフィルは、もちろん存在する。
手帳としてオーソドックスなタイプとも言えるだろう。

―しかし、まてまて。
どこかおかしい所はないか…?と考えてみると、疑問が1つ浮かんだ。

俺「でも、この文章には「1日:右へ」って書かれているのだから…やっぱり、実際にそう書かれていたんじゃない?」
当たり前すぎるが、俺はそんな反論をしてみる。


448:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:20:35 AF10cfkN0
12/18
舞「確かにそうね」
俺「あら…」
サラッと認める姉貴。

舞「でも、手帳の日付にあわせてメモ書きがされていた場合…それをネット上に文章として書くときには、「1日:○○」って書いてもおかしくないかな、って思ったの」
俺「…なるほど」

違和感は…無いな。
メモ書きが日付にあわせて書かれていたのなら、当然、日付も文書に入れるだろう。
その場合どうやって書くか、となると…「:(コロン)」を使って書くのもおかしくはない。

俺「そうかぁ…」
1つの可能性に過ぎないだろうけど、何か分かった気がする。
これはひょっとして、答えに近づいているのか?
…と思ったが、そんな俺の気持ちは一瞬で打ち砕かれる。

舞「もっとも、絶対にそうって訳ではないし、話の内容とは何の関係もないけどね」
俺「えー…」

…何だってんだ。
さっきから、何だかおかしいぞ?
1つの解に向かっている感じが、まったくしない。
何故だろう?分かったと言っていたのに…


449:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:26:29 AF10cfkN0
13/18
俺「あのー…」
俺は思い切って聞いてみる。

俺「分かったんだよね?何だか今一つ…」
舞「もうすぐよ」
俺「そう…」

そう言うのなら、仕方ない。
何も分からないのは、俺の頭が固いだけかも知れない。
…うぅ、自虐。

舞「じゃあ、メモの内容」
俺「お…」

そうだ。メモの内容だ。
これが分かれば、一気に解ける気がする。
この謎めいた文章。これは暗号なのか、それとも…?

舞「これ、どう思う?」
…と、また質問される。
俺「…分からないよ」
最初に言ったと思うが、同じように答える。

舞「ずいぶん長いこと考えてみたけど分からなかった、よね?」
俺「…あぁ」
むう…バカにしているのか?泣くぞ?拗ねるぞ?
と、子供のようなことを思った俺に、姉貴はこう言った。

舞「つまり、そういうことよ。分かった?」


450:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:30:05 AF10cfkN0
14/18
俺「…ほぇ?」

ナニイッテルノ?
毎度のことだが、頭にハテナが浮かぶ。
しかし、今日はいつも以上だ。まったく意味が分からない。

舞「ここまで、この話から読み取れる、色々なことを考えてみたけど…どれも、分からなかった。ハッキリと答えは出なかった」
俺「…うん」
舞「何年も前からある話で、今まで、誰も明確な答えを出せていない。誰にも理解できていない」
俺「そうなんだよね」

舞「でも、ここに1人、全てを理解した人がいるのよ」
俺「…え?」
俺?じゃない。姉貴…でもなさそうだ。
じゃあ他に…

あっ―

俺「この、弟さん?」
舞「そう。しかも時間まで書いてあるわ。3時間って」
俺「…」
随分長いこと考えた俺と違って、わずか3時間だ。
この弟は天才か?ものすごい発想力を持っているのか?

…いや、違う。
これは―

俺「弟だから分かった?」
舞「そうなるわね」


451:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:35:17 AF10cfkN0
15/18
舞「何人もの人が長いこと考えても分からない、謎のメモ書き。でもこの弟さんは、少しの時間でその意味を理解したのよ」
俺「あぁ」

舞「これはどう考えても、”弟になら分かる内容たった”ってことじゃない?」
俺「そうか…」

何人もの人間が長い時間掛けても分からない。
でも、弟は3時間でそれを理解した。
それは、弟になら分かる内容だったから。他の人には分からない内容だったから。
確かに、実際に起きたこと…今、現に起きているこの状況を考えると、そういった結論も納得できる。

舞「そう考えると、最初に言った「脱いだ服からメモが落ちる」って状況も、説明が付くの」
俺「む?」

舞「メモに書いてあるのは、弟になら意味の分かる内容。しかも、彼にとって血の気が引くような内容」
俺「うん」
舞「久々に実家に帰ってきた姉の脱いだ服から、普通の人にはわからないけど、弟には意味の分かるメモが落ちてきた―これは、偶然?」


452:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:40:01 AF10cfkN0
16/18
脱いだ服からメモが落ちることは稀だ。
しかしそれが実際に起きて、そこには、それを見た弟にしか分からないような内容が書いてあった。
他の人がメモを拾っても、意味なんて分からない。
しかし弟には分かる。その弟がメモを拾った。これは―

俺「姉がわざと落とした?弟に、メモを見せるために」

それがシックリくる。
偶然が重なったと考えるより、自然だ。
それに…

俺「そうすると、姉が久々に実家に帰ってきた理由は…」
舞「そこまでは書いてないから何とも言えないけど、目的はそれかもね」

確かに、ハッキリとそうだとは言えないが、そこはこう考えても良いんじゃないか?
この姉は、弟にどうしても伝えたいことがあった。
何か深い理由があるのか、言葉ではなく、わざわざこんな形で。
それは、弟にだけ分かる内容。
そう、弟にだけ…

…ん?

俺「弟だけ…とは限らないのかな?意味が分かるのって…」
他にも分かる人がいる可能性は、十分に考えられるだろう。そんな断定はできない。
例えば…家族の人とか。


453:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:49:15 AF10cfkN0
17/18
舞「そうね。意味を理解できる人は、他にも居るはずよ」
おや…言い切ったぞ。

俺「何で、居るはずって?」
舞「最初に確認したでしょ?”この話には意味がある”って」
俺「したけど…」

舞「弟さんが、自分にだけ理解できる話を書いても、意味が無いのよ。
自分の他に、メモの内容と”12月20日”という日付を見て、同じように理解ができる人がいるからこそ、この話には意味があるの」
俺「あぁ…」

あの確認は、そういうことだったのか。

つまり…
俺「この話は、誰か、意味の分かる特定の人に向けられたもの?」
舞「…というのが、私の説ね」
俺「なるほどねぇ…」

自分には分からないが、どこかにこの話を読んで、弟さんと同じように血の気が引いた人が居るのかも知れない。

…いや、きっと居るだろう。
そうでなければ、意味がない。
どういった理由、事情があるかは分からないが、誰にも絶対に理解できない話なら、弟さんがこれを書く意味がないからだ。


454:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 11:00:27 AF10cfkN0
18/18
舞「そういうことで、良いかしら?」
俺「ん…あぁ、ありがと」

1つの解が得られたぞ。明日にでも、古乃羽達に教えてあげよう。
上手く伝えるには難しい気もするが…まぁ、なんとかなるだろう。

舞「あの件、忘れないでね」
俺「ん?…あぁ、甘いものね」

そんな要求をされたことも、古乃羽達に教えてしまおう。
フッフッフ。それで姉貴の株が下がることはないだろうが―

舞「楽しみに待っているからね。ロールケーキ」
俺「はいはい…。って!?」

な、なぜロールケーキと分かった?口に出して言ったっけ?
心を読まれた?そんな…まさか、読心術…?

俺「な、なんで…?」
舞「それくらい分かるわよ。―ほら、姉弟だもの」

そう言って、ニコリと笑う姉貴。
…俺は、少しだけ血の気が引いた。




455:本当にあった怖い名無し
11/02/15 15:02:20 WwScvmVjO
小学生の作文はおなかいっぱいです

456:本当にあった怖い名無し
11/02/15 19:26:28 2K5dZ4kG0
乙です~

457:本当にあった怖い名無し
11/02/15 21:34:24 YhN5IPTf0
メリーさん「私、メリーさん。ボジョレー飲み過ぎちゃったの……うひゃひゃひゃひゃひゃ。ちょっと貴方、私の服全部脱がして抱きなさいよ。私が好きならギュッと抱きなさいよ!!」
















メリー「嘘よ。」



458:本当にあった怖い名無し
11/02/15 22:49:01 AKszH+mr0
ウニ氏早く来て

459:本当にあった怖い名無し
11/02/16 09:07:30 ecmQEqBA0
>小学生の作文はおなかいっぱいです
しかし小学生の女の子が書いているとすると途端におにんにんがおっきなる
小学生女子児童の子宮をぼくのSS(スーパースペルマ)でおなかいっぱいにしてあげた まる
などと供述しており

460:本当にあった怖い名無し
11/02/16 19:53:57 gPzL3TGUO
SSサイズの、まで読んだ。

461:本当にあった怖い名無し
11/02/18 20:09:32 tCEDMsaN0
ウニ来いやー

462:来たよ ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:08:21 rM70Z9OU0
ウニです。

前回の続きですが、半ば予想したとおり難航しています。
投げているわけではないので、すみませんがもう少しお待ちください。
今日は別の話を持ってきました。
では、

463:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:12:11 rM70Z9OU0
大学一回生の春だった。
そのころ僕は、以前から興味があった幽霊などのオカルト話に関して、独特の、そして強烈な個性をまき散らしていたサークルの先輩に心酔しつつあった。
いや、心酔というと少し違うかも知れない。怖いもの見たさ、のようなものだったのか。
師匠と呼んでつきまとっていたその彼に、ある日こんなことを言われた。
「星を見る少女を見てこい」
星を見る少女?
一瞬きょとんとしたが、すぐにそんな名前の怪談を思い出す。怪談というよりも都市伝説の類かも知れない。
「どこに行けばいいんですか」と訊いてみたが、答えてくれない。何かのテストのような気がした。ヒントはもらえないということか。
「わかりました」
そう言って街に出たものの、地方から大学に入学したばかりで土地勘もない。大きな街だ。まったくの徒手空拳で歩き回り、偶然見つかるほど甘いものではないだろう。ということは、このあたりでは有名な話なのかも知れない。
僕は所属していたサークルへ足へ向けた。
部室でだべっていた数人の先輩に「星を見る少女」について訊いてみる。
「ああ。あの、橋のところのマンションだろう」
あっさりと分かった。
ある一室の窓に、ベランダ越しに星を見る少女の姿が見られるのだという。
「何号室なんですか」
「さあ、そこまでは」
サークルでの情報収集を終え、次に大学の研究室へ向かった。
ゼミの時間ではなかったが、やはり先輩を含む数人が書籍に囲まれた狭い室内でだべっている。
「聞いたことがある」
地元出身の女性の先輩がそう言った。
「リバーサイドマンションって名前じゃなかったかな」
「何号室とか」
「さあ。空き部屋って話だったとは思うけど。今でもそうなのかな」
あまり芳しくはなかったが、この程度の情報でも十分だろう。
研究室を出ると僕はすぐさまくだんのマンションへ向かった。

464:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:15:30 rM70Z9OU0
小一時間自転車を走らせると、市内を流れる大きな川沿いに四階建てのマンションの姿が見えてきた。
ベランダ側が川に面していて、ちょうど橋の上から全体が見渡せる。向かって左手側の堤防の向こうだ。
その日は春らしい暖かさはどこかに消えて、冬に戻ったような肌寒さを感じる日だった。風が強く、橋の上から見下ろすと川面がさざなみ立っている。
橋の中ほどで自転車を止めてマンションを眺めると、各部屋のベランダに布団や洗濯物が干してあるのが見えた。思わず空を見上げたが、薄い雲に覆われていて日差しは弱々しい。乾くには時間がかかりそうだ、と余計な心配をしてしまう。
「どの部屋がそうなのかね」
吹きさらしの橋の上で肩を縮こませながら口に出してみる。
広く知られている『星を見る少女』という怪談の中身はおおむねこうだ。


バイト帰りの男子大学生が夜遅く自分の家へ向かう途中、あるアパートの二階の窓に若い女の子の姿を見た。
彼女は身じろぎもせずに、じっと窓の外の空を見ている。満点の星空だ。
そのアパートを通り過ぎて家に帰り着いてからも、大学生はその女の子のことがやけに気になった。星空を見つめているという姿にロマンティックなときめきを感じたのだ。
次のバイトの日、また夜遅く家へと帰っていると、あのアパートの前を通りがかった。すると先日と同じように、あの女の子が窓辺から夜空を見ている。
暗くてよくは分からなかったけれど、その横顔はとても素敵に見えた。
名前も知らないその女の子に恋心を抱いた大学生は、次のバイトの日の帰り、また同じように窓辺から星を見つめている彼女の姿を見たとき、たまらくなくなって自分の思いを伝えようとそのアパートの部屋を訪ねた。
玄関のドアをノックしても返事はない。中は明かりもついていないようだ。それでも彼女は部屋にいるはずなのだから、ノックが聞こえていないのだろうかとそっとノブを捻る。
開いた。
部屋の中を覗き込んだ彼が見たものは、窓際で首を吊っている女の子の姿だった。まるで窓の外の星を見ているような。


グロテスクなオチだ。
それが改変されたと思われる『てるてるぼうず』の話も聞いたことがある。

465:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:20:21 rM70Z9OU0
窓辺の首吊り死体がやがて腐り始め、首から下がズルリと崩れ落ち、頭部とそこからぶらさがる脊椎だけが縄に吊るされている。その凄まじい状況が遠目にはてるてるぼうずのように見える、という話だ。
こちらはあまりメジャーではないが、星を見る少女の方はテレビや雑誌でもそれに類した話をよく見るので、全国的に広がった話だと言えるだろう。
しかしこのリバーサイドマンションにまつわる星を見る少女の方は、その名前は街なかでそこそこ知られているものの、噂自体は具体性にかけるようだ。
今日聞いた話では、「誰も住んでいないはずの部屋の窓から女の子が外を見ている」というものと、「その部屋で死んだ女の子が夜中に窓から星を見ている」というものがあった。
前者は全国版と同じようにその女の子の姿が気になった男が部屋を訪ねてみると、首吊り死体があったというオチだった。
後者は首吊りというオチがないかわりに、最初から死者であることが示されていることで怪談になっている。
まったく違う話のようだが、時系列になっているようにも思える。首を吊って死んだ女の子が今でも亡霊として現れるという筋だ。
真相はともかく、窓から少女が空を見ているという部分は共通しているはずだ。
僕は各部屋のベランダに干された布団が風にたなびいている様子を眺める。
ほとんどの部屋がカーテンを閉めていてその向こうは見えない。留守が多いのだろう。カーテンが開いている窓もいくつかあったが、ガラス戸は閉まっていて、そのいずれにも人の姿はなかった。
まあ昼間からそうそう出るものではないだろう。
「出る」という言葉を思い浮かべてから、今さらながら気づいた。
師匠は星を見る少女を見てこい、と言ったのだから、現在も継続する怪談のはずだ。ということは今日聞いた二つの噂のうち、全国版に近い「首を吊っていた」というオチの方はおかしい。
それは誰かの体験談として語られるタイプの怪談であり、同じ体験をしてしまうかも知れない、という怖がらせ方をするものではないのだ。
それを聞いたあなたのところにも……という巻き込み型の話にもならないはずだ。前提条件が特殊すぎる。
やはり死んだはずの少女が窓に映っている、という方が本命か。それを見てこいというのだ。
そうとなれば昼間に来ても駄目だろう。夜を待つしかない。なにせ「星を見る少女」なのだから。

466:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:24:27 rM70Z9OU0
僕は現地を確認したことでそれなりに満足して立ち去った。

その夜である。
僕は同じ橋の上に立っていた。
まだ風が強く、街の明かりが波立つ暗い水面に乱反射していて、風情がない感じだ。
その川の堤防の向こうに四階建てのマンションの姿がある。各部屋の窓にはカーテン越しに明かりが灯っている。
腕時計を確認すると、夜の十一時。この時点で明かりが消えている部屋は四つ。目を凝らすと、そのうちの一部屋は洗濯物が出しっぱなしになっているのが見える。残りの三部屋は昼間に洗濯物を干していたかどうか思い出そうとしてみたが、記憶があいまいだった。
ただ空き部屋があるとしたらその三つのどれかだ。
じっと見つめていても、それぞれの窓にはなんの気配も見当たらない。というよりも、明かりのない窓は暗すぎて中に人がいても見えそうもなかった。
僕は明るい方から暗い方はあまりよく見えないという法則を思い出した。
昼間は暗い家の中から明るい外の様子がよく見えて、外からは家の中がよく見えない。夜は逆に明るい家の中を外から見られてしまい、家の中からは外が見えない。
橋の上も街路灯がぽつりぽつりとあるだけでさほど明るい訳でもなかったが、数十メートル離れたマンションの暗い窓の向こうを見て取るのは無理な話だった。
今いる場所は橋の中ほどだったが、これ以上マンションの方に近づくと、角度がつき過ぎて横からの眺めになるために、部屋の中は見えなくなってしまう。
なにか変だった。
これでは「星を見る少女」を見ることができない。誰にも。
念のために橋を渡り、マンションの前に行ってみたが、川の堤防に近すぎて、その堤防ぶちギリギリに立って見上げても角度がきついため窓がよく見えない。各階のベランダの足場を下から見上げる形になるからだ。
もちろん対岸からでは遠すぎる。やはり窓の向こうに人影が見えるとすると、あの橋の上からだ。
それが周囲を観察して出した僕の結論だった。
あるいは川に船を出せばもっと近くで窓を見ることができるかも知れないが、それでは一般的な噂にならないだろう。
ううう。と唸って僕はもう一度堤防沿いからマンションを見上げる。

467:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:29:41 rM70Z9OU0
風が吹きつける橋のあたりから気味の悪い音が響いてくる。ロープや欄干を抜ける多層的な風切り音が。
良い雰囲気だ。ゾクゾクする。
なにか手がかりはないかと思ったが、ウロウロしていても思いつきそうな気配はなかった。コンビニの袋を提げた住民がマンションの入口のあたりからこっちを不審そうに窺い始めたので、気の弱い僕はもうそれだけで退散したくなってきた。
しかたなしに一旦堤防沿いを歩き去ってから、せめてどこが空き部屋なのかだけでも確認できないかと、ぐるりと遠回りしてマンションに戻り、入り口近くの郵便受けの様子を確認した。
銀色のボックスにつけられた部屋番号の下に名前のプレートがあるものもあったが、部屋番号のみのものも多かった。防犯対策か、あるいは訪問販売対策なのだろうか。
チラシの類が大量に詰め込まれているようなボックスもない。空き部屋があっても、管理人か誰かがこまめに回収しているのだろう。
考え込んでいると、背中に視線を感じた。
「あの、すみません」
主婦らしき女性が、自分の部屋のボックスを開けようとしていた。
僕は自分でも情けないくらい狼狽して、しどろもどろに弁解じみたことを言いながらその場を逃げ去った。
帰り道、師匠ならずぶとく情報収集をしていただろうなあ、と思い、なんだか情けなくなった。

次の日、僕は大学の講義の空いた時間を利用してまたリバーサイドマンションへ来ていた。
どう考えてもおかしいのだ。夜の暗がりの中では、やはり橋の上から明かりの消えた室内は見えない。
ということは、明かりのついた部屋、つまり空き部屋ではなく、誰かが住んでいる部屋での出来事なのだろうか。
それにしても、窓際に立って外を見ている人ならば、室内の光は背後から来ているはずだ。直接顔が照らされていない人を、夜中に橋の上のこの距離から見て、はたしてそれが少女であると視認できるものだろうか。
おそらく誰か分からないけど人影が見える、という程度ではないか。
考えれば考えるほど分からない。
昨日から引き続いて風の強い日だった。川面に映るマンションの姿もぐちゃぐちゃに揺れている。


468:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:32:45 rM70Z9OU0
今みたいに橋の上から川を見下ろして溜息をついていると、誤解されそうだった。
「おい」
そんなことを自嘲気味に考えている時、急に背中から声をかけられ、飛び上がりそうになった。
振り向くと茶髪にピアスの怖そうな人が立っている。
「なにしてんだこんなとこで」
一瞬緊張して身体が固まったが、相手の物腰が因縁をつけている感じではないことに気づく。
「あ、先輩スか」
ふいに思い出した。確か同じ研究室の三回生だ。ほとんど研究室には顔を出さない人なので、うろ覚えだった。
「サボりか」と訊かれたので、「いや、まあ」と笑ってごまかす。
「あの時は悪かったな」
そう言って肩を叩かれた。笑っている。つられて笑っているうちにだんだん思い出してきた。
学内の芝生で行われる、伝統の新入生歓迎コンパで僕にむりやりビールを飲ませ続け、人生初のリバースを体験させてくれたのがこの先輩だった。
「オレの家、アレなんだよ」
先輩はそう言ってリバーサイドマンションを指さした。
「いや、一人で借りてるわけじゃねえよ。親、親。実家があそこなんだよ。オレはもっと大学の近くに部屋を借りてんだけど、洗濯がめんどくさくてな。ためこんだブツをおすそ分けしにしょっちゅう帰ってんだ」
あ、いいな。と思ってしまった。
僕も初めての一人暮らしで、一番困っているのが洗濯だったからだ。親に任せていた高校時代には想像もしていなかったが、これが実にめんどくさい。
先輩は思ったより気さくな感じだったが、やはり見た目の怖さにはすぐになじめない。会話が途切れたところで「じゃあこれで」と立ち去ろうとしたが、今さらこの人が重要な証人であることに気づいた。
「え、じゃあ、あの噂知ってますか。あのマンションの部屋の窓から女の子が……」
「ああ。知ってるよ。空を見る少女とかなんとかいうヤツな」
当たりだ。本当は星を見る少女だが。
僕は興奮してたたみかけた。

469:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:35:30 /u4HVKld0
生ウニさん!支援

470:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:36:11 rM70Z9OU0
「先輩は見たことありますか? どこから見れるんですか? どの部屋ですか? 空き部屋なんですか?」
「おいおい。ちょっと、待て。落ち着け」
先輩は周囲の目が気になったようで、あたりを見まわしたあと、「こっちこっち」とマンション側へ橋を渡りきった所にあったベンチに僕を誘った。
「あれってただの噂だろ。ほんとなわけないじゃん」
座って早々に先輩は言った。
あ、やっぱり。
妙に納得してしまった。それが普通の感覚なのだろう。
「誰もいないはずの空き部屋にそんな女が見えるって話だろ。オレの知ってる限り空き部屋なんてねえよ。あんまガキのころは分かんねえけど、高校、ていうかたぶん中学以降はずっと住人メンバー変わってないはずだ。それに……」
先輩はマンションの方を振り向きながら顎をしゃくった。
「空き部屋ならよ、雨戸閉めるだろ、普通」
「あ」と声が出た。言われてみるとその通りだった。
フローリングだか畳だか知らないが、空き部屋の日光の入るベランダの大きな窓に雨戸で目張りをしないはずはなかった。
「その部屋で死んだはずの子が、夜中に窓から外を見てるとかって話はどうなんですか」
「そんな噂もあったなあ。どっちにしろデマだ、デマ。そもそもマンションで誰か死んだなんて話、聞かねえよ」
あほくさ、と呟いて先輩は「迷惑なんだよなあ、住民としちゃあ」と真面目な顔で語った。彼自身はもう住民ではないはずだったが。
「203号室だとか、302号室だとか、いやいや402号室だとか、全部噂の中身が違うんだぜ。適当すぎだろ。オレんちの部屋のバージョンもあってさ、中学のころにからかわれたこともあんだぜ」
ほんとに迷惑だ、となぜか僕を睨みつけてきた。
「すみません」ととっさに謝りながら、ふと湧いた疑問を口に出していた。
「かなり昔からある噂なんですか」
「ああ。ガキのころからあった気がするな。あんま覚えてねえけど」
昔からある噂……
まったく根も葉もないものが、それだけ長く続くなんてことがあるのだろうか。

471:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:40:06 rM70Z9OU0
考え込んでいると、いきなり先輩が立ち上がり、僕の肩をドシンと叩いた。肩を叩くのが好きな人だ。
「とにかく、そんなくだらねえ噂信じてんじゃねえよ。迷信なんて信じるとろくなことにならない、って言うだろ」
後半は冗談のつもりだったらしく、笑いながら肩をバンバンと叩かれるので、僕はぎこちなく愛想笑いを浮かべるしかなかった。
先輩と別れ、追い立てられるようにその場を後にした僕は、自転車に跨りながら今日得た情報を頭の中で整理していた。
昔から空き部屋はない。死んだ女の子もいない。噂の中身もバラバラ。住民自身も信じていない。
溜め息が出た。噂なんてこんなものか。現実に、星を見る少女なんているわけはないのだ。
それでも……
(星を見る少女を見てこい)
脳裏に蘇った師匠の言葉に、僕は頷くのだった。

その三日後、めげない僕はまたリバーサイドマンションを望む橋の上に来ていた。
なんの目算もない。とりあえず来てみたのだ。我ながら涙ぐましい無駄な努力だ。
実は一昨日も来ていた。もちろんなんの収穫もなく帰っている。
橋の真ん中に欄干が少し外側へ膨らんだ場所があり、そこがマンションを見るベストポジションだった。僕はそばに自転車を止めるとその位置に両肘を乗せた。
そして、ふと気づいて先輩がいないか辺りを見回す。この噂話にかなり迷惑を被っているであろうその先輩は、冗談めかして笑ってはいたが、興味本位で噂を追いかける野次馬に内心むかついているのは容易に想像できた。
また僕がこりもせずにこんなところにいるのを見られたら、どんな目に遭わされるか分かったものではない。
実は昨日も来ていたのだ。そしてなにも見えずに帰っている。ようするに毎日来ているのである。
よし、と先輩がいないのを確認してマンションの方へ向き直り、観察を開始する。
整然と並んだベランダにはいつものように洗濯物がずらりと並んでいる。よくもまあそんなに毎日洗濯ができるものだ。
僕などもうめんどくさくてめんどくさくて、一週間は平気で溜め込んでいる。実家へ持ち込める先輩が心底羨ましかった。

472:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:42:21 9mpK6QRrO
紫煙

473:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:46:15 rM70Z9OU0
それにしても今日は良い日差しだ。ここ数日の寒さが嘘のように春らしい暖かさが戻ってきたし、絶好の洗濯日和と言えるだろう。
午後の陽光に目を細めながら、僕は良い気持ちでマンションの全景を眺めていた。カーテンが閉められている部屋が全体の六分の五。半端に開いているのが二部屋。全部開いているのも二部屋。
どの部屋のベランダにも、布団を叩いたり洗濯物を干したりするような主婦の姿はない。
平日だし、共働きも多いのかもしれない。主婦のスケジュールはよく分からないが、専業でも洗濯物を干したりなんかは午前中にするものと相場が決まっているのかも知れない。
……
あくびがでた。
欄干に顎を乗せる。眠くなってきた。
今日は風がないな。
だから暖かいのかも知れない。
首を伸ばして川を見下ろすと、凪いだ水面が静かにたゆたっている。昨日までの風でさざなみ立っている時とは全く違う相貌だ。
川面はまるで鏡のように周囲の景色が鮮明に映りこんでいる。時が止まったように。
鏡の中のマンションを見ると、ベランダに出された布団の色も見て取れる。目を凝らせば柄まで見えそうだ。洗濯物も、カーテンも、人間の顔まで見えた。
妙に感心してしまった。
いくら風がなくても、海ではこうはいかないだろう。湖や流れの緩やかな川で、しかもよほど条件が整わなければこれほど綺麗に景色を映すことはないだろう。
実に良い物を見たような気になり、満足してしまったので今日はもう帰ろうかと顔を上げかけた。その時だ。じくり、と首筋に何かが這うような気持ちの悪い感覚が走った。
顔。
顔だ。
さっき確かに人間の顔が見えた。
思わず顔を上げて橋の向こうのマンションを見る。一階、二階、三階、四階。どの部屋もベランダは無人だ。そしてほとんどの部屋はカーテンが閉まっている。人の姿は見えない。
胸に動悸を感じながら橋の下に目を向け、鏡の中のマンションを見つめる。
いる。
部屋の一つ。三階の、右から三番目の窓。カーテンが半分開いている。


474:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:50:17 bqMEoHBk0
さすがにそろそろ支援が要る?

475:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:53:49 bqMEoHBk0
猿?

476:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:55:55 7TXVbBZJ0
オッホー

477:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:03:33 rM70Z9OU0
その窓際から外を見ている顔。女の子だ。髪が長い。
僕は狼狽して目を擦った。鏡のようだとは言っても、しょせんは流れている水だ。見間違いということはあるかも知れない。
しかし何度目を擦っても、水面に映るその部屋の窓には女の子の姿があるのだ。
顔を上げて現実のその部屋に目を凝らしても、カーテンは半分開いているが窓の向こうには人影すら見えない。
そのまま顔を下げると鏡像の女の子は、じっと外を見続けている。それも、気のせいかこちらを見ているような気がする。
ぞくりとして生唾を飲み込む。
橋の下の川面に映った鏡像の中からの視線が、橋の上にいる僕の方へ伸びてくる。思わずその視線を避けて、のけぞるように顔を背ける。
自然と、その視線を可視的で立体的なものとしてとらえ、その行方を追いかける。
視線は僕のいた場所を通り過ぎ、そのまま突き抜けるように空へと向かっていった。わずかな雲の浮かぶ青空へ。
その瞬間、僕の中に凄まじい、感情とも快感ともつかない、なにか未分化の奔流のようなものが走り抜けた。

空を見る少女!

先輩は確かにそう言った。噂の原型はそれなのだ。言い間違いでも、聞き間違いでもなかった。どおりで夜には見られないはずだ。そうなのだ。この、空を見る少女こそが!
放心した僕の頬を風が撫でた。暖かい春の風が。
ハッと気づいて川を見下ろす。
もう水面は、たなびく風に波立ち始めていた。マンションも、部屋の窓も、その向こうに儚げに立つ少女の姿も、なにもかもが溶け合うように虚ろに揺らめいている。
もう見えない。
川の上流に目をやると、波立った水がどこまでも伸びている。少なくとも上流のあの波立った水面がこの橋の下を通り過ぎるまで、もう鏡のような姿には戻らないだろう。それまでにまた風が吹いてもだめだ。
僕は力が抜けたように欄干へ身をもたせ掛けた。


478:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:06:34 rM70Z9OU0
そして橋の下に目を向け、もう見えなくなったあの繊細な鏡像を、あの顔を、そこに見ようとする。
星を見る少女に恋した大学生の気持ちが少し分かったような気がした。手の届かないものだからこそ、美しいのだ。
僕はもう一度、今度は心の中で思い描いた。
気まぐれに現れた奇蹟のような時間、確かにそこにあった幻を。

その夜。
師匠の部屋に乗り込んだ僕は、ことの次第を告げた。
ニヤニヤしながらも師匠は口を挟まないまま聞き終わる。そしてやおら押入れに上半身を突っ込むと、ごそごそと中を探り、一冊のバインダーを出してきた。
パラパラと捲っているのを見ると、色々な新聞記事などのスクラップのようだった。
「お前が見たのが、まさに噂の正体だ。空を見る少女。川の中から空を見上げているその姿を、たまたま見てしまった人がいたんだろうな。霊感と、鏡のような水面。その二つが偶然に重ならないと見られない実にレアなお化けだ」
ページを捲りながら師匠は言う。
お化け、と表現されると、ロマンティックな気持ちに浸ったままの僕はなにか釈然としないものがあった。
「元々はその正しい噂があったのかも知れない。しかし『星を見る少女』という、もっと有名でかつ似た名前の都市伝説があったために、混同されてしまったんだ。空を見る少女の方はめったに見るもいないんだから、噂の混同部分の比率では自然にマイノリティになってしまう。
結局、様々にバージョンの広がった『星を見る少女』の中に取り込まれちまったんだ」
あった、これだ。と師匠は古びた新聞紙の切り抜きを取り出した。
地元紙の地域欄だ。日付は十七年前。
何か裏を取ったのか、この人は。感嘆が喉元まで出掛かる。
記事には『女子高生水死』という文字が大きく印字されている。場所はあの川で、まさにリバーサイドマンションの堤防のすぐ前のあたりだ。
それほど水深もなさそうだったのに。記事を読む限り水死の原因は分かっていないようだ。死亡した女子高生の住所も出ていたが、リバーサイドマンションではなかった。
「そりゃそうさ。この子はリバーサイドマンションになにか執着があってそこに迷い出てきてるわけじゃない」

479:星を見る少女 ラスト ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:08:46 rM70Z9OU0
師匠は記事をひらひらさせながら説教じみた口調で続けた。
「鏡の中からの視線が空に向いてるってことは、本来のマンションの部屋からの視線は水面に向かっているってことだ。反射角度とか難しいこと考えなくてもそれは分かるよな。ようするに、この子は自分の死んだ場所を見つめているだけだ」
それを聞いた瞬間、ぞくっとした。
星を見る少女にも負けず劣らず、グロテスクなものを感じたからだ。
「噂では203号室だとか、302号室だとか、肝心のその部屋がどこかって部分はバラバラだ。実際にどこでもいいからだよ。要するにこの子は、その川の場所さえ見られたらどこからだっていいいんだ。カーテンが開いている部屋なら」
と、いうわけだ。
そう言って師匠は満足したように口を閉じた。そして新聞記事をスクラップの中に淡々と戻している。
僕は数日間のささやかな冒険のことを思い返し、複雑な気持ちだった。
『星を見る少女』という怪談、あるいは都市伝説に、塗り替えられてしまったあの少女のことを思うとなんだかやり切れない思いがあった。
直接マンションの部屋に出るわけではなく、いや、実際はそこにいるのかも知れないけれど、水面に映った幻の中でだけ見ることが出来る、というのが、なんだか若くして儚く散った彼女の生涯に重なるようで、思わず目頭が熱くなってしまった。
そんなことをぽつぽつと呟いていると、師匠は僕の肩をどやしつけた。最近やたらと肩を叩かれる。
「一応、ミッションは合格にしといてやるけど、優良可で言うと良だ」
なんだ偉そうにこの人は。ムカっときて思わず睨むと、その数倍鋭い眼光に射竦められた。
「だったら優はなんなんです」
僕がなんとかそれだけを返すと、師匠は暗く輝く瞳を細め、その眼球を自分の手で指さしながら、ぼそりと囁く。
「俺は、直で、見られる」
いつでもな、と、口を歪めて笑った。

480:今夜は ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:10:00 rM70Z9OU0
終わり

481:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:11:26 bqMEoHBk0
乙です。
星を見る少女の話って結構好きなんだよね。おもしろかった。

482:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:25:40 sLIb7djwO
ウニ乙です
今回の師匠の凄さを田舎と同様に感じました。

483:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:39:08 p98SD7cn0
え、え、生ウニ!?記念パルサミコパルサミコ!

484:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:42:37 0jMfM4jlO
ウニ乙でございまし(;´д`)

485:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:57:33 mZNS/M+30
ついにリアルで出会えた
ウニ乙!!
いつも読んでます

486:本当にあった怖い名無し
11/02/19 00:04:55 IEes2sXB0
おぉ! 今回も面白かったです。とくに後半はテンポよくてすごく良かった。

487:本当にあった怖い名無し
11/02/19 00:16:27 YcaS+2Zo0
ウニ乙!
面白かったわー。

488:本当にあった怖い名無し
11/02/19 01:03:05 IWLYU39/0
ウニ乙!
このころの師匠はまだ「俺」なんだね。

489:本当にあった怖い名無し
11/02/19 01:10:49 s+SsepgT0
ウニ乙!
いやー、面白かった!

490:本当にあった怖い名無し
11/02/19 01:18:28 RP86A1UEO
ウニさん乙です!
師匠パねぇwww
この二人が出てくる話の雰囲気やっぱ良いわー。


491:本当にあった怖い名無し
11/02/19 02:28:57 Oo909bFl0
わ~ウニさんだ!起きてて良かった~
拝読拝読♪

492:本当にあった怖い名無し
11/02/19 04:22:41 kuUF1ASy0
ウニの最後のセリフの優はなんなんです
って何?

493:本当にあった怖い名無し
11/02/19 04:52:39 ecadDUmo0
>>492
「一応、ミッションは合格にしといてやるけど、優良可で言うと良だ」
ちゃんと読んでる?

494:本当にあった怖い名無し
11/02/19 05:04:53 DD4udseg0
>>492
それが理解できないとこの話の
オチが無くなってつまんないだろ?
よく読め。

495:本当にあった怖い名無し
11/02/19 06:23:09 ecadDUmo0
>>494
ごめん、小学生かな?

ざっくりいうと、つうしんぼのたいへんよくできました、よくできました、がんばりましょうのうち
「よくできました」くらいのできだね、と師匠がいうから「じゃあどうなったらたいへんよくできましたがもらえるんですか?」ときいた
そしたら師匠が「じぶんならすいめんのじょうたいやそとのあかるさにさゆうされずに、
すいめんにうつしたりもしないで、いつでもちょくせつおんなのこをみられるよ、
つまりそれができていたらたいへんよくできましただったよ」といったんじゃないのかな

これでよろしいでしょうか?

496:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:07:39 sk8STJZR0
494に言うの?

497:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:11:18 ecadDUmo0
>>496
ごめん>>494は親切な人だった、安価間違いごめんね
>>495>>492へだったわ、早起きしたら寝ぼけてて本当にすまなかった

498:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:15:17 g9e0V0ULO
おやま土曜以外にウニ乙、やっぱ師匠の話がいいね

>>497 モルダー、あなた疲れてるのよ…
変な安価になってるし、元気出せよ

499:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:32:14 sk8STJZR0
>>497
例えば>>492>>493の後で「え?どういう事?」とかまだ理解できない素振りを見せたなら判るけど、
そう言うわけでもないのに>>495で二度目の説明を、しかも煽りまがいにする必要はないと思うよ

500:本当にあった怖い名無し
11/02/19 10:59:39 MwAGAeUX0
ウニの時だけ流れが普通の文章系スレに戻るのに吹く


501:本当にあった怖い名無し
11/02/19 13:00:34 ZbV3OM5RO
>>499
並んだ時には既にマッカーサーだもんな。
イチゴ抜きでも夏休みだしな。

502:本当にあった怖い名無し
11/02/19 14:14:59 atmcpyO+0
師匠は確か女だったはず 偽者乙でおkですね ふふん

503:本当にあった怖い名無し
11/02/19 15:39:46 Cmw16PTQO
>>502
にわか乙。
今回のは性転換後の話だよ。

504:本当にあった怖い名無し
11/02/19 18:55:13 VZwMsniL0
いやだから乖離性人格障害だってば。

505:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:02:05 kuUF1ASy0
みんなありがとう

506:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:19:32 O7DAJfbF0

チアガールの笑顔はオカルト

次はこの話頼む

507:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:33:26 O7DAJfbF0

便意を我慢して必死に歩く競歩のトレーニング法はオカルト

次はこの話頼む

508:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:41:55.99 O7DAJfbF0

誰もが同じ場所で観光写真と撮るのはオカルト

次はこの話頼む

509:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:44:28 O7DAJfbF0

まっくら森を探せ

次はこのミッション頼む

510:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:58:19.20 O7DAJfbF0

悪いようにはせぬと娘にちょっかい出している時点で既に悪い状況なのはオカルト

次はこの話頼む

511:本当にあった怖い名無し
11/02/19 21:21:01.55 ZbV3OM5RO
逆光の指導者って弁当を段取りするには相当擦り潰して梨園の浄化槽を薬局させたくある。

512:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:50:58.62 deEoFnFm0
インターネットで収集した情報を持って昼食に挑む。
 本日のメニューはカロリーメイト。同じ過ちは繰り返さない主義だ。



513:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:52:23.67 deEoFnFm0
先輩はいつも通りの日替わりメニュー。
 同じものを注文しても飽きにくい、という合理的な理由だと推測する。



514:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:53:39.02 deEoFnFm0
まずは自分で集めた情報を披露する。

515:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:54:26.59 deEoFnFm0
 死因は全員心停止であるらしいこと。
 なぜ心臓が止まってしまったかについては調査中。


516:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:55:40.22 deEoFnFm0
2次災害も含めて死者は200万人を超えるであろうという事。
 下手な県の人口よりも多い。被害の甚大さを思い知らされる。

517:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:57:27.34 deEoFnFm0
録画された映像を見て死んだ人もいるということ。
 ネット上にそれを公開した人がいるらしく問題になっている。


518:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:59:40.54 deEoFnFm0
ただ、番組の流れているテレビのあった部屋にいても、
 死んでいない人もいるらしい。



519:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:01:09.72 deEoFnFm0
どうやらちゃんとメリーさんの映像を見ていた事が死の条件にあるようだ。
 その辺の調査に関しては実験してみる訳にもいかず困っているらしい。



520:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:03:00.55 deEoFnFm0
これだけの事をざっくばらんに説明する。
 先輩の表情を見る限り、興味がない訳ではなさそうだ。



521:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:07:48.41 MP2PQFcT0
「それでなにか分かりましたか?」

 先輩に意見を促してみる。



522:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:08:28.96 MP2PQFcT0
「人間は牛を殺して肉を食べて、森を壊して紙を作るよね?」

 何の関係があるんだろう、と思っても口にしない。
 災いのもとは厳重に封印しておくべきだ。



523:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:10:31.39 MP2PQFcT0
「それはメリーさんも同じなんじゃないかな?」

 満足げに白身魚のフライを食べる先輩。
 どうやらこれ以上説明するつもりはないらしい。



524:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:12:10.16 MP2PQFcT0
人間を食べたという事だろうか。
 これまでの、どの説よりも非科学的で非現実的であるように思われる。


525:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:13:37.43 MP2PQFcT0
先輩がそんな事をいうタイプに見えなかったので多少驚く。
 言ってる内容はギリギリ理解可能、といったところだろうか。




526:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:14:49.53 MP2PQFcT0
それでもどこか腑に落ちない顔をしていたのだろう。
 目は口ほどに何とやらだ。



527:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:15:40.19 MP2PQFcT0
先輩がそんな表情を見て補足説明をしてくれる。

「多分ね、電話に飽きたんだよ」

 そう言うと先輩は返却口の方へ歩いていく。



528:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:17:23.14 MP2PQFcT0
補足説明なんて柄にもない事をする先輩への驚きと、
 その内容の意味不明さにその場を動けなくなる。



529:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:18:11.20 MP2PQFcT0
電話に飽きた?
 だからテレビに?



530:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:19:20.99 MP2PQFcT0
先輩の隣への道のりの長さを感じながらも、
 さっきの言葉の意味は明日までの宿題にしようと決めるのだった。




531:本当にあった怖い名無し
11/02/20 03:39:49.89 /x9Mk/k80
>>462-480

ウニさんお疲れさま~

532:本当にあった怖い名無し
11/02/20 09:59:37.23 mFjsGaC5O
>>511
ぷっちモニはサミング開いても白樺派って退校滑川市だよな。

533:本当にあった怖い名無し
11/02/20 10:39:57.05 +2iCVTRd0
ウニさん、相変わらず落ちがさすがですね。そーゆーことだとは
コロッケの続きも気長に待ってますので、よろしくです!

534:本当にあった怖い名無し
11/02/20 14:12:50.35 mFjsGaC5O
>>533
チャメランキョって右向きだね。

535:本当にあった怖い名無し
11/02/20 20:09:30.77 hMPmg+nS0
ウニさんの今回の話も面白かった

536:本当にあった怖い名無し
11/02/20 20:28:06.71 mFjsGaC5O
>>535
士農工商スイングたっちょやら萎んだ?

537:本当にあった怖い名無し
11/02/21 11:25:54.59 v/MEmly/0
なんか糖質のフリしてる人いるけど何がしたいん?
とりあえず本物には遠く及ばないから、勉強してきなさい。

538:本当にあった怖い名無し
11/02/21 13:44:13.82 jZoqNbuCO
>>537
何を言ってるのか理解出来ない。
お前ら馬鹿どものレスがあまりにつまらないから助けてやってるだけだが?

539:本当にあった怖い名無し
11/02/21 16:58:05.02 wDFs9f4s0
遅ればせながらウニ氏乙ー!
今回は久々に初期のような雰囲気でよかったです!
地味な怪談っぽいのが好きなので
読んでてぞくぞくしました

540:本当にあった怖い名無し
11/02/21 18:27:40.79 MkjwslEC0
おいウニきてたのかよ
亀乙させてもらおう

541:本当にあった怖い名無し
11/02/21 23:37:10.08 Fx0lnraf0
実質一人でシリーズスレを支えてるウニ乙
消えないでくれよ
いなくなったらマジでスレが終わる

542:本当にあった怖い名無し
11/02/21 23:39:59.59 CQjiTQGa0
随分酷い事言うね

543:本当にあった怖い名無し
11/02/22 08:49:06.76 jQA24iw8O
ウニ専用スレつくってほしいな

544:本当にあった怖い名無し
11/02/22 15:26:00.35 sRnZ/Ht2O
あるけどそっちには来ない。ので感想・考察スレになってる。

545:本当にあった怖い名無し
11/02/22 16:52:18.21 Y/0CfNZg0
ウニのいないシリーズスレはコーヒーに入れないクリープだよ


546:本当にあった怖い名無し
11/02/22 18:36:10.54 o0ft/2FS0
クリープはそのまま食べても美味しい

547:本当にあった怖い名無し
11/02/22 21:19:48.83 Y/0CfNZg0
>>546
涙ぐましいフォロー感謝します

548:甘栗 ◆uV3ZKNfRB6
11/02/22 21:41:43.94 2n+MIy6s0
今晩は、
はじめまして
今まで奇怪な体験をしてきた甘栗です。
不思議な体験や危険な体験をしてきたので、勝手に話したいと思います。

では、 

549:ボラバイト 前 ◆uV3ZKNfRB6
11/02/22 21:43:44.41 2n+MIy6s0
何年か前の話。

仕事仕事で心身クタクタになり定職を捨てて、ふらり北○○へ行った時のこと。
旅行で行ったのではなく、お手伝い感覚で現地の農家に住み込みをして自然を満喫しながら
仕事をするというもの。
所謂ボラバイトである。

実在する場所と話のため特定を避けるため地名や農家の名前は仮名ということは分かってほすぃ。

住み込み先に車で送ってもらうと一足先に来ていた
20代後半の男性が寮を案内してくれた。

「どうも、よろしくお願いいします」

「あっ、あ、山崎(仮)よろしくぅ」

視線や動作が少し不審だったが気にすることもなく
挨拶を終えて寝泊まりすることになる部屋を案内された。

「あー、あー、少し前まで人沢山いたけど、んー、
いま自分とあなただけですから好きな部屋を、どうぞ」

この寮は見た目プレハブで構造二階建て、下に二部屋上に四部屋って感じだった。

二人とはいえ共同生活するんだから一応同じ二階の奥の部屋を選んだ。 



550:ボラバイト 前 ◆Fy6r9sZU3s
11/02/22 21:45:08.38 2n+MIy6s0
部屋に荷物などを置いてから仕事内容や1日の流れを聞いてみたが、複雑なことはなさそう。
山崎さんも話し方や動作が特徴的だが穏やかな人で
口数も少なくなく親しみをもてた。

それから雑談を交わしていると日が暮れてきた
住み込み先から頂いてるという食材を使って一緒に料理を作る。
具材とルーがあるということでカレーを作った

「じ、自分だけですけど、せっかくな、なんで、」 と言いながら山崎さんは缶ビール2つを用意してくれた。
細やかながらの歓迎会を喜んで受けた。

食事も終えて九時くらいになり風呂を済ませて二階へ戻ってくると、リビングの灯りは消されていてブラウン管から地方限定のローカル番組が音もなく流れていた。

寝たんかな?
無理もない
山崎さんは今日だって私が来るまで働いていたに違いない。
朝も早いし私も寝ようと部屋に入った
設置されている窓の外は真っ暗だった。
都会と違い街灯やらビルの灯りもない
こういうのを漆黒の闇っていうんだろうな~なんておもいながら、
部屋の豆電球を消して壁側にあるベッドに潜り込んだ。


551:ボラバイト 前 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/22 21:46:30.98 2n+MIy6s0
真っ暗闇の中で眼をつむり耳だけが音をひろい、周りの状況を感知する。
私は、眠りに落ちる前のこの静かで不思議な時間が好きである。
昨日の夜までは聞こえなかった様々な虫の音が
窓の外から心地よく右の耳へ入ってくる。
左は壁だけど薄い作りのようで、電化製品の静かな音が聞こえる。
ああ、そういや真横が冷蔵庫なのかあ。
とウトウトしながら思っていると、

ッダンッ
ッダンダンッ

何かを叩く音が山崎さんの部屋から響いた
なんだ、起きてたのか。

ッダンッダンッ

結構な音が響いていたが、意外に疲れていたらしく いつしか眠りに落ちていた。

次の日
朝早く起きて適当にパンを食い作業着を着て長靴を履いて外に出た。
山崎さんの案内で自転車を使って堤防を走り母屋まで向かう。

北○○の朝靄は幻想的だった
視界を霧が包み、登りきらない朝日が雲の隙間から紫に光っていて
夢の中にいるようだった。
冷たい外気を身に纏いながらマウンテンバイクのペダルを
先導して走る山崎さんのペースに合わせて漕ぐ。


552:ボラバイト 前 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/22 21:47:47.48 2n+MIy6s0
その山崎さんの丸まった背中を見て昨日の夜の
"音"
を思い出して、何をしてたんですかと聞こうと思ったが初日の挨拶内容を頭で反復していたため
それどころではなかった。
母屋に着き、初日の挨拶と初日の労働を終えた。
ボラバイトには残業という概念がなく、どんなに遅くとも五時には上がるのが鉄則のようであった。
あくまでも
ボランティア+アルバイトなのだから、そうしなくてはいけないらしい
しかし中には独立目指して修行中の研修生なんかもいて、そういう人は別扱いらしい。

「お先に失礼します」
まだ働く先輩方に挨拶をして朝マウンテンバイクを停めた場所に向かう

あ、やべぇ、どうやって帰るんだ?
しまったと思いながらも歩いていると
別の畑で作業して先に母屋に戻った山崎さんが、待ってくれていた。

「お、お、おお疲れ様です」
と首を縦に揺らしながら少し笑みを浮かべて言う。
あまりに大袈裟な挙動に、狙ってんのか?と思ってしまうほど。

「待っててくれたんすね」
挙動は不審でも新入りの私に対する気遣いに頭を下げて、二人で真っ暗闇の帰路についた。

 

553:甘栗 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/22 21:49:08.30 2n+MIy6s0

続きはまたです。


554:本当にあった怖い名無し
11/02/22 21:55:01.39 lcvdwDJ50
メリー「も、もしもし、私メ、メリー…。今…、あなたに、んあっ!…う、後ろをはぅぅっ!お、犯していただいてるの!んくぅっ!」

男「へへ、ガキのくせにいい顔するようになったじゃねーか。ケツマンコ犯されんのたまんねーか?この淫乱メスぶたが!!」



555:本当にあった怖い名無し
11/02/22 21:55:51.18 lcvdwDJ50
メリー「ひ、ひどい!あなたがこんな身体に…うあぁぁぁっ!!」

男「あ?なんか言ったか?」



556:本当にあった怖い名無し
11/02/22 21:57:46.24 lcvdwDJ50
メリー「ひぎぃぃっ!ゆ、許して!許して下さいご主人さまぁっ!痛いのいやぁぁっ!!」

男「へへ、そのうちこれも自分から求めるように調教してやるからな!」



557:本当にあった怖い名無し
11/02/22 21:58:29.30 lcvdwDJ50
メリー「…うぇっ…。…ヒック。…ヒック。…助けて…、ママ…。」



558:本当にあった怖い名無し
11/02/22 21:59:15.14 lcvdwDJ50
 大型家畜用の特大浣腸器でお腹パンパンになるまでグリセリン原液を流し込んでから、おもちゃでそのアナルをさんざんなぶり、
さらに失神寸前の苦痛に耐えるメリーさんの可憐なオシッコ穴に、太いカテーテルを膀胱まで差し込んで膀胱浣腸を施す。


559:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:00:15.42 lcvdwDJ50
強烈な排泄感でブルブルと痙攣するメリーさんのガキ肛門に大人ペニスを根元まで挿入して直腸の最奥、
S状結腸を無理矢理直線にされて身もだえるメリーさん。


560:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:01:13.30 lcvdwDJ50
しかし口答えしたお仕置きに、オモラシを必死に堪えて強張った尿道に太い綿棒をぐりぐり突き立てられ
、さらに包皮をめくりあげられ、剥き出しになった可愛らしいクリトリスを男の太い指が情け容赦なくゴリゴリとしごきたて、
激痛に失禁&失神しそうなのを必死に堪えるメリーさん。


561:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:03:34.09 lcvdwDJ50
失禁したらさらに苛酷なお仕置きが待っている上、
失神したら記憶が無い間にどんな肉体改造をされるかと思うと、
気絶してその地獄のような拷問から逃れることも出来ず、
精神崩壊まっしぐらのメリーさん(長い…。)を描いてみました♪





562:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:04:47.98 lcvdwDJ50
あああ!可愛いいよメリーたん!



563:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:08:28.65 lcvdwDJ50
メリー「もしもし、私メリーさん。今あなたの後ろを、あれ?か、硬い!?」

T「ふっ、残念だったな。後ろのバージンは墓場まで持っていくつもりだ」



564:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:10:12.91 lcvdwDJ50
メリー「くっ!さすが寺生まれ!他の男とひと味違うようね!」

T「今度はこっちの番だ、破ーっ!!」




565:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:12:06.69 lcvdwDJ50
バキィッ

メリー「きゃあっ!私のペニパンが!?入れたままオシッコ注ぎ込める特注品が
!な、なんてケツ圧!」



566:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:13:44.63 lcvdwDJ50
T「さてと、悪い子にはお仕置きしないと」

その手にはピンクのアレ

メリー「ひっ!?な、なにそれ?なにする気なの?」



567:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:14:53.67 lcvdwDJ50
T「なに?って、イチジクっていったら浣腸するに決まってるだろ。もしかして
直腸洗浄もせずにアナルレイプを繰り返してたのか?」




568:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:16:06.52 lcvdwDJ50
メリー「え?私便秘なんて、やあっ!?やめて、許して!」

T「大丈夫、ちゃんと目覚めるまでたっぷり注ぎ込んでやるよ」



569:本当にあった怖い名無し
11/02/22 22:17:03.73 lcvdwDJ50
そういうと怯えるメリーさんのスカートに手をかけ、

 児ポ法に抵触する記述があったため削除されました。続きを読む場合はその場
で三回転したのち、1を英語で発音して下さい。



570:本当にあった怖い名無し
11/02/22 23:22:02.95 xi3KoVbV0
甘栗さん、おつです!続き待ってます
最近ではデビュー後、それっきりのパターンが二人程いたから
投下してくれると嬉しいすね

それにしてもレス番がとんでるのは何故


571:本当にあった怖い名無し
11/02/23 22:21:54.16 TyRCkuEM0
>それにしてもレス番がとんでるのは何故

白々しい。わざわざ煽るなよ。
スルーできないならお前も荒らしだよカスが

572:本当にあった怖い名無し
11/02/23 22:41:11.81 IDAMdvKM0
概ね同意だけど「カスが」で煽るなよ

573:本当にあった怖い名無し
11/02/23 23:08:30.40 lrWMJb0o0
カスとか以前に丸一日近く誰も触れずに放置していたレスに過剰反応すること自体どうかしてる

574:本当にあった怖い名無し
11/02/23 23:50:39.27 tZIVnxYk0
白々しいってなにが
レス番とんでて何が湧いたのかわかんないだけ
安易に煽りにつなげて考えすぎじゃないの?

もしや某氏の投下だったら、すまん
NGワードにはしてないはず…

575:本当にあった怖い名無し
11/02/24 01:53:39.67 pC+5D4wX0
さすがにこれは痛い

576:本当にあった怖い名無し
11/02/24 02:13:35.72 5i1DaF9r0
痛いと思っても荒れる元になるからちょっかいを出すなよ

577:本当にあった怖い名無し
11/02/24 06:13:17.67 2vCJbwfO0
メリーと赤緑は飛ぶ

578:本当にあった怖い名無し
11/02/24 08:26:30.44 IU3cXwqnO
上げるよゴミども

579:本当にあった怖い名無し
11/02/24 16:08:17.06 IU3cXwqnO
質問
パンティーとショーツはどう違うのですか

580:本当にあった怖い名無し
11/02/24 19:40:01.88 72dsPCzs0
>>574
>NGワードにはしてないはず…

NGにしてるからレスが飛ぶんだよ。それ以外に何があるって言うんだ?

581:本当にあった怖い名無し
11/02/24 21:07:52.76 NpQ7mhl60
可愛がってやれ♥

582:本当にあった怖い名無し
11/02/24 21:29:44.35 dsuvo6560
よかった。赤緑や稲男はNGワードにしてなかった
一度設定すると忘れんだよね
メリーがNGになってたけど何故設定したのか

583:本当にあった怖い名無し
11/02/24 21:30:42.35 dsuvo6560
自分のレスが非表示w

584:本当にあった怖い名無し
11/02/25 11:11:20.91 XS53Dpn90
なんとなく保管庫の管理人が嫌になって更新を放棄する気分が解った
これじゃあダメだ
さすがにウニだけじゃあどうしようもない
他の書き手の作品なんて保存するのもダリーだろうし


585:本当にあった怖い名無し
11/02/25 16:10:57.73 n5PdqZi/O
そーだね

586:本当にあった怖い名無し
11/02/25 16:20:46.76 8Oxi5fS20
まとめサイトの作り方を教えてください!><

587:甘栗 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/25 23:58:24.16 lyrUbYy20
こんばんは
遅くなりました
投げます

じゃ

588:ボラバイト 後 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/25 23:59:27.10 lyrUbYy20
寮に帰り、頂いた食材を使って何を作るか考えているときのことだった
料理本を参考にしようと思ったが見当たらないので、山崎さんを呼んでみたが返事がない。
部屋の戸は開け放たれていて中を伺ってみたがいないようだった。
さっきまでリビングのソファに座りながらテレビを見ていたはずだった。
先に風呂に入ったのかな?と思い、下の階も調べてみたが風呂場の電気は消えていてそれどころか一階は真っ暗であった。
仕方ないので私一人でパスタでも作るか、と思って階段を登って二階に戻る。

何パスタを作ろうか?
トマトがあるから挽き肉でもあればミートソース作れるなぁ
なんて考えながらソファでくつろぎながらテレビを見ている山崎さんの前を通り、冷蔵庫の中を物色し始めたとき今見た光景がフラッシュバックした。

いたじゃん、山崎さん

私は自分に呆れて振り返りながら
「山崎さんどこいたんですか?さっき声かけたらいないんで探しちゃいましたよ」

「す、すいませんトイレに行ってました」



589:ボラバイト 後 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/25 23:59:58.88 lyrUbYy20
トイレも見たんだけどな~と腑に落ちないながらもミートソースを作った。
初日どうでした?
山崎さんはどこの畑で?
などと1日の互いの仕事の話を交えながら夕飯を済ませた。

食ったあとの食器洗いや風呂を済ませて晩酌のビールをチビチビ飲んでいた。
たしさそんな飲んでいなかった気がする、飲んでいても2缶?その辺は曖昧だが、とにかく気付いたら夢の中だった。
不思議な夢や怖い夢は誰でも見ると思う。
一般的には精神状態が具現化してビジョンとなるのが夢らしいが私があの日みた夢は、なんとも形容しがたい異質なものであった。


590:ボラバイト 後 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 00:00:27.74 lyrUbYy20
ハッキリ覚えているのは真っ白な空間を一人称視点で見ているのに傍観的(?)でしばらくすると、馬や豚・北○○に来て見た鳥や草花が順々に出てくる。
そして個々に出てくる度にこんなふうに意志が伝わってくる気がするのだ
「助けてくれ」、と。

夢から覚醒して静かに瞼を開いてみると、夜が開け始めた青白い空を映す窓が目に入った。
「…あぁ、寝ちったあ。」と呟いて布団の中で伸びをした。
北の朝は冷えていてタルいのと、寝起きの頭をも少し覚醒させようと思い布団にくるまったまま窓の外を見つめていた。
綺麗な空気で育った健康的な木が見えた。枝分かれから生えた無数の葉は何れもが大きく立派で思わず見入っていた。
最初は無数の葉の集まりに見えた物は葉ではなく果物だと分かった

ブドウである。
実の大きなブドウが一房、細い枝から今にも切れそうにぶら下がっている。
おかしい、何かおかしい。合点がいかなく目が離せない。


591:ボラバイト 後 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 00:01:17.72 Y3deQ2+I0
何がおかしいって、なぜか一房しかブドウがぶら下がっていないしその一房は大小に、近づいたり離れたりしてる。
私は低血圧なもので朝の寝起きは体がフラついたりすることはあったが、もっと根本から決定的に"ソレ"を否定するものが私の頭を叩いた。

"ブドウはこんな高い木には生えない"

その瞬間、びくんっと体にシビレが走った。
体を起こそうとしたが脳の防衛本能がその選択肢を拒否した。
動いちゃ駄目だ、絶対に。
私はそれより過去に当時のDQNっぷりから寝込みを襲われる事もしばしあり、一緒に寝ていた女に刺されたこともあった。
その経験から自己を防衛するための勘の鋭さには自信があった。
その本能の勘が今は起きることを決してさせない。

ブドウを凝視した。
大小に近づいたり離れたりする、ブドウ。
それぞれの実が顔のブドウ。
そのどれもが違う表情をしている、悲しんでる顔に怒っている顔に、笑みの顔。正確には表情なんかなかったような気もするが、個々の意思を持っていた。
そして、山崎さんの顔だった。


592:ボラバイト 後 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 00:01:51.27 lyrUbYy20
その顔を確認した瞬間に私は啖呵を切っていた。
畏怖した心を誤魔化すようだったが、大小していたソレはどんどん小さくなり無くなっていった。
瞬間、布団を弾き飛ばし部屋の扉を突き抜けて階段を転がるように駆け抜けた。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
怖いのか何なのかとにかく「ヤバイ」という単語に捲し立てられ、私は靴も履かずに寮から逃げた。
寮から全力で走った
寝間着のまま靴も履かずに財布も何も持たずに。
とにかく離れたかった、不気味すぎたんですよあのブドウ。
敷地を抜けて堤防まで来てから立ち止まり振り返った視線の先には寮が見えた。自分の状態も見てさすがにこのままは無理だと思った。
頭の中にまだあのブドウがフワフワ浮かんでいた。
不気味で鳥肌が立つ、耳の裏に冷たさをおぼえた。
そして大事なことにやっと気付く。
怖さでなく、不気味さだった意味。
胃の中から自分に対する憤りが突き上げてきた。

来た道を急いで戻る。


593:ボラバイト 後 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 00:02:22.39 lyrUbYy20
戻る時は、もう先程よりは冷静だ。
しかし、逃げたときより少しでも速く走った、何かがそうさせたのだ。
走って纏った風が急げ急げと身体を押す。
目をしっかり見開く、流れる景色はどれも無機質だった。
お願いします、
お願いします、
お願いします、
希望なんてない
助けてほしかった。

寮に入り階段を駆け上がった
お願いします、
お願いします、
お願いします…
乱暴に誰かの部屋を開け放つ。

遅かった。

いや、遅かったのかどうかも分からない。

あの頃の私はあまりに無力だった。
鈍感で自分本位で、無責任だった。


荒れた呼吸で肩で息を切らし、
拳を握り締めて
突っ立ったままブドウを見つめていた。

594:おしまい ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 00:03:28.21 lyrUbYy20
この話はおしまいです

ではまた。

595:本当にあった怖い名無し
11/02/26 00:03:31.86 NYeW8ALG0
せっかくのオカスレなんだから、霊感を獲得して
自らの体験をアップしてくんないかなー
自分はココロが暗黒だから、霊感得るのはヤバい

596:本当にあった怖い名無し
11/02/26 00:11:58.46 NYeW8ALG0
>>594
おつでした!
甘栗さんが投下中とは知らずにレスしてしまった

ブドウが山崎さんになってって、その後の怖がりぶりが不気味だった
これで終わっちゃうの?


597:本当にあった怖い名無し
11/02/26 04:32:34.31 uexhQPcq0
>>596
山崎さんが首吊ってたってことかな。
と、私は解釈した。

598:本当にあった怖い名無し
11/02/26 05:04:29.79 RaFgCHbO0
甘栗乙と言わせて頂く!

599:本当にあった怖い名無し
11/02/26 09:23:42.58 NYeW8ALG0
甘栗さん、次作もよろと言わせて頂く

山崎さん死んじゃったのか?!

600:本当にあった怖い名無し
11/02/26 15:35:56.61 Bl+3KMiTO
つまりザキヤマさんは葡萄の精だったのか…

601:甘栗 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:12:32.69 IRCk8Gvq0
こんばんは。


投げます。

602:忘却 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:14:50.73 IRCk8Gvq0
私が26の頃の話。
ある人物の法事に行くことになった。

その人は私にいつも
「力の向けかたが間違っている、直しなさい。」
と諭しながらも、色々な出来事を共にした人である。彼と出会ったきっかけは後日お話するとして、彼と私は例えが難しい関係だった。
同じ趣味を持ちながら違う考えと違う道を歩んでいたが兄弟のような感じ。

法事が終わり、故人に名残惜しさを感じながら駅に向かって住宅街を歩いていた。
季節は冬の終わりだった。その日のぽかぽかした天気の日差しと気温が、さっきまでの哀しみとは対照的に気持ちよく、

「春が来くるぞ。」

とそこにいそうな彼に呟いた。
平日なのに人通りがちらほら見えて、主婦が集まって談笑していたり母子が仲良く歩いていて割合賑やかな住宅街だった。
その賑やかさが喪服の私を余所者と追いやってるような感じがして、私は胸がチクリとしながらも駅に向かい歩いていた。

住宅街から商店街に出て歩いていると駅の南口が見えてきた。
学生や会社員に溢れていて何も変わらない日常をどこか遠目で眺めると
「それでも地球は廻っている」
という誰かの言葉が頭に浮かんできた。

603:忘却 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:16:55.49 IRCk8Gvq0
二十代前半までどうしようもない人間だった私は、更正したとは言っても他人に興味も無ければ、感情も乏しい人間だった。
しかし今、胸にあるその人だけは私には特別でありまるで恩師の死を哀しむような気持ちだった。
その人との色々な出来事や思い出を、目の前の駅に繋がる横断歩道の信号待ちに考えていた。
生前、あの人の言う通りの生き方をしていたら何れだけ今の私は違ったろうか。あのときも、あの日も
あぁ、あの日もだ…。
悔やんでも取り戻せない過去がそこにある。

信号待ちしている隣では、私の肩にも満たない女子高生が汚いメイクと茶髪の渦巻きウ○コみたいな髪型で、ストラップだらけの携帯電話で脳タリン丸出しのバカな会話をしながらゲラゲラ笑っていた。

その笑い声は私自身と私の感傷や後悔の気持ちを嘲笑うようで非常に気分が悪くなった。

チッ
と舌打ちをしたのと同時に信号が青になるのを確認して横断歩道を渡った。


604:忘却 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:19:02.14 IRCk8Gvq0
渡っていると、横断歩道の真ん中にうずくまっている奴がいた。
不安と怒りを抱き、そこに留まる残留思念。

以前事故がここにあったのであろうと思いながらも素知らぬふりで反対岸に渡りきった。
渡ったとこに信号の柱があり、そこには花束と菓子を見た。
合点する。柱に添えられた花束は少し古そうだが菓子は新しかった。

今の私と同じにいつまでも故人を胸に留める人が来ているのか、と思いズボンのポケットに無造作に突っ込んだ両手を出し、
その場で両手の親指と人差し指で円を作り、三回切っておいてあげた。

喪服で不審なことをしていた私を怪訝そうに見つめている交番の駐在さんに気付き、
「質が悪いんだよ、あんたたちの方が。」
と呟き、中指を立ててやってから駅に入った。

切符を買ってベンチに座り、ホームで電車を待つ。

電子時刻表で次の電車を確認しながら、頭と心で彼を追ってる自分がいる。
ああ、これではいけない。
生前、関東の心霊スポットに二人で行った帰りの帰路、闇を走る車の中でこんな話しをしたことがあったのである。
お互いが所謂"死"を迎えてからどうして欲しいかについて。


605:忘却 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:21:15.98 IRCk8Gvq0
その頃は私は命の終わり方なんて考えた事もなかった。今現在呼吸をしていて頭で物を考え、身体で動いているのに何故、いつ死ぬか分からない事について怯えて悩む必要があるのか?
その時は、その時だろ。

「如何に今を生き抜くかだろ、下らない。」

私のその答えに対して彼はこう言ったのである。

「僕もしばらく前までは、納得のいく生き方をすることだと思ったものです。しかし、人間の欲と業には際限がない。」

「貧乏な子が将来お金持ちになりたいと思い、仮にお金持ちになったとして次は何を求めるのか?
そのお金を私欲のために徹底的に注ぎ込むことです。自分のため、友達のため、もしくは赤の他人のため。目的は何であれお金持ちを夢みた人はお金を使います。
しかし、次の夢には辿り着けますか?仮に辿り着いたとしても、また次を求めるでしょう。
その陰には幾人の犠牲があるのでしょうか?」

宗教を説きやがって。
こいつも結局は体裁を気にしやがって核を見ないのか。と、うんざりしたが、あのときのハンドルを握りながら彼の表情と声色が私にでもなく彼自身にでもない、何処かのだれかに説くようで黙って聞いてみることにした。


606:忘却 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:24:03.21 IRCk8Gvq0
「どこまでも高く突き進もうという志は立派であり、個人の生きる糧にもなりますが、究めることは同時に破綻に近づくということでもあります。
周囲を犠牲にして業に支配され続けても究められないものは、追いすがらないことです。」

欠伸が出そうになった。
彼が非常に小さくか弱い華奢な虫けらに思えてならず、逆転の機会を与えてやるつもりでその時は訊いてみたのだった。

「じゃあさ、あんたの持論が出す命の極めつけはなんだい?」

外灯もない夜の山道を慎重に運転する彼に対して、
半ば挑発的な口調で顔を覗き込みながら言葉を返した。
さて、どうなんだ虫けら。善人染みた説法の極めつけを教えてくれ。



607:忘却 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:29:03.58 IRCk8Gvq0
暫くの間があってから表情を変えずに、ふぅっと息を吐いて彼は静かにこう言ったのだった。

「どのように死ぬかです」
顔を覗き込んだまま、すぐには何も応えられなかった。
人間の欲には際限がなく究められない、究め続けたとしても死に様と経緯が究めた果てに無関係の死なら、それは個の命の結果としてはあまりに儚く、意味を為さない。
ならば、産まれてから駆け抜けた個の命の価値を、抜け殻となっても世に植え付ける為に、いかに立派な死を遂げるか。
死ぬ為に生きるのではなく、生き抜いた命の為に死ねということか。

この当時はこの程度の解釈で終わった。
しかしあの時私は結局何も反論せずにただ、同じように静かに
「そうかもな。」
と返しただけだった。
それからは二人とも何も喋らずに黙っていた。
しかし彼のその言葉は、私に少なからず影響を与えていくのである。

ホームのベンチで一人その事を思い出していた。
電車は何本も目の前から流れた。

求めるな!…彼を追いかけるな!

頭を抱え強く厳しく自分を叱咤しながら嗚咽がこぼれた。
俺はあの日、十何年かぶりに誰にも知られずに涙を流した。



608:甘栗 ◆yiy.Auz2Ss
11/02/26 22:31:14.29 IRCk8Gvq0
この話は
おしまいです。

ではまた。

609:本当にあった怖い名無し
11/02/26 22:33:41.57 Bl+3KMiTO
電波すなぁ

610:本当にあった怖い名無し
11/02/26 23:51:05.74 KHUZpLznO
電波同意
しかし後の伏線のようにも見える

611:本当にあった怖い名無し
11/02/27 01:21:08.00 /1J2Z0/U0
連日のアップおつー
なかなか頭にするっと入ってこないんだけど、そこが狙いなのかな

612:本当にあった怖い名無し
11/02/27 06:27:42.14 xqz0CzR30
電波なのか、頭が良すぎるのか。
紙一重だね。
でもまた読みたい。
乙でした。

613:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:14:02.86 95cnxL1e0
「私、メリーさん。今、公園の前にいるの」
「……は? えっと誰だか知らないけどゴメン、これから新潟に出張だからそれどころじゃないんだ」



614:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:15:22.64 95cnxL1e0
「私、メリーさん。今、大通りにいるの」
「メリーさんって、あの怪談の? ……こっちはもう東京駅だぞ? いいから今回は諦めろって」



615:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:16:03.72 95cnxL1e0
「……そんなこと言って、逃げる気でしょう……?」
「そんなことしないよ。久々にオレも逢いたいしさ。お土産何がいい?」



616:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:26:42.39 95cnxL1e0
「嘘……暗い箱の中に閉じこめてそのまま捨てたくせに……」
「母親が勝手にしたこととはいえ、ゴメンな。辛かったよな……」



617:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:36:52.94 95cnxL1e0
「貴方の母親のせいなの……」
「でも恨むなら俺にしてくれよ。母親なりに俺のことを考えてのことだし」



618:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:39:45.36 95cnxL1e0
「私メリーさん。いま東京駅にいるの」
「まだ追ってたのか? バカ、もうこっちは時速200km以上出てるんだぞ?」




619:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:43:56.88 95cnxL1e0
「どうして私を捨てた母親を庇うの……?」
「……さあね、俺も大人になったってことかなぁ? それにさ、母親のためだけじゃないよ」



620:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:51:26.38 95cnxL1e0
「どういうこと……?」
「メリーに逢いたいから。……俺、お前が捨てられて、必死になって探したんだぜ?」

621:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:52:34.70 95cnxL1e0
「本当……?」
「母親に掴みかかって親父にぶん殴られてさ。『男のくせに―』って言葉は卑怯だよなぁ……」

622:本当にあった怖い名無し
11/03/01 19:57:43.75 95cnxL1e0
「痛かった……?」
「覚えてないな。それより、もうお前と一緒にいられないってことの方が、ずっと辛かったよ……」



623:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:00:25.09 95cnxL1e0
「私、メリーさん。……あの……どの電車に乗っていいのか……わかんなくて……」
「……なあ、絶対帰ってくるしさ、仕事頑張って、少しでも早く帰ってくるからさ……」



624:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:04:46.52 95cnxL1e0
「ダメなの……追いかけられるのは一度だけなの。諦めたら、もう……消えちゃうの……」
「そんな……嘘だろ、せっかく逢えるのに、初めて声聞けて、可愛くて嬉しかったのに……」



625:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:07:48.12 95cnxL1e0
「私も逢いたいっ……ずっと、ずっと願ってた……それがいつしか呪いになってしまったけど……」
「……追いかけて、くれるか? 新潟まで……それで……たくさん話をして、たくさん遊ぼう……」



626:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:10:33.05 95cnxL1e0
「……お膝に乗せてくれる?」
「うん」
「頭をなでてくれる?」
「うん」
「ぎゅって、抱きしめてくれる?」
「うん」


627:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:14:53.64 95cnxL1e0
「好きだよって、言ってくれる?」
「うん」
「……キス……してくれる……?」
「……うん。何度だって、ずっとだってするよ」



628:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:16:10.22 95cnxL1e0
「うう……ぐすっ……逢いたい……逢いたいよ……」
「待ってる。……新幹線のホームを探して。他の電車とは少し違う場所だよ」



629:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:21:18.81 95cnxL1e0
「……私、メリーさん。いま、新幹線に乗ってるの……」
「……そっか。……なあ、せっかくだから昔の話しようか……」



630:本当にあった怖い名無し
11/03/01 20:35:52.22 95cnxL1e0
その日、新潟のとある会社に、古びた人形を大切に抱えて出張してきた会社員がいたらしい。
また、後日同じ地域で、夜な夜な美しい少女に変身する人形と青年との愛の逢瀬の寓話が生まれるのだが、
それが人形を抱えた会社員の噂と関係しているのかは、今なお明らかになっていない。おしまい。




631:本当にあった怖い名無し
11/03/01 21:39:31.93 qagYW2Jt0
今期も禁書目録が安定の面白さ
スパロボOGも盛り上がってきた
ドラゴンクライシス、ゴシックは及第だが展開が唐突で盛り上がりに欠ける
ゾンビも毎週見てる

他は1話で全部切った


632:本当にあった怖い名無し
11/03/01 22:33:50.54 qmZelYQV0
メリーさんも切っちゃたかぁ...

633:本当にあった怖い名無し
11/03/01 22:35:41.79 h4jfDQtu0
スパロボとか絵がキモイじゃん

634:本当にあった怖い名無し
11/03/01 23:55:39.23 wuMoHZCa0
わかりにくいわ・・・w
オカ板なんかじゃwww

635:本当にあった怖い名無し
11/03/02 12:56:20.73 w/IysxHI0
甘栗乙

636:本当にあった怖い名無し
11/03/02 19:06:46.39 DPjZ0TJM0
どのように死ぬかは古来日本人の根本的な死生観だったような気がするな
なんか今は命が大事長生きが大事ばっかでしょ
死を教えてないっつーか

637:本当にあった怖い名無し
11/03/02 21:53:26.06 rKTlWyhA0
死に様を決めた時、自ずと生き様が決まってくる
時世の句が自らを律することになる

638:甘栗 ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:04:06.86 c90ORin00
こんばんは。
遅くなりました。

投げます。

639:芽生え ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:06:23.40 WPjaR5G80
私が霊的な存在を視るようになりだしたのは成人式を迎える少し前である。
中学の頃から地元の心霊スポットに友人や先輩と遊びに行ったりしていたが、その頃までは気配は感じても視ることはなかった。
私が彼等を視るきっかけをお話したいと思う。

当時私は著しく自己の人間性を腐らせる生活を送り、またその時間を謳歌していた。
そんなある夜のことである。
毎晩のように毎晩いくクラブへ、繁華街をフラフラしていた。
黄色・黒色・白色のありとあらゆる人種が活きている夜の街を我が物顔で闊歩し、そいつらで私腹を肥やすのが当時は気持ちよかった。
ビルや飲み屋に溢れる車のネオンが煌めき、今夜も涎のこぼれるような出来事が来るのだと思うと瞳孔は開き、歩く速度が早くなる。
クラブに潜る前に酒を少し入れようと、交差点に面してるコンビニエンスストアに向かった。

640:芽生え ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:08:33.90 WPjaR5G80
コンビニの中もあらゆる人種、あらゆる人がいる。
仕事帰りのOL、黒人、イラン人、そのイラン人と握手して嬉しそうなジャンキー、バカな女。
私はそいつらを尻目に昨晩と同じように、一昨日の晩と同じように、先週と同じようにスミノフを無言で貰った。
そしてコンビニを出たとき、このコンビニから出たときが私が彼等を視ることになったきっかけである。 なんの面白みも特別なものでもなく申し訳ないが、本当にこれがきっかけだったのである。

コンビニの自動ドアが開き、酔っぱらいとぶつかりながら外へ出て、スミノフの蓋を開けて渇いた喉を潤した。
さてどこのクラブへ行くかな、と考えながら何の気なしに夜空を仰いだ。   
最初は珍しく星が見えるなと思ったのである。
頭上の辺り一面にビルのネオンが光り、そのまた上は都会の汚い夜空が浮かぶ。私が見上げている上空だけ集まってるように星があるのである
まるで、そこにだけ星を撒いたかのように。
 

641:芽生え ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:10:37.05 WPjaR5G80
コンビニの向かいにあるガードレールに腰を掛け、スミノフを口に運びながらそのおかしな星の集まりを観察した。
私は今も昔も天体には興味がないのだが、あの時は吸い込まれるようにそれを見上げていた。
周りではpcのサイレンや酔っぱらいの奇声や、黒人の呼び込みや色んな雑踏がざわめいていたはずであるが、その時の私の耳には何も届かなかった。
いつしかスミノフを飲むことも忘れてそれを観察し続けたのである。

暫く見ていて、だんだん周りの雑音が耳にじんわり戻ってきた頃、それが星ではないことに気づいた。
遥か上空で何重にも円を描く、アシのウラを見上げていたのである。
それに気づいた私は、アシのウラを視界から逃さないように、アシのウラの真下から右側にある短い横断歩道を渡って、アシのウラから斜め下に移動した。

ビルの壁に寄りかかり、思い出したようにスミノフを一気に喉へ流し込んでから煙草に火を着けて、落ち着かせるように深く吸い込み煙を吐いて観察を続けた。   

642:芽生え ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:12:39.01 WPjaR5G80
斜め下、つまりアシのウラは今斜め上の上空にある。私は数分前まで楽しみにしていた毎晩の時間を放り投げて、アシのウラに釘付けになっていた。
何の前触れもなく私の日常に現れたそいつは、完全に私を虜にした。
意味は解らなかった、正体も不明だった。
だからこそ、あの瞬間私の心を完全に掴んだのだった。
何本目かの煙草に火を着けた時、周囲にじんわりと嫌な湿気のようなものが漂い始めた。
目が"肥えてしまった"のである。
アシのウラから先が視え始めて、それにともない見上げる目線の位置が下がっていった。
降りて来るというよりは駒送りしたみたいに下に来る感じ。
沢山のアシのウラは、今では10階建てのビルの高さに在り、しっかりとヒトガタになり空中を漂い始めた。



643:芽生え ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:14:44.47 WPjaR5G80
視て視ぬふりで逃げようと思うが動けなかった。
頭は危険信号を身体に伝達しているが、心が反応しなかった。
私の周りでは、毎晩と変わらぬ繁華街がそこにある、何も知らずに賑やかで楽しそうで。
誰も異変に気付かない。
まるで、私のことさえもが見えていないようであった。
ヒトガタの空気はますますリアルになり、私の周りで歩く人々と同じ姿形になった。私の目の前にいるモデルのような白人の二人組の女性と、その近くにいる体格のいい日本人とその友人に姿形がまるで同じモノが空中にいる。
私は恐ろしくてしかたなかった。

もう、人を餌に生きるのはやめます、しっかりと生きていきます。
無意識に頭でそう思った。
じんっじんっと頭痛がし始めて、冷たい汗が幾つも額から流れた。
空になったスミノフの瓶を強く握った手にも汗がすごかった。


644:芽生え ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:16:49.26 WPjaR5G80
非常に長い時間に感じた。私の目の前に映る人は何人も変わり、ななめ上の上空でも変わった。
私に何の危害も与えない現象は何時までも続いた。
心身を強張らせる緊張状態が長く続き、身体を支える脚が震え出した頃、ななめ上に見覚えのあるヒトガタが通った。

「今、僕を視ましたか?」
微笑んで問いかけた彼に、言いたいことや聞きたいことが沢山あったが言葉にできず何度も頷いた。
助かった、やっと助かったと思い何度も頷く私の腕を肩に回し、黙って歩き出す彼が地獄で仏におもえた。
「人の欲が集まる場所ではよくあることです。
しかし、僕が思ってたよりあなたの芽生えが早かった。」

言わんとしてることは朦朧としながらも解ったが、なぜこの街に彼がいるのか不可解でしかたなかった。
私の腹を読んだかのように彼はぼそっと、
「用事があって、通りかかりました。」
と言った。

何が用事だよ、あんたみたいな真面目くさった人がこの街に用事なんかあるわけないだろ。
言ったつもりだが、やはり言葉にならず、彼の車で自宅に送ってもらったのだった。


645:甘栗 ◆yiy.Auz2Ss
11/03/03 00:18:59.56 WPjaR5G80
おしまい。


ではまた。

646:本当にあった怖い名無し
11/03/03 04:29:14.37 Q7RWZhI+0
なんか抽象的すぎて、読解力ないから辛いわ
ともかくおつ

647:本当にあった怖い名無し
11/03/03 08:48:17.91 uiaWTRb9O
もう終わりにすれば、けのスレ?

648:本当にあった怖い名無し
11/03/03 09:53:41.77 ibsiWN1DO
毛のスレ

649:本当にあった怖い名無し
11/03/03 11:13:17.06 r2u9xOuQO
じゃあもうハゲ板に移動だな

650:本当にあった怖い名無し
11/03/03 14:54:35.08 jnBQYdWl0
>>645
このレスがイラつく
人気作家気取りなのか?もう来んなよ

651:本当にあった怖い名無し
11/03/03 14:56:37.34 jnBQYdWl0
ああ、>>638の前置きもイラン。わざわざレス分けて言うことか?つーか誰も待ってないのに「遅くなりました」とかなんなの?
誰がお前の話を首を長くして待ってるんだよ?

こういうところもウニの真似なんだよな。同一人物が次々とコテ変えてるのか、ただのパクリなのか知らんが消えろ

652:本当にあった怖い名無し
11/03/03 15:24:07.41 UOKu8nNS0
>>651
読みたくないならNGワードにでも突っ込んでおけ。
消えるべきは書き手じゃなくてお前だよ。

653:本当にあった怖い名無し
11/03/03 16:47:24.80 LtsE2F7v0
書き手を叩いて追い出してスレを潰したいんだろうな

654:本当にあった怖い名無し
11/03/03 23:22:09.64 KfSluKyj0
お空にお星様と思ったら無数の足の裏で、それが段々降りてきて人型になった
そんな感じ?

655:本当にあった怖い名無し
11/03/03 23:34:51.51 iElQCJ4A0
完全にシャブ中

656:本当にあった怖い名無し
11/03/04 10:30:19.85 GMVfjgdP0
最後の数行だけ適当に見ただけなんでよくわらないけどまたスーパーヒーローに救われる話ですか
いつになったら仮面ライダーに変身すんの?ドラゴンボールは何個めっかったの?


657:本当にあった怖い名無し
11/03/04 12:20:12.77 9fqeVs+e0
6こ

658:本当にあった怖い名無し
11/03/04 15:42:22.08 ptbdqbC70
「私メリーさん。今家にいるの。プリン買ってきてくれない?」
「……イタズラ電話か?」


659:本当にあった怖い名無し
11/03/04 15:47:32.31 ptbdqbC70
「イタズラじゃないの。メリーさんなの」
「……アレか? 怪談の」


660:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:10:11.35 ptbdqbC70
「そうそれ」
「なんで俺にかかってくるんだよ。しかも微妙に聞いてたのと違うし」


661:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:14:41.73 ptbdqbC70
「うっかりして、電話する前にさっさとついちゃったの」
「なんでやねん」
「そしたら誰もいないし、歩いてきたから疲れたし、丁度いいかな、って」


662:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:16:46.56 ptbdqbC70
「なんでやねん」
「そしたら誰もいないし、歩いてきたから疲れたし、丁度いいかな、って」
「なんでやねん。っつうか、家ってどこだよ」


663:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:21:14.28 ptbdqbC70
「あなたのうち」
「なんでやねん!?」
「だって、メリーさんだから」


664:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:24:16.60 ptbdqbC70

「……もういい。買ってきてやるから、大人しく待っとけ」
「駅前の有名パティシエがやってる店のでよろしくなの」


665:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:28:41.43 ptbdqbC70
「贅沢言うなっ! っていうか、仕事終わってからだから店しまっとるわっ!」
「仕事と私……どっちが大事なの?」
「仕事だよ! ってかここでお前のが大事だよって言う奴いたら怖いわ!


666:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:31:37.11 ptbdqbC70
 怪談とか以前の怖さだよっ!」
「ぶー、なの」
「……気づけば、何か普通にプリン買って帰るつもりになってるんだが、俺」


667:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:33:47.46 ptbdqbC70
「ラブなの?」
「なんでやねん!? 電話一本会話数分で愛が芽生えるかっ!
 っていうか冷静に考えたら色々怖くなってきたぞおいっ!?」


668:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:35:14.04 ptbdqbC70
「怖がらなくていいの。初めては誰にだってあるの……うふ」
「……ツッコミ疲れたし、仕事もあるし、切っていいか?」
「うん」


669:本当にあった怖い名無し
11/03/04 16:37:21.35 ptbdqbC70
「とりあえず、プリンは買って帰ってやるから、大人しく待っとけよ、ホントに」
「うん。家捜ししながら待ってるの」



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