11/01/22 03:50:13 mgbPz1WH0
九州地方に端を発し，1990年ころからミノムシ（オオミノガ）が急速に減っているそうです。
オオミノガヤドリバエは東南アジア～中国南部に分布しており，日本列島にはいなかったものが，
1990年頃に偶然やってきて，定着して爆発的に増えた（増えている）ということですね。
ここまでは昔から漠然とした情報として知っていたのですが，「なんで中国まで生息していて，日本に最近まで入ってこなかったのだろう。
逆に最近入って来たのはただの偶然なんだろうか」と不思議に思っていました。
しかし，今回ブログに書くためにちょっと調べてみてびっくり。
舘卓他(1996)が大元のようですが，日本にオオミノガヤドリバエが侵入した1990年代初頭に，
中国北部でこのヤドリバエを生物農薬として大量にばらまいてオオミノガ駆除に用いた事が原因ではないかというのです。
時代的な一致性と，九州が侵入場所であることからの推測のようです。
確かに，これまで中国南部までにしかいなかったものが，偏西風の風上である中国北部で大量にばらまかれたために，
今までやって来ることの無かったオオミノガヤドリバエが九州にたどり着くようになった。ということで説明は付きますね。
DNA型が一致するなどすればばっちりですが。
この生物農薬政策による中国国内での生物多様性への影響も気になりますが，間接的に他の地域（他国）へ外来生物を侵入させ，
生物多様性に悪影響を与えさせているとなると，それはそれで大きな問題のような気もします。
というか，今まで私自身があまり想定していなかった外来生物の侵入経路ですね。
「別の地域（中国北部）で外来生物として分布を拡大したために，偶発的に（人の手によらず）他の地域（日本列島）へ侵入するようになった」生物は，
日本列島において外来生物と見なせるのか・・・？ 見なすべきなのでしょうね。
たまたま見つけたミノムシ1匹から，とても考えさせられました。
ミノムシたん・・・