10/10/22 00:10:34 In4IndHM0
>>67
あるアパートでもって、そこに住んでる、霊能者のご婦人が、何者かに殺害されたって事件があったんですよ。
でね、アタシ、この事件の目撃者なんですよ。丁度、友人のK君と一杯引っ掛けた帰り道でね。
アタシ見ている、目の前でもってその婦人、ザクーーッ！包丁でもって刺し殺されちゃった。
こりゃあいけねぇ！ってなもんでアタシ、慌ててアパートに助けに入ったんですよ。
部屋の中には、きれいな老婆の絵画が、飾られていたのがチラリと目に入りましたが、それどころじゃありませんからね。
やっとの事で抱き起こしたらば、時既に遅しで、その方事切れてた。
途中で誰とも擦れ違わなかったし、完全な密室殺人なんですよ。不思議な事もあるもんだなぁってねぇ、思いましたよ。
ちょっと思うところがあったんで、アタシこの事件について調べていたら、
どうも犯人は、その晩アタシと一緒に飲んでた、あのK君らしいって事が解ったんだ…。
その事K君に話して、もうおよしよ、自主しなよ、って薦めたら、いきなりアタシに襲い掛かったんだ！
アタシもヤダーーッ！てシッシで抵抗したら、K君、不幸にもトレーラーに敷き殺されちゃった。
犯人だったK君も死んで、事件は解決って事になったんですがね、アタシ、何だか腑に落ちない。
犯行現場のアパートにアタシこっそり忍び込んで、もう一度あの日の事を思い出してみた。でー、気づいたんだ。
犯人のK君、その日一本道を、アタシとは逆方向へ帰ってるんですよ！つまりK君には犯行は不可能だったんですよ！
おい、待てよ、じゃあアタシ、無実の友人を殺したのかい？ってゾォーーーーッとしたな！
と、同時に、もう一つ、気づいた事があるんですよ。部屋に飾ってあったと思ってた、老婆の絵画がどこにも無いんですよ。
その場所には鏡が掛けてあるだけなんだ。とー、その時アタシ全てを理解しましたよ。
そう！老婆の絵なんて初めから無かったんだ！絵だと思っていたそれ！鏡に映った犯人の顔だったんですよ！
その瞬間、背後で人の気配がして、アタシが振り返ると、K君の母親が、凄い形相で立ってるんですよ。
｢今度はアンタの番だねぇ｣ってナイフを抜いた瞬間、意識がスゥーーーーッと…。