10/10/23 22:07:15 xP5TslBB0
「おい、お前が送ってきたんだろ。帰りもちゃんと送ってやれよ。ママチャリで」
へいへいと立ち上がり、また新聞を読もうとしている先輩を置いて図書館を出る。
扉に手をかけた時、先輩が俺に言った。
「あいつの予知は、外れないぞ。だからこそ、素晴らしい」
俺は鼻で笑って手を振った。
帰り道、ヨーコさんはなんだか申し訳なさそうだった。
騒がせてしまったことが少し恥ずかしいらしい。
なんだかおかしくなって、俺はくすくす笑った。
ヨーコさんも、ちょっと拗ねたようにして、でもやっぱり笑った。
ヨーコさんのマンンションに着く。
自転車を降り、髪を直し、服を正してから。
「またね」
と言って、ヨーコさんは微笑んだ。
数日後、俺はヨーコさんから、先輩が失踪した事を聞いた。
先輩とヨーコさんと俺と失踪 終