10/11/03 21:51:42 AtsuyNR5O
先輩が、女連れだった。
そりゃ、大学生にもなれば彼女の一人くらいいてもおかしくない。
ただ、先輩はヨーコさん一筋だから、他の女性と付き合うって事は考えられない。
と、勝手に思っていたわけだが、どうやらそれは思い違いだったらしく、先輩は俺の知らない女性と並んで歩いていたのだ。
それだけで彼女と断じるのもどうかと思うが、先輩はとにかく女性に人気がなく、全く近寄りもされなかったので、一緒に歩く程度でもかなりの仲に思えた。
俺は声を掛けようとしたが、二人の時間を邪魔するのもアレだなと思い直し、微笑んで見なかったことにした。
翌日、先輩を問い詰めてやろうと思いながら。
「いつだ」
翌日、いつものように図書館でその話をしたら、先輩は険しい表情で言った。
先輩をからかってやろうとしていた俺は、予想を裏切る真剣さに驚いた。