11/08/05 21:59:04.28 mmmHjKnR0
そこは横浜の有名な繁華街に程近く、朝に手配師に拾われなかったアブレや
追われて行き場を失った人達がひっそり生活している街。
タバコのばら売り、靴の片売り、中古の足袋や軍手、
ワンカップを買うと沢庵の尻尾が付いてきたり
煮込みには何が入ってるか分からない。
毎年冬場には無念の想いで亡くなる人も多く、
地元の人は避けて通るような所だ。
自分は当時勤めていた会社や人間関係に嫌気がさし、
いつしかこの街に通うようになってしまった。
そんな人達に混じりテレビを観ながら街頭賭博をしてた頃
背後に見慣れない姿の人が立っていた。
僧侶である。
衣はボロボロで垢だらけ、素足に長い錫杖、
首には大きな木製の数珠が
掛けられていた。
この街で托鉢など見たことは無かったが素足がやけに気になった。
どんなに酔いつぶれていてもサンダルや靴ぐらいは皆履いている。
続きます。