【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ15【友人・知人】at OCCULT
【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ15【友人・知人】 - 暇つぶし2ch700:本当にあった怖い名無し
10/11/11 03:32:16 4vr4E2VV0
この流れは自演臭いな。
うん。

701:本当にあった怖い名無し
10/11/11 10:09:57 Ks/c5lLUO
自演なんてどっちでもいい。
新しい話が読みたい

702:本当にあった怖い名無し
10/11/11 10:46:22 QxNUb1hu0
スレが最近正常なんで自重してたが、
荒らしがまた湧き始めたし、そろそろ続き書いてもいいかの?
うちのはカオス状態の方が都合がいいし。

703:本当にあった怖い名無し
10/11/11 17:49:27 rDc5Wf4LP
>>702
誰か知らんけど書けばいいじゃん

704:本当にあった怖い名無し
10/11/11 18:13:56 88rPnNFQ0
>>702
荒らしってどれさ。メリーさんなら常駐してるよ。

705:本当にあった怖い名無し
10/11/11 18:16:49 6YD3uQspP
誰だか知らんが構ってちゃんはお引き取り下さい

706: ◆DJINKbmZw2
10/11/11 20:00:03 uRd0rgL+O
お久しぶりです。
近況といっても何の情報もないままです。
昔、忍と姉と付き合っていた男性に偽造した身分証やトバシ携帯を売っていた男性が懲役を終えていた事を知り、会う事が出来ましたが売った相手の個人情報等も押収されていたため手がかりはまるでありませんでした。

唐突ですが、酉の変更をします。今の酉は姉の名前だったので。

707: ◆kclGkH8MuXPd
10/11/11 20:01:57 uRd0rgL+O
今後はこちらに酉を変更します。


708:本当にあった怖い名無し
10/11/11 20:08:37 9ZZL3JZQ0
日本語で(ry

709:本当にあった怖い名無し
10/11/11 20:12:40 lASDUdI00
>>702
うぜえ・・・・いちいちお伺いたてんなカス

710:本当にあった怖い名無し
10/11/11 20:22:40 4JoDlcRC0
知らねえよ誰だよww

711:本当にあった怖い名無し
10/11/11 20:35:47 FQLFqbb90
忍って書いてあんじゃん
行方不明のお姉さん探してる人だよ

712:本当にあった怖い名無し
10/11/11 22:33:05 s+7cJD/B0
忍さんのまだ続くんなら、ぜひとも書いてほしいのですが。

713:本当にあった怖い名無し
10/11/11 23:49:51 l5YRKZ+rO
>>706
忍の人の近況は気になってたのでしりたいです

714:本当にあった怖い名無し
10/11/12 01:06:14 X5FP+XwfO
忍は気になるなぁ

715:本当にあった怖い名無し
10/11/12 10:59:37 /bBvNt5/0
忍は最終回の衝撃がハンパなかったからこのまま終わってくれた方がいいかも
後日談とか追加してグダグダになるのはみたくないよ
姉さんが無事見つかって忍を半殺しにしましたって現実的な報告は欲しいけれどもね
決してアンチではないです

716:本当にあった怖い名無し
10/11/12 19:28:58 MtsECXaM0
ああ、あいつか
実の姉が失踪してるのに、それをネタに嬉々としてラノベまがいの創作書いてた鬼畜だろ
人として終わってる


717:本当にあった怖い名無し
10/11/12 19:32:54 kLPkbRHA0
師匠が失踪した

718:1/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/12 20:57:52 iJpxplwB0
以前、両腕の無いお婆さんから聞いた話を書かせていただいた者です。
前回投下した後に色々と反応を下さった方々、本当にありがとうございます。
では今回も早速……。

『手拍子』


私が以前住んでいた地元は、住宅街あり、田んぼあり、森ありコンビニありの中途半端な田舎でした。
私の家は住宅街の方にあり、その住宅街地区では昼夜問わず、『手拍子』の音が町を徘徊していました。

 パチ、パチ、パチ、パチ、

という断続的なその音は、初めて聞いたのがいつだったかもわからないほど以前から聞こえていたもので、
いつの間にか聞こえるのが普通のことのようになっていて、私はそれを人か人ならざるものかなどで区別せず、
聞く度にただ漠然と「あぁ、いるなぁ」と、ぼんやり思うだけになっていました。
近所の人や友人も以前から聞いていて、その誰もが今までに正体を見たことが無く、
そしてその誰もが「あれって何だろうね」と首をかしげる、謎の『手拍子』。

自分が町を歩いていても、その『手拍子』の主とばったりと会うようなこともないのです。
犬の散歩をしていると、家々を挟んだ一本隣の通りを通り過ぎる音が聞こえてきたり……、
夜に部屋で、涼むために窓を開けていると、宵闇の向こうから何処からともなく彷徨うように聞こえてきたり……。

救急車などのサイレンが聞こえるけど何処を走っているかわからない。という経験はある方も多いと思います。
それが『手拍子』の音になったような感覚。だけどサイレンなんかより、多分もっと近くを徘徊する音。
きっと知らない間に、何度か私の家の前だって通り過ぎていたのかもしれません。

719:2/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/12 21:02:21 iJpxplwB0
さて、いつしかこの町で当たり前になっていた『手拍子』に、一度だけおびやかされた経験があります。

田んぼ地区との境目あたりにあるスーパーで買い物をした帰り道のこと。
夏で、夕方なのに日もまだ落ちていない、まだまだ明るい住宅街の中。西の方へと私がのんびり歩いていると……。

 パチ、パチ、パチ、パチ、

あぁ、またかぁ……。
どうやら一つ南の通りを、私とは反対の東の方向に、すれ違うように進んでいる様子。
その頃の私の中では、彼もしくは彼女は人間であると仮定されており(それもこの日まででしたが)、
まぁキチ●イなら仕方ない ←本当の意味で。と思っていつもどおり聞き流そうかと思った時、
ほんの、ほんの思い付きで、
「そういえば、返事するとどうなるんだろう……?」
という考えが頭を過ぎったのです。
相変わらず『手拍子』の音は、絶え間なく断続的に鳴り、今まさに丁度私とすれ違うような位置関係にいるようです。

私は怖いもの見たさというか好奇心を抑えきれず、期待と不安を胸に、持っていた買い物袋を手首に掛け直しました。
そして空になった両手を自分の胸の前に構えます。一つ南から聞こえる、あの音……。

 パチ、パチ、パチ、パチ、

それに答えるかのように、いえ、からかうように、私は自らの両手を打ち鳴らしました。

 パチンッ、パチンッ


720:3/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/12 21:09:20 iJpxplwB0

 ……

音が、止んだ……?
と思った途端、

 パチパチパチパチパチパチパチパチ!

一時停止した『手拍子』はすぐさま速さを増して再度鳴り響き、今までの自らの進行方向へと再び進み始めたのです。
そして速くなったのは音だけでなく、その進行速度も。
『手拍子』は一つ南の通りを、あっという間に東に走り去って行きました。そして、十字路を、左折して来る気配。
「あ、こっちに回り込んで来る……?」
思わず振り返ると、音はものすごい勢いで北上し、ここから見えるあの交差点から今にも姿を現そうと……。
その瞬間私は前を向き直り、そのまま家の方へと猛ダッシュしました。直後、背後のあの交差点を何かが曲がって来る気配。
2つの角をコの時型に回り込み、奴は既に私と同じ通りにいる。振り向いたら、たぶんいる。
振り向けない。やめておけば良かった。
『手拍子』の正体はきっと私のすぐ背後にまで迫って来ているのです。そしてそれは人間でないのでは。足音が、しない。
足音はしないのに、手を叩く音だけが大きくなってきている。距離が縮まってきている……。
あぁやばい!

 パチパチパチパチパチパチパチパチ!!

本当にやばい! 追い付かれる!
やめておけば良かった!
その瞬間、

 バシンッ!!

張り裂けるような凄まじい音と、背中に激痛。そして突然の静寂……。

721:4/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/12 21:14:57 iJpxplwB0

 ……

痛みに噎せながら振り向いても、ただの明るい住宅街。近くに誰もいません。遠くにはちらほらと人影は見えますが……。
あまりの日常の風景に、さっきまでの異常事態がすべて白昼夢だったかのような感覚に囚われてしまいました。
しかし実際に背中はヒリヒリと痛い。ジンジンと痛い。そしてアイロンを当てられたように、熱いのです。

家に帰った私は、鏡で背中を確認しようなんて思いませんでした。
背中に手形でもついていたら嫌だったのもありますが、その頃私は鏡を見ない生活をし続けており、
その規則をここで崩したくなかったのです。
私は買い物の荷物をダイニングのテーブルの上に放り、すぐさまある家へと向かいました。
近所に住む、仲の良いお婆さんの家です。

チャイムを鳴らすと女性の声で応答がありました。お婆さんと二人暮らしだという娘さんの声です。
50歳前後の落ち着いた声に自分の下の名前で応答し、家の中へと入れてもらいました。


「あ~、あの拍手みたいな音ねぇ」
しどろもどろな私の体験談を聞きながらも、落ち着いた様子でそう返すお婆さん。
「拍手できるなんて羨ましいわぁw」
そんな自虐ネタを言われても困ります。
「でもね、あぁいうのは無視無視。もし人間じゃなかったら嫌だから、探らないのが吉」
「確実に人間じゃないですよ~」
「叩いた後すぐ隠れたのかも知れないじゃない? 何にせよ決めつけるとろくなことがないから……」
決めつけるとろくなことがない。という言葉にはお婆さんのある意思が込められていました。
私がその話を聞くのはもっと後のことなのですが、それより今はこの背中の痛み。どうしたら良いか、尋ねます。
「放っておけば治ると思うけど」
「え~、でも……」

722:本当にあった怖い名無し
10/11/12 21:25:27 i2t0DmhY0


723:5/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/12 21:29:30 iJpxplwB0
「不安なんだねぇw まぁ人間の仕業じゃないと思うなら……、ちょっと○○! 来てくれないかねぇ~!」
娘さんの名前を呼んでいます。返事とともに、すぐに娘さんがタオルで手を拭きながら奥から出てきました。
お婆さんは娘さんを自分のすぐ近くへと呼び寄せ、何か耳打ちをしているようでした。
それが終わると、娘さんが私の方へと近づいてきます。そして畳に座る私の後ろに立ちました。
お婆さんは椅子に腰かけたまま、「少しだけ我慢してね」と、微笑みながらも少し申し訳なさそうな顔をしました。
私の後ろでは娘さんが「ゴメンね、ちょいと失礼~」と言いながら私の服の背中側をたくし上げました。
続けて「あぁ……」という声。
あぁって……。
「え? 何ですか? やっぱり、どうかなってるんですか?」
「ちょっとコレ外すね」
「あ、はい……」
「……それじゃあ、えい!!」

 バシンッ!!

張り裂けるような凄まじい音と、背中に激痛。
「い、イッタぁ!!!!」
私は思いっきり仰け反った後、すぐさま今度は前のめりに崩れ、畳の上に頭をゴンッと打ちつけました。
それにも「痛っ」と呟いて、それからようやく上体を起こし、涙目でお婆さんの顔を眺めます。
お婆さんはとても優しい顔をしており、私は背中にとてつもない痛みを背負いながらも、何故か安堵してしまいました。
娘さんは一仕事終えたように「これでよし!」と言いながら、一回だけ私の背中を優しく撫でて、
とっとと切り上げるようにまた奥へと戻って行きました。
お婆さんはそんな娘さんの後ろ姿に「ありがとねぇ」と言った後、今度は私の目をまっすぐ見つめました。

「幽霊にやられた痛みなんて、人間の痛みで上書きしちゃえばいいのよ」

724:便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/12 21:34:41 iJpxplwB0
ありがとうございました(途中のご支援もありがとうございます)


3/5での訂正……  × コの時型 → ○ コの字型

失礼いたしました。

725:本当にあった怖い名無し
10/11/12 22:04:25 MtsECXaM0
なんでここに投稿する奴って長文ばかりなんだろ
上の話なんて半分で済むだろ。大した内容でもないのにだらだら伸ばしすぎ
読むこっちの事も考えてくれ

726:本当にあった怖い名無し
10/11/12 22:09:11 i2t0DmhY0
読まないって選択肢もあるんだぜ

727:本当にあった怖い名無し
10/11/12 22:11:40 a5KPPwXv0
>>724
便乗者さん、おひさです
後半、あのお婆ちゃんが登場して、なんかホッとしました
娘さんが背中に見たもの、一体何を外したのかが気になる

728:本当にあった怖い名無し
10/11/12 22:19:24 +YNSVBaSO
一番やっちゃいけないのが「読まずに批判」
 
冗談抜きで無駄な描写が多すぎる
もっと短く纏めてから投下してくれ

729:本当にあった怖い名無し
10/11/12 23:19:50 ZnS7JK3MO
このスレで簡潔な文章書いても歓迎されてないじゃん。
無理して冗長にしてる感じもしないではない。

730:便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/12 23:42:11 iJpxplwB0
>>725 それでも読んでくださってとても嬉しいです。ご意見に関してもこの場だけでなく、今後も役立てていきたいです。
>>727 前回も反応くださった方でしょうか、今回もありがとうございました。
>>728 一ヶ月前とかの文章を見て自分でも長いと気づくことが多々あります; 肝に銘じておきます。

文章を長くするのも、短くまとめるのも、とても難しい事なのだと実感いたしました。
皆さま本当にありがとうございます!

731:本当にあった怖い名無し
10/11/12 23:48:45 a5KPPwXv0
>>730
前回、シリスレでびゅーに遭遇しました
腕がないのに明るくて不思議なお婆さんがいーんだよね
娘さんもそっちの人だったとわ

732:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/11/13 02:32:40 emextffq0
先輩は、何かを思案する日を設けているようだ。
不定期なのだが、一日中思案顔をしている日がある。
一度、何か悩みでも?と尋ねてみたことがあったが、
「お前には関係ないよ」
の一言でばっさり切られてしまった。
恐らく本当に関係ないことなので、深く追求することも無かったのだが。

その日も、先輩は考え事をしていた。
悪友ハナヤマから仕入れた話を持ち込もうと、アパートに行ってみたのだが、一応迎え入れてはくれた先輩は俺を無視して思案を続けているのだった。
どうやら今日は話を聞いてもらえそうもないと思って、携帯を取り出してメールをチェックする。
相変わらずどうでもいい物ばっかりだ。
一応、適当に返信しようとぽちぽちしていると、先輩が俺を見ているのに気付いた。
「肩凝ってるんだな」
どうやら、無意識に肩を回していたのを見られたらしい。
「ああ、最近酷いんですよ。パソコンやってるからだと思うんですけどね」
「右肩だろ」
その通りだった。
ここ一週間ほど、右肩が重くて仕方ない。
まあ俺は右利きだから、それで良く使っているせいなんだろうと思っていた。
「当たりです。何でそう思ったんですか?」
先輩はまさに心ここにあらずという面持ちだった。
しかし、会話は成立している。
「子鬼が乗っかってるぞ。お前の右肩、首筋に近い辺りに」
こおに。
なんだか可愛らしい響きだ。
しかし、幽霊妖怪の類には大分親しんだはずの俺も、鬼というのは初めてだった。

733:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/11/13 02:33:22 emextffq0
「それ、大丈夫なんですか」
「大丈夫なわけないよ。子鬼って言っても、小さい鬼の小鬼じゃない。子供の鬼の子鬼だ。子供は成長するよな。すごい速さで」
いつもならもっともったいぶって、俺の恐怖心をあおる言い方をするが、今日は淡々としている。
それが逆に怖かった。
事実として、右肩にいるという子鬼が成長すると害を成すというのだから。
「ちょ、と待ってくださいよ。それどうしたらいいんですか。大体鬼ってなんなんですか」
先輩は少し迷惑そうな顔をした。
もしかしたら、そんなことも知らないのか馬鹿め、という顔だったかも知れない。
「鬼は鬼だ。説明が必要か?」
小馬鹿にしたように言われ、多少悔しかったが背に腹は変えられない。
「すんません。お願いします」
先輩はそこでようやくしっかり俺の顔を見た。
どうやらしつこい後輩を処理してから悩むことを続けることにしたようだ。
「鬼、っていうのは、つまり人の思念だ。鬼は……怨嗟の怨、おんという字から来ている」
頭の中に字が入ってくる。
怨嗟。怨。怨み。
そういった思念が、おん、つまり鬼になる、らしい。
「でも、怨まれるような覚えは全く無いですよ。自慢じゃないですが当たり障り無く生きてますから」
覚えの無い怨みで体に不調が出るのではあまりに理不尽な気がする。
「もうひとつある。おんって読む字を知らんか。恩義の恩だ。恩返しの恩」
なんでだ、と思う。
怨はともかく恩なら害になる理由がわからない。
「恩があるならなんで俺を呪ったりするんです。おかしいじゃないですか」
先輩は顎を擦る。
いつもは剃っているらしい無精髭がぞりぞりと擦られるのが見えた。

734:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/11/13 02:34:56 emextffq0
「そうだな、たとえばお前がピアノの発表会に出たとする。だが出演前に、お前の事が嫌いな奴が楽屋にやってきて、『お前にいい演奏なんぞ出来るものか』と言って罵った。どうだ?」
想像してみる。
「嫌ですね。すごく。もしかしたら演奏に影響するかもしれないです。本当にミスしちゃうかも」
「そうだろうな。じゃあ今度はお前のファンだ。『いい演奏期待してます!』って応援される。どうだ?」
想像してみる。
「うれしいんじゃないでしょうか。応援されると、やっぱり」
「普通はそうだな。じゃあそのファンが毎回毎回来て、毎回毎回応援してくれたらどうだ?百回でも千回でもだ」
想像してみる。
…………。
「ちょっと嫌ですね、プレッシャーっていうか。落ちつか無そうです」
言った後、あ、と思う。
「まあ、そういうことだ。過ぎた好意は、時に悪意より厄介になる。ちなみにその子鬼、元凶と決着つけない限り居なくならないだろうな。まあ、頑張って探せよ」
怨まれる覚えは無い、が、好かれる覚えは何の因果かあったりする。
いつか、先輩に執着するあまり、自身の魂を削って生き霊を作り出した女を思い出した。
「先輩、これってあの時の、生き霊のケースに似てませんか」
先輩は意外そうな顔をした。
「お前にしちゃ頭が回るな。もちろんその子鬼も、素になってる人間のエネルギーで動いてる。長い間放っておいたらまず共倒れだろうな」
ああ、やっぱりそうだ。
最近、様子がおかしかった人がいる。
そしてその人は、俺に好意を寄せてくれている。
放っておくわけには、やっぱりいかないだろう。
先輩にも怒られてしまいそうだし。
「……素の人ときっちり話をすればいいんですね?」
俺は覚悟を決めた。
話し合う必要がある。徹底的に。
「さあ、どうだろうな。話し合った結果、その鬼が本物の災厄になる可能性だってある。お前の立ち回り次第だ。どうしても駄目だったら、無理やりひっぺがしてやるけど」
「それは、スマートじゃないでしょう?」
先輩は愉快そうに笑った。
「そう言うだろうな。俺なら問答無用だが、お前は違う。無理やり剥がした場合、勿論鬼の親には影響がある。そうならないように頑張れよ」

735:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/11/13 02:35:52 emextffq0
全く人間というのは面倒なものだ。
好きでも嫌いでも、結局相手に面倒をかけてしまう。
どうしてこうなってしまうのかはわからないが、不思議とそれが面白く思えた。
どうにも胸の奥がわくわくして、顔が緩んでしまった。
この人も、人全体も、どこまでも興味深く、面白い。
先輩は楽しそうな俺が気に入らないらしく、少し不機嫌そうだった。

「ところで、だ」
急に笑顔になった先輩が言う。
すっかり馴染みの、いつもの悪意のある笑顔だ。
緩んだ頬がきゅっと引きつる。
「おん、っていう漢字、他にも思いつかないか?ほら、すごく馴染み深い言葉があるだろう。言ってみろ」
俺は少し考える。
一番身近な、おん、おん……。
音?
「おと、でしょうか」
「正解」
先輩は自分の口に人差し指を当てる。
「言霊ってのがあるだろう。音には力があると信じられていて、信じられていたから音には実際力が宿った。言った事は現実に影響を及ぼすんだ。口からも、どんな形かわからないが鬼、『おん』が産まれる」
さて、と、一旦区切って続ける。
「それを踏まえた上で、お前、今日俺に相談があるって言ってたよな。どんな懸念でも言ってみろ」
先輩の最高の笑顔を見ながら、俺は口を硬く結んで首を横に振った。

子鬼 終

736:本当にあった怖い名無し
10/11/13 05:21:55 qFBUMD2TO
やっぱりベースは師匠シリーズなんだな

737:本当にあった怖い名無し
10/11/13 09:49:55 FwtXrdsIO
>>718
恐いし婆さんに和むしで面白かった


738:本当にあった怖い名無し
10/11/13 12:13:29 MJblfKqT0
最近、ラーメンとカツ丼の俺君来ないね

739:本当にあった怖い名無し
10/11/13 16:01:50 Cl6tlJqMO
Bに捕まったんだよ
元々のBに

740:本当にあった怖い名無し
10/11/13 16:34:11 qFBUMD2TO
面白くないとか自分で言わないで元Bとの話を投下して欲しいな

741:1/1 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/13 21:35:44 +NvOjuSi0
『フクロウ』


私が以前住んでいた地元は、住宅街エリアあり、田んぼエリアありの、中途半端な田舎でした。
その両方の境目あたりに割と新しいスーパーがあり、向かいの田んぼエリアとの間に大通りもあるせいか訪れる人も多く、
便利なので、我が家も買い物と言えば常々そこでした。

私がいつものように母親にお使いを頼まれ、そのスーパーを訪れた、ある日曜日のこと。
休日で賑わいを見せる、照明と音楽で飾られた明るい店内。
食材を買うため、籠を持って目当ての物を探しながら歩いていると、陳列棚に人の首が並んでいました。

うぇ
と思って咄嗟に顔を背けても、視界の隅にはまだその首がチラチラと映ります。そして反対の視界の隅には別の首の影。
ギリギリ横目でそれを見ると、今度はいくつもの首が、コーナー案内表示に紛れて天井からぶらさがっていました。
血がポタポタと落ちる気配に床を見ます。血は広がっていません。
他の人は気付いない様子で、気味が悪くなった私はとっとと買い物を済ませてその場を後にしました。


別の日に、私の良き相談相手でもある仲の良いお婆さんの家にお邪魔しました。
怖いもの好きな好奇心あふれる人で、両腕が無いにもかかわらず、それを気にもしていないようにいつも明るい人です。
「首ねぇ……。あのスーパーが出来る前に、あそこに大きな木があったのを知ってる?」
知っています。確かあれが切られて何年も経ってから、あのスーパーが建ったのです。
小さい頃からお墓参りの行き帰りに毎回あの前を車で通っていて、その不気味な佇まいにいつも目を逸らしていました。
「スーパーの前って大通りでしょ。大昔からあそこは大きな通りで、人もいっぱい通っていたんだって。
それで昔はね、貴方が見たそういうのを、そんな人のよく見る場所に晒したそうな。台に乗せたり、木に掛けたり……」
特にあの場所では、その木が丁度良かったのか基本的に木に掛けて晒すことの方が多かったと言われているそうです。
「梟首(きょうしゅ)っていうんだって。『フクロウ』に似てるかねぇ……、似てないよねぇ……」
また一つ勉強になった、とは思いませんでした。

742:本当にあった怖い名無し
10/11/13 22:38:04 F6zq22NI0
うに信者ってなんでこんな気持ち悪いの

743:本当にあった怖い名無し
10/11/13 23:15:18 KT6vgWlI0
Bが増えている

744:本当にあった怖い名無し
10/11/14 10:41:47 pO6kiWWJ0
>>741
便乗者さんも見えちゃう人だったんですね

しかし、、フクロウには似てないと思うけど
ミネルヴァの梟とか、ギリシャの知恵と戦争の女神アテナとか
フクロウのポジションは結構高いんだけどねぇ
フクロウの子供飼ってみたい



745:本当にあった怖い名無し
10/11/14 11:28:51 wgqDFVtM0
「……お前、覚えてるか? さっきそいつと交わした会話を」
『そのキレイな顔を、ズタズタにしてやるぜ、ひゃはははははは!』
「キレイ? わ、私、キレイ?』
『ああキレイだな、ズタズタにしてやりてえ!』


746:本当にあった怖い名無し
10/11/14 11:30:29 wgqDFVtM0
まさか、と電話口で呟く声がした。
「これでも……キレイかああああああああああ!!」
電話の向こうで、獣のような声が響いたのを確認して、俺は電話を切った。



747:本当にあった怖い名無し
10/11/14 15:29:30 wgqDFVtM0
数分後。部下の携帯にかけなおし、監禁場所へ向かう。廃工場のようだ。
「あ、目里さん! とりあえず、半殺しにしておきましたよ!」
「弧月……だから、3割り殺しにしろって言ってるだろ?」


748:本当にあった怖い名無し
10/11/14 15:41:13 wgqDFVtM0
狐耳をぴょこぴょこと動かしながらえへへーと笑う部下の女刑事の頭を軽く叩く。
ホシを確保しようとした瞬間。がらり、と音がする。
「なっ……!」
ガラガラと音を立てて、倒れ伏す犯人の上にガレキが崩れ落ちる。


749:本当にあった怖い名無し
10/11/14 16:35:31 wgqDFVtM0
「……困るんだよ。私の名を騙る奴が、性犯罪に手を出すと」
いつの間にか、そこには一人の老人が立っていた。
掘りの深い顔立ちは、おそらく奴がハーフであることを示している。
「……てめえ、カシマ!」


750:本当にあった怖い名無し
10/11/14 16:54:36 wgqDFVtM0
老人は、ガレキの下から男の腕を拾い上げる。
「リカ。これをいつものところに」
「はいお父様」


751:本当にあった怖い名無し
10/11/14 17:12:42 wgqDFVtM0
パチンと指を鳴らすと、奴の隣に金髪の女が現れた。その腹には異形の足が蠢いている。
「では、さらばだ。警視庁第零科の諸君」
男が手品のように消えてしまうのを、俺は唇を噛んで見送った。



752:本当にあった怖い名無し
10/11/14 17:14:23 wgqDFVtM0
俺の名は目理 伊三。妖怪刑事である。
そして俺の部下の弧月 咲(こつき さき)。弧月とはすなわち『狐憑』。
彼女は、初代口裂け女の娘の、俺と同じ妖怪刑事だ。
先程の奴らは『カシマ』と『リカ』の親子。


753:本当にあった怖い名無し
10/11/14 17:16:17 wgqDFVtM0
米兵に犯され、両手足を奪われたカシマの母の復讐と称して殺人を犯す妖怪である。
俺はタバコをくゆらせながら、やっぱ妖怪の血なんて厄介事しかよばねえと思う限りである。
ああ、おふくろの作った肉じゃがが食いたい。




754:本当にあった怖い名無し
10/11/14 18:41:33 z89uXdInO
目理 伊三 了

755:本当にあった怖い名無し
10/11/14 21:36:54 wgqDFVtM0
メリーが来た次の日、俺は学校を休んだ。
サボったわけじゃない。体力的に無理だったからだ。


756:ねむん
10/11/14 22:30:52 6KT8qMuK0
師匠シリーズスレに書き込めない..

757:本当にあった怖い名無し
10/11/14 22:33:34 wgqDFVtM0
昨日の夜はメリーが家に来て、近くのコンビニで夕飯買ってあげたりしたら十二時を回っていたり、
そのあと寝ようとしてメリー用に布団を出してあげたら俺に抱きついて「一緒の布団がいい…」って言ってきて、
そのあと一緒に寝るのはいいとして執拗に俺に抱きついてきて結局ものすごい勢いで俺の心臓が脈を打って、
結局一睡もできなかった。しかもかなり寿命が縮まった気がする。


758:本当にあった怖い名無し
10/11/14 22:38:58 wgqDFVtM0
「陸久、大丈夫?」
昨日すやすや眠っていたメリーが俺の顔を見て言った。
「ごめん…今日は休む…」
「うん…昨日はごめんね?」
「大丈夫…気にしてないから」


759:本当にあった怖い名無し
10/11/14 23:01:08 wgqDFVtM0
そういうなり俺はベッドに突っ伏した。
ああ、布団が気持ちいい…。
五分も経たずに俺は眠った。



760:本当にあった怖い名無し
10/11/14 23:29:51 wgqDFVtM0
「ふぁぁぁあ…ゲッ!?」
起きたらもう五時を回っていた。
(早く夕飯の支度とかしなきゃ…)
ガバっと起き上がってベッドに両手を置く。


761:本当にあった怖い名無し
10/11/14 23:31:46 wgqDFVtM0
……やわらかい感触があった。
(…まさか…)
恐る恐る手を置いたところを見る。
そこにはやはりメリーが寝ていた。ネグリジェで。


762:本当にあった怖い名無し
10/11/14 23:33:37 wgqDFVtM0
しかも俺の手はメリーの胸の上に、ちょうどわしづかみしているような形で置いてあった。
「ん~…あ、陸久起きたんだ。おはよ~」
などとのんきに言うメリー。俺の額からは汗がダラダラ流れてくる。
「うわあ!?」


763:本当にあった怖い名無し
10/11/15 04:35:03 NkRP7VNJ0
メリーさんw

764:本当にあった怖い名無し
10/11/15 17:27:56 MoYymnm7O
ウニさん風味じゃない作品がなかなか出ないよね。
喪中さんとかに書いて貰えると俺得なんだけど。
ウニさんの師匠シリーズから外れた短編とか熱望してます。


765:本当にあった怖い名無し
10/11/15 20:09:38 tf55GkgSO
ていうかシリーズ物の大半がオカルト大好きな俺と
霊感があり霊に詳しい先輩の組み合わせなのがな
それ以外の設定の話を書いて欲しい

766:本当にあった怖い名無し
10/11/15 20:43:54 Z2bwN1jA0
俺としては師匠シリーズ序盤みたいなのが読みたい
今の師匠も悪くないんだが、短い中に一捻りも二捻りもいれるセンスは異常

767:本当にあった怖い名無し
10/11/15 20:55:12 N93Se3XC0
バッとメリーの胸から手を取る。
俺の顔がまた熱い。
「ん?どうしたの?陸久、顔赤いよ?」
「どうしたって…胸、触られたんだよ?」


768:本当にあった怖い名無し
10/11/15 20:58:08 N93Se3XC0
「うん。それがどうしたの~?」
「その…恥ずかしいとか、ないの?」
「ないよ~?」
どうやら気にしてないらしい。元人形だったからか?
「いや、気にしてないならいいんだ。それよりお腹すいてない?」


769:本当にあった怖い名無し
10/11/15 21:15:36 N93Se3XC0
「うん。朝から食べてないからすごいお腹すいた」
やっぱり。
「なんか食べたいもの、ある?」
メリーは「んー」と言いながら少し考えた後、
「陸久の手料理が食べたい」
と言った。


770:本当にあった怖い名無し
10/11/15 21:26:20 N93Se3XC0
「……は?」
「だから陸久が作ったものなら何でもいいよ?」
(俺何も作れないんだけど…)
などとは言わない。言ってはいけない。言ったら男が廃る。
「簡単なものでいいの?」
「うん、いいよ」


771:本当にあった怖い名無し
10/11/15 21:37:25 N93Se3XC0
早速俺はカセットコンロを取り出して料理を始めた。
材料はさっきコンビニで買ってきたベーコンと卵とバター(総額およそ千円)。
「メリー、たくさん食べたい?」
「ん~、少なめでいいよ」
(じゃメリーは卵三つで俺四つかな…)


772:本当にあった怖い名無し
10/11/15 21:48:42 N93Se3XC0
取り出したボウルに卵を三つ割って溶く。
卵を溶き終わった後はベーコンを四列ほど切ってフライパンに放り込む。
ジュゥゥといい音を立てながらベーコンが焼けていく。
その中にバターを放り込んで一気に揚げる。


773:本当にあった怖い名無し
10/11/15 21:53:48 N93Se3XC0
ベーコンがカリカリに焼けたところでさっき解いた卵を一気にフライパンに流し込む。
卵の焼けるいい香りが部屋を満たす。
俺のそばからメリーがひょこっと顔を出してフライパンを覗く。



774:本当にあった怖い名無し
10/11/16 21:33:48 ms+UiJmx0
>ていうかシリーズ物の大半がオカルト大好きな俺と霊感があり霊に詳しい先輩の組み合わせなのがな

恐らく第三者を事実上の主人公にした方が反感を買い難いからじゃね?
それも身内じゃない方がつっこまれた時に色々便利なのと
さらに先輩とかある程度の上下関係が見え隠れする方が持ち上げやすいんだろ

小汚い先輩だろうが、美人の妹だろうが、普通の同僚だろうが
一貫したキャラを主軸に回るんだったら同じような結果になると思う。

オカルト好きな俺をストーリーテラーに置いてそれ以外のキャラクターを固定しない
設定で話しを書いても同じような結果になる気もするが

775:本当にあった怖い名無し
10/11/16 22:23:57 Xc0kbvDG0
>>756
どうやら落ちてたらしい。新スレ立ってたぞ

776:本当にあった怖い名無し
10/11/16 23:24:39 Gm2IYWQ40
>>774
師匠と弟子ものじゃない人も何人かいたけど、ここでは師匠ものが圧倒的に支持される
そう言うスレだなと最近は思っているし別に自分はどっちでもいい

でもまあ帰って来て欲しい人はいるけどね、師匠ものじゃない人で

777:本当にあった怖い名無し
10/11/17 01:08:40 2bFU1MSC0
過疎りすぎて落ちたのか。
ここはメリーが定期的に荒らしてるから安泰ですね。
スレ潰すつもりが保守とは皮肉なものよの。

778:本当にあった怖い名無し
10/11/17 08:38:05 K9XyfCytO
バリエーション尽きないなぁってメリーは毎回目ぇ通してるけどねぇ
普通に長文にまとめて投稿してほしいかな

779:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 08:59:30 OXPrs4CH0
[計画の進行(前)]

1/8
その日―

午後16時過ぎ、汐崎家に一台の車が着く。
訪問者は、往来会の女性2人。
高城沙織からの命令で、汐崎真奈美を連れに来たとのことだった。
2人は真奈美に、急いで来て欲しいと言い、すぐに来れば父親に会える、と言った。

真奈美は、高城本人に確認しようかと考えたが…止めてしまった。

往来会本部に行くのなら、高城に会えることは分かっていること、その2人の女性からは、藤木に比べ、危険な気配を感じなかったことがその理由だった。

2人の女性は―暗い目をした2人の女性は、真奈美を速やかに本部へと連れ去った。

桐谷に言われるまで、高城でさえ気付けなかったその怪しい目に、汐崎真奈美が気付くはずもなかった。


780:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 09:01:04 OXPrs4CH0
2/8
―午後17時。神尾宅。

大学での講義を終え、真っ直ぐ自宅に帰った私は、この時間までラット君と見つめ合っていた。

往来会の副会長さんとの待ち合わせは、18時。
場所は、私の家の最寄り駅だ。

どう考えたって…普通に考えれば、怪しい。それに、危険。
うら若き乙女が、1人でどこに行こうというのやら。

…でも、行かないとな。
私は、行かないといけない。
理由は分からないけど、ただ、そんな風に思う。

私「キミは、どう思う?」
私は”彼”を抱えあげて、聞いてみる。
優理ちゃんがくれた、クマのヌイグルミ。
ちょっと不思議な、ヌイグルミ…。

私には分からないけど、古乃羽や雨月君には、この子はどう見えているのだろう。
ひょっとしたら、この子を通じて優理ちゃんと会話ができたり…?
…なんて事を、考えてしまう。


781:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 09:03:50 OXPrs4CH0
3/8
私を助けてくれるという、この子。
確かに、一緒に寝たり、抱きかかえていたりすると、気持ちが落ち着く。

できれば…この子も連れて行きたい。
不安な気持ちがあるから、一緒に居て欲しい。

でもそんなの、どう見てもおかしいよね。
優理ちゃんくらいの年恰好の女の子ならまだしも、私なんかが、どこに行くにもクマのヌイグルミを抱きかかえていたら…ちょっと変だ。

それに、今から行くところ―会う人のことを考えると、逆に危ない気がする。
普通のヌイグルミじゃないってことは、すぐにバレてしまいそうだ。

私「だから、キミはお留守番ね」
私はそう言ってラット君を棚に置き、頭を撫でてあげる。
そして、その代わりに翡翠のキーホルダーをポケットに入れる。
古乃羽の話では、これ自体にはお守りとしての効果はあまり無いってことだけど…私にとっては、大切なもの。

そうして出掛ける準備を済ませた私は、部屋を出る。

…ただその前に、私はラット君にお願いをしておいた。
私に何かあったら、古乃羽に「ごめんね」って伝えて欲しい、と。


782:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 09:07:07 OXPrs4CH0
4/8
―午後18時前。往来会本部、本部長室。

三島「…それでは、お疲れさまでした」
私「お疲れさま」
1日の事務報告を終え、いそいそと部屋を出て行く三島課長。
今日は、これから用事があるらしい。
きっと彼のことだから…奥さんとの用事だろうな。

三島課長は、知る人ぞ知る愛妻家だ。
奥さんは落ち着いた感じの綺麗な人で、何回か会ったことがある。

その度に、あんな風になれたら良いな、なんて思う。
揺ぎ無い信頼関係があって、深い所でしっかりと繋がっている2人。
彼らは結婚して30年近くになるらしいけど、羨ましい限りだ。
私の描く、理想の夫婦像に近い。

…そういえば。

今日は、汐崎さんの姿を見なかった。
最近は、ちょっと顔を合わせることを避けていた感があるけど、居るのと居ないのとでは大きな違いだ。

ちょっと様子を見に行こうかな…

そう思い、私は例の宿直室に向かった。


783:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 09:23:13 OXPrs4CH0
5/8
「清掃中」の札が掛かっている会議室の前を横切り、宿直室への長い廊下を歩く。

…歩きながら、どんな顔をして会うべきかを考える。
やっぱり上司モードで会うべき?それとも…?

素の自分で彼に会ってしまうと、どうなるだろう。
真奈美ちゃんとの仲が深まるにつれて、私の中での彼への想いも強くなっていた。
私が突然甘えるような事をしたら…きっと驚かれるか、引かれるのは目に見えている。
だから、そういうのは止めた方が良い。…今は、まだ。
こんな事態だし、少なくとも、この場所でそんな態度は見せたくない。

でも、少しくらいは―

そんな事を思いながら、宿直室のドアの前に立つ。
そしてノックをする…が、返事は無い。
また考え事をしているのかな?と思いながら、私はドアを開けて中に入る―

―と同時に、首の後ろに強烈な衝撃を受け、私はその場に崩れ落ちる。

…薄れていく意識の中、私の目には、部屋の中で倒れている真奈美ちゃんの姿が映った…。


784:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 09:28:00 OXPrs4CH0
6/8
―午後18時。某駅前。

神尾美加が夏目川と会い、彼の車に乗り込んでいく。
人通りの多い場所と時間故に、彼女も安心しているのだろう。

その様子を、俺は少し遠くから見守っていた。
そして奴の車が出た後、ワンテンポ遅らせてから、俺も車を発進させる。

…計画通りだ。
神尾はこのまま、壷のある場所まで連れて行かれるのだろう。
一応、相手の車を見失わないように注意はするが、目的地は奴の別荘だと分かっている。
そこまでは調査済みだ。

後はタイミングを見計らって、上手く壷を手に出来れば良い。
手に持ちさえすれば、それが壊れてしまうことを恐れる奴は…部下も含めて奴らは、こちらに手出しは出来ないだろう。

気を付けるべきことは…例えば、ダミーの存在か?
でも、それも大丈夫だ。
俺は既に、夢の中でアレを見ている。
あの禍々しいものを見間違えることは無い。

問題はない。全て、問題はない。
兄貴の無念を晴らし、桐谷家の呪いを消せるのも後少しだ。
そう思いながら、俺は2,3台前の車を睨み付ける。

…このとき既に、自分自身が見張られていたことに、気付くことはできなかった。


785:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 09:29:38 OXPrs4CH0
7/8
―午後19時。夏目川の別荘、地下室。

目を覚まして辺りを見渡しても、ここがどこだか分からなかった。
宿直室で急激な眠気に襲われ…気が付けばスーツ姿のまま、この冷たい床で横になっていた。

小さな電球が1つだけの、薄暗い部屋。
出入り口らしい扉を開けようとはしてみたが、ビクともしなかった。
大声を出しながら叩いてみても、何の反応もなし。

どうやら…どこか、辺鄙な場所に閉じ込められたようだ。
そう思うと共に、軽い絶望感を感じる。

軽い…

…軽い?
とんでもない。
これは、どうしようもない事態だ。
自分の今の状況からして、これは明らかに―

…いや、考えたくない。
気が滅入ってしまうのを飛び越して、おかしくなってしまいそうだ。

真奈美…真奈美の事を考えよう。
あの子は、今どうしているだろう?


786:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/17 09:32:50 OXPrs4CH0
8/8
腕時計を見ると、時刻は19時過ぎだった。

真奈美は夕食を食べただろうか。
今はきっと、たった1人での夕食だろう…可哀想に。
母親が亡くなってから、あの子に寂しい思いはさせたくなかったのに…。

真奈美のためにも新しい母親を、なんて考えたこともあったが、私はどうもダメだった。
女性相手には奥手で、しかも子持ち。こんな私のところに、誰が―
…と思ったところで、何故か本部長の姿が頭に浮かぶ。

そういえば、彼女には最後まで酷い態度を取ってしまった。
誰かに苛立ちをぶつけたくて、最低なことをしそうになって…それ以来、どうも顔を合わせるのを避けてしまった。
真奈美を守ってくれる、とまで言ってくれたのに。

本部長がそれを本気で言ってくれた事は、分かっていた。
彼女はそんな嘘をつく人じゃない。
だから、真奈美をお願いしますと、それだけでも言いたかったのに…。

後悔ばかりしながら、私は冷たい床に座り込む。

…2人の無事を祈ろう。真奈美と、本部長…高城沙織の。
そして、勝手なことだが―情けないくらい、本当に勝手なことだが―信じよう。
彼女が、真奈美を守ってくれることを…。




787:本当にあった怖い名無し
10/11/17 10:09:53 9FattDyRO
メリーさんは随分と新しい手口で攻めてきたな

788:本当にあった怖い名無し
10/11/17 10:18:34 SeZVdDtfP
赤緑乙

789:本当にあった怖い名無し
10/11/17 13:59:06 AOADQXQSO
あかみどり毎度☆

790:本当にあった怖い名無し
10/11/17 15:52:12 tnOUZxo30
>>778
たまに以前見たのと同じのが投稿されてるからバリエーション尽きつつあるんじゃない?
どちらにせよ、せめてまとめて書いて欲しいというのは同感。

791:本当にあった怖い名無し
10/11/17 16:56:46 i52ElKlJO
赤緑久しぶり、超々乙!
あとは枯野待ち

792: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/11/17 18:30:06 RCMQAUqL0
第2幕の始まりでございます。ほとんど望まれてなさそうなのに、続いてすまんな。
前後その他に興味を持った方は、"Aと師匠とおかん"でググってくださいな。

自己責任で読んで下さい。警告したので始めます。

"歌"

歌が聞こえることがある。
どこかの国の古典的なポップスの、印象的なサビだけを取り出したような感じで
いつも同じフレーズで、同じ歌声だ。
歌われている言語は、現代日本語で無いことだけは確かだが、
どこの国の言葉なのかは分からない。

町の中の様々な場所から流れてきて
マンホールの中や、ビルとビルの隙間などから漏れてくる。
時には街頭テレビやスピーカーからや、
母親に手を引かれた通りすがりの女の子が鼻歌で歌っていることもある。
家族や友達にもそれとなく話したが、誰も分からないようだし、
もしかして幻聴だったとしたらかなりヤバイが
毎日忙しいし、今のところ不快感を感じたりとかの害は無いので放っておいた。

今日は予備校が午前中に終わったあと、
夕方に車の教習があり、今はそこから近くの自宅まで歩いて帰る途中だ。
そろそろ日も沈みそうだし、
女の夜道の独り歩きは危ないので、すこし足早に進んでいる。
その最中も町の様々な場所からずっと歌が聞こえ続けていた。
いつもと同じように性別のよく分からないが、とても透明な声で
悲しんでいるような、喜んでいるような旋律だ。
「不思議だなあ」と思いながら、その旋律を初めてハミングしてみる。
ああ、とても懐かしくて、温かい、どうしてだろう。

793: ◆7QPLwJZR/Ypf
10/11/17 18:30:53 RCMQAUqL0
そんなことを考えていると不意に
キャッキャッと数人の小さな男の子達が目の前に走ってきた。
この子達も家路を辿っているんだろうか。
はやく帰らないと危ないよ。なんて思いながら
そのまま彼らとすれ違う、すると
一番最後尾に居た帽子を目深に被った子だけが立ち止まり、振り返って声をかけてきた。
「ねぇ、お姉ちゃん、憑き護なんだってね」
驚いて私も振り返る。耳慣れない言葉だが「ツキゴ」というのは私のことだろうか。
「これから大変だよ。でも頑張ってね。負けないで」
男の子は帽子を取ると、丸坊主の頭でニコッと笑い、
素早く私に一礼してから、
数メートル先を行く他の子達に「まてよぉ!」と叫びながら、
追いつこうと走っていった。

私は少し頭がボーっとしたまま、立ち止まっていた。
あれ…「ツキゴ」という言葉、どこかで聞き覚えがあるような…
目の前を飛んでいく数羽のカラスがあのフレーズを歌っている。
いつもと同じ、とても綺麗な歌声で。
それらに合わせるように町のあらゆる所から、ハーモニーを奏でるように、
様々な音程と多様な歌声で、
一斉に同じフレーズが流れ出した。
私は硬いアスファルトの上、歌の柔らかい波の中に飲み込まれていく
それは懐かしく温かい感触の中に、どこか哀しい響きのある合唱だった。
まるで、いままで無くなった沢山の大切な何かを懐かしむように、
そして、これから亡くなっていく沢山のかけがえの無い何かを悼むように。

静かな大合唱の中、私は呆然として立ち尽くし
その背後では、夕陽がゆっくりと沈んでいく。
町は、暗闇に包まれていった。

了。

794:本当にあった怖い名無し
10/11/17 18:48:29 EhoneLhH0
ウニさん待ち

795:本当にあった怖い名無し
10/11/17 19:05:23 9FattDyRO
やっぱり無駄な描写が多いな
ラノベ風らしいから仕方がないか

796:本当にあった怖い名無し
10/11/17 20:15:10 jeO1Isb10
「うわあ、すごくおいしそう!」
「うちの母さんがよく作ってくれたんだよ。中学の間習ったんだ」
焼けてきた卵を箸で端に寄せ、一気にひっくり返す。
またジュゥゥと卵の焼ける音が少しした後、俺は卵焼きを皿に置いた。


797:本当にあった怖い名無し
10/11/17 21:39:00 jeO1Isb10
「よし、あとはご飯をっと」
先週買い溜めたパパッとライス(こしひかり100%)をレンジに突っ込みチンしてスペアの茶碗に突っ込んでメリーに渡した。
「さ、召し上がれ」


798:本当にあった怖い名無し
10/11/17 23:42:01 3ABXtIn80
完全にラベノじゃね・・・?

799:本当にあった怖い名無し
10/11/18 00:17:02 EIUNH18p0
らべの・・・・?

800:本当にあった怖い名無し
10/11/18 03:38:22 x/s697sbO
めりぃうぜぇよまじうぜぇ書いてるヤツ死ねよ死ねよ死ねよ!
もしくは死ぬ程痛い目に遭えよ!遭えよ遭えよ!
でなければ、書くのいい加減やめろよ!!

801:本当にあった怖い名無し
10/11/18 05:14:20 nEkJreJK0
いいか、やつはそー言うレスを待っているんだ・・・

802:本当にあった怖い名無し
10/11/18 10:48:28 x/s697sbO
ごめん。

803:本当にあった怖い名無し
10/11/18 14:11:09 3VW2N3Dc0
不思議とメリーの存在を受け容れている自分に気付いた
間違っても歓迎はしないが、他の駄作がサラサラ流れていくのには爽快感すら感じる

まあ頑張れやw

804:本当にあった怖い名無し
10/11/18 14:18:27 Y5D9NIfJ0
>>803
何が読みたくてこのスレにいんの?

805:本当にあった怖い名無し
10/11/18 20:04:52 n+1/3jniP
俺は師匠シリーズとメリーさんシリーズが読みたくてこのスレを覗いてるけど。

806:本当にあった怖い名無し
10/11/18 23:46:50 qiq91EEZ0
ID変わりまくりんぐなんやなw

807:本当にあった怖い名無し
10/11/19 01:56:06 CuMYTvZ5O
1日5レスもないのに同じIDがいた方が不気味でしょう?

808:本当にあった怖い名無し
10/11/19 02:12:27 m/8BFvaK0
>>804
師匠シリーズとお婆さんシリーズだけど?


809:本当にあった怖い名無し
10/11/20 00:31:10 Fv0CD2ARO
過疎化怖い

810:本当にあった怖い名無し
10/11/20 00:48:28 NQCcjFmp0
オカ板では細々やってるスレはけっこうあるよ

811:本当にあった怖い名無し
10/11/20 07:24:34 qk487UrN0
ウニさ~ん!
仕事終わって寝る前の唯一の楽しみがなくて、つまらないよ~。
待ってますよ。

812:本当にあった怖い名無し
10/11/20 11:10:56 VqPR/47B0
つまらないのはそんな楽しみしかないお前の人生だろ

813:本当にあった怖い名無し
10/11/20 13:56:35 PlumDgAQ0
目からウロコがっ
寝る前の楽しみは、これから寝るってことと
一杯のシナモンふりかけココア。うまー
寝坊しても大丈夫なように明日の準備もして
明日の予定を考えながらのひととき
休み前ならサイコー

814:本当にあった怖い名無し
10/11/20 21:51:12 VqPR/47B0
予定もねーくせにww

815:本当にあった怖い名無し
10/11/20 21:58:14 bcJD6PMk0
>>814のレスのほうが負け犬臭く見えるな

816:つ
10/11/20 22:31:05 uuPuNAPu0
813だけど、明日の予定を考えるってのは
仕事内容、昼飯、晩飯なに食うかな…とかね。しょぼっ
休み前は違うけど
オカスレは通勤時と寝る前にチェック

817:本当にあった怖い名無し
10/11/21 07:39:21 m/2Uqh6P0
>>815
禿同。卑屈すぎ。

818:本当にあった怖い名無し
10/11/21 11:29:13 jHLTMg3Z0
一年中夏休みの人なんだろ
察してやれよ

819:本当にあった怖い名無し
10/11/21 22:38:33 jEVRLSmQ0
>>604
携帯バカにされてキレるか(笑)
すげーオモロイド

820:本当にあった怖い名無し
10/11/23 00:18:37 ZjqRWK3O0
俺君は?便乗者さんは?もー書いてくんないのか

821:本当にあった怖い名無し
10/11/23 21:51:12 kuqOOdkM0
>>815-818

過剰反応ワロス

822:本当にあった怖い名無し
10/11/23 22:17:22 D3a0d/3w0
これはネタ?マジ?

823:本当にあった怖い名無し
10/11/23 23:50:09 EqGx+Dsh0
んで、忍はどーなった?

824:1/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/25 18:25:59 VRYjfjyZ0
『この街』


私が以前住んでいた田舎は中途半端な田舎でしたが、町は豊かで人々も仲が良く、私も近所のお婆さんと仲良くさせてもらってました。
これはそのお婆さんが、ある人から聞いた話です。

その人は30代後半あたりの男で、私が生まれるよりもずっと前にこの町に引っ越して来たそうです。
お婆さんと男は世間話をしたりといった近所付き合いをする仲になりましたが、
ある日、彼は自分が引っ越してくる前の地元で起きた“ある出来事”をお婆さんに話しました。


男がまだ地元に住んでいた頃、彼には妻がいました。しかし妻は赤ん坊(娘)を産む際に命を落としてしまったそうです。
妻の葬儀の後、お坊さんが男にこっそり話掛けてきたかと思うと、
「奥さん亡くなった直後に言うのも何だが、ちょっと言っておかなければならないことがある」
と前置きし、とんでもないことを話し始めました。
「貴方の奥さんが亡くなったのはその娘さんのせいだ。娘さんは、言いにくいが、非常にまずいものをもって産まれて来た。
何のせいかはわからんが、言うなれば貴方の娘さんは地獄をそのまま人間にしたようなものだ。
娘さんが悪いわけでもない、貴方や奥さんが悪いわけでもない、ただ原因もわからないが、端から娘さんは厄そのものとしてこの世に存在している。
きっと娘さん自身、今後の人生で友情にも愛にも恵まれず、死後成仏することもない。それだけでなく、彼女の親族……つまり貴方や、貴方の親族でもあるが、
普通の人よりは長生きできんし、その子孫までにもそれは残るよ。そして貴方も彼らも死後成仏できんだろう」

男は息を呑んでお坊さんの話を聞きました。そしてお坊さんは最後に男に対して深く頭を下げて言ったそうです。
「こんな時にこんな話をして本当に申し訳ない。ただ知っておいてほしかった。覚悟をしておいてほしかった。
何せ娘さんが産まれたことで貴方たち一族が背負うことになったこの災い、私にはもう、どうすることも出来ないので」

825:2/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/25 18:28:35 VRYjfjyZ0
それから年月が経ち、娘が3歳になった頃。男は娘を小さな託児所に預け、時には土日も仕事へ向かうような忙しい日々を送っていました。
娘は、言葉も教えていた割に口数が少なく、表情も乏しく、託児所でも一人ぼっちで、話しかけられても無反応な子になっていたそうです。
男はそんな娘の様子を見る度に、あの日お坊さんに言われたことを思い出していました。
そして彼自身、霊感と呼ばれるものなど持ち合わせていないにも関わらず、娘そのものに言い知れぬ違和感というか、妙な空気を常に感じ取っていました。
それは後で考えると「負」、つまり「マイナス」という言葉がしっくりきたそう。


そんなある日のこと、男の住むその町をある出来事が襲いました。
映画化もされた、有名な大水害です。

それは男が託児所に娘を預けたまま職場にいる時に起きました。
男はもともと危機意識の薄い性格であり、さらに当時その町の人々の間では水害と土地との関係等の知識が一般的でなく、
多くの人が事を甘く見ていました。男もこれぐらいの暴風雨なら大丈夫だろうと、託児所を信用し切っていたそうです。

男がそもそも自分自身が職場から出られない状況であると気付いたのは、職場の建物が停電し、同僚が外の様子を見ようと玄関まで向かってからでした。
同僚に呼ばれて皆で玄関へ向かうと、玄関がまるで浴槽のように水を波打たせていたそうです。
雨戸で塞がれた窓から外の様子など知ることもなく、暴風雨がここまで町を水没させていることに皆気付いていなかったのです。
しかしそれでも、この水没がまだマシな方だったなんて、彼らは知る由もありませんでした。
男が後に知る、自分の家や託児所のある南西地区の状況は、こんな生易しい水没などではなかったのです。

渦巻きのような巨大な天気とともに暴風雨が過ぎ去り、汚い湖だけが残された町の中。
男はその湖に足止めされ職場に束縛されている中でも、状況の知れない南西地区での災害程度もここと同じぐらいの状況だろうと高をくくっており、
停電状態で情報も入らなかったこともあって、その時すでに数千もの命が失われいていることなど夢にも思っていなかったのです。

826:3/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/25 18:31:23 VRYjfjyZ0
ようやく帰途についた男が事の重大さを知った時、すでに全てが遅く、ただ目の前には悪夢が広がっていました。

託児所の建物が無い。家が無い。知っている人の多くも亡くなり、何より娘は、行方不明になっていました。
後悔だなんて言葉では物足りない程の感情が押し寄せていると、男の名前を呼びながら知り合いが話しかけてきたそうです。
「おい、お前の娘が何処にいるかわかったぞ!」
知り合いは泥まみれの崩れた町の中を先導し、男をどんどんと引っ張って歩きました。
男は無我夢中でそれに着いて歩き、知り合いが「こっちだ」「こっちだ」と右へ左へと曲がるのに従って行きます。
そしてかなりの距離を歩き、来たこともないような地区へと辿り着きました。
こちらの方は大した被害を受けておらず、水没の痕跡すら見当たらなかったそうです。2人は役場のような建物に辿り着きました。
ここも託児所をやっている、とのこと。

建物に入った男は、職員らしきおばさんに「娘がここにいると聞いて来た」と告げました。
「あ~はいはい。今座敷の方で一人で遊んでます。すみませんねぇ、私たちもバタバタしてて、あの子に構ってやれずに……」
「いえいえ、元々一人で遊ぶのが好きな奴でして、預かって下さっているだけで十分ありがたいです」
「そうですか、なら良かった。あ、こちらの部屋です」
おばさんが部屋の扉を開けると、広い座敷が広がっていました。畳の上には散らかったおもちゃ。
その中心に娘は、
いない……?

困惑するおばさん。外に出たらわかるはずだから、外には出ていない、はず、だけど……と、おばさんは大慌てで建物内を探しに行きました。
男はわけもわからず、とりあえず娘がいたというおもちゃの散らかった場所へ近づくと、おもちゃに囲まれて、何とも言えないものがありました。
なんと呼べばいいか分からないもの。今までの人生で知らないもの。
強いて言えば、「花瓶」「壺」「水差し」「器」……そういった系統のものに見えたそうです。材質も色もそれらとは違った印象はあったそうですが……。

827:4/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds
10/11/25 18:34:20 VRYjfjyZ0
ただその時、男はその物体を見ながら無性に悲しくなり、気付かぬ間に涙がボロボロと零れていました。そして同時に背後から、いや部屋全体から、
男か女か覚えてないが、とにかく声が聞こえたそう。
「すぐにわかったね。それがお前の娘だよ。お前の娘の、成仏魂だよ。泣かないで、良い方向に考えなさい。
娘は成仏したんだ、するはずなかったのにしたんだよ。この好機を逃し、もし別の形で死んでいれば、成仏していなかった。
そういった意味では、お前の娘はこの上ない絶好の機会に恵まれたと言える、おめでとうと言ってあげなさい」
「……おめでとう」
その瞬間、今度はわらべ歌か童謡のような唄が部屋に響き渡ったそうです。
大勢の小さな子どもたちの声で、聞いたことが無い、知らない童謡。ただ歌詞の中に、娘の名前が数回出て来たのを覚えているらしいです。
そしてその唄が終わり、ふと気付くと、さっきまでおもちゃに囲まれてそこにあった物体がいつの間にか無くなっていました。
職員のおばさんが戻って来て、慌てふためきながら何かを言ってましたが、男は「もういいんです」と言って、おばさんの言葉を遮りました。
その瞬間、男はふと気付きます。
「連れの者がいたはずですが知りませんか?」
おばさんは気味悪そうに男の顔を見ながら、そんな人は知らないと言います。
ここまで案内してくれた人。娘が何処にいるかわかった、と、ここまで男を連れて来てくれた知り合い。
ふと男は、その人に関する記憶が曖昧なことに気付きます。その知り合いが誰だったかを思い出せないことに気付くのです。
あの人が誰だったか名前がわからないのではなく、誰が案内してくれたのかが記憶の中で定まらない。顔も、髪型も、背丈も服装も、思い出せないのです。
あれは誰だ? どうして知り合いだと思った? もしかして初めから誰もいなかったのではないか。
来たこともないこの場所へと男が来ることが出来たというなら、案内があったことは確かだと言うのに……。


以上で私がお婆さんから聞いた話は終わりです。
ただ私がお婆さんからこの話を聞いたのは偶然で、昔お婆さんが男からこの話を聞いたのもきっと偶然で、
私が後に引っ越すことになるのも、その引っ越し先も偶然でしょう。
これは男の地元……私が今暮らしている『この街』であった出来事です。

828:本当にあった怖い名無し
10/11/25 20:31:01 4l6zCU3dO
どっかで読んだことのある話だな

829:本当にあった怖い名無し
10/11/25 22:39:39 /910kBVA0
便乗者さん、おひさ&おつです!
途中どうなることかと思ったけど、
残酷なバッドエンディングでなくてよかった

830:本当にあった怖い名無し
10/11/26 19:51:48 INQ2vij40
メリーが来た次の日、俺は学校を休んだ。
サボったわけじゃない。体力的に無理だったからだ。
昨日の夜はメリーが家に来て、近くのコンビニで夕飯買ってあげたりしたら十二時を回っていたり、
そのあと寝ようとしてメリー用に布団を出してあげたら俺に抱きついて「一緒の布団がいい…」って言ってきて、
そのあと一緒に寝るのはいいとして執拗に俺に抱きついてきて結局ものすごい勢いで俺の心臓が脈を打って、
結局一睡もできなかった。しかもかなり寿命が縮まった気がする。


831:本当にあった怖い名無し
10/11/27 03:20:26 AyzsHdnY0
便乗者さん乙~
日本には昔から悪い物は水に流すっていう風習があるけど、
大水害並みに大きな水流だったからこそ、その子の厄も全部持ってってくれたのかもね。
バッドエンドではないけど切ない話だなぁ。

832:本当にあった怖い名無し
10/11/27 11:26:10 HUbjyJfGO
便乗者さん乙!
久々にスレ覗いて良かった!

833:本当にあった怖い名無し
10/11/27 21:40:15 zQkweVge0
「陸久、大丈夫?」
昨日すやすや眠っていたメリーが俺の顔を見て言った。
「ごめん…今日は休む…」
「うん…昨日はごめんね?」
「大丈夫…気にしてないから」
そういうなり俺はベッドに突っ伏した。
ああ、布団が気持ちいい…。
五分も経たずに俺は眠った。



834:本当にあった怖い名無し
10/11/27 21:42:55 zQkweVge0
「ふぁぁぁあ…ゲッ!?」
起きたらもう五時を回っていた。
(早く夕飯の支度とかしなきゃ…)
ガバっと起き上がってベッドに両手を置く。
……やわらかい感触があった。


835:本当にあった怖い名無し
10/11/27 21:57:49 zQkweVge0
(…まさか…)
恐る恐る手を置いたところを見る。
そこにはやはりメリーが寝ていた。ネグリジェで。
しかも俺の手はメリーの胸の上に、ちょうどわしづかみしているような形で置いてあった。
「ん~…あ、陸久起きたんだ。おはよ~」
などとのんきに言うメリー。俺の額からは汗がダラダラ流れてくる。


836:本当にあった怖い名無し
10/11/27 23:54:52 zQkweVge0
「うわあ!?」
バッとメリーの胸から手を取る。
俺の顔がまた熱い。
「ん?どうしたの?陸久、顔赤いよ?」
「どうしたって…胸、触られたんだよ?」
「うん。それがどうしたの~?」
「その…恥ずかしいとか、ないの?」


837:本当にあった怖い名無し
10/11/28 00:29:01 N4OnGP5T0
「ないよ~?」
どうやら気にしてないらしい。元人形だったからか?
「いや、気にしてないならいいんだ。それよりお腹すいてない?」
「うん。朝から食べてないからすごいお腹すいた」
やっぱり。


838:本当にあった怖い名無し
10/11/28 00:35:17 N4OnGP5T0
「なんか食べたいもの、ある?」
メリーは「んー」と言いながら少し考えた後、
「陸久の手料理が食べたい」
と言った。
「……は?」
「だから陸久が作ったものなら何でもいいよ?」


839:本当にあった怖い名無し
10/11/28 00:48:48 N4OnGP5T0
(俺何も作れないんだけど…)
などとは言わない。言ってはいけない。言ったら男が廃る。
「簡単なものでいいの?」
「うん、いいよ」


840:本当にあった怖い名無し
10/11/28 00:52:19 N4OnGP5T0
早速俺はカセットコンロを取り出して料理を始めた。
材料はさっきコンビニで買ってきたベーコンと卵とバター(総額およそ千円)。
「メリー、たくさん食べたい?」
「ん~、少なめでいいよ」
(じゃメリーは卵三つで俺四つかな…)


841:本当にあった怖い名無し
10/11/28 00:58:45 N4OnGP5T0
取り出したボウルに卵を三つ割って溶く。
卵を溶き終わった後はベーコンを四列ほど切ってフライパンに放り込む。
ジュゥゥといい音を立てながらベーコンが焼けていく。
その中にバターを放り込んで一気に揚げる。

842:本当にあった怖い名無し
10/11/28 00:59:03 N4OnGP5T0
ベーコンがカリカリに焼けたところでさっき解いた卵を一気にフライパンに流し込む。
卵の焼けるいい香りが部屋を満たす。
俺のそばからメリーがひょこっと顔を出してフライパンを覗く。



843:本当にあった怖い名無し
10/11/28 19:32:46 +sQ056CJP
ついこないだ同じの書いたとこじゃん
もうちょっと考えてよ

844:本当にあった怖い名無し
10/11/28 23:25:51 NbHK5E9dO
卵食い過ぎw
メリーはピザだったんだ

845:本当にあった怖い名無し
10/11/28 23:53:51 uNgilDMQ0
また洒落怖本スレにここの糞厨房ラノベシリーズを投下しようとしてるカスがいるようだが止めろよ
お前らはこの隔離スレから出てくんじゃねえ
猿は油断するとすぐにルールを破るから困る
黙ってここで俺キャラ無双と腐女子ホモホモ妄想SS垂れ流してろ


846:本当にあった怖い名無し
10/11/29 00:00:31 I15o6/Pd0
ほもほも(^^ω)

847:本当にあった怖い名無し
10/11/29 01:23:52 nIDziysbO
ここもシリーズものとは名ばかりのコピペ改変スレに成り下がったか

848:本当にあった怖い名無し
10/11/29 02:03:06 aKsGmuVw0
洒落怖スレも粘着しか残ってないし

849:本当にあった怖い名無し
10/11/29 20:41:35 08+abRSTO
俺君待ち(´エ`)


850:本当にあった怖い名無し
10/11/29 22:17:44 qa29I1vv0
いっそスレタイに「創作」って入れた方がスッキリするんじゃない?
最初から誰も本当の話としてなんて読んでないし
創作SSとして認識してるでしょ
なら最初からそう断りを入れた方が敷居が下がろうってもんだ
別に洒落怖のテンプレを引き継ぐ義理なんてないし
区別化にもなる
あ、「敷居が下がる」なんて書くと条件反射で反対する子がいるかな?
「投稿しやすくなる」と言い換えよう
作品のレベルなんて最初から最底辺縁の下の力持ちだから「質の低下」なんて心配する必要も無い


851:本当にあった怖い名無し
10/11/29 22:19:13 nIDziysbO
つまり次からはメリーさんスレだということか

852:本当にあった怖い名無し
10/11/29 22:53:50 H1LBYOug0
それだと完全に板違いでしょ。
実話とも創作ともとれる、あいまいな立ち位置だからこそ作られるものを期待してるのではないか。だからオカルト板。
少なくとも俺はスッキリしたいんじゃなくて、そのあいまいさを楽しんでるのよ。
まあ、明確な区別化も悪くはないし、どうしても書きたいなら「創作」の隣に「実話」とも入れたら良いんじゃない?

853:本当にあった怖い名無し
10/11/30 02:39:58 5m1IV11l0
実際過去には実話だったり、実話を脚色したり整理してる人もいたかもしれないし、
少なくとも正面切って創作だと言ってる人の方が少なくないか?
そもそもが怪談には曖昧さがつきものだし、
そう言うところが好きでもあるので創作って謳うのは何か違う気がする。
まあ創作怪談のスレがあってもいいとは思うけど、
ここをそれに充てるのは乱暴かな。
実話ベースやあくまで実話の体で書きたい人が困るだろうし。

てか、創作って銘打ったら却って敷居上がってるよね。
実話でもないのに散々練ってこれかいとでも言わせたいのかな。
玉石混淆殆ど石のスレで。
自分は好きだけどね、こういうの。


854:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 13:50:34 Rt0BHmV10
[計画の進行(後)]

1/11
―誰かに呼ばれたような気がして、私は目を覚ます。

えっと、ここは…宿直室?
…あぁ、そうだ。私はここに来て、誰かに―

首の後ろが、少し痛い。
人間て、あんな風に気を失うものなのね…
私はそんな事を思いながら、すぐには起き上がらず、横になった状態で辺りを確認する。
…と、すぐ横に真奈美ちゃんが倒れているのに気付く。

私「真奈美ちゃん…」
ゆっくりと上体を起こし、彼女の様子を見る。

…息はしている。それも規則正しく。
顔色が悪いことも無く、外傷も無さそう。これは―

声「寝ているだけだぜ」

部屋の入口の方から、聞き覚えのある声が聞こえる。
…最低。

私「どういうつもり?…藤木」
私は首の後ろを押さえながらゆっくりと立ち上がり、声がした方を見る。
そこには、ニヤけた顔の藤木が立っていた。


855:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 13:52:28 Rt0BHmV10
2/11
私「真奈美ちゃんに何をしたの?汐崎さんはどこ?」

私はできるだけの虚勢を張り、藤木を問い詰める。
ここで気後れしてはいけない。
どうやらこれは…最悪の状況のようだ。

藤木「お嬢さんには、グッスリと寝てもらっているだけさ。きっと、引っ叩いても明日の朝までは起きないだろうなぁ…」
私「…」

明日の朝、と言われて時間が気になった私は、部屋の時計を見る。
…19時過ぎ。気を失っていたのは30分くらいか。

私「…汐崎さんは?」
なぜ真奈美ちゃんにそんな事をしたのか。なぜ彼女がここに居るのか。
それはきっと…嫌だけど、想像が付く。
それより分からないのは、汐崎さんの行方だ。

藤木「さぁねぇ、どこに行ったのかねぇ~?」
首を左右に振りながら、おどける様に藤木が答える。
その様子には、何か…不快さを通り越した、異常を感じる。


856:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 13:55:26 Rt0BHmV10
3/11
私「…知らないのね。なら、良いわ」

…もちろん、良くない。
でも今ここでコイツ相手に、僅かでも弱いところは見せたくない。

私「それで、あなたはここで何をしているの?」
情けないことに、少しだけ足が震えてしまう。
なぜなら、この男からいつも以上に危険なものを感じるからだ。
私はそれを隠すように声を張り、藤木に質問をする。

藤木「何って…何だと思います?」
そう言いながら、土足のまま藤木が部屋に上がってくる。
…その手には、霧吹きのようなものが握られている。

私「聞いているのは私よ。…答えなさい」
近寄ってくる藤木に対して、逃げ出したい気持ちを抑えながら、私は言う。
私のすぐ足元には、真奈美ちゃんが倒れている。
彼女を見捨てて、一人だけ逃げるわけにはいかない…。

藤木「本当は、これですぐに眠らせても良かったんですけどねぇ…」
私の目の前まで来た藤木は、そう言いながら手に持っている霧吹きを軽く振る。
言い分からして、中身はどうやら…睡眠剤のようだ。
もしそうなら、今ここで使わせちゃいけない。絶対に…。


857:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 13:58:12 Rt0BHmV10
4/11
藤木「ちょっと伝言がありましてね。副会長からの」

副会長…ね。
何を言われるのか、何となく想像は付く。どうせ―

藤木「もっと素直な女に生まれ変われ、ってさ」

…そんなことだろうと思った。
本当の私を知っている訳でもないくせに…。

藤木「というわけでぇ、これでお休みになって―」
私「…藤木、それで良いの?」
霧吹きをこちらに向けた藤木に対し、私はその目をジッと見つめながら言う。
こんなこと、コイツにはしたくないけど…。

私「あなたは良いの?私を…殺してしまいたいの?」
藤木「ん…?」
私「私が嫌い?」
藤木「…」

藤木は私の目を見つめながら、その手を下ろす。

こんなことは、イヤ。
汐崎さん以外に、こんなことしたくない。
…でも、今は真奈美ちゃんが居る。
自分だけならまだしも、私は彼女を守らないといけない―


858:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 14:00:08 Rt0BHmV10
5/11
私「好意を持ってくれているって、思っていたのに」
藤木「…」
私「こんなこと、するなんて…」
藤木「ま…」

私は誘惑するように、藤木の目をジッと見つめる。
彼を上手く取り込んで、この場を逃れる。今は、それしかない。

―しかし、そこに誤算があった。

藤木「ま…魔女…」
私「…?」
藤木「魔女…だ…!」

不意に藤木の目から光が失われ、そこに闇が生まれる。
その目をジッと見ていた私は、逆に取り込まれそうになり、慌てて視線を逸らす―
―が、そのせいで、彼が再び手を上げ、私に霧吹きを吹きかけたことに気付くのが遅れてしまった。

甘く痺れるような香りが鼻と口から体内に広がり、意識が混濁する。
私は立っていられなくなり、その場によろよろと崩れ落ちる。


859:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 14:06:46 Rt0BHmV10
6/11
藤木「魔女!魔女だ!誘惑された!取って喰われるぞ!」

倒れた私のすぐ傍で、藤木が叫んでいる。

何てこと―

藤木「火炙りだ!魔女は…火炙りだ!」

…壊れている。
藤木は既に、壊されている…!

藤木「眠らせて火炙りです!生きたままぁ、火炙りですよぉ!」
意識を失いつつある私の鼻と口に、今度は布が押し付けられる。
先ほどより強烈な…甘さなど欠片も無い、吸い込めば身体が痺れるだけの、危険な香りを感じる。

吸い込んじゃいけない―

徐々に消えゆく意識の中、ただそれだけを思い…私は息を止める。
どのくらいの間そうしていられるか分からないけど、それが私にできる、精一杯の抵抗だった。

…しかし意識は薄れ…やがて私は、そのまま意識を失った…。


860:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 14:08:42 Rt0BHmV10
7/11

神尾美加を乗せた車は、山道を登っていった。

ここからは一本道で、この先には、夏目川の別荘がある。
俺は奴の車が十分離れた後、道の脇に車を止め、そこで降りる。

ここからは、徒歩だ。
この辺りの道は、既に調べてある。
ここを歩いて登って―

―突然、道の前後から車が現れ、こちらに迫ってくる。
そして、車を降りたばかりの俺の目の前で急ブレーキ。俺は前後を挟まれる。
こちらも咄嗟に山道に逃げ込もうとするが、そこから数人のスーツを着た人間が現れ…
更に振り返った先、俺の車の逆側からも、数人が現れる。

ほんの僅かな間の出来事だった。

俺は、完全に行動を読まれていた。
車を止める場所すら読まれ、こちらが車を降りるタイミングを狙われた。

こんな簡単に、か…。
ただの老人を相手にしているつもりはなかったが、俺が甘かったか?

畜生…!


861:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 14:10:24 Rt0BHmV10
8/11
「―分かった。よくやった」

別荘に着き、車を降りたところで部下から連絡が入り、桐谷隆二を捕らえたことを知る。

私「では引き続き…分かっているな?」
私は命令を確認し、携帯を切る。

簡単なものだ…。
もはや、何の障害も無い。

共に車を降り、辺りの様子を窺っている神尾美加を見ながら、そんな事を思う。

私「すみません、仕事のことで…。さぁ、ここです。行きましょう」
神尾「あ、はい」
私は神尾を伴い、別荘に入る。

…終わったな。

この別荘は、よくあるログハウス的なものではなく、純和風の一軒家に近い造りになっている。
私がここで隠居生活を送るために、建てたものだ。

その何よりの特徴として…この中では、携帯の電波を遮断している。
後々は不便になるので解除するつもりだが、今はそうしている。


862:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 14:13:46 Rt0BHmV10
9/11
神尾美加をここに連れてくるにあたって、私が最も気にしていたことは、例の”耳”の事だった。

しかし、ここ数日神尾をマークしていたが、それらしい人物との接触は見られなかった。
霊感持ちの子―鮎川古乃羽という名前だった―とは、よく一緒に居たようだが、報告では彼女は耳の人物ではない、とのことだった。

こちらを探っていたのだから、当然接触はあるだろうと思っていたが…結局、そんな素振りは無いまま、今日を迎えた。
勿論、知らない間に会っていた可能性はある。普通に考えて、電話で連絡を取っていた可能性は、十分にあるだろう。

…しかし、それなら良いのだ。
電話という媒体を通してのみ、という話なら、何の問題も無い。
中に入ってしまえば、神尾は完全に孤立する。

しかも、部下にはここに来る道を見張らせている。
往来会の人間であろうと、誰一人、決して通さないようにと言って…。


863:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 14:16:39 Rt0BHmV10
10/11

20時を少し過ぎた頃…

冷たい床に胡坐をかき、真奈美と高城沙織の事を考えていると、突然扉が開かれる。
私はアッと思い立ち上がるが、扉はすぐ閉じられてしまう。
1人の男を、私の目の前に放り込んでから…。

私「…大丈夫ですか?」
私は再び座り込み、放り込まれた男に声を掛ける。
すると―

私「…桐谷隆二?」
写真でしか見たことのなかった顔が、そこにあった。

桐谷「イタタ…。えぇ、そうです…はじめまして」
桐谷は腰を押さえながら私の目の前に座り、挨拶をしてくる。

桐谷「汐崎祐一さんですね。いやぁ、こんなとこで会うとは…生前は兄がお世話になりました」
ペコリと頭を下げる桐谷。
それに対し私は…どう対応して良いか、迷ってしまう。


864:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/11/30 14:21:03 Rt0BHmV10
11/11
私は桐谷隆二に対して、恨み言を言ってやりたい気持ちがあった。
真奈美を巻き込んだことについて、殴り倒してやりたい気持ちがあった。

しかし、最近の1人での時間を利用して、冷静にこの一連の事件について考えてみた私は、1つの事を確信した。

―桐谷隆二には、確固とした目的がある。

兄の事件を解決する…それ以外の、何かが。
それは手段を選んでいられないような、切迫したものに違いない。
そしてそれは、往来会にとって、不利益になることだ。
私はそれについて、彼と話をしてみたいと思っていた。

私は早速、彼に自分の考えをぶつけてみる。
…すると、彼は答えを返してくれた。
高城沙織と、何と真奈美にも話したという話を、私に教えてくれた。

それにより、私はようやく…ここにきてようやく、往来会の秘密を知った。

…と同時に、この状況がいかに絶望的であるかを、改めて思い知ったのだった…。





865:本当にあった怖い名無し
10/11/30 14:40:46 h9zVdpXu0
赤緑△

866:本当にあった怖い名無し
10/11/30 17:22:41 6/i5fz8Q0

このスレの話を「もしかしたら実話かも」なんて思う奴いないと思う
いたらよっぽどの池沼か小学生だ
洒落怖本スレがギリギリのラインだ
別に創作だってオカルトはオカルトだ


867:本当にあった怖い名無し
10/11/30 17:26:56 llD12R+4O
>>854
まるでモバゲー小説だな

868:本当にあった怖い名無し
10/11/30 19:45:30 p5eCP7w2P
>>866
俺もそう思う。
まあ怖い話って全部創作なんだけど、
ちょっとバカな人に実話かもって思わせられるのはそれなりにすごいことなんだろなあ

869:本当にあった怖い名無し
10/11/30 19:46:44 6bs4NHKA0
>>866
書かれている話の中の、1%くらいは事実が混ざってるんじゃないかな(混ざってて欲しいな)くらいの気持ちで読んでるよw

でも、最初から創作って書かれたら読む気が失せるから、明記する必要はないし、しなくて良いと思う。
要は、実話だろうが創作だろうが、恐かろうが恐くなかろうが、楽しめればいいんだよ。
洒落怖本スレだって最近のはなぁ……。

870:本当にあった怖い名無し
10/11/30 19:55:00 b8Ti6V530
実話ベースである程度の脚色をした・・・とは思わんのか

871:本当にあった怖い名無し
10/11/30 20:17:20 p5eCP7w2P
そりゃあまあ、例えば登場人物5人のうちの一人ぐらいは、
モデルの言動が似てる人が居るのかもしれんかもねとは思うけどさ。
それってまあ日本っていう実在する国が舞台になってるっていうのと変わらんし。

872:本当にあった怖い名無し
10/11/30 22:26:03 zOmeiYXB0
こんな雰囲気じゃ新規投稿は望めないな
>>1の掲示板になら煽りも少ないだろうから今迷ってるやつはそこにでも投稿してくれー

873:本当にあった怖い名無し
10/11/30 22:35:05 e88JNan80
赤緑凸

874:本当にあった怖い名無し
10/12/01 15:53:58 cteMzf+V0
>>870
実話があるのにラノベ風に脚色するんですか
無理やり過ぎる・・・・


875:本当にあった怖い名無し
10/12/01 17:31:47 OBfOzfnK0
読み物として昇華した結果・・・とは思わんのか

876:本当にあった怖い名無し
10/12/01 18:50:07 7MuJJ3YO0
>>875
昇華してラノベ・・・

877:本当にあった怖い名無し
10/12/01 20:29:09 FK5hytGMO
現実を昇華させると不出来な創作になるのか

878:本当にあった怖い名無し
10/12/01 20:33:07 fljFAjUT0
お前ら黙って読めないのかよ

879:本当にあった怖い名無し
10/12/01 21:03:35 PDHb39U90
お行儀が悪いですぅ

880:本当にあった怖い名無し
10/12/01 21:33:30 7MuJJ3YO0
翠星石に言われちゃ反省するしかない
すまんかった


881:本当にあった怖い名無し
10/12/02 02:09:30 gX1Lm8KXO
タラちゃんかも知れん

882:本当にあった怖い名無し
10/12/02 03:49:32 tbcm8zaa0
>>879-881 私としたことがこんなので……

883:本当にあった怖い名無し
10/12/02 16:37:59 vXItw5E60
               -──-
.              /   ____  ̄`
           /   / ___   \   \
          《  / / : : : : : : : : : :\ \ } 》
.             》/ / / :/ : : : : : : : : : \ ∨《
.            /// : :/ :/ : : : /:/ |: : : : : ∨^:|
           l∨ : : l :/: : :// / :八 : : : l: l : :|
           | :| : : :|/ :/ //:/ :/  ヽ: : | ハ: :|
           | :| : : :|≧x、/イ//,.ィ≦ハ ノ : l: :|
           } :|八 :代uzノ    弋uzノ仏イノ: :|
.           ′:} 仆⊂⊃     ⊂⊃イ 八 : :|   お行儀が悪いですぅ
.        /: : / 八 >  ~~~ .イ}{ : : : |
.        /: : 〈 // ̄》 》≫=≪《 《V ∧: : :
.        / : : : : {   》《_》《_》《 〈 /  、: :丶
       /: : : : : : }   《_/八_》      }: : : :\
     /: : : : : : :/    ∨{><}{    {: : : : : : :\
    / : : : : : : /人,___人}><}人__人\ : : : : : :ヽ
   《 : : : : : : // { ̄/∨`¨¨¨´∨\ ̄} \\ : : : : : \
  《 : : : : :/ 《(   } {_人    人_} {  )》 \ : : : : :》
   》: : :/   》)  人人_))   ((_人ノ (《    \: : :《
  《 :/    《(    \        /    )》      \ 》
   `\\    ≫x、    \__/   ,x≪     //


884:本当にあった怖い名無し
10/12/02 20:17:00 0lqJx+aT0
最古参、赤緑最新作へのレス

865 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/30(火) 14:40:46 ID:h9zVdpXu0
赤緑△

867 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/30(火) 17:26:56 ID:llD12R+4O
>>854
まるでモバゲー小説だな


873 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/30(火) 22:35:05 ID:e88JNan80
赤緑凸


ついに「乙」さえ言われなくなったなwwwww
もうやめちまえww


885:本当にあった怖い名無し
10/12/02 20:22:49 0lqJx+aT0
>>870
え?という事はお前は実話と思ってたのか?


886:本当にあった怖い名無し
10/12/02 20:36:16 MtjdSDbj0
じ、実は、、、

887:本当にあった怖い名無し
10/12/02 20:45:26 vXItw5E60
作者が100%脚色なしの実話って断言してくれればいいんだよ
そうだ、作者一人一人お白州に引き出して
「その方たち、この話が全て事実である事、相違ないな」
「だから何度もそう言ってるでしょうお代官様~、そんな町名無しの言う事を真に受けちゃいけやせん」
「待って下さい!そいつらの書いてる話は全部嘘話です!証拠なら遊び人の金さんが」
「おいおいおい、言いがかりはよしてくれよ!じゃあその金さんとやらを呼んでもらおうか!」
「そうだそうだ!金公出せ金公!!」
「やかましゃあ悪党ども!」
と公正な裁きを下そう。方針は「疑わしきは抹殺」な方向で


888:本当にあった怖い名無し
10/12/02 21:20:46 q/ccrPRZ0
実話だの作り話だのを言い出したらキリがないだろうが
自分の中で「これは実話だ」と思えば実話になるし「創作だ」と思ったならそれは創作。
一々主張すんな


889:本当にあった怖い名無し
10/12/02 22:07:55 4Pcdf+0BO
パクリじゃない話であれば創作だろうと何だろうと構わない

890:本当にあった怖い名無し
10/12/02 22:26:22 jMQYZnwH0
蒙昧ながら新作楽しみにしているのです

891:本当にあった怖い名無し
10/12/03 05:35:05 tabIvpIl0
俺が面白いと思えたら何でもいいんだよ
パクリだろうが創作だろうが
はよ次

892:本当にあった怖い名無し
10/12/03 09:34:58 yDIC479x0
ラノベ作家に影響されてる文体は萎える
例えばああこいつ奈須や京極夏彦辺りに影響受けてるなーとか解って失笑が止まらない
そして・・・や――を多用して受けを狙うのは勘弁してくれ
一応オカ板なんだし笑いを取りたいならお笑い系の板でね
なんとかカッコイイ文章にしたいのは解るけど全部どっかで読み覚えのある文体
いつ元ネタ作家のキャラが出てくるか別の意味でドキドキするもん

893:本当にあった怖い名無し
10/12/03 11:59:18 /zaQiQX90
>>887
一目見てメリーコピペかと思ってNG入れるとこだったわ。

894:本当にあった怖い名無し
10/12/03 19:34:24 NI9Wi3FZ0
>>892
お前昔の小説とか読めないだろ
今の常識からすると驚くほど誰それの影響ってのを隠しもしない作品が多い

895:本当にあった怖い名無し
10/12/03 19:41:47 tNdBbZ4r0
>>894
――そうだったのか。

「・・・・すまん」

俺は戦闘の構えを解いた

896:本当にあった怖い名無し
10/12/03 20:15:58 5R/lTsnO0
ラノベ文体が嫌いならそれらしい表現が出てくる作品を読まなきゃいいだけの話
そういうのが好きな奴も中には居るだろ

投下待機

897:本当にあった怖い名無し
10/12/03 20:38:28 It7K5pPZ0
>>887
ウニも忍もウニをパクった奴も実話だと断言してるじゃんw
創作丸出しなのに意地でも実話です、と言うから馬鹿にされてるんだよ

>>888
なんだよ主張するなって?ここはお前の掲示板か?何様だよ

898:本当にあった怖い名無し
10/12/03 21:00:12 /zaQiQX90
ウニも創作なんだからいいだろ別に
それなりに楽しめればいいんだよ

899:本当にあった怖い名無し
10/12/03 22:28:49 X+HmrXcfO
>>894
それでも昔の小説は読めるものが多かった
今は文体だけならいざ知らず、ストーリーと設定ももろパクリしておきながら
「自分が体験した実話です(キリッ」
が多すぎる

900:本当にあった怖い名無し
10/12/04 04:04:22 Xhbrdd7W0
そんじゃあストーリーと設定モロパクりしてる実例を軽く20ほど頼むわ

901:本当にあった怖い名無し
10/12/04 05:04:35 RlX0x+Ki0
よそでやれ

902:本当にあった怖い名無し
10/12/04 11:08:23 GJE4XyBu0
楽しければいいと思う。
>>899のストーリーと設定ももろパクリしておきながら
「自分が体験した実話です(キリッ」
ってのは、怖い話の投稿サイト読んでるとよくあるね。
>>900の言っている実例もってこいというと持ってこれないけど、
怖い話の投稿サイト読んでればあるよ。
少し話しがずれるが、俺は、
「自分が体験した実話」
でも、終わりが中途半端というか、
結末がちゃんと書かれていないものはバッタだと思ってるよ。
例えば、
そこには、ぐちゃぐちゃの顔の女がいた。
とかで終わってるもの。いて、見つけたから、どうしたんだって話。
人間の心理として、実際に体験した話だったら、本当に最後まで書くだろ。
特別な事情でもない限り。

903:本当にあった怖い名無し
10/12/04 13:44:14 RVu55vFO0
「これは本当にあった話です」
とか前置きがあると逆にああ100%作り話なんだと思う
そして登場人物がAさんBさんだと更に鉄板になる
結末が上にあるように衝撃的シーンで止まってると更に「小学生の作った話か・・」
と頭を掻く

904:本当にあった怖い名無し
10/12/04 17:38:44 GJE4XyBu0
>>903
わかるわ。
けど、結構多いんだよね。そういうの。

905:本当にあった怖い名無し
10/12/04 18:44:59 XARkwsVR0
実話だろうが創作だろうが読めればいいんだよ
書いてくれる人が居なくなったら、このスレ終わりだぞ

906:本当にあった怖い名無し
10/12/04 19:26:02 V0Vll4AZ0
もう疲れたのかな

907:本当にあった怖い名無し
10/12/04 20:57:43 x96J+sOTP
実話だとおもって読んでる池沼いるの?
って話なので、べつに創作だからダメだって話は誰もしてないとおも

908:本当にあった怖い名無し
10/12/04 22:17:13 RVu55vFO0
元々洒落怖スレで師匠の劣悪な模倣作品が乱立した末に隔離されたスレだから
本人たちが満足して活動を止めれば別にスレの存続に拘る必要も無い
スレの発生自体はしかみたいな理由でだったんだし
スレが消えていけない理由なんて何ひとつないんだよ
そして逆もしかり

消えたくなければ必死に盛り上げなさい投下しなさい
祟り目ってのは常に弱り目に付け込んでくるもんだ


909:本当にあった怖い名無し
10/12/05 16:40:40 sNqT2l140
URLリンク(sukima.vip2ch.com)

910:本当にあった怖い名無し
10/12/05 18:03:02 y43BvYEM0
>>907
では、実話ならダメですか?
あなたのような言い分だと、ここに投稿された作品はすべて創作でなければならないということになりませんか?
オカルトな実話を認められないのなら、他板に行かれた方がよろしいと思われますよ
逆に創作嫌いの方もいらっしゃるようですが、このスレのオカルトものを扱う性質上創作臭くなるのは仕方ありませんし、
そもそも、まったく新しい自分の文体を作り出すのはプロでも難しいことです。
似たような文体が並んでいることこそ、現実らしいと思いませんか?

911:本当にあった怖い名無し
10/12/05 18:33:27 /Exjazcu0
なるほど、これがオカルトか

912:本当にあった怖い名無し
10/12/05 20:17:10 ioEOESiJO
だからといって師匠シリーズを模倣した駄文垂れ流されても困るけどな
叩かれたくないならチラ裏にだけ書いて投下しなけりゃいい

913:本当にあった怖い名無し
10/12/05 20:38:31 Z5y0R9vS0
そういうこと言うから・・・

914:本当にあった怖い名無し
10/12/05 21:20:52 Uh1RAt3b0
>現実らしいと思いませんか?
何が何でも現実と言い張るつもりで・・・・
しかもラノベ風味の似たような文が並んでるから現実的?
意味不明を通り越してカオスさえ感じるオカ板らしいレスですね


915:本当にあった怖い名無し
10/12/05 22:24:24 SgeHBxRP0
オカ板らしいなら何の問題も無いな

916:本当にあった怖い名無し
10/12/06 00:10:58 QSUzO++D0
いや待てここは新ジャンル
「新現実ラノベ派」
の発足を宣言してみよう
中2でラノベでどうしようもなく怪しい日本語だけど現実だったら現実ですっって文学の新境地
文章界のキュビズムとしてアイツも絶賛!


917:本当にあった怖い名無し
10/12/06 02:52:58 2Hay8pJ10
面白ければもう何でも良いよ……。

918:本当にあった怖い名無し
10/12/06 08:34:42 mJd8s4nvO
その一言に尽きるね

919:本当にあった怖い名無し
10/12/06 09:42:45 kHcGIPQF0
実話と思えば実話
創作と思えば創作
他人がとやかく言うのは無粋

920:本当にあった怖い名無し
10/12/06 10:32:16 KqtajGxL0
古本でも漁ってろ

921:本当にあった怖い名無し
10/12/06 23:12:18 c5fH6Qk+0
はい

922:本当にあった怖い名無し
10/12/06 23:16:18 DBPVXhnS0
酒飲みトップくんのシリーズ第一弾

酒美味い、やばいくらい美味い
酒の味は解らないというか酔えればなんだっていい
舌じゃなくて霊魂が酒を美味いと感じる
日本酒を一升も飲むと様々な霊魂が見える
小さい霊魂が俺に手を振っている
しかし俺はその邪霊を叩き潰した
そしたら奴らは報復として俺をアル中とかいう病気にした

923:本当にあった怖い名無し
10/12/06 23:23:53 DBPVXhnS0
ていうかシリーズ物というか女性人気を考えるとちょっとワル入ってる?みたいな?
そんな感じがモテるつまりそのチョイワルスペースに俺のアル中属性がパイルダーオンして
腐女子のドドメ色のムラサキインブ、もとい紫式部(漫画加瀬あつしのカメレオンをパクりました)を濡れ濡れ確定
そこにちょっとEPの隅に男二人褌一丁ヤニ吸い腕組み互いにガンくれ
ノンケの美少年を風呂に「来いよ!来いよ!」と引き込み現れ出でたるは全裸にオイル塗れの筋肉坊主
オッスオッスと男の友情熱い血潮に精液散らし801穴こそ我が故郷
そろそろ幽霊出さないと、しかし出るのは男の熱い迸り


924:本当にあった怖い名無し
10/12/06 23:38:27 DBPVXhnS0
男の王将、月夜に照らし眺めれば、これは風流マラ見酒
キャラ同士のカップリングに花が咲き、尻にも咲きたるアナルローズ
殴り合いだぜ掘り合いだ、手を組みマラ組み、鋼鉄粉砕(マラリオン・ハンマー!)
チョイマラ親父ネコかタチかを一晩熱弁
下痢便アナルにクソミソセックス
今宵もオカルト曼珠沙華

925:本当にあった怖い名無し
10/12/06 23:46:56 DBPVXhnS0
ていうかシリーズスレ用にわざわざ某SSスレで中堅の下くらいにいる俺がですよ
ありがたく構想を練ってやったんですが気が付けばやっぱり怪異をスーパーヒーローが
エレガントに解決というハナクソ以下の展開になってるんですね
ワタクシこと高貴な高貴な文芸紳士でさえそうなんですから
ここの小学生レベルの(ロリコンなので小学生女児は大好きです、私とセックスしませんか)
作家(核爆)の皆さんでは厨2秒展開になるのは無理からぬ事ですね
結論として投下してる人に4年生くらいの可愛い女子小学生いませんか?


926:本当にあった怖い名無し
10/12/07 01:25:34 it3LYLTf0
変なのきた

927:本当にあった怖い名無し
10/12/07 02:39:01 ajz3Vwww0
>>926 荒らしはスルー

928:本当にあった怖い名無し
10/12/07 02:42:45 Z78uEuVn0
これこそオカルトな実話だ

929:本当にあった怖い名無し
10/12/07 15:36:01 mbdYm9l80
しかもここのラノベSSより100巧みな文章なので2重の意味で吹いてしまう
なんだよ真ん中あたりのホモっぽい文の無駄なリズム感はw


930:本当にあった怖い名無し
10/12/07 23:56:27 I7lUqxeg0
才能の無駄遣いww
内容はともかく、読み物という点ではウニに迫る勢いだww

931:本当にあった怖い名無し
10/12/08 04:19:34 JGun49oU0
>>922-925
俺はお前が大好きだ
まあスレ違いだけどもな

932:本当にあった怖い名無し
10/12/08 06:20:33 CIEIJMwz0
斬新なシリーズモノトップくん
リアルオカルト?

933:本当にあった怖い名無し
10/12/08 20:48:57 PBVqqb6B0
ま、まさかこの調子で、スレ15は終わってしまうのか?
「俺」君に、便乗者さん、かも~~~ん

934:では
10/12/09 20:40:52 7TY0o5pb0
来週

935:本当にあった怖い名無し
10/12/09 22:18:55 KnFtmnvI0
ここって新規シリーズの投稿も歓迎してる?
どうもそんな風には見えないが

936:本当にあった怖い名無し
10/12/09 22:32:51 rQ/6stJk0
一部が粘着して追い出そうとするけど気にしなくてよろし。

937:本当にあった怖い名無し
10/12/09 23:03:05 xrBWwruF0
小学生レベルのラノベ枠は埋まってるから新規投稿するならそれ以外の分野でお願いしたい


938:本当にあった怖い名無し
10/12/10 00:12:20 m+K1BcJ00
・――、・・・を多用
・会話文が異様に多い
・会話文の最初に人物名が付く
・空白を多用

大昔のラノベの特徴
該当者がいるなw

939:本当にあった怖い名無し
10/12/10 00:42:32 9yBHLGMA0
>>938
それラノベって言うよりTRPGリプレイじゃ?
どっちにしろ大昔の遺物だが。

940:本当にあった怖い名無し
10/12/10 05:14:32 YpU0acUGO
回りくどい描写もNGな

941:本当にあった怖い名無し
10/12/10 18:43:04 fx+r31Nm0
ゲームしてたら寝ちゃってて、ガ ッ ってでかい物音でハッと起きたのね
時計見たら深夜3時近く
いつもは明け方まで寝ないでゲームしてんだけど、その日は夕飯に
バーガーキングをしこたま食べたせいか、うつらうつらしちゃってた

アパートは六畳と三畳位の台所に風呂
洗濯機はベランダに置いてある

しばらくぼやっとしてたら、また ガ ッ て音がした
風呂場から聞こえたような気がするけど、俺の座ってる位置から見えない
なんか立つのも億劫で、頭もまだぼやっとするし、動かないでじっとしてた
風呂は入ってないから、消し忘れもないし

めんどいなあと思いつつ、パソの画面見たらゲームじゃなくて
動画が流れてた

あれ?こんなの見てたっけ?
ヘッドホンからは音は



こんなんだよね>まわりくどい

942:本当にあった怖い名無し
10/12/11 03:57:50 fkcHRwU40
なんという投稿し難い流れ

943:本当にあった怖い名無し
10/12/11 11:58:55 U2jYMZIR0
そーか?

944:本当にあった怖い名無し
10/12/11 13:31:03 hChiS7JD0
「もう950近いから今投下してもレスがあまり貰えない」
とかみみっちい事考えてんだろどうせ?
そんなレス乞食な考えが50親父の頭髪くらい透けてんだヨ

とっとと作品を投下しようぜ、紳士の皆さんが15スレ目のトリとして
隠し芸大会のハナ肇みたいに盛大に歓迎してやんからよ
一番うまいカsu・・歌手は最後に出てくるもんだろ?

945:本当にあった怖い名無し
10/12/11 14:46:09 vwxjcPTM0
うるせー

946:本当にあった怖い名無し
10/12/11 19:55:32 DQFdH9KM0
てか、投下した後、みんなの感想読んでないっぽいけど?

947:本当にあった怖い名無し
10/12/11 20:02:51 AXBK2BPY0
褐色の恋人

948:本当にあった怖い名無し
10/12/11 20:33:27 fkcHRwU40
リアルで霊感持ちの知人が居るんだけど文章力無くて書けないもどかしさ

949:本当にあった怖い名無し
10/12/12 04:03:14 ZR1dOoZI0
大人しくスレチな俺の話を聞け
俺の借りてるアパートは新しく六畳×2・台所・脱衣所・風呂・便所と
十分なスペックでありえないほど安い。秒差で勝ち取った物件だ。
火事で人が台所で死んだいわく付きだがな
そこで白昼夢、そう白昼夢を見たかもしれん
俺は台所に立っている。臭い、吐きそうな臭い
ふと見ると大きな鍋に小動物らしき物がぐつぐつ煮られていた
臭い、何だこれは!とにかく火を消して換気扇回して窓全開にして、しかし体が動かない
狼狽しながらまた鍋を見てしまう、オエッ
グロい、キモい、それにここ俺の台所じゃねえぞ
出たい、何で体が動かないんだ!必死でもがいていると男が入ってきた


950:本当にあった怖い名無し
10/12/12 04:55:37 ZR1dOoZI0
そいつは一瞬目を剥いて驚いたが俺だって死ぬほどびびったさ
おまえ何やってんだよ!火止めろよ!くそっ聞いてねえ
鍋をかき回し始めた、吐きそうだ。アホか狂ってんのか
もうたまらん死ね死ね、おまえ死ね、即座に死ねよ
そう思っていると今度はテーブルに上りはじめた
テーブルに何か書いてある、漢文か?最初のほうだけだが
あとは死ぬ死ぬとズラリと書いてあるがしかしそんなのどうでもよかった
天井裏からロープがぶら下がってる。首吊り、典型的な首吊りだ
何か変だな、首吊る高さじゃない気がする
男は懸垂するように天井に腕を引っ掛けやはり吊った
うごっぐっかっがが・・気味悪い声をあげて少し痙攣してどうやら果てたらしい
現実離れしていてボンヤリしている

951:本当にあった怖い名無し
10/12/12 05:15:20 ZR1dOoZI0
テーブルすれすれだった。つま先立ちすれば届いたんじゃないか?
現に今足がテーブルに届いてる
パシャッと音がした、鍋からだった。確かに鍋からテンの様な動物が飛び出した
あちこちバタついて窓から出て行った。生きてたのか
振り向いたら既に俺の台所だった
俺はいつから正常じゃ無くなったんだろう

952:本当にあった怖い名無し
10/12/12 06:24:56 z5ZhnG4E0
見事なまでのスレチ

953:本当にあった怖い名無し
10/12/12 12:21:18 vJlGkgUp0
>>922

954:本当にあった怖い名無し
10/12/12 12:23:01 vJlGkgUp0
>>922
第2弾マダー?

955:本当にあった怖い名無し
10/12/12 13:45:54 7Bxh4Pin0
誰か次スレ頼む
俺は駄目だった

956:本当にあった怖い名無し
10/12/12 21:26:43 MxCY7Qmk0
お前が駄目なら
俺たち雑魚じゃたとえ100人乗っても大丈夫!やっぱりイナバだ!

957:本当にあった怖い名無し
10/12/12 21:46:34 6rStywKJ0
立てたよ

【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ16【友人・知人】
スレリンク(occult板)

958:本当にあった怖い名無し
10/12/13 21:56:25 dPIaL0gd0
otu


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch