【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ16【友人・知人】at OCCULT
【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ16【友人・知人】 - 暇つぶし2ch295:本当にあった怖い名無し
11/01/25 10:46:01 2MyHn/d4O
>>293
乙、面白かった
今後の展開に期待

296:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:36:00 /DHP8l300
[後日の人々]

1/16
副会長の別荘での一件があった翌日。
私―汐崎祐一は、ある決意を持って家を出た。

あの日、地下室に囚われていた私たちは、思いも掛けない人物―事務の三島さんに助けられた。

そして彼に連れられて1階の部屋に行くと、そこには神尾美加が1人で座り込んでおり、更にその隣の部屋には、何と源川会長が私たちを待っていた。

副会長や、その部下の姿はどこにも見当たらず、私の頭は混乱するばかりだったが、会長自らが事の顛末を説明してくれた。

しかし、その話の途中で往来会本部が全焼したことを知り…その中に真奈美が居た、という事を聞いた時点で、私はショックの余り、気を失ってしまったのだった。

…そして気が付いたのが、今から数時間前。場所は自宅。
既に夜も明け、時刻は昼過ぎになっていた。

目を覚ました私のすぐ傍には、三島さんからの手紙があり、その中で、彼が私をここまで届けてくれたことと…真奈美が無事であることを知った。


297:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:39:20 /DHP8l300
2/16
そして、丁度手紙を読み終わる頃に、真奈美が帰宅。

私達は思わず抱き合って喜び…不覚にも、娘の前で涙を流してしまった。
真奈美がわんわんと泣くので、貰い泣きだ。うん。

それから、真奈美は私が居なくなってからの事を教えてくれた。
それは私にとって、衝撃的な話だった。

古い友人である牧村陸が既に亡くなっていた、ということもそうだが…それ以上に、本部長のことにショックを受ける。

彼女が、真奈美のためにしてくれたこと。
その全てを知った私は、言葉を失う。

心の底から謝りたい。
それ以上に、感謝したい。

そう思って、私は真奈美と共に家を出た。

行き先は―本部長が入院している病院だ。


298:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:42:48 /DHP8l300
3/16
病院までの道のりで、私は三島さんの手紙のことを考える。

あの手紙には、本部の火事跡からは1体の焼死体―藤木徹の死体が見つかった、と書いてあった。
しかし、遺体の詳細についての報道はまだされていない。家を出るときのニュースでは、身元は不明と言っていた。

三島さんは何故、死体の身元を知っているのだろう…?と思ったが、私は、その点については深く考えないことにした。
私は元々そんな性格だし、相手はあの三島さんだ。
会長と繋がりがあることが分かったので、きっとそこから得た情報だろう、と思うことにした。

そして、目的の病院に着く。

真奈美「お父さん、ちょっと…」
すると真奈美が、持ってきたお見舞いの花を抱えながら、私をジロジロと見てくる。

私「どうした?まだ何か…変か?」

今日は仕事でも何でもないので、スーツではなく、普段着だ。
それも、家を出る前に真奈美にあれこれと厳しいチェックを受け、納得するまで何度も着替えさせられ、やっと決まった服だ。

真奈美「うーん…まぁ、大事なのは中身よね」

うんうん、と1人で頷きながら言うと、真奈美はさっさと病院に入っていってしまう。
何のことやらだか…やけに楽しそうだな。


299:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:46:31 /DHP8l300
4/16
本部長の病室は、3階だった。
真奈美は本部から救出され、怪我や異常が無いか検査を受けた後も、ずっとこの病院に…本部長と一緒に居たらしい。
でも一度家に帰るように言われ、そこで私と会い、また戻ってきた、という訳だ。

真奈美「ここ、ここ。沙織さんの部屋、個室なんだよー」

私より先行して廊下を走って行き、1つの病室の前で立ち止まる真奈美。
そういえば…真奈美は、本部長の事を下の名前で呼んでいる。
ほんの数日でそこまで親しくなったのかと、驚いてしまう。

真奈美「沙織さーん、ただいま~」
そう言いながら、部屋に入る真奈美。

高城「…おかえりなさい、真奈美ちゃん」

部屋の中から、本部長の声が聞こえてくる。
病院でただいま、おかえり、とはねぇ…と思いながら、私も真奈美に続いて部屋に入る。

火事から救出されたので、それはそれは痛々しい姿を予想していたが、ベッドで半身を起こしている本部長は、左手に包帯を巻いているだけだった。
その姿を見て、私は心の底から安堵する。

私「本部長、この度は―」
そしてすぐに、準備してきた挨拶をしようとする。
が―

高城「あ、祐一さん…」


300:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:50:24 /DHP8l300
5/16
私「…はい?」

高城「…あ」
突然、真っ赤になって顔を伏せる本部長。

…何だ?
いきなり下の名前で呼ばれたぞ…?

私「あ、あの…」
何を言おうとしていたか、頭から綺麗サッパリ抜けてしまい、言葉を失う。
謝るのだっけ?お礼を言うのだっけ…?

真奈美「お花、ここに飾っておくねー」

固まってしまった大人2人を尻目に、真奈美がちゃっちゃと花を飾る。
そして、「それじゃ、後はよろしくー」と言い残し、止める間もなく部屋を出て行ってしまう。

最後にこっそり、「私はOKだからね」と、謎の耳打ちをしてから。


301:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:53:45 /DHP8l300
6/16
真奈美が出て行き、急に部屋の空気が変わってしまった。

まずは落ち着いて深呼吸をし、まだ真っ赤になって下を向いている本部長に、声を掛ける。

私「あ…あの、本部長…」
高城「…」
私がそう呼ぶと、本部長は何か意味ありげな目でこちらをジッと見てから、プイとソッポを向いてしまう。

その仕草で、私はとてつもなく重大な”可能性”に気付く。
この私が、自他共に認める鈍感さを持つ私が、気付いたのだ。
何しろここ数日間、私はずっと本部長のことを考えていた。…いろいろな意味で。
そして今、ほんの一瞬だが目で会話をしてしまい、そこからとんでもない言葉が伝わってきた…ような気がした。

だがしかし、待て。
これが勘違いだったら…かなり恥ずかしい事になるぞ?
いい歳したオジサンが、何言っているの?歳の差ってものを考えなさいよって事になる。

ここは慎重に…と思い、改めて彼女を見る。
そこには、命を掛けて真奈美を守ってくれた本部長が居る。
真っ赤になって、拗ねるように俯いて―…あれ、こんな人だったっけ?

…何だか、慎重になんて、言ってられなくなってきた。
私は男として…今、勝負を掛ける時が来たのじゃないか?真奈美はOKなのだ。

私はありったけの勇気を振り絞り、真奈美と同じように、彼女の名前を呼ぶ。

すると彼女は顔を上げ、今までに見たことの無い笑顔を見せてくれた―。


302:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:55:28 /DHP8l300
7/16

「それで、往来会は解散ってことか」

神尾さんの家。
毎度女の子の部屋に集まるってのは、どうかとも思うが…ここがすっかり俺達4人のたまり場になっている。

そこで神尾さんの口から、彼女が昨日体験したことが語られた。
神尾さん自身、何故霊感を求めていたか、という理由についても含めて。

昔の彼氏の話もあったので、北上は複雑な顔をしていたが…
何年も前のことだし、こいつはそういうことを気にする男ではない。…確かそうだ。

神尾「うん。源川さんはそうするって。それで、また新しい会を開くみたい」

会を開くって言うと、なんだかお楽しみ会みたいに聞こえる。

神尾「今度は前の本部長…高城さんを中心に、往来会に居た人を集めるって言っていたわ」
北上「ほぉ…」

まぁそうしないと、突然の解散で仕事を失った人が可哀想か。
それに、元々そのつもりだったような感じもする。


303:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:57:18 /DHP8l300
8/16
古乃羽「あのさ」
神尾「んー?」
古乃羽「その…源川さんが言っていた”あの方”って、やっぱり…舞さんのことかな?」
神尾「うーん…確認はしてないけど、多分、そうだと思う」

往来会の会長、源川さん。
その名前は俺も知っていた。あの小女―優理ちゃんの母親の旧姓だ。
その人と姉貴は、何か関係があるみたいだが…詳しい事は神尾さんも知らなかった。

古乃羽「舞さん、どうしているのかなぁ…」

心配そうに呟く古乃羽。
…ここは、早く話しておくかな。

俺「あー…後でと思ったけど、姉貴のことでちょっと」
神尾「何?」
古乃羽「連絡あった?」
いい喰いつきだ。

俺「連絡というか…昨日の夜に電話が掛かってきて、1つお願い事をされてさ」
古乃羽「どんなこと?」

俺「簡単なことだったよ。今からすぐに、往来会の本部前に行って…ブザーが聞こえたら、「中に人が居るんじゃないか?」って叫んで欲しい、ってさ」


304:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 09:59:25 /DHP8l300
9/16

立派に務めを果たした雨月君と、今回、ほとんど何もしなかった北上が帰った後…

私は、古乃羽からお説教をされていた。

古乃羽「―いい?今度勝手なことしたら、ほんとに許さないからね?」
私「はい…反省しております…」

ラット君を抱きながら正座をし、小さくなる私。
こんなとき、ラット君はちっとも私を守ってくれない。
流石の彼も、古乃羽の雷は怖いとみえる。

古乃羽「ハァ…もう、いくら言っても言い足りないわ」
お茶を飲みながら、母親のような事を言う古乃羽。

私「あの、少しご休憩を…肩でもお揉みしましょうか?」
古乃羽「ム…」
私「あ、冗談です…」
古乃羽「ん、もう…」
ため息混じりに、呆れた声を出す古乃羽。


305:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 10:01:56 /DHP8l300
10/16
古乃羽「ところでさ」
私「ん?…あ、はい?」
古乃羽「もう普通で良いってば。あのさ、桐谷さんってどうするのかな」
私「どうって…」

あの別荘で会長さんを交えて会ったとき、彼は自分の境遇…壷を求めた理由を、私に教えてくれた。
その内容は、古乃羽たちにも伝えてある。

私「私に「ありがとう」って言ってくれて…これからお兄さんのお墓に報告に行って、後はそれから、って言っていたけど?」

古乃羽「そうじゃなくて、舞さんと何か…とか」
私「舞さん?…あぁ」
古乃羽は、2人の仲を疑っているわけだ。

桐谷さんの話では、壷のことで兄を訪ねて来た舞さんとは面識があり、兄が亡くなった後でも、何度か相談をしていたらしいけど…

私「古乃羽が考えているようなことは、無いと思うよ?」
残念ながらそれだけの仲です。と、桐谷さんは言っていた。
そこには、特に深い意味もなさそうだった。

古乃羽「そっかぁ…」
何故か安堵の表情の古乃羽。

舞さんも大変ねぇ、と、私は毎度のごとく思うのだった。


306:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 10:05:11 /DHP8l300
11/16

都会から少し離れた、郊外にある家。
今は私が1人で暮らしている、源川の家。

三島さんに送ってもらってから、私は居間で1人…間もなく来るであろう訪問者を待ちながら、物思いに耽る。

約20年前…
妹の容子と、その息子の暁彦が、壷の呪いを受けた。

容子は倒れ、暁彦は…壊れてしまった。

私は容子のお見舞いに行ったとき、それが呪いによるものだと悟った。
しかし、当時壷の事を知らなかった私は、必死でその原因を調べたけど何も分からず、そのまま容子は亡くなってしまった。
それが悔しかった私は、その後も諦めずに、寺坂さんから数多くの骨董品を引き取り、それらを1つ1つ調べていった。

…それを手伝ってくれたのが、夏目川だった。

その頃私は、夏目川と一緒に暮らしていた。
…結婚はしていなかったけど、私達は”そういった関係”だったから。
彼は難しい人ではあったけれど、私には優しくしてくれた。
私が喜ぶであろうことを、何でもしてくれた。

しかし―

私より先に壷の秘密を知った彼は、変わってしまった。


307:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 10:09:06 /DHP8l300
12/16
彼は、壷の秘密を私に隠したまま、往来会を設立。
私が容子の調査に没頭している間に、会は瞬く間に大きくなっていき…
私が壷の秘密に辿り着く頃には、取り返しの付かないところまできていた。

私は当然の事ながら、すぐに壷の破壊を試みた。
容子の仇…寺坂家の幸せを奪った元凶である、その壷を。

…でも、出来なかった。

それを目にしたとき…私には壊せないと、すぐに分かった。
私の中の霊感が、それを完全に拒絶した。
憎しみを持ってそれと対峙してしまった私は、一瞬のうちに魅入られてしまった。

壷を壊せないと悟った私は、これ以上それを使わせないための行動に出た。
それはつまり…夏目川を止めることだった。

しかし、まともな方法ではどうにもならないことは、明らかだった。
何しろ、彼の周囲には不気味な部下が沢山いる。一方こちらは、年老いた女が1人。
散々悩んだ末、まずは往来会をどうにかしようと決め、私は高城沙織を見い出した。

彼女は私の期待以上に成長し、本部長の地位にまで登り詰めてくれた。
…でも、それでも夏目川は―往来会は、止められそうになかった。

そしてそんな時、私の前に、舞が現れた。


308:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 10:11:21 /DHP8l300
13/16
…家のチャイムが鳴る。

来たみたいだ。

私はその場で何もせず、その場でしばらく待つ。
彼女には、家に鍵は掛けていないから、いつでも入ってきて良いと言ってある。
それでも律儀にチャイムを鳴らし、時間を置いてから彼女は入ってくる。

舞「こんにちは、恵子さん」
私「こんにちは、舞さん。無事でよかった…」

そう言うと、彼女はニコリと笑う。
強い人…。私の想像も付かない程に。

私「高城のこと、ありがとう」
舞「いえ…お約束したことですから」

桐谷達夫の遺体が見つかる数日前、舞が壷について私の元を訪ねてきたとき…私は私の知る限り、全てのことを彼女に話した。

そして、高城沙織を守って欲しいとお願いをした。
決して夏目川に悟られぬよう、影から…。


309:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 10:23:08 /DHP8l300
14/16
舞「でも、危険な状態でした。死相が見えるくらい…。もしあそこで高城さんが諦めていたら、私は間に合わなかったかも知れません」
私「そのときは、私の責任ですよ」

彼女がもし、大切な感情を失ってしまっていたら…それは、私のせいだ。
彼女を夏目川に対抗させるため、本部長にするため、私は帝王学に近い教育を、彼女に受けさせた。
そのせいで彼女は孤立し、この私との間に、変な…女同士なのに、本当に変な噂まで流れてしまった。

それが常に気掛かりではあったけれど、汐崎祐一との出会い、そしてその娘の真奈美との出会いで、彼女は変わってくれた。
…いや、元の気質を取り戻してくれた。

彼女はきっと、幸せになる。
決して諦めず、自分の手で掴み取ったものだから。

舞「それで…恵子さんは、この後…?」
舞が聞いてくる。
それが気になったから、ここに来てくれたのかも知れない。

私「そうねぇ…。これでも一応会長でしたから…色々と忙しいことになるでしょうね」

これから、面倒な後処理が待っているだろう。
今までそういった事は、全て夏目川がやってくれていた。
良くも悪くも、彼が。

ずっと昔から、私のことは全て…


310:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 10:29:10 /DHP8l300
15/16
舞「…夏目川さんのことは、残念でした」
舞が、私の心を読んだかのように言う。

私「仕方無いわ。彼は、完全に虜になっていたから…」

彼はきっと、気付いていなかっただろう。
自分が、壷を使っているのではなく、壷に使われていた、ということに。
己自身もまた、それに呪われ…支配されていたことに。

私は、彼にそれを気付かせてあげることができず、私自身もまた、あれを一目見ただけで支配されてしまった。

そんな力を持っていた、あの壷。
それを破壊するなんてことは、きっと舞にしかできない…
私はそう思っていたけれど、彼女は他にもそれができるであろう人を教えてくれた。

それが神尾美加であり、あの子は見事にそれを成してくれた。

彼女には、優理の事も含め、本当に感謝しないといけない。
機会があったら、もっとお話をしたいな、と思う。


311:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/01/26 10:37:33 /DHP8l300
16/16
私「舞さんの方は、これからどうするのかしら?」
私は彼女に聞き返す。
私「今は、静まったのでしょう?」
舞「はい。とりあえず、今は…」

彼女の持っているもの。
彼女が、抱えているもの。

それは、あの壷とは比較にならない程のもの。
彼女はそれを押さえ込みながら…生きている。
私には、その苦しみは想像もできない。

舞「これから、家に帰ろうと思います」
舞が、何故か照れくさそうに言う。
私「そう。それが良いわね」

舞「はい。…きっと、怒られますけど」
私「お母様に?でも、それは―」
舞「いえ…。怒るのは、弟です」
私「あら…」

舞「私、世話の焼ける姉なので」

舞は少し笑いながらそう言うと、また来ます、と言って帰っていく。
私は、彼女のどことなく嬉しそうな様子に安心し、微笑ましい気持ちでそれを見送った―





312:本当にあった怖い名無し
11/01/26 11:00:49 Mfe5bo3Y0
赤緑、乙。
なかなかよかった。

313:本当にあった怖い名無し
11/01/26 14:06:42 T6+toq4I0


314:本当にあった怖い名無し
11/01/26 14:42:56 gQcvyVoE0
良い最終回でした

315:本当にあった怖い名無し
11/01/26 16:54:06 gR+JpWjzO
>>296
半端に長いだけで中身がスカスカなのをどうにかしてくれ
もっと短く分かり易く纏めるか、ラノベ調にしたいなら句読点を
もっと多用して今の倍の長さにするべき

316:本当にあった怖い名無し
11/01/26 19:47:40 D6THZkgsO
赤緑乙。
毎度、デウスエクスマキナよろしく舞が暗躍してハッピーエンドなのはどうよ?
誰かがピンチになっても全くハラハラしない。

>>315
倍とか勘弁してください。
半分でも長い。
余計な会話を省いて1/4くらいが適当かと。

317:本当にあった怖い名無し
11/01/27 09:19:46 swAVKiRQ0
それよりウニまだ~?

318:本当にあった怖い名無し
11/01/27 16:08:36 7s5CDsxAO
blogでやれ

319:本当にあった怖い名無し
11/01/27 22:46:08 swAVKiRQ0
ところで今までの流れからこのスレって女や腐女子多そうなのよね
でも俺ガチロリなのよ
妄想の中では小学4年生の女児のタテスジをペロペロしてるの
毎日

こんな俺でも通報せずに愛してくれる?

320:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/01/28 02:39:18 87KcTad60
最近どうも間隔が空いて駄目ですね。
まあウニ氏はじめ他の方々の作品の繋ぎにでもなれば。

「物思う壺って何かわかるか?」
ハナヤマはそう言った。
物思う壺。
壺というと、物を入れておくあれだろう。
「なんだ、それ。急にどうかしたのか」
ハナヤマはなにやら悩んでいるようだった。
「いやな、ムゲンさんが言ったんだよ。世の中を構成するのは物思う壺だって」
ムゲンさん。
俺にとって教え導いてくれる役が先輩なら、ハナヤマにとってはそのムゲンさんがそういう役割だ。
年齢不詳のホームレス。
だけど金に困っているわけではない。
そもそも、そのムゲンさんという名前すらどうやら本名ではなく、何かの漫画のキャラから取った物らしい。
素敵なお兄様と呼んでくれないか、というのが決め台詞な、胡散臭い男。
「そういう哲学的なのは俺じゃわからんな」
「いや、なんかわからんが具体的な物らしいんだよ。どう思うよ?」
結局、ハナヤマと二人でただ唸る事になってしまった。
物思う壺。壺・・・・・・。

321:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/01/28 02:40:31 87KcTad60
「なんだ、見に行くか?思う壺」
「その言い方だと何か罠でもありそうですね・・・・・・」
というかあるのか。そんな物。
「具体的って言ったんだろ?ならアレだろうってのは、ある。そうだな、今日の夜、お前の家の裏山の神社に行こう」
例によって先輩にその話をしたら、あっさりと答えられた。
どうやら思い当たる物があるらしい。
「裏山って、あの頂上にあるお社ですか?あれ神社って言うんですかね」
裏山には小さな社がある。が、それだけだ。
参堂らしい参堂も無く、鳥居も残っていない。
「馬鹿、あそこには立派な・・・・・・多分、神様がいるだろ。そんで社がある。そしたらもう神社だ、どんなでも」
そういうものらしかった。
帰り道、もう一度考えてみたけれど、やっぱり俺にはわからなかった。
物を思う壺。
物を思うのは人間。人間は考える葦である、というけれど、そういう類なのだろうか。
具体的、というからには、きっとはっきりとモノがあるのだろうから、俺は少しワクワクしながら夜を待った。

夕飯を食べようとした時、先輩がやってきた。
遠慮のポーズをしつつも食卓につき、結果俺より良く食った先輩は、食後に一服タバコを吸いながら言った。
「うし、そろそろ行くか。腹ごなしに」
待ってました。
俺は懐中電灯を引っ張り出して先輩に手渡した。
「行きましょう。ずっと気になってたんですよ。昼から」
先輩は懐中電灯を受け取らずにやっと笑った。
「自前のがある。じゃあ、行くか」
玄関を出ると、星も月も隠れていた。
裏山とは言っても低いもので、それなりに木が茂ってはいるが道が無いわけでもなく登るのは難しくない。
ただそれはあくまで昼間明るい内の話で、夜の山は思った以上の視界の悪さだった。
自前があると言った先輩は何も持たず、ポケットに手を突っ込んで前を歩いている。
懐中電灯を持って後ろを追う俺の方がおっかなびっくりだった。
「神社までですよね」

322:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/01/28 02:41:44 87KcTad60
なにやらよく知らない虫の声が辺りから聞こえる。
少し不安になった。怯えていたのかもしれない。
「もう着いたぞ」
周囲が見えないせいでわからなかったが、確かに足元にボロボロの石畳が見えている。
「あ、本当だ。わからないものですね。見えないと」
足元を照らしていた懐中電灯を前に向けると、朽ちてはいないが寂れた社が照らされた。
「さて、到着もわかってなかったお前にもわかるように見せてやる」
先輩は社の床下に手を突っ込んだ。
何かを置いてあるらしい。
「何があるんですか?」
ごりごりと、何かが床に擦れる音がした。
「これが、思う壺だ」
先輩が手に持っていたのは、半ば予想できた物だった。
「この中に詰まってる脳味噌が物を考える所だ。壺に入ってるだろ」
吐き気がする。
なぜそんなものがここに。
「おいおい、どうした。ちょっと動揺しすぎじゃないか?」
先輩が持っていたそれを地面に転がす。
硬い音がして、それが転がった。
地面から俺を恨めしそうに眺めている。
なぜか笑いがこぼれた。
最初はそれが笑い声とわからなかったが、自分の喉が震えてその音を出していた。
地面のそれも俺を笑う。
笑う。
笑う。
笑う。
「はい、そこまで」
先輩がそれを踏みつけた。
「懐中電灯、照らしてみろよ。お前は何を見たんだ?」

323:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/01/28 02:45:09 87KcTad60
動揺して自分の真下を照らしていた懐中電灯をそれに向ける。
おぞましい表情も、グロテスクな断面も無く、それはただの石の瓶だった。
「え、あ、だって」
さっきは、確かに。
「思う壺、だよ」
・・・・・・。
やられた。
ようするにこれは罠だったのだ。
思う壺。先輩は俺があの瓶を見間違える事を知っていた。
「何でわかったんです」
先輩の顔は良く見えないが、どうやら笑っているらしい。
「ここがそういう場所だからだよ。言っただろ。多分、神様がいるんだ」
「そういう場所では境目がゆるくなる。そこには確かにただの瓶があるが、同時にそれがただの瓶じゃないパターンもあったんだ」
そういう話を知っている。
なんとかの猫、ではなかったか。
「それが混濁してってことですか?あんな物がある世界が、ここに混ざってるって?」
その通り、と先輩は首を振る。
「お前が見たアレも、今見てるそれも、一つ間違えればそれぞれが逆だった物だ。どっちが普通かなんて誰にもわからんのさ。普通と異常は常に隣り合っている。常に」
俺は先輩の足元を見る。
さっきはアレに目鼻が見えていた。
今はどう見間違えても唯の瓶だ。
「世の中の不思議な事ってのは、大体そうなんだ。混線した結果、歪んだ事象が起こる。勿論、お前がそれを何かに見間違えた事も」
相変わらず俺を驚かすのが好きな人だ。
最高に楽しそうに言いやがる、畜生。

324:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/01/28 02:47:22 87KcTad60
はぁーあ、してやられた、と少し脱力した拍子に思い出した事がある。
「結局、物思う壺ってなんなんですか?」
先輩は変わらずにやついている。
「お前が見た物で間違いないよ。世界を構成するのは認識だ。認識を生むのはそれぞれの脳だ。物思う壺ってのはな」
俺達人間の・・・・・・。

「確かに具体的だったよ」
俺は翌日、ハナヤマにそう告げた。
ハナヤマは釈然としないらしく、今度は一人で唸っていた。
俺はちょっとした優越感に浸りながら、自分の物思う壺をこつんと突付いてみた。
・・・・・・なにやら、軽そうな音がしたのだった。

おもうつぼ 終

325:本当にあった怖い名無し
11/01/28 07:29:53 B9GU+ti60
稲男さん、お久しぶり~&お疲れさまでした
これから拝読拝読…

326:本当にあった怖い名無し
11/01/28 11:00:38 5HOffLB00
稲男、乙。
けっこう、面白かったよ。

強いて言えば、少し臨場感が足りないかな。

327:本当にあった怖い名無し
11/01/28 12:55:00 g234nxDfO
抽象的過ぎていまいちよくわからんかったのはこちらのアビリティが低いのか?
(;´д`)

328:本当にあった怖い名無し
11/01/28 13:19:15 n9h2KfMnO
>>327
それが稲男の特長
自分の中だけで完結してるから読み手に伝わらない
インテリ()風に言うと行間を読む作品

329:本当にあった怖い名無し
11/01/28 17:36:52 NY90tqCKP
『行間を読ませる』のと『本人はちゃんと書いてるつもりだけど読み手に伝わらない』のとでは天と地ほどの差がありますね。

330:本当にあった怖い名無し
11/01/29 00:38:51 uoRm3KYZ0
どっか更新してる保管庫ある?

331:本当にあった怖い名無し
11/01/29 07:25:58 GAQEhrNm0
前にWiki作るって張り切ってた人はどうなったんだろう

332:本当にあった怖い名無し
11/01/29 14:08:41 f+k1JdTh0
まとめ作ろうと思って過去ログ全部とってあるんだけどね。

333:本当にあった怖い名無し
11/01/29 14:13:18 GHrIyU5nO
散々既出な話題だけど有志のボランティアなら黙ってやればいいと思うし。


334:本当にあった怖い名無し
11/01/29 14:49:08 uoRm3KYZ0
ここ(オカ板関係)には投下しないと決定したけどオカルト系の作品を描いてる
今今後の展開を簡単に模索してるがこれ結構厄介だな
オカルトの性質上、恐怖演出と恐怖のオチは必須に近いわけだが
連続物として考えた場合、毎回決定的に後気味の悪い話ばかり作れない
どうしてもヒーローってやつに行き着いてしまいまふ
オカルトハンター、オカルト探偵になるなこれ放っておくと
単発ならいくら後気味悪くてもキャラが大馬鹿でもいいんだがこれを連続でやっちゃうとなー
起承転結の繰り返しがどうしても単調になってしまう事に気付いた
難しいな~

と考えた末に解決策を見出した
毎回思うが、旅行と同じで準備してる時が楽しいな

335:本当にあった怖い名無し
11/01/29 15:02:41 gOMSBuNXO
完成出来ない人ほど準備自慢するけど頑張ってね

336:本当にあった怖い名無し
11/01/29 19:27:26 uoRm3KYZ0
もう数作は投下してるんでサーセンw
あっちはパラダイスですw

337:本当にあった怖い名無し
11/01/29 19:57:48 SsavrXWg0
まとめつくってもウニ以外カスばかりだろ
カスだけならまだしも、劣化ウニのオンパレードだしな

338:本当にあった怖い名無し
11/01/29 20:08:07 uiZO3zGS0
いいじゃん別に、お前が作るんじゃないし

339:本当にあった怖い名無し
11/01/29 20:33:39 JHeofag10
自分も書けないし読む事しか出来ないけど
ここでウダウダ投下する人に文句言ってる奴って何?
お前こそカスだろっていつも思うよ。
見なきゃいいのにまるで金払っている客のように偉そうに。


340:本当にあった怖い名無し
11/01/29 20:48:39 uoRm3KYZ0
正直この状態でここに投下するとかありえんしw
スレタイだけならオカ板創作系のフラッグシップなのに



341:本当にあった怖い名無し
11/01/29 21:14:30 jMrtzorfP
え…創作限定なの?

342:本当にあった怖い名無し
11/01/29 21:30:32 i6aGFJji0
>>341
創作だろうと実話()笑だろうと構わないけど捜索だけは勘弁して欲しいねw

また俺スゲエ厨が沸いてるよw
あったま悪そうw


343:本当にあった怖い名無し
11/01/30 01:04:31 18a+9pMdO
>>334
後気味…?
日本語不自由ぽいね。
頑張って!

>>339
忌憚の無い意見を交わせるのが電脳掲示板の良いところ。
向かない人は参加しなければ良いだけ。

344:本当にあった怖い名無し
11/01/30 01:10:58 18a+9pMdO
>>320
乙。
文章は読ませる。
それだけに惜しい。
神社の件が取って付けたように感じるんだな。
無駄を削ぎ落としてるんだと思うんだが、もう少し膨らませても良いのでは?

345:本当にあった怖い名無し
11/01/30 01:17:53 Mtl0DndL0
いつから作家育成スレになったんだよ・・・

346:本当にあった怖い名無し
11/01/30 04:41:42 GAG1INf3O
いっそ創作禁止にしたらどうよ?
創作は別にスレ立ててやるとか。

347:本当にあった怖い名無し
11/01/30 06:20:55 2AM8db0I0
創作スレならもうあったはず。クソスレ乱立すんな。

348:本当にあった怖い名無し
11/01/30 12:42:06 YVbcwYyE0
>>336
投下してるんならそのコテハンで同じセリフ吐けよ
こんなレスだけ名無しでって最低すぎ

349:本当にあった怖い名無し
11/01/30 13:38:38 3VlMUm+i0
こんな住民もアンチも、そして投下してる奴も全員荒らし気質のスレで他所でのHN晒すとかありえんわ

正直そのレスも「その場所荒らしてやるから名を名乗れ」って事だろ?
そんな事は無いって言っても荒らしは皆同じ事言うからw



350:本当にあった怖い名無し
11/01/30 15:19:07 3pT3boD4O
他所スレの住人ならわざわざここを荒らすようなレスすんなって事でヨロシク


351:本当にあった怖い名無し
11/01/30 17:43:47 5DUywzGMO
>>349
ならここを荒らしてるお前は何なのって話

352:本当にあった怖い名無し
11/01/30 20:59:30 ySNJ0RDb0
「夜中に不意に目が覚めた」
これを原稿用紙3枚程に描写してくれませんか

353:本当にあった怖い名無し
11/01/31 00:09:18 L8aw+Zs90
>>351 誰がどう見ても構ってちゃんさ…。
俺はお前らとは違うんだぜ、注目してくれよ。
って書いてあるだろ?

354:本当にあった怖い名無し
11/01/31 13:11:22 o9560hBU0
また自作自演で荒れてるように見せてるのか
自分で煽って自分で反論してんだから世話無い
周りから気付かれて無いと思ってるのかね
唐突な煽りレスに全力で食い付く不自然な同じ知能レベルの反論
バレバレだわ


355:本当にあった怖い名無し
11/01/31 16:29:39 qYNtJRCS0
>>349
そういう問題じゃないだろ
コテハンの時には馬鹿丁寧に「読んでいただいてありがとうございます」的な優等生レスばかりしてるくせに、特定されない名無しになったらふざけたレスで煽るな、という事だよ

「コテハンで同じセリフはけよ」をそのまま受け止めるな馬鹿

356:本当にあった怖い名無し
11/01/31 16:32:36 qYNtJRCS0
>>354
お前みたいに過剰に反応する馬鹿がいるぐらいだから、煽りレスに食いつく奴がいても全然不自然じゃないぜ?
何がバレバレなんだかw
いちいち「自演だー」ってレスして回ってるのお前だろ?お前が一番怪しいつーの

357:本当にあった怖い名無し
11/01/31 23:57:58 NAYL0h3d0
ID変わりまくりの荒らしが粘着してるからみんな疑心暗鬼なんやな

それはそうと赤緑&稲雄乙っした

358:本当にあった怖い名無し
11/02/01 00:04:34 T+fAptAq0
赤緑と稲男のって、まとめにないみたいなんだけど・・・

359:本当にあった怖い名無し
11/02/01 08:48:05 xMlP1WiGO
なんかウニってオカ板の水嶋ヒロみたいだな
なにより投下されると周りがみんな萎えるしな

360:本当にあった怖い名無し
11/02/01 08:52:10 ObWZ2E760
全く萎えませんが。

361:本当にあった怖い名無し
11/02/01 12:31:12 TEJayiXLO
>>360
だな、ヒロで萎えないもんな!

ウニ先生!2月になってしまいましたよ!

362:本当にあった怖い名無し
11/02/01 14:44:03 6ff+sELu0
もう、ウニちゃんったら反応早すぎ。


363:本当にあった怖い名無し
11/02/02 21:45:10 RTTgwSPZ0
ここでウニ叩くのって他の書kゲフンゲフン

364:本当にあった怖い名無し
11/02/02 22:32:01 22TPS4vb0
ただの自演だろつまんね

365:本当にあった怖い名無し
11/02/02 23:20:46 ZJero2dV0
師匠シリーズに影響されたようなやつ多いね。程度の差はあれど
URLリンク(mak0100.blog100.fc2.com)
URLリンク(ameblo.jp)
URLリンク(www.colorblog.jp)

まぁ、ランキングサイトとか見てるとここの影響もありそうだけど
URLリンク(purimunihazama.blog136.fc2.com)

366:本当にあった怖い名無し
11/02/03 09:34:18 u4v1lBVE0
教授シリーズが読みたい

367:本当にあった怖い名無し
11/02/03 21:48:27 sc0EESxF0
また自演きめつけ厨が我慢できずにレスしてるよ~

368:本当にあった怖い名無し
11/02/03 23:25:07 laT9CHK40
言い難いけど師匠シリーズでさえオカ板出たらただの及第SSに過ぎない
それが他所に影響とか夢見すぎ
ここが世界の全てだと思い込みたいのか本人なのか知らんが
萌え豚アニメの創作SSにすら師匠以上の作品はゴロゴロしてるぜ
その萌え豚アニメのSS読んでる俺超キモい
ここが叩く箇所だから皆注意して書き込んでね



369:本当にあった怖い名無し
11/02/03 23:59:28 kD+nr8Fy0
一番上のブログは稲男レベルでもろに影響受けてるだろこれ
他のやつは知らんが・・・てかさすがにそれ以外はこじつけがましい
影響受けてるとは思えん

370:本当にあった怖い名無し
11/02/04 01:03:48 uBhnnxuwO
目くそ鼻くそだからどうでもいい

371:本当にあった怖い名無し
11/02/04 03:48:25 CJkQ/ztn0
ウニさん まだかな

372:本当にあった怖い名無し
11/02/04 10:29:41 sISuibjPO
>>368
SSってフォーマットは赤緑みたいなやつだろ。
ウニの比較対象とするならラノベじゃね?

萌え豚アニメの創作ってのは、要するに二次創作ってこと?
なら登場人物も舞台も最初から用意されてる物と
一から築いた物を同列に扱うのはどうなのよ?

言いたいことは分かる。
信者は痛い。
だけどお前も同レベルでズレとるよ。

373:本当にあった怖い名無し
11/02/04 15:14:44 vuHw+/WUO
師匠以外の長文読ませるのって過去も現在もここだけなの?

374:本当にあった怖い名無し
11/02/04 15:39:39 yF2LuF2YO
>>373
読ませるって…読めるじゃなくてか…流石にそれはないわ

お前に食わせるタンメンはねえ!

375:本当にあった怖い名無し
11/02/04 15:44:29 YSwv/nly0
不覚にもワロタ

376:本当にあった怖い名無し
11/02/04 19:21:16 vuHw+/WUO
あげちゆー

377:本当にあった怖い名無し
11/02/05 21:16:18 Da6cSBlK0
ここのヘボ書き手どもも少しは文学とか読んで研鑽したら?
俺のお勧めはガンダムとガンダム、あとガンダム
ガンダムは文学


378:本当にあった怖い名無し
11/02/06 05:20:58 SkSXF1lW0
ウニまだー?
爆発しそう

379:本当にあった怖い名無し
11/02/06 06:39:01 nBZvOSbWO
377は来なくていいよ 厨房はROMってな

380:本当にあった怖い名無し
11/02/06 06:46:28 bQuluuDhO
>>374
>>373の「長文読ませる」は慣用句的な使い方で、ニュアンスとしては「読み応えがあって飽きさせない長文」「長いけど読み手を引きつけて離さない文章」ってやつだと思うんだけど…

381:本当にあった怖い名無し
11/02/06 09:08:34 Qfqgu0AG0
だとしても使い方おかしいだろ死ねカス

382:本当にあった怖い名無し
11/02/06 10:04:58 A4Sh/xvF0
これ以上敵をつくってどーする

383:本当にあった怖い名無し
11/02/06 10:44:31 bQuluuDhO
>>381
まるで族やな

>>382
これ以上敵をつくるもなにも…
久々に新作がないか覗いたら、いきなり酔っ払いに殴られた気分だ

384:本当にあった怖い名無し
11/02/07 00:24:37 FOtFdOsV0
最近の女子小学生って男を誘ってるよね
あんなエロい格好しといて親や学校が
「子供を守りましょう」
とか意味解んないよwwwwww
とは言っても女児への性犯罪の大半が父親と教師なんだけどな!
この世は地獄だな!


385:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/02/07 00:53:31 vOEyCVBo0
今回は、ちょっと嫌な話かもしれません。

まあ、どこにでも勘違いした人というのはいる。
「私ってー霊感とかあるからー」
なんて言う人の果たして何人が本当に死人の意思を受け取る事が出来るだろうか。
自分の面白いキャラクターとして霊感を使うのは別に悪いことじゃない。
運良くいけばそれで定着するやも知れない。
ちょっと変わったキャラをやりたいならそれで上等だろう。
で、そんな奴が、学校にもいた。

その女はある日馴れ馴れしく話しかけてきた。
「ねー、オカルトとか詳しいんでしょ?」
顔は見たことがあったが、話した事もない相手だった。
どこから聞きつけたのか、俺のオカルト好きを知って、わざわざ他所のクラスからやってきてくださったらしい。
「まあ、それなりに、好きだけど」
はっきり言って、面倒だった。
この手の連中ってのは大抵面倒事を持ち込む物だし、そもそも興味本位でオカルトなんて言う奴にロクな人間はいない。
勿論、自分も含めての話だが。
「じゃあ幽霊とか見えるの?憑依された事とかある?」
なんなのだろうか、この女は。
大体誰なんだお前は。名前も知らん。
何故そんなに楽しそうなんだ。
「俺はまあ、知ってるだけだから。そういうのは無いなあ」
そう答えると、まるで勝ち誇ったような、見下したような顔をして言った。
「私さー霊媒体質っていうの?よく憑依とかされちゃうんだよねー、金縛りとかもよくなるしさー、ちょっと悩んでるんだけど」
どこから沸いたのか女の友人らしき連中が騒ぐ。
「そうだよーこないだウチらで怪談してたらさー、急に変な感じになっちゃって、マジやばかった!今も体調悪いんだって!」
「ねー、お願いなんだけど、助けてくんないかな?詳しいんでしょ?」

386:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/02/07 00:54:22 vOEyCVBo0
なるほどそういうつもりか。
武勇伝を一つ増やそうという腹だ。
『詳しいって言ってた人に頼っても駄目だった、むしろ悪化して、自力でなんとかした』
こんな所か?健康そうな顔しやがって、何が霊媒体質だ。俺の事を教えたのは誰だ、あいつか。ハナヤマか。畜生め。
・・・・・・と、思ったのだが。
俺は、何の因果か女子に頼まれごとをするとどうにも逆らうことが出来ない。
それは、幼い頃から摺りこまれてきた教育方針が原因かも知れないし、もしかしたら前世で何かあったのかも知れない。
そして何よりこれが大きいのだが、こと学校とかクラスという集団の中で『女子のうわさ』ほど面倒な物も無いと思っている。
あいつらはまるで一個の生物みたいに意思を持っている。
酷いよねーと一言言われれば最後、駆け巡るのだ、その噂が。
そして軽蔑の眼差しを向けられるだろう。きっと大多数から。
厄介な事にこの名も知らぬ女は友人だけは多そうだった。
俺は目立ちたくない。コミュニティ能力があまり高くない人間は、目立ったら終わりなのだ。
「あー、うん、でも、俺だとちょっと無理かもしれない。もっと詳しい先輩がいるから、紹介するよ」
女はほんとにー!ありがとー!と言って俺の手を握った。
妙に生暖かい手で、ちょっと気持ち悪かったが、俺は我慢して微笑んでおいた。

「この人がそうなの?」
放課後、いつものように図書室で本をめくっていた先輩の所に、その女と友人と思われる女子二人が来た。
俺が指示したのだ。
先輩は放課後図書室にいるからおいで、と。
先輩は本から目を上げ、三人を眺めてまた目を落とした。
「あの、先輩。この人が霊障にあって悩んでるらしくて」
無視が癇に障ったのか、女はわざとらしく言った。
「そうなんですー、夜とか、カーテンの隙間から誰か覗いてたり、誰もいない部屋から声聞こえてきたり・・・・・・体調も悪いんですよー」
先輩は本を閉じた。
俺は心の中で先輩に謝った。
「すいません、なんとか出来ませんかね」
先輩はその女を眺めた。
じっと、上から下まで、心の中まで見透かすように。
女は少したじろいだが、虚勢かどうなのかどうぞとばかりに胸を張った。

387:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/02/07 00:55:14 vOEyCVBo0
先輩は再び本を開く。
「もし本当にそんな事が起きてるなら、あんたの行く先はまず病院だ。脳外科か精神科。俺の所じゃない」
やってしまった。
いや、そうだろうと思った。
彼女には最初から何もとり憑いちゃいないんだろう。
先輩は、そんな程度の事に動くことはない。
「いや、でも」
図星を突かれた彼女は、羞恥からか怒りからか少しばかり頬を染めながら反論しようとした。
その時。
彼女の目線がつ、つ、つ、とズレて行き、先輩のすぐ背後に移る。
先輩の目が爛と輝き、いつものあのにやけ面が現れる。
「なんだ、丸っきりってわけでもないのか」
俺には何も見えない。
波長があったのか、それとも資質だけはかなりのものだったのか。
どうやら、先輩が連れている何かを見てしまったらしい。
「あんたなんなの?冗談じゃない。化け物じゃない、そんなの。私に関わらないで!」
自分からコンタクトを取ろうとした事も忘れ、彼女は取り乱した。
友人がさすがにまずいと宥めるが、全く聞こうとしない。
「もう死ね!死んでしまえ!あんたなんか!」
挙句には死ね、死ねと罵りながら平手打ちをしようとした。
それに慌てた友人二人に羽交い絞めにされながら図書室を出て行く。
いつもの図書委員も、今回ばかりはぽかんとしていた。

388:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
11/02/07 00:57:45 vOEyCVBo0
「あの、なんか・・・・・・申し訳ないです」
数秒呆気にとられていたが、一応先輩に謝っておく。
先輩はさっきよりまた一段と楽しそうだった。
「いいさ、面白かったから」
「でも、すごい取り乱し方でしたね。何連れてるんですか、今」
先輩は不意に真顔になった。
「別に。それより、さっきのあの女、面白い事を言ってたな」
俺は少し戸惑いながら会話を続ける。
「えっと、どういうことですか?」
「俺を化け物って言ったろ。・・・・・・いい洞察力だ、その通りだろうな。だけど」
また先輩は笑った。
「その化け物に、あんな態度をとったんだ。まあ、気持ちはわからんでもないがな」
「そういう性格なんでしょうね。ストレートに感情を出すっていう。それがどうかしたんですか?」
「わからないか。手に負えない相手だから化け物って言ったんだろ。それに無礼を働いたらどうなるか」
先輩は本の続きを読み始めた。
俺は彼女の様子を見に行こうかと思ったが・・・・・・やめておいた。
なんだか謂れの無い、わけでもないのだが、とにかく暴言を吐かれる気がしたし。

何よりも、自業自得だと思ったから。

一ヶ月ほど経った頃、彼女が入院したのを知った。
精神科のある病院だったので、実情を知らない生徒の間でいろいろな噂が飛び交った。
興味本位でオカルトなんて言う奴にロクな人間はいないし、また、ロクな目に遭わないのだ。
俺もいつかそうなるのだろうか、と考えたが、先輩と一緒ならそれも悪くない気がした。

オカルト好きに捧ぐ 終

389:本当にあった怖い名無し
11/02/07 08:20:37 Vvkr8JaDO
>>385
そうだな。先ずやるべき事は分かり易く簡潔に、何を伝えたいのか纏める事だな
赤緑より幾分はましだが、長さに内容が伴ってない

390:本当にあった怖い名無し
11/02/07 09:15:38 wVSpyWmp0
>>385
素直に面白かった。乙です

391:本当にあった怖い名無し
11/02/07 09:19:22 FOtFdOsV0
最近の女子小学生って男を誘ってるよね
あんなエロい格好しといて親や学校が
「子供を守りましょう」
とか意味解んないよwwwwww
とは言っても女児への性犯罪の大半が父親と教師なんだけどな!
この世は地獄だな!


392:本当にあった怖い名無し
11/02/07 14:00:58 PNCLiqrj0
嘘ばかりつくなよ

393:本当にあった怖い名無し
11/02/07 14:05:59 FOtFdOsV0
ただ今帰りました
本屋に行ってきたんだけどなんかデブの腐女子みたいのに遭遇
エロ本コーナーの脇にホモ本コーナーがあるんで嫌でも目に入るのね
いや~キモいねあいつら
生きてる価値ない、キモい、寒気がした。ニヤニヤ笑いながら読んでる
しかも男と男が掘り合ってる漫画でだろ?どんな面白ナマモノだよ
早々にコミックLOを買って退散してきた
帰りにスーパーにも寄ったが豊漁と言う割りにブリの安さが実感できない
どこで中間搾取ってんだ?
これからコミックLOを読みながらオナニーをするので応援よろしくお願いします


394:本当にあった怖い名無し
11/02/07 14:25:51 0OBLl8Xq0
稲男 乙

できはまあまあだな。


395:本当にあった怖い名無し
11/02/07 19:08:16 hPQCFAtf0
稲男のまとめはどこで見れんの?

396:本当にあった怖い名無し
11/02/08 00:54:30 rqpgj0K60
もう更新しない保管庫はほっといて本人が自分で保管しちゃえよ
いい加減リンク切れを何時までも貼ってる1のテンプレも改正しないと


397:本当にあった怖い名無し
11/02/08 21:53:34 qUSBzfl90
敷居高すぎw
実話とか気軽に投稿出来ねーだろこれ

398:本当にあった怖い名無し
11/02/08 22:09:58 /VByp87T0
>>396
そんなもん必要ないから大丈夫
>>397
そんなもん誰も待ってないから大丈夫
高尚な読み手様を満足させるスレです

399:本当にあった怖い名無し
11/02/10 22:43:33 YAzEWBVp0
小学生女児のオマタペロペロしたい
しかし俺はロリコンなのだろうか
いや違うね
俺は可愛い美しい存在を愛しているだけだ


400:本当にあった怖い名無し
11/02/11 06:38:39 nHU8k05+0
フサさん、こんなとこで何してるっスか。

401:本当にあった怖い名無し
11/02/11 12:33:46 sKWY/3f70
銃を向けられる度に5セントもらっていたら、今頃大金持ちだぜ!

402:なまり
11/02/12 20:39:44 1zVZuIuDO
俺の親友の体験した話を投下。
いろいろあるけど、
とりあえずこいつやべえと思った話を書く。

俺の親友(仮にももことする)は俺が小学校3年生の頃に引っ越してきた。
俺の学校は二宮さんの銅像がある、まあいたって田舎な学校だ。
そいつは髪が長く泣き虫な女だった。
一緒に遊ぼうと声をかけてもひとりで本読んでるからいい、そんなことを言ってまわりの奴らとは極力関わろうとはしなかった。

403:なまり
11/02/12 20:40:49 1zVZuIuDO
そいつがある日、俺に「今度の日曜日遊ぼう」と声をかけてきた。
俺は特になにもなかったし「いいよ」と言ったのだが土曜日になると母親に「日曜日は用事があるからだめ」と言われた。
で、俺は日曜日の朝に電話で「遊べなくなった」と伝えた。
するとももこは「わかった、電話ありがとう」そう言ってまたねと電話を切ったのだが、
後日話を聞くとどうやらももこは暇すぎてひとりで近所の空き地と言っても砂利がひいてある駐車場で遊んでいたらしい。

404:なまり
11/02/12 20:42:26 1zVZuIuDO
3時過ぎから遊んでいたももこだがひとりで本を読んでいたらあっという間に5時。
彼女の門限は5時だったらしく、しかし家はすぐ近く。5時の鐘がなったからそろそろ帰ろうと砂利を蹴っていたんだと。

そしてふと目についたスクラップ置き場。
事故でぐしゃぐしゃになった車が並べてある所がその砂利道の目と鼻の先にあるのだが、
ももこはそこを何の気なしに見た。

するとそこにはおじいさんがいたそうだ。

405:本当にあった怖い名無し
11/02/12 20:43:02 fCBppVNa0
支援


406:なまり
11/02/12 20:43:23 1zVZuIuDO
まあ、そこにおじいさんがいるのはおかしくない。
道を散歩しているじじいなんてどこにもいるからな。

しかし何かおかしい。
ニコニコとこちらを見て笑うおじいさんを見ていると気付いた。

頭しかない。

そこで普通はきゃあああ!みたいな展開になるのだろうが、やはりももこ。
ぺこりとあたまを下げて手を振ったらそのおじいさんはきえたそうだ。

その話を聞いた俺は背筋がやばかった。なによりそんな話をニコニコしながら話すももこの方が怖かった。

407:なまり
11/02/12 20:45:42 1zVZuIuDO
文字にするとあんまり怖くないな。
とりあえず他のはなしはまた今度。

408:本当にあった怖い名無し
11/02/12 21:09:35 j58Hv6Ze0
小学3年か
女の旬じゃないか
女の旬は小学3~5年だから
異論は聞くが認識できない

409:本当にあった怖い名無し
11/02/12 21:16:06 A++3eMUCO
小学3年生の泣き虫な女の子だと?
ふぅ…

410:本当にあった怖い名無し
11/02/12 22:24:36 irMxKOK6O
>>402
乙。装飾なしのこういう実話系もよいね

>>395
URLリンク(www.google.co.jp)

411:本当にあった怖い名無し
11/02/12 22:36:50 bfU7Cnc7O
>>402
ここにしたのか、大変乙です。

>>410
ごくまれに実話っぽい人もいるよね。
漫画家とか親類の話書いてた人とかもう来ないんだろうか……

412:本当にあった怖い名無し
11/02/12 22:44:40 j58Hv6Ze0
ほーらお兄ちゃんのを触ってごらん?

413:本当にあった怖い名無し
11/02/12 23:37:34 8MkWynVY0
>>402-406 乙
怖い様でなんかほのぼのしてるなw
またよろしく
>>411 お疲れの人なら何かの話の顛末を待ってるとか言ってたっけ・・・?
百物語にいたのが最後?あれは去年?一昨年?
いとこのお姉さんの話が好きだ

414:本当にあった怖い名無し
11/02/13 11:20:42 MlWbUH/+0
眼鏡のレンズの内側に映ってる
向かいのアパートをウロウロする影
どうしたらいい
眼鏡外すと雑多な声と 「あ」 という声が混じる
女の人の声

415:本当にあった怖い名無し
11/02/13 17:25:16 1S7nF/V40
>>414
なにそれこわい

416:本当にあった怖い名無し
11/02/13 17:34:08 mjAQR4Xt0
完全に糖質です、医者に行って下さい。

417:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:09:50 ArON4Oae0
事件の翌日。

「先輩、今朝の新聞見ました?」

 仕事中の先輩は無口だ。
 いや、仕事以外の場面でも無口ではあるのだが。

 仕事の時は仕事に関係のない話題には一切答えてくれない。
 真面目なのではなくて不器用なのだ、と分析している。



418:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:12:18 ArON4Oae0
先輩は残業をするので帰りながら話すという手も使えない。
 そもそも家の方向が一緒なのかすら知らない。

 消去法的にこの昼の時間が先輩と話をできる唯一のチャンスとなる。
 カツ丼の大盛りを食べながら先輩にそう尋ねる。



419:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:14:43 ArON4Oae0
「見てないよ」

 先輩に新聞を読む習慣がないのは知っていた。
 ただあれだけの事があったのだから、という淡い期待があったのは否めない。



420:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:16:15 ArON4Oae0
何はともあれあの事件について、先輩に説明する必要があるだろう。
 説明しなければ意見を聞くことすらできない。



421:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:18:34 ArON4Oae0
メリーさん。
 それは間違いなく今の日本で最も注目度の高い名前だろう。



422:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:20:30 ArON4Oae0
メリーさん。
 それは日本の人口の約1%、130万人近くの人を殺害した、
 歴史上最大クラスの虐殺者の名前となっている。




423:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:25:29 ArON4Oae0
 具体的になにが起きたかは専門家によって調査されているところだが、
 今朝の新聞を読む限りではこんな感じらしい。

 昨日の昼。テレビに割り込んで映し出される映像。
 青い背景。小柄な少女。



424:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:27:32 ArON4Oae0
その少女が繰り返し自分の名前をメリーであると宣言する。
 そして自分が怪談のメリーさんである事を説明する。



425:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:29:52 ArON4Oae0
 彼女はそこで言う。

「私メリーさん。あなたの後ろにいるの」

 たったそれだけ。
 それだけでその番組を見ていた130万人近くの人が死んだ。



426:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:31:41 ArON4Oae0
信じがたい話ではある。
 しかし実際に起きてしまった事に対して、
 信じる信じないという話をするのはナンセンスだ、と思う。



427:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:34:30 ArON4Oae0
それに伴い再びこの様な事が起きないように、
 政府からテレビ禁止令が出ている。

 よって現在この社員食堂のテレビも電源が切られている。
 といった状況説明を先輩に行う。



428:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:36:56 ArON4Oae0
新聞、インターネット等のメディアでは既に色々な説が出ている。
 北の細菌兵器だの、米の音波兵器だの、中国の毒入り食物だの。

 しかしどれもしっくりこない。
 明らかに現実的な理由ではない。



429:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:39:27 ArON4Oae0
死因についてもはっきりとした情報がない。
 唯一はっきりしているのは130万人近くの人が死んだ、という事実だけ。

 救いは子供への被害が少なかったことだ。
 平日の昼どきテレビを見ている層に子供は多くない。



430:本当にあった怖い名無し
11/02/13 21:43:01 ArON4Oae0
「考えておくよ」

 先輩はそう言うと食べ終えた皿を持って返却口へ向かっていく。
 こっちは説明するのに必死で半分も食べ終えてない。
 流石にこれだけの差があると引き留めておくのも悪い気がする。



431:本当にあった怖い名無し
11/02/13 22:54:43 ArON4Oae0
考えておく、と言ったからには興味はあるのだろう。
 興味がなければ無視されるか、どうでもいい言葉を返される。



432:本当にあった怖い名無し
11/02/13 23:08:03 ArON4Oae0
先輩は変な人ではあるが嘘はつかない。
 考えておく、と言ったからには考えてくるだろう。



433:本当にあった怖い名無し
11/02/13 23:12:49 ArON4Oae0
明日の昼のことを考え、高鳴る胸の鼓動を感じつつ、
 目の前にある冷めたカツ丼を片づける作業に戻るのだった。



434:本当にあった怖い名無し
11/02/14 01:53:20 yjwyxvlB0
なんか山田悠介の小説みたい、悪い意味ではなく。

435:本当にあった怖い名無し
11/02/14 23:06:55 oXp9s94d0
カツ丼に惑わされるとこだった
何も起きてないんだど、これから?

436:本当にあった怖い名無し
11/02/14 23:07:42 oXp9s94d0
つか、終わってんの???

437:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:41:28 AF10cfkN0
[意味のある話]

はじめに…

「メモ」という話をご存知ですか?
ちょっと不可思議な話で、あちらこちらで様々な考察がされている話です。

今回のこれは、それについての話になります。
なので、元ネタを知っていたほうが分かりやすいかも知れません…。
あしからず。


1/18
舞「…今度は何?」

姉貴の部屋を訪ね、「これについてちょっと…」と言った俺に、姉貴がそう答えてくる。

俺「少し、お知恵を…ですね」
そう言いながら、俺は例のごとくプリントアウトしてきた1枚の紙を差し出す。

俺「この、「メモ」って話のことなのですが…」
舞「…」
恭しく差し出したつもりだが、受け取ってくれない姉貴。
特に機嫌が悪い様子でもないが、何故だろう?と思っていると―

舞「何だか、甘いものが食べたいわね」
俺「…へ?」
舞「無料、って怖いわよね」

何食わぬ顔で、独り言のように言う姉貴。
…そういうことか。


438:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:44:17 AF10cfkN0
2/18
俺「それは勿論、準備させて頂きます」
駅前で、姉貴の好きそうなお菓子でも買ってくればよかろう。

舞「お母さんの分もね」
サラッと追加される。が、まぁ良いか。取引成立だ。

姉貴に紙を渡し、簡単な説明をする。
説明と言っても内容のことではなく、この話がネットなどで色々と考察がされていること、しかしこれといった答えが出ていない、という説明だ。

いつものように小首を傾げながら、その内容を2度3度と読み返す姉貴。
お菓子はロールケーキにしよう、などと考えながら、反応を待つ俺。

すると―

舞「…意味が分からないわね」
俺「あら…」

お手上げか?
残念だが、まぁ、そういうこともあるか…

舞「そもそも、何なのかが分からないわ」
俺「何なのかって?」
舞「意味のある話なの?これ」
俺「意味は―」

オカルト系のこういった話では、「意味が無い」という結論になるものも多々ある。
この話にも、当然そういった説はある訳だが…

俺「あるものとして、考えられないかな」
意味が無い、だと…つまらない。


439:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:47:27 AF10cfkN0
3/18
舞「…この話には意味がある、って考えていいのね?」
俺「うん」
舞「あと…嘘は無い?」
俺「嘘?」

舞「これって謎掛けでは無いでしょ?この話の謎を解きなさい、って言っている訳ではないわよね」
俺「まぁ…そうだな」

舞「そうすると、あり得ないことや、実際には無かったことが含まれている可能性もあるわよね」
俺「ふーむ…」
誰かが何の意味もなく書いた話―謎掛けではない文章なら、嘘が入っていようがいまいが、誰が困る訳でもないし、文句を言うのも筋違いだろう。

…しかし、それだと解きようがない。

俺「嘘も無し、で」
舞「…分かったわ」

そう言って、再び紙に目を落とす姉貴。
俺はワクワクしながら、その様子を見守る。


440:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:49:22 AF10cfkN0
4/18
そして、数分後。

舞「全て事実で、意味はある。それが前提ね?」
そう言いながら姉貴が顔を上げる。
俺「あぁ」

舞「じゃあ、光一に聞くけど…この話について、どれくらい考えた?」
俺「ん?えーっと…」
この話を知ったのは、確か1年くらい前だ。
当然そのときはあれこれ考えたし、それからも時々思い出しては思考を巡らせていた。

俺「どれくらいかなぁ…延べ何日か、何週間か…結構考えたよ」
舞「答えは出た?」
俺「いや。どうにも分からず…」
舞「そう」
俺「…面目ない」
デキの悪い弟です。はい。
昔から、優秀な姉とは色々と比較されていたっけな…なんてことを思い出して、少し凹む。

舞「そんなこと気にしないで良いのよ。分かったから」
俺「あぁ…って、分かったの?」


441:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:50:34 AF10cfkN0
5/18
俺「凄いなぁ、これの謎が解けたのかぁ…」
流石と感嘆の声が出る。
しかし―

舞「謎、ねぇ…」
首を傾げる姉貴。ニュアンスが違うのかな?

俺「意味が分かった、って言ったほうが良い?」
舞「…意味は分からないわね」
俺「へ?」
???
何だ?
分かったけど意味が分からない?
意味が分からないけど分かった?

俺「えーっと、どういう…ことでしょう」
舞「1つの説として、聞いてね」
俺「…あぁ、うん」

何だか煙に巻かれた気分だったが、俺は姉貴の話を聞くことにした。


442:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:52:19 AF10cfkN0
6/18
舞「この話の主人公―1人称は、弟さん。それは良いわね?」
俺「あぁ」
妹とも考えられなくはないが…まぁ、弟だろう。

舞「お姉さんは、実家ではない所で暮らしている。結婚しているか未婚なのかは不明」
まぁ、不明だ。
しかし、1人で帰ってきたとか、旦那さんがどうのとは書いてないから、未婚である可能性が高いだろうとは思う。

そういえば、最初の一文を読んで、実はこの家族の名前は「久々実」なんじゃないか―なんて考えたこともあった。
読み方は分からないが、「久々実家」を、「久々実」と「家」に分けて…。
まぁ、もしそうだとしても、そこには何の意味もなさそうだが。

舞「で、そのお姉さんが脱いだ服から、メモが落ちる訳だけど…これって、どういった状況かしらね」
俺「状況って…そのままじゃ?」
舞「脱いだ服からメモが落ちるって、普通にあること?」
俺「まぁ、たまーには…」
稀な状況だろうけど、無くはないだろう。

舞「たまにだけどある、ね」
俺「うん」
何でそんなところに引っ掛かるのか知らないが、まったくあり得ないことではないだろう。


443:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 09:58:38 AF10cfkN0
7/18
舞「あと、”脱いだ服”ってあるけど、これは何かしら」
俺「脱いだ服は…脱いだ服、じゃない?」
舞「…」

…あ。

俺「普通に考えると、コートとか上着とかじゃない?」
何だか間抜けなことを言ってしまった気分になり、俺は慌てて付け加える。

舞「そうね。あと、脱いだ服は、”脱いであった服”とも考えられるわよね」
俺「んー?…あぁ、そうだな」
既に脱いで、置いてあった服を動かしたときにメモが落ちた場合でも、「脱いだ服から落ちた」と言えるだろう。
それが何か、意味があるのか?と思ったが…

舞「まぁ、どちらとも分からないから、考えるだけ無駄だけど」
俺「あ…そう」
なんという肩透かし。
…ま、いっか。

舞「で、メモね。…そもそも、メモを書くときって、どんなとき?」
俺「メモか…」
どういった時にメモを書くかは…色々と考えられるな。
俺「人から話を聞いたときとか、何かを見たとき…何かを思い付いたとき…かな」
舞「そうね」

…ん?姉貴の説と言いながら、何故か俺があれこれ答えているな。


444:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:02:36 AF10cfkN0
8/18
舞「でも、これも分からないわね」
俺「分からない?」
舞「このメモがどういった状況で書かれたかなんて、分からない」
俺「…あぁ」
それはまぁ、確かに分からない。

…うーん、何だか分からないことだらけだ。
これで答えに近づいているのだろうか?

俺「あのさ、途中で悪いんだけど―」
少し不安になった俺は、ここで姉貴に1つの説を教える。
それは、これは妊娠した女性の話で、堕胎をしたときのことについて書かれたものである、という説だ。
俺が調べた中で、これが一番納得できそうな説だった。

しかし―

舞「…それは無いと思うけど?」
と、バッサリと切って捨てられる。

俺「そうかなぁ…」

お腹の赤ん坊が右に左に動いたとか、右目と左目が確認できたとか…でも、堕胎してしまって「ごめんね」と…結構良い説だと思うのだが。


445:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:05:43 AF10cfkN0
9/18
舞「これ、メモ書きよ?日記じゃなく」
俺「うん」
舞「お腹の子供の成長の過程を、日記じゃなくてメモに残すの?」
俺「…あり得ないかな」
舞「母親がお腹の子供の成長の記録を、一言のメモ書きで済ますなんて…考えたくないわね」
少し嫌悪感を含ませながら姉貴が言う。
同じ女性として、許せない説だったのかも知れない。

俺「ほら、日記の切れ端かも知れないじゃない」
舞「一言だけの日記だってこと?」
俺「…そうか」

確かに、ちょっと考えにくいか。
主語も述語もない、一言だけの日記。
それが、お腹の赤ちゃんの成長日記?
もちろん、絶対にあり得ないとは言えないが…無理があるように思える。
少なくともこの文章を読んだ限りでは、このメモが日記であるとは考えられないかな。


446:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:09:20 AF10cfkN0
10/18
舞「ところで、このメモだけど…」
俺「ん?」
舞「どんな紙に書かれていたと思う?」
俺「…メモ用紙とか?」
何でも良いような気がするが…?

舞「先に言っておくと、紙のことなんて関係ないのだけど…少し考えると、何となく分かるわよ」
俺「ほぉ…」

関係ないなら別に…と言いたいところだが、まぁいいか。

舞「このメモには、1日、2日、って書かれているわよね」
俺「そうだな」
舞「でも、さっきの成長の記録の話じゃないけど、もしそういったものなら、1日目、2日目、って書くわよね」
俺「カウントしていく感じなら、そうだろうな」

舞「でもそうは書いていなくて、この後にカレンダーの話も出ていることから、これは”日付”って考えられる」
俺「…うん」
特に異議は無い。俺も日付だと思っていた。

舞「でも日にちだけで、何月なのかは書いていない」
俺「無いね…」
舞「何でかしら?そもそも、普通日付を書くなら…例えば12月なら、こうして”12/1”って書かない?」
渡した紙にボールペンで”12/1”と書きながら、姉貴が言う。
俺「そう…かも」

確かに、普段メモ書きでとかで日付を書くときは、”1日”ではなく”12/1”と書くかな…。
それに、メモとしての実用性を考えるなら、何月であるかを分かるように書くのが普通だろう。


447:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:13:06 AF10cfkN0
11/18
舞「それで考えてみたのだけど…この日付って、メモの紙に元から書いてあったものじゃないかしら」
俺「元から?」
何だか、少し飛躍した気がするが…?

舞「そう。だからこれ、システム手帳のリフィルじゃないかと思うの」
俺「リフィル…」
システム手帳に付け足す、あの紙のことか。

舞「曜日が書いてない、日付だけのリフィルってあるでしょ」
俺「あるね…」

確かにそう考えると、メモが7日までになっている説明が付く。
丁度1週間だ。1枚で1週間になっているリフィルは、もちろん存在する。
手帳としてオーソドックスなタイプとも言えるだろう。

―しかし、まてまて。
どこかおかしい所はないか…?と考えてみると、疑問が1つ浮かんだ。

俺「でも、この文章には「1日:右へ」って書かれているのだから…やっぱり、実際にそう書かれていたんじゃない?」
当たり前すぎるが、俺はそんな反論をしてみる。


448:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:20:35 AF10cfkN0
12/18
舞「確かにそうね」
俺「あら…」
サラッと認める姉貴。

舞「でも、手帳の日付にあわせてメモ書きがされていた場合…それをネット上に文章として書くときには、「1日:○○」って書いてもおかしくないかな、って思ったの」
俺「…なるほど」

違和感は…無いな。
メモ書きが日付にあわせて書かれていたのなら、当然、日付も文書に入れるだろう。
その場合どうやって書くか、となると…「:(コロン)」を使って書くのもおかしくはない。

俺「そうかぁ…」
1つの可能性に過ぎないだろうけど、何か分かった気がする。
これはひょっとして、答えに近づいているのか?
…と思ったが、そんな俺の気持ちは一瞬で打ち砕かれる。

舞「もっとも、絶対にそうって訳ではないし、話の内容とは何の関係もないけどね」
俺「えー…」

…何だってんだ。
さっきから、何だかおかしいぞ?
1つの解に向かっている感じが、まったくしない。
何故だろう?分かったと言っていたのに…


449:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:26:29 AF10cfkN0
13/18
俺「あのー…」
俺は思い切って聞いてみる。

俺「分かったんだよね?何だか今一つ…」
舞「もうすぐよ」
俺「そう…」

そう言うのなら、仕方ない。
何も分からないのは、俺の頭が固いだけかも知れない。
…うぅ、自虐。

舞「じゃあ、メモの内容」
俺「お…」

そうだ。メモの内容だ。
これが分かれば、一気に解ける気がする。
この謎めいた文章。これは暗号なのか、それとも…?

舞「これ、どう思う?」
…と、また質問される。
俺「…分からないよ」
最初に言ったと思うが、同じように答える。

舞「ずいぶん長いこと考えてみたけど分からなかった、よね?」
俺「…あぁ」
むう…バカにしているのか?泣くぞ?拗ねるぞ?
と、子供のようなことを思った俺に、姉貴はこう言った。

舞「つまり、そういうことよ。分かった?」


450:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:30:05 AF10cfkN0
14/18
俺「…ほぇ?」

ナニイッテルノ?
毎度のことだが、頭にハテナが浮かぶ。
しかし、今日はいつも以上だ。まったく意味が分からない。

舞「ここまで、この話から読み取れる、色々なことを考えてみたけど…どれも、分からなかった。ハッキリと答えは出なかった」
俺「…うん」
舞「何年も前からある話で、今まで、誰も明確な答えを出せていない。誰にも理解できていない」
俺「そうなんだよね」

舞「でも、ここに1人、全てを理解した人がいるのよ」
俺「…え?」
俺?じゃない。姉貴…でもなさそうだ。
じゃあ他に…

あっ―

俺「この、弟さん?」
舞「そう。しかも時間まで書いてあるわ。3時間って」
俺「…」
随分長いこと考えた俺と違って、わずか3時間だ。
この弟は天才か?ものすごい発想力を持っているのか?

…いや、違う。
これは―

俺「弟だから分かった?」
舞「そうなるわね」


451:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:35:17 AF10cfkN0
15/18
舞「何人もの人が長いこと考えても分からない、謎のメモ書き。でもこの弟さんは、少しの時間でその意味を理解したのよ」
俺「あぁ」

舞「これはどう考えても、”弟になら分かる内容たった”ってことじゃない?」
俺「そうか…」

何人もの人間が長い時間掛けても分からない。
でも、弟は3時間でそれを理解した。
それは、弟になら分かる内容だったから。他の人には分からない内容だったから。
確かに、実際に起きたこと…今、現に起きているこの状況を考えると、そういった結論も納得できる。

舞「そう考えると、最初に言った「脱いだ服からメモが落ちる」って状況も、説明が付くの」
俺「む?」

舞「メモに書いてあるのは、弟になら意味の分かる内容。しかも、彼にとって血の気が引くような内容」
俺「うん」
舞「久々に実家に帰ってきた姉の脱いだ服から、普通の人にはわからないけど、弟には意味の分かるメモが落ちてきた―これは、偶然?」


452:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:40:01 AF10cfkN0
16/18
脱いだ服からメモが落ちることは稀だ。
しかしそれが実際に起きて、そこには、それを見た弟にしか分からないような内容が書いてあった。
他の人がメモを拾っても、意味なんて分からない。
しかし弟には分かる。その弟がメモを拾った。これは―

俺「姉がわざと落とした?弟に、メモを見せるために」

それがシックリくる。
偶然が重なったと考えるより、自然だ。
それに…

俺「そうすると、姉が久々に実家に帰ってきた理由は…」
舞「そこまでは書いてないから何とも言えないけど、目的はそれかもね」

確かに、ハッキリとそうだとは言えないが、そこはこう考えても良いんじゃないか?
この姉は、弟にどうしても伝えたいことがあった。
何か深い理由があるのか、言葉ではなく、わざわざこんな形で。
それは、弟にだけ分かる内容。
そう、弟にだけ…

…ん?

俺「弟だけ…とは限らないのかな?意味が分かるのって…」
他にも分かる人がいる可能性は、十分に考えられるだろう。そんな断定はできない。
例えば…家族の人とか。


453:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 10:49:15 AF10cfkN0
17/18
舞「そうね。意味を理解できる人は、他にも居るはずよ」
おや…言い切ったぞ。

俺「何で、居るはずって?」
舞「最初に確認したでしょ?”この話には意味がある”って」
俺「したけど…」

舞「弟さんが、自分にだけ理解できる話を書いても、意味が無いのよ。
自分の他に、メモの内容と”12月20日”という日付を見て、同じように理解ができる人がいるからこそ、この話には意味があるの」
俺「あぁ…」

あの確認は、そういうことだったのか。

つまり…
俺「この話は、誰か、意味の分かる特定の人に向けられたもの?」
舞「…というのが、私の説ね」
俺「なるほどねぇ…」

自分には分からないが、どこかにこの話を読んで、弟さんと同じように血の気が引いた人が居るのかも知れない。

…いや、きっと居るだろう。
そうでなければ、意味がない。
どういった理由、事情があるかは分からないが、誰にも絶対に理解できない話なら、弟さんがこれを書く意味がないからだ。


454:赤緑 ◆kJAS6iN932
11/02/15 11:00:27 AF10cfkN0
18/18
舞「そういうことで、良いかしら?」
俺「ん…あぁ、ありがと」

1つの解が得られたぞ。明日にでも、古乃羽達に教えてあげよう。
上手く伝えるには難しい気もするが…まぁ、なんとかなるだろう。

舞「あの件、忘れないでね」
俺「ん?…あぁ、甘いものね」

そんな要求をされたことも、古乃羽達に教えてしまおう。
フッフッフ。それで姉貴の株が下がることはないだろうが―

舞「楽しみに待っているからね。ロールケーキ」
俺「はいはい…。って!?」

な、なぜロールケーキと分かった?口に出して言ったっけ?
心を読まれた?そんな…まさか、読心術…?

俺「な、なんで…?」
舞「それくらい分かるわよ。―ほら、姉弟だもの」

そう言って、ニコリと笑う姉貴。
…俺は、少しだけ血の気が引いた。




455:本当にあった怖い名無し
11/02/15 15:02:20 WwScvmVjO
小学生の作文はおなかいっぱいです

456:本当にあった怖い名無し
11/02/15 19:26:28 2K5dZ4kG0
乙です~

457:本当にあった怖い名無し
11/02/15 21:34:24 YhN5IPTf0
メリーさん「私、メリーさん。ボジョレー飲み過ぎちゃったの……うひゃひゃひゃひゃひゃ。ちょっと貴方、私の服全部脱がして抱きなさいよ。私が好きならギュッと抱きなさいよ!!」
















メリー「嘘よ。」



458:本当にあった怖い名無し
11/02/15 22:49:01 AKszH+mr0
ウニ氏早く来て

459:本当にあった怖い名無し
11/02/16 09:07:30 ecmQEqBA0
>小学生の作文はおなかいっぱいです
しかし小学生の女の子が書いているとすると途端におにんにんがおっきなる
小学生女子児童の子宮をぼくのSS(スーパースペルマ)でおなかいっぱいにしてあげた まる
などと供述しており

460:本当にあった怖い名無し
11/02/16 19:53:57 gPzL3TGUO
SSサイズの、まで読んだ。

461:本当にあった怖い名無し
11/02/18 20:09:32 tCEDMsaN0
ウニ来いやー

462:来たよ ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:08:21 rM70Z9OU0
ウニです。

前回の続きですが、半ば予想したとおり難航しています。
投げているわけではないので、すみませんがもう少しお待ちください。
今日は別の話を持ってきました。
では、

463:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:12:11 rM70Z9OU0
大学一回生の春だった。
そのころ僕は、以前から興味があった幽霊などのオカルト話に関して、独特の、そして強烈な個性をまき散らしていたサークルの先輩に心酔しつつあった。
いや、心酔というと少し違うかも知れない。怖いもの見たさ、のようなものだったのか。
師匠と呼んでつきまとっていたその彼に、ある日こんなことを言われた。
「星を見る少女を見てこい」
星を見る少女?
一瞬きょとんとしたが、すぐにそんな名前の怪談を思い出す。怪談というよりも都市伝説の類かも知れない。
「どこに行けばいいんですか」と訊いてみたが、答えてくれない。何かのテストのような気がした。ヒントはもらえないということか。
「わかりました」
そう言って街に出たものの、地方から大学に入学したばかりで土地勘もない。大きな街だ。まったくの徒手空拳で歩き回り、偶然見つかるほど甘いものではないだろう。ということは、このあたりでは有名な話なのかも知れない。
僕は所属していたサークルへ足へ向けた。
部室でだべっていた数人の先輩に「星を見る少女」について訊いてみる。
「ああ。あの、橋のところのマンションだろう」
あっさりと分かった。
ある一室の窓に、ベランダ越しに星を見る少女の姿が見られるのだという。
「何号室なんですか」
「さあ、そこまでは」
サークルでの情報収集を終え、次に大学の研究室へ向かった。
ゼミの時間ではなかったが、やはり先輩を含む数人が書籍に囲まれた狭い室内でだべっている。
「聞いたことがある」
地元出身の女性の先輩がそう言った。
「リバーサイドマンションって名前じゃなかったかな」
「何号室とか」
「さあ。空き部屋って話だったとは思うけど。今でもそうなのかな」
あまり芳しくはなかったが、この程度の情報でも十分だろう。
研究室を出ると僕はすぐさまくだんのマンションへ向かった。

464:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:15:30 rM70Z9OU0
小一時間自転車を走らせると、市内を流れる大きな川沿いに四階建てのマンションの姿が見えてきた。
ベランダ側が川に面していて、ちょうど橋の上から全体が見渡せる。向かって左手側の堤防の向こうだ。
その日は春らしい暖かさはどこかに消えて、冬に戻ったような肌寒さを感じる日だった。風が強く、橋の上から見下ろすと川面がさざなみ立っている。
橋の中ほどで自転車を止めてマンションを眺めると、各部屋のベランダに布団や洗濯物が干してあるのが見えた。思わず空を見上げたが、薄い雲に覆われていて日差しは弱々しい。乾くには時間がかかりそうだ、と余計な心配をしてしまう。
「どの部屋がそうなのかね」
吹きさらしの橋の上で肩を縮こませながら口に出してみる。
広く知られている『星を見る少女』という怪談の中身はおおむねこうだ。


バイト帰りの男子大学生が夜遅く自分の家へ向かう途中、あるアパートの二階の窓に若い女の子の姿を見た。
彼女は身じろぎもせずに、じっと窓の外の空を見ている。満点の星空だ。
そのアパートを通り過ぎて家に帰り着いてからも、大学生はその女の子のことがやけに気になった。星空を見つめているという姿にロマンティックなときめきを感じたのだ。
次のバイトの日、また夜遅く家へと帰っていると、あのアパートの前を通りがかった。すると先日と同じように、あの女の子が窓辺から夜空を見ている。
暗くてよくは分からなかったけれど、その横顔はとても素敵に見えた。
名前も知らないその女の子に恋心を抱いた大学生は、次のバイトの日の帰り、また同じように窓辺から星を見つめている彼女の姿を見たとき、たまらくなくなって自分の思いを伝えようとそのアパートの部屋を訪ねた。
玄関のドアをノックしても返事はない。中は明かりもついていないようだ。それでも彼女は部屋にいるはずなのだから、ノックが聞こえていないのだろうかとそっとノブを捻る。
開いた。
部屋の中を覗き込んだ彼が見たものは、窓際で首を吊っている女の子の姿だった。まるで窓の外の星を見ているような。


グロテスクなオチだ。
それが改変されたと思われる『てるてるぼうず』の話も聞いたことがある。

465:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:20:21 rM70Z9OU0
窓辺の首吊り死体がやがて腐り始め、首から下がズルリと崩れ落ち、頭部とそこからぶらさがる脊椎だけが縄に吊るされている。その凄まじい状況が遠目にはてるてるぼうずのように見える、という話だ。
こちらはあまりメジャーではないが、星を見る少女の方はテレビや雑誌でもそれに類した話をよく見るので、全国的に広がった話だと言えるだろう。
しかしこのリバーサイドマンションにまつわる星を見る少女の方は、その名前は街なかでそこそこ知られているものの、噂自体は具体性にかけるようだ。
今日聞いた話では、「誰も住んでいないはずの部屋の窓から女の子が外を見ている」というものと、「その部屋で死んだ女の子が夜中に窓から星を見ている」というものがあった。
前者は全国版と同じようにその女の子の姿が気になった男が部屋を訪ねてみると、首吊り死体があったというオチだった。
後者は首吊りというオチがないかわりに、最初から死者であることが示されていることで怪談になっている。
まったく違う話のようだが、時系列になっているようにも思える。首を吊って死んだ女の子が今でも亡霊として現れるという筋だ。
真相はともかく、窓から少女が空を見ているという部分は共通しているはずだ。
僕は各部屋のベランダに干された布団が風にたなびいている様子を眺める。
ほとんどの部屋がカーテンを閉めていてその向こうは見えない。留守が多いのだろう。カーテンが開いている窓もいくつかあったが、ガラス戸は閉まっていて、そのいずれにも人の姿はなかった。
まあ昼間からそうそう出るものではないだろう。
「出る」という言葉を思い浮かべてから、今さらながら気づいた。
師匠は星を見る少女を見てこい、と言ったのだから、現在も継続する怪談のはずだ。ということは今日聞いた二つの噂のうち、全国版に近い「首を吊っていた」というオチの方はおかしい。
それは誰かの体験談として語られるタイプの怪談であり、同じ体験をしてしまうかも知れない、という怖がらせ方をするものではないのだ。
それを聞いたあなたのところにも……という巻き込み型の話にもならないはずだ。前提条件が特殊すぎる。
やはり死んだはずの少女が窓に映っている、という方が本命か。それを見てこいというのだ。
そうとなれば昼間に来ても駄目だろう。夜を待つしかない。なにせ「星を見る少女」なのだから。

466:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:24:27 rM70Z9OU0
僕は現地を確認したことでそれなりに満足して立ち去った。

その夜である。
僕は同じ橋の上に立っていた。
まだ風が強く、街の明かりが波立つ暗い水面に乱反射していて、風情がない感じだ。
その川の堤防の向こうに四階建てのマンションの姿がある。各部屋の窓にはカーテン越しに明かりが灯っている。
腕時計を確認すると、夜の十一時。この時点で明かりが消えている部屋は四つ。目を凝らすと、そのうちの一部屋は洗濯物が出しっぱなしになっているのが見える。残りの三部屋は昼間に洗濯物を干していたかどうか思い出そうとしてみたが、記憶があいまいだった。
ただ空き部屋があるとしたらその三つのどれかだ。
じっと見つめていても、それぞれの窓にはなんの気配も見当たらない。というよりも、明かりのない窓は暗すぎて中に人がいても見えそうもなかった。
僕は明るい方から暗い方はあまりよく見えないという法則を思い出した。
昼間は暗い家の中から明るい外の様子がよく見えて、外からは家の中がよく見えない。夜は逆に明るい家の中を外から見られてしまい、家の中からは外が見えない。
橋の上も街路灯がぽつりぽつりとあるだけでさほど明るい訳でもなかったが、数十メートル離れたマンションの暗い窓の向こうを見て取るのは無理な話だった。
今いる場所は橋の中ほどだったが、これ以上マンションの方に近づくと、角度がつき過ぎて横からの眺めになるために、部屋の中は見えなくなってしまう。
なにか変だった。
これでは「星を見る少女」を見ることができない。誰にも。
念のために橋を渡り、マンションの前に行ってみたが、川の堤防に近すぎて、その堤防ぶちギリギリに立って見上げても角度がきついため窓がよく見えない。各階のベランダの足場を下から見上げる形になるからだ。
もちろん対岸からでは遠すぎる。やはり窓の向こうに人影が見えるとすると、あの橋の上からだ。
それが周囲を観察して出した僕の結論だった。
あるいは川に船を出せばもっと近くで窓を見ることができるかも知れないが、それでは一般的な噂にならないだろう。
ううう。と唸って僕はもう一度堤防沿いからマンションを見上げる。

467:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:29:41 rM70Z9OU0
風が吹きつける橋のあたりから気味の悪い音が響いてくる。ロープや欄干を抜ける多層的な風切り音が。
良い雰囲気だ。ゾクゾクする。
なにか手がかりはないかと思ったが、ウロウロしていても思いつきそうな気配はなかった。コンビニの袋を提げた住民がマンションの入口のあたりからこっちを不審そうに窺い始めたので、気の弱い僕はもうそれだけで退散したくなってきた。
しかたなしに一旦堤防沿いを歩き去ってから、せめてどこが空き部屋なのかだけでも確認できないかと、ぐるりと遠回りしてマンションに戻り、入り口近くの郵便受けの様子を確認した。
銀色のボックスにつけられた部屋番号の下に名前のプレートがあるものもあったが、部屋番号のみのものも多かった。防犯対策か、あるいは訪問販売対策なのだろうか。
チラシの類が大量に詰め込まれているようなボックスもない。空き部屋があっても、管理人か誰かがこまめに回収しているのだろう。
考え込んでいると、背中に視線を感じた。
「あの、すみません」
主婦らしき女性が、自分の部屋のボックスを開けようとしていた。
僕は自分でも情けないくらい狼狽して、しどろもどろに弁解じみたことを言いながらその場を逃げ去った。
帰り道、師匠ならずぶとく情報収集をしていただろうなあ、と思い、なんだか情けなくなった。

次の日、僕は大学の講義の空いた時間を利用してまたリバーサイドマンションへ来ていた。
どう考えてもおかしいのだ。夜の暗がりの中では、やはり橋の上から明かりの消えた室内は見えない。
ということは、明かりのついた部屋、つまり空き部屋ではなく、誰かが住んでいる部屋での出来事なのだろうか。
それにしても、窓際に立って外を見ている人ならば、室内の光は背後から来ているはずだ。直接顔が照らされていない人を、夜中に橋の上のこの距離から見て、はたしてそれが少女であると視認できるものだろうか。
おそらく誰か分からないけど人影が見える、という程度ではないか。
考えれば考えるほど分からない。
昨日から引き続いて風の強い日だった。川面に映るマンションの姿もぐちゃぐちゃに揺れている。


468:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:32:45 rM70Z9OU0
今みたいに橋の上から川を見下ろして溜息をついていると、誤解されそうだった。
「おい」
そんなことを自嘲気味に考えている時、急に背中から声をかけられ、飛び上がりそうになった。
振り向くと茶髪にピアスの怖そうな人が立っている。
「なにしてんだこんなとこで」
一瞬緊張して身体が固まったが、相手の物腰が因縁をつけている感じではないことに気づく。
「あ、先輩スか」
ふいに思い出した。確か同じ研究室の三回生だ。ほとんど研究室には顔を出さない人なので、うろ覚えだった。
「サボりか」と訊かれたので、「いや、まあ」と笑ってごまかす。
「あの時は悪かったな」
そう言って肩を叩かれた。笑っている。つられて笑っているうちにだんだん思い出してきた。
学内の芝生で行われる、伝統の新入生歓迎コンパで僕にむりやりビールを飲ませ続け、人生初のリバースを体験させてくれたのがこの先輩だった。
「オレの家、アレなんだよ」
先輩はそう言ってリバーサイドマンションを指さした。
「いや、一人で借りてるわけじゃねえよ。親、親。実家があそこなんだよ。オレはもっと大学の近くに部屋を借りてんだけど、洗濯がめんどくさくてな。ためこんだブツをおすそ分けしにしょっちゅう帰ってんだ」
あ、いいな。と思ってしまった。
僕も初めての一人暮らしで、一番困っているのが洗濯だったからだ。親に任せていた高校時代には想像もしていなかったが、これが実にめんどくさい。
先輩は思ったより気さくな感じだったが、やはり見た目の怖さにはすぐになじめない。会話が途切れたところで「じゃあこれで」と立ち去ろうとしたが、今さらこの人が重要な証人であることに気づいた。
「え、じゃあ、あの噂知ってますか。あのマンションの部屋の窓から女の子が……」
「ああ。知ってるよ。空を見る少女とかなんとかいうヤツな」
当たりだ。本当は星を見る少女だが。
僕は興奮してたたみかけた。

469:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:35:30 /u4HVKld0
生ウニさん!支援

470:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:36:11 rM70Z9OU0
「先輩は見たことありますか? どこから見れるんですか? どの部屋ですか? 空き部屋なんですか?」
「おいおい。ちょっと、待て。落ち着け」
先輩は周囲の目が気になったようで、あたりを見まわしたあと、「こっちこっち」とマンション側へ橋を渡りきった所にあったベンチに僕を誘った。
「あれってただの噂だろ。ほんとなわけないじゃん」
座って早々に先輩は言った。
あ、やっぱり。
妙に納得してしまった。それが普通の感覚なのだろう。
「誰もいないはずの空き部屋にそんな女が見えるって話だろ。オレの知ってる限り空き部屋なんてねえよ。あんまガキのころは分かんねえけど、高校、ていうかたぶん中学以降はずっと住人メンバー変わってないはずだ。それに……」
先輩はマンションの方を振り向きながら顎をしゃくった。
「空き部屋ならよ、雨戸閉めるだろ、普通」
「あ」と声が出た。言われてみるとその通りだった。
フローリングだか畳だか知らないが、空き部屋の日光の入るベランダの大きな窓に雨戸で目張りをしないはずはなかった。
「その部屋で死んだはずの子が、夜中に窓から外を見てるとかって話はどうなんですか」
「そんな噂もあったなあ。どっちにしろデマだ、デマ。そもそもマンションで誰か死んだなんて話、聞かねえよ」
あほくさ、と呟いて先輩は「迷惑なんだよなあ、住民としちゃあ」と真面目な顔で語った。彼自身はもう住民ではないはずだったが。
「203号室だとか、302号室だとか、いやいや402号室だとか、全部噂の中身が違うんだぜ。適当すぎだろ。オレんちの部屋のバージョンもあってさ、中学のころにからかわれたこともあんだぜ」
ほんとに迷惑だ、となぜか僕を睨みつけてきた。
「すみません」ととっさに謝りながら、ふと湧いた疑問を口に出していた。
「かなり昔からある噂なんですか」
「ああ。ガキのころからあった気がするな。あんま覚えてねえけど」
昔からある噂……
まったく根も葉もないものが、それだけ長く続くなんてことがあるのだろうか。

471:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:40:06 rM70Z9OU0
考え込んでいると、いきなり先輩が立ち上がり、僕の肩をドシンと叩いた。肩を叩くのが好きな人だ。
「とにかく、そんなくだらねえ噂信じてんじゃねえよ。迷信なんて信じるとろくなことにならない、って言うだろ」
後半は冗談のつもりだったらしく、笑いながら肩をバンバンと叩かれるので、僕はぎこちなく愛想笑いを浮かべるしかなかった。
先輩と別れ、追い立てられるようにその場を後にした僕は、自転車に跨りながら今日得た情報を頭の中で整理していた。
昔から空き部屋はない。死んだ女の子もいない。噂の中身もバラバラ。住民自身も信じていない。
溜め息が出た。噂なんてこんなものか。現実に、星を見る少女なんているわけはないのだ。
それでも……
(星を見る少女を見てこい)
脳裏に蘇った師匠の言葉に、僕は頷くのだった。

その三日後、めげない僕はまたリバーサイドマンションを望む橋の上に来ていた。
なんの目算もない。とりあえず来てみたのだ。我ながら涙ぐましい無駄な努力だ。
実は一昨日も来ていた。もちろんなんの収穫もなく帰っている。
橋の真ん中に欄干が少し外側へ膨らんだ場所があり、そこがマンションを見るベストポジションだった。僕はそばに自転車を止めるとその位置に両肘を乗せた。
そして、ふと気づいて先輩がいないか辺りを見回す。この噂話にかなり迷惑を被っているであろうその先輩は、冗談めかして笑ってはいたが、興味本位で噂を追いかける野次馬に内心むかついているのは容易に想像できた。
また僕がこりもせずにこんなところにいるのを見られたら、どんな目に遭わされるか分かったものではない。
実は昨日も来ていたのだ。そしてなにも見えずに帰っている。ようするに毎日来ているのである。
よし、と先輩がいないのを確認してマンションの方へ向き直り、観察を開始する。
整然と並んだベランダにはいつものように洗濯物がずらりと並んでいる。よくもまあそんなに毎日洗濯ができるものだ。
僕などもうめんどくさくてめんどくさくて、一週間は平気で溜め込んでいる。実家へ持ち込める先輩が心底羨ましかった。

472:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:42:21 9mpK6QRrO
紫煙

473:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 22:46:15 rM70Z9OU0
それにしても今日は良い日差しだ。ここ数日の寒さが嘘のように春らしい暖かさが戻ってきたし、絶好の洗濯日和と言えるだろう。
午後の陽光に目を細めながら、僕は良い気持ちでマンションの全景を眺めていた。カーテンが閉められている部屋が全体の六分の五。半端に開いているのが二部屋。全部開いているのも二部屋。
どの部屋のベランダにも、布団を叩いたり洗濯物を干したりするような主婦の姿はない。
平日だし、共働きも多いのかもしれない。主婦のスケジュールはよく分からないが、専業でも洗濯物を干したりなんかは午前中にするものと相場が決まっているのかも知れない。
……
あくびがでた。
欄干に顎を乗せる。眠くなってきた。
今日は風がないな。
だから暖かいのかも知れない。
首を伸ばして川を見下ろすと、凪いだ水面が静かにたゆたっている。昨日までの風でさざなみ立っている時とは全く違う相貌だ。
川面はまるで鏡のように周囲の景色が鮮明に映りこんでいる。時が止まったように。
鏡の中のマンションを見ると、ベランダに出された布団の色も見て取れる。目を凝らせば柄まで見えそうだ。洗濯物も、カーテンも、人間の顔まで見えた。
妙に感心してしまった。
いくら風がなくても、海ではこうはいかないだろう。湖や流れの緩やかな川で、しかもよほど条件が整わなければこれほど綺麗に景色を映すことはないだろう。
実に良い物を見たような気になり、満足してしまったので今日はもう帰ろうかと顔を上げかけた。その時だ。じくり、と首筋に何かが這うような気持ちの悪い感覚が走った。
顔。
顔だ。
さっき確かに人間の顔が見えた。
思わず顔を上げて橋の向こうのマンションを見る。一階、二階、三階、四階。どの部屋もベランダは無人だ。そしてほとんどの部屋はカーテンが閉まっている。人の姿は見えない。
胸に動悸を感じながら橋の下に目を向け、鏡の中のマンションを見つめる。
いる。
部屋の一つ。三階の、右から三番目の窓。カーテンが半分開いている。


474:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:50:17 bqMEoHBk0
さすがにそろそろ支援が要る?

475:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:53:49 bqMEoHBk0
猿?

476:本当にあった怖い名無し
11/02/18 22:55:55 7TXVbBZJ0
オッホー

477:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:03:33 rM70Z9OU0
その窓際から外を見ている顔。女の子だ。髪が長い。
僕は狼狽して目を擦った。鏡のようだとは言っても、しょせんは流れている水だ。見間違いということはあるかも知れない。
しかし何度目を擦っても、水面に映るその部屋の窓には女の子の姿があるのだ。
顔を上げて現実のその部屋に目を凝らしても、カーテンは半分開いているが窓の向こうには人影すら見えない。
そのまま顔を下げると鏡像の女の子は、じっと外を見続けている。それも、気のせいかこちらを見ているような気がする。
ぞくりとして生唾を飲み込む。
橋の下の川面に映った鏡像の中からの視線が、橋の上にいる僕の方へ伸びてくる。思わずその視線を避けて、のけぞるように顔を背ける。
自然と、その視線を可視的で立体的なものとしてとらえ、その行方を追いかける。
視線は僕のいた場所を通り過ぎ、そのまま突き抜けるように空へと向かっていった。わずかな雲の浮かぶ青空へ。
その瞬間、僕の中に凄まじい、感情とも快感ともつかない、なにか未分化の奔流のようなものが走り抜けた。

空を見る少女!

先輩は確かにそう言った。噂の原型はそれなのだ。言い間違いでも、聞き間違いでもなかった。どおりで夜には見られないはずだ。そうなのだ。この、空を見る少女こそが!
放心した僕の頬を風が撫でた。暖かい春の風が。
ハッと気づいて川を見下ろす。
もう水面は、たなびく風に波立ち始めていた。マンションも、部屋の窓も、その向こうに儚げに立つ少女の姿も、なにもかもが溶け合うように虚ろに揺らめいている。
もう見えない。
川の上流に目をやると、波立った水がどこまでも伸びている。少なくとも上流のあの波立った水面がこの橋の下を通り過ぎるまで、もう鏡のような姿には戻らないだろう。それまでにまた風が吹いてもだめだ。
僕は力が抜けたように欄干へ身をもたせ掛けた。


478:星を見る少女 ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:06:34 rM70Z9OU0
そして橋の下に目を向け、もう見えなくなったあの繊細な鏡像を、あの顔を、そこに見ようとする。
星を見る少女に恋した大学生の気持ちが少し分かったような気がした。手の届かないものだからこそ、美しいのだ。
僕はもう一度、今度は心の中で思い描いた。
気まぐれに現れた奇蹟のような時間、確かにそこにあった幻を。

その夜。
師匠の部屋に乗り込んだ僕は、ことの次第を告げた。
ニヤニヤしながらも師匠は口を挟まないまま聞き終わる。そしてやおら押入れに上半身を突っ込むと、ごそごそと中を探り、一冊のバインダーを出してきた。
パラパラと捲っているのを見ると、色々な新聞記事などのスクラップのようだった。
「お前が見たのが、まさに噂の正体だ。空を見る少女。川の中から空を見上げているその姿を、たまたま見てしまった人がいたんだろうな。霊感と、鏡のような水面。その二つが偶然に重ならないと見られない実にレアなお化けだ」
ページを捲りながら師匠は言う。
お化け、と表現されると、ロマンティックな気持ちに浸ったままの僕はなにか釈然としないものがあった。
「元々はその正しい噂があったのかも知れない。しかし『星を見る少女』という、もっと有名でかつ似た名前の都市伝説があったために、混同されてしまったんだ。空を見る少女の方はめったに見るもいないんだから、噂の混同部分の比率では自然にマイノリティになってしまう。
結局、様々にバージョンの広がった『星を見る少女』の中に取り込まれちまったんだ」
あった、これだ。と師匠は古びた新聞紙の切り抜きを取り出した。
地元紙の地域欄だ。日付は十七年前。
何か裏を取ったのか、この人は。感嘆が喉元まで出掛かる。
記事には『女子高生水死』という文字が大きく印字されている。場所はあの川で、まさにリバーサイドマンションの堤防のすぐ前のあたりだ。
それほど水深もなさそうだったのに。記事を読む限り水死の原因は分かっていないようだ。死亡した女子高生の住所も出ていたが、リバーサイドマンションではなかった。
「そりゃそうさ。この子はリバーサイドマンションになにか執着があってそこに迷い出てきてるわけじゃない」

479:星を見る少女 ラスト ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:08:46 rM70Z9OU0
師匠は記事をひらひらさせながら説教じみた口調で続けた。
「鏡の中からの視線が空に向いてるってことは、本来のマンションの部屋からの視線は水面に向かっているってことだ。反射角度とか難しいこと考えなくてもそれは分かるよな。ようするに、この子は自分の死んだ場所を見つめているだけだ」
それを聞いた瞬間、ぞくっとした。
星を見る少女にも負けず劣らず、グロテスクなものを感じたからだ。
「噂では203号室だとか、302号室だとか、肝心のその部屋がどこかって部分はバラバラだ。実際にどこでもいいからだよ。要するにこの子は、その川の場所さえ見られたらどこからだっていいいんだ。カーテンが開いている部屋なら」
と、いうわけだ。
そう言って師匠は満足したように口を閉じた。そして新聞記事をスクラップの中に淡々と戻している。
僕は数日間のささやかな冒険のことを思い返し、複雑な気持ちだった。
『星を見る少女』という怪談、あるいは都市伝説に、塗り替えられてしまったあの少女のことを思うとなんだかやり切れない思いがあった。
直接マンションの部屋に出るわけではなく、いや、実際はそこにいるのかも知れないけれど、水面に映った幻の中でだけ見ることが出来る、というのが、なんだか若くして儚く散った彼女の生涯に重なるようで、思わず目頭が熱くなってしまった。
そんなことをぽつぽつと呟いていると、師匠は僕の肩をどやしつけた。最近やたらと肩を叩かれる。
「一応、ミッションは合格にしといてやるけど、優良可で言うと良だ」
なんだ偉そうにこの人は。ムカっときて思わず睨むと、その数倍鋭い眼光に射竦められた。
「だったら優はなんなんです」
僕がなんとかそれだけを返すと、師匠は暗く輝く瞳を細め、その眼球を自分の手で指さしながら、ぼそりと囁く。
「俺は、直で、見られる」
いつでもな、と、口を歪めて笑った。

480:今夜は ◆oJUBn2VTGE
11/02/18 23:10:00 rM70Z9OU0
終わり

481:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:11:26 bqMEoHBk0
乙です。
星を見る少女の話って結構好きなんだよね。おもしろかった。

482:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:25:40 sLIb7djwO
ウニ乙です
今回の師匠の凄さを田舎と同様に感じました。

483:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:39:08 p98SD7cn0
え、え、生ウニ!?記念パルサミコパルサミコ!

484:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:42:37 0jMfM4jlO
ウニ乙でございまし(;´д`)

485:本当にあった怖い名無し
11/02/18 23:57:33 mZNS/M+30
ついにリアルで出会えた
ウニ乙!!
いつも読んでます

486:本当にあった怖い名無し
11/02/19 00:04:55 IEes2sXB0
おぉ! 今回も面白かったです。とくに後半はテンポよくてすごく良かった。

487:本当にあった怖い名無し
11/02/19 00:16:27 YcaS+2Zo0
ウニ乙!
面白かったわー。

488:本当にあった怖い名無し
11/02/19 01:03:05 IWLYU39/0
ウニ乙!
このころの師匠はまだ「俺」なんだね。

489:本当にあった怖い名無し
11/02/19 01:10:49 s+SsepgT0
ウニ乙!
いやー、面白かった!

490:本当にあった怖い名無し
11/02/19 01:18:28 RP86A1UEO
ウニさん乙です!
師匠パねぇwww
この二人が出てくる話の雰囲気やっぱ良いわー。


491:本当にあった怖い名無し
11/02/19 02:28:57 Oo909bFl0
わ~ウニさんだ!起きてて良かった~
拝読拝読♪

492:本当にあった怖い名無し
11/02/19 04:22:41 kuUF1ASy0
ウニの最後のセリフの優はなんなんです
って何?

493:本当にあった怖い名無し
11/02/19 04:52:39 ecadDUmo0
>>492
「一応、ミッションは合格にしといてやるけど、優良可で言うと良だ」
ちゃんと読んでる?

494:本当にあった怖い名無し
11/02/19 05:04:53 DD4udseg0
>>492
それが理解できないとこの話の
オチが無くなってつまんないだろ?
よく読め。

495:本当にあった怖い名無し
11/02/19 06:23:09 ecadDUmo0
>>494
ごめん、小学生かな?

ざっくりいうと、つうしんぼのたいへんよくできました、よくできました、がんばりましょうのうち
「よくできました」くらいのできだね、と師匠がいうから「じゃあどうなったらたいへんよくできましたがもらえるんですか?」ときいた
そしたら師匠が「じぶんならすいめんのじょうたいやそとのあかるさにさゆうされずに、
すいめんにうつしたりもしないで、いつでもちょくせつおんなのこをみられるよ、
つまりそれができていたらたいへんよくできましただったよ」といったんじゃないのかな

これでよろしいでしょうか?

496:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:07:39 sk8STJZR0
494に言うの?

497:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:11:18 ecadDUmo0
>>496
ごめん>>494は親切な人だった、安価間違いごめんね
>>495>>492へだったわ、早起きしたら寝ぼけてて本当にすまなかった

498:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:15:17 g9e0V0ULO
おやま土曜以外にウニ乙、やっぱ師匠の話がいいね

>>497 モルダー、あなた疲れてるのよ…
変な安価になってるし、元気出せよ

499:本当にあった怖い名無し
11/02/19 07:32:14 sk8STJZR0
>>497
例えば>>492>>493の後で「え?どういう事?」とかまだ理解できない素振りを見せたなら判るけど、
そう言うわけでもないのに>>495で二度目の説明を、しかも煽りまがいにする必要はないと思うよ

500:本当にあった怖い名無し
11/02/19 10:59:39 MwAGAeUX0
ウニの時だけ流れが普通の文章系スレに戻るのに吹く


501:本当にあった怖い名無し
11/02/19 13:00:34 ZbV3OM5RO
>>499
並んだ時には既にマッカーサーだもんな。
イチゴ抜きでも夏休みだしな。

502:本当にあった怖い名無し
11/02/19 14:14:59 atmcpyO+0
師匠は確か女だったはず 偽者乙でおkですね ふふん

503:本当にあった怖い名無し
11/02/19 15:39:46 Cmw16PTQO
>>502
にわか乙。
今回のは性転換後の話だよ。

504:本当にあった怖い名無し
11/02/19 18:55:13 VZwMsniL0
いやだから乖離性人格障害だってば。

505:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:02:05 kuUF1ASy0
みんなありがとう

506:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:19:32 O7DAJfbF0

チアガールの笑顔はオカルト

次はこの話頼む

507:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:33:26 O7DAJfbF0

便意を我慢して必死に歩く競歩のトレーニング法はオカルト

次はこの話頼む

508:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:41:55.99 O7DAJfbF0

誰もが同じ場所で観光写真と撮るのはオカルト

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509:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:44:28 O7DAJfbF0

まっくら森を探せ

次はこのミッション頼む

510:本当にあった怖い名無し
11/02/19 19:58:19.20 O7DAJfbF0

悪いようにはせぬと娘にちょっかい出している時点で既に悪い状況なのはオカルト

次はこの話頼む

511:本当にあった怖い名無し
11/02/19 21:21:01.55 ZbV3OM5RO
逆光の指導者って弁当を段取りするには相当擦り潰して梨園の浄化槽を薬局させたくある。

512:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:50:58.62 deEoFnFm0
インターネットで収集した情報を持って昼食に挑む。
 本日のメニューはカロリーメイト。同じ過ちは繰り返さない主義だ。



513:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:52:23.67 deEoFnFm0
先輩はいつも通りの日替わりメニュー。
 同じものを注文しても飽きにくい、という合理的な理由だと推測する。



514:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:53:39.02 deEoFnFm0
まずは自分で集めた情報を披露する。

515:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:54:26.59 deEoFnFm0
 死因は全員心停止であるらしいこと。
 なぜ心臓が止まってしまったかについては調査中。


516:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:55:40.22 deEoFnFm0
2次災害も含めて死者は200万人を超えるであろうという事。
 下手な県の人口よりも多い。被害の甚大さを思い知らされる。

517:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:57:27.34 deEoFnFm0
録画された映像を見て死んだ人もいるということ。
 ネット上にそれを公開した人がいるらしく問題になっている。


518:本当にあった怖い名無し
11/02/19 23:59:40.54 deEoFnFm0
ただ、番組の流れているテレビのあった部屋にいても、
 死んでいない人もいるらしい。



519:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:01:09.72 deEoFnFm0
どうやらちゃんとメリーさんの映像を見ていた事が死の条件にあるようだ。
 その辺の調査に関しては実験してみる訳にもいかず困っているらしい。



520:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:03:00.55 deEoFnFm0
これだけの事をざっくばらんに説明する。
 先輩の表情を見る限り、興味がない訳ではなさそうだ。



521:本当にあった怖い名無し
11/02/20 00:07:48.41 MP2PQFcT0
「それでなにか分かりましたか?」

 先輩に意見を促してみる。




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