10/11/06 00:09:48 QD3OzG8f0
別に面白くないかもしれないが、今までに唯一「見た」っぽい話。
10年くらい前だったと思うが、風邪を引いて寝込んでいる時、
夜中に突然、骨が軋むような感じがして、体が動かなくなった。
目を開けると、私の腕を、正座した格好でそれぞれ両脇から掴んでるのと、
腰の辺りをまたぐようにして、仁王立ちで見下ろしてくる人影がいた。
三人とも「人影」としか言い様がなく、輪郭ははっきりしてるが全身真っ黒。
布団の周りには、取り囲むように火のついた蝋燭が並んでいて、
お経を読んでいるような低い声と、線香っぽい匂いがしてた。
熱で朦朧としていた私は、仁王立ちしている奴を背格好から
勝手に兄だと思い込み(手を掴んでいる奴らは気にならなかった)、
人影も特に何かしてくるでもなく、しばらくぼんやり見つめ合っていた。
と、私がゲホッ!と咳き込んだ瞬間、読経の声がぴたっと止まった。
涙目でゲホゲホしてたら、脇にいた奴らが、そっと私の手を布団の中に戻してくれた。
仁王立ちしていた奴も、めくれてた布団の端を体の下にぐいぐい押し込んでくれる。
それでも止まらず、喉をゼーヒュー言わして嘔吐く勢いで咳き込んでたら、
誰か(たぶん仁王立ち)が布団の上から、胸を軽くぽんぽんと叩いてくれた。
ちょうどその時、階段を上ってくる明らかに兄(本物)の足音が聞こえたが、
私は嘔吐きつつ、「普段は喧嘩するけどニーチャンは優しいなあ」と思った。
そのままウトウトして眠ってしまい、朝起きたら熱は下がってた。