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自分は、上着のポケットに手を突っ込んだまま階段を上っていて、躓いて顔から階段に突撃したことがある。
顔には一切傷がつかず、なぜか上の歯茎を階段の角が直撃して、歯茎の肉を削いで、上顎自体もちょっと奥に入ってしまった。
行きつけの歯医者に行ったら、口の中に手を入れられて「ぐいっ」と上顎を引っ張り出されて、歯茎を縫われてギプスをされた。
歯茎を縫った糸は溶けるタイプのもので、傷口がくっつくと表面に露出した糸はぽろっと取れるんだが
くっつき方に差があるのか、早めに取れる糸といつまでもくっついている糸があって、感覚としては、
いつも上唇と歯茎の間に「ひじき」が挟まっているような非常に不愉快なものだった。
おまけに、いくら上顎を引き出したといっても、しばらくは普通に噛んでも上の前歯と下の前歯が当たってしまって悶絶した。
一週間ほどはおじやしか食べられずに酷い目にあったよ。