10/10/17 12:34:43 TSogK+RX0
【洒落にならない怖いおっさん】
これはある秋の夜の話・・・
私はその日、仕事の飲み会で飲みすぎてフラフラしながら帰路についた。
電車は混んでいて揺れで吐き気を催すが、終電も近いのでがんばって最寄り駅まで なんとかこぎつけた。
しかしあまりにも気持ち悪かったため立っているのが辛かったので、
駅についてすぐ ホームにあるベンチにもたれこんだ。
首都圏から2時間程度の片田舎にある駅のその時間帯は次の電車が
20分はこないので とりあえず人目を気にしないで休める。
横になり、一息つき目を閉じる。電車を降りた人たちの声も聞こえなくなり、
しばらくしてから目を開け起き上がるとホームからは一切人気がなくなった。
が、おかしい。
一人、黒いコートのような服を着た男が
誰もいない駅のホームの片隅にボーっとたたずんでいる。
思い返してみると、私が駅に降りたときもいた。
電車の中ではなく、駅のホームにたっていた。
電車待ちというわけでもなさそうだ。
駅のホームにはベンチで横になっている私と、その仁王立ちの男のみ。
異様な雰囲気だ。
いったい何をしているんだ?
人を待っているのか?
気になったので男の方に目をやる。
なにやら子声で何かをつぶやいているようだ。