【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ15【友人・知人】at OCCULT
【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ15【友人・知人】 - 暇つぶし2ch223:AとBの話コピペ
10/10/19 02:21:34 JqwxdyoK0
539 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 03:43:58 ID:8Rm6kYGVO [6/8]
帰ってすぐに眠いと言って寝始めたAから、ママ電話を放置することに決めた理由を聞いたのはいつもの食堂だった。
話の内容に対して余りに軽い口調だった事を良く覚えてる。
「返しの風に掛かってたからな」
食事中以外は全く解らないが、あいつの口はちょっとびっくりする位に大きい。
Aは餃子をひょいひょいと口に放り込み、まとめてもぐもぐしながら俺に言った。
「呪いが失敗した時に自分に反ってくるってやつだっけ」
そうそう、と軽い口調で言ったAは餃子を飲み込み、ジョッキを空けてげふっとゲップをした。
毎度の事なので特に何も言わない。
「大丈夫なのか」
「死んだり大怪我するほどじゃない。自業自得だろ」
しかし俺としては釈然としない。呪われた理由を知りたかったし、俺を睨みつける表情も異様だった。
「丑の刻参りなんてしたこと無いから解らないが、多分自分の念が返って来たんだろ。
 お前に対しても何か起こるってことは無いだろうし。現に、何とも無いだろう」
その一言の後、食事を終えたAはゴルゴを開いた。釈然としないまま俺も食事を終え、鬼平を開いた。


夏休みが終わった後、ママ電話が自主退学した事を担任に聞いた。何が有ったかは解らない。
不発に終わったママ電話の呪いは虫刺されという形に変わり、ついつい掻いてしまう質の俺は、皮膚科を受診する羽目になった。

224:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 02:27:35 E5SGirxrO
A宅から。休みなのに最悪の気分だ

>>223

225:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 02:30:43 G21yGc4RO
>>223
自分のレスが結構あって
チト恥ずかしい
>>224
煙草吸いすぎ注意だぞ

226:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 03:28:36 9vxw5wh+O
>>189
これは色々と酷い
投下ペースを落としてアイデアを絞るべき
向日葵の件は丸々不要だろう

227:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 11:43:36 t5DjGlEj0
たしかにムチャクチャな文章だけど小説投稿スレじゃないから中学生にはいいんじゃない?


228:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 14:35:55 niZFV6vb0
ABの人にはコテつけて欲しいな
そのうち偽物荒らしとか出てくるぞ

229:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 16:02:35 cPyU5fyDP
なんだよ。洒落怖から迷惑を押し付けられたのか

230:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/19 18:00:25 jDCroxPj0
中学の頃からの同級生に、ハナヤマというヤツがいる。
あれは先輩と会ってすぐのことだ。
高校に入っても同じクラスになったハナヤマが、ある日急に話しかけてきた。
「なあ、お前最近三年に仲いい先輩いるよな。アレ、なんだよ」
その頃俺はその先輩の魅力に、いや魔力に惹かれていて、ことあるごとにくっついて動いていたのだが、それをこいつに見られていたらしい。
「ああ、あの人ね。オカルトにすげえ強い人。俺の師匠みたいなもん」
ハナヤマは中学の時の俺を知っている。
というか、ハナヤマも当時の俺と同じくオカルトマニアだった。
競うように知識を掻き集め、二人でいろんなところに行った。
ハナヤマはへぇーと驚いた顔をして言った。
「お前よりオカルト詳しい人とかいるんだな。ちょっと話してみたいんだけどいいかな」

「と、いうようなことが昼間ありまして」
先輩はどこから持ってきたのか錆びた釘を眺めていた。
「何の話だろうな」
先輩は休み時間や放課後を図書室で過ごす。
俺はそれを知っていたから、ハナヤマに放課後図書室に来いと言っておいた。
何やら用事があるらしいハナヤマはしばらくしてから来るということだった。
「その、ハナヤマは何部なんだ。部活じゃないのか」
「帰宅部です。俺と同じ」
へぇ、と言ってまた釘を眺める。
図書室の利用者は少ない。
俺と先輩、二年の人が一人、それから図書委員が一人。
図書室で騒ぐことになるとまずいのだが、先輩がここを動こうとしないので場所の移動は不可能だった。
黙って釘を見つめたまま何も喋らない先輩。
曰く付きの品なのかな、と思って目を閉じてみる。
以前知った方法で、普通に見ても見えない物を見るときは瞼に残る残像を見ればいいのだ。
この方法なら、感覚の鈍い俺でもある程度は見えるのだった。
瞼の裏にぼんやりと先輩の指と釘のシルエットが映ったが、特におかしな物は見えなかった。
また、無言。
微妙に気まずい時間が流れていく。

231:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/19 18:02:54 jDCroxPj0
不意に、扉が開いた音がして、背後を振り返ると入り口にハナヤマがいた。
「あ・・・・・・」
と言って先輩を見たハナヤマの、目と口が大きく開かれる。
俺より遅れて気付いた師匠がハナヤマに目線をやった時、そのリアクションを見て動いた。
ガタッと音をさせながら立ち上がり、ハナヤマを見つめている。
その目は、初めて会った時俺に向けたのと同じ、喜びに溢れた目をしていた。
「おい、あいつか。あれがハナヤマか」
先輩がうずうずした様子で聞いてくる。
ハナヤマは未だ固まっている。
俺は状況に戸惑いながら、はい。とだけ言った。
「場所を移そう。ハナヤマを案内してくれ。俺のアパートだ」
そういって、固まったままのハナヤマの横を通って図書室を出て行った。
俺がぽかんとしていると、金縛りから解放されたハナヤマが俺の所に歩いてきた。
「なんだあの人。お前あんなのと会っててなんともないのか」
第一声が『なんだあの人』だった。
あの人がどういう人なのか、実際は俺にもわかっていない。
「まあ、とにかく話がしたいらしいから、ちょっと先輩のアパート行こう。一人暮らししてんだあの人」
あ、おう。と頷いたのを確認して連れ立って図書室を出る。
自転車置き場に向かい、自転車に乗り、先輩のアパートに着くまで、ハナヤマはずっと無言だった。

232:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/19 18:05:17 jDCroxPj0
これから先の事はわからない。
というのも、俺はアパートに着くなり待ち構えてた先輩に
「お前、もういいから。帰れ。二人で話がしたい」
と追い返されたのだ。
初対面の男と二人にするのも不安だったし、なにより話が聞きたかったから食い下がったのだが、ハナヤマにまで帰れと言われたので半分ふてくされてそのまま家に帰ってしまったわけだ。
「あの後何の話したんですか」
翌日、登校するなり三年の教室に行って、先輩に詰め寄った。
先輩はにやけながら
「別に。あの釘に憑いてた物が見えるのかどうか確認しただけ。あいつすごいぞ。多分お前より才能がある」
などと言った。
全く理解できずにいる俺に追い討ちをかけるように先輩は言う。
「うちにあった物の大半も理解できたみたいだった。彼女、いつかぶっ壊れるかもな。出来すぎだ。見ててやれよ」
先輩の部屋には、俺なんかには理解の及ばないアイテムが多数ある。
どれも曰く付き、呪物とも言うべきモノなのだが、俺程度の霊感では何も感じることが出来ないほど高等な物なのだ。
「え、じゃあ、え?」
戸惑う俺を見て、先輩は笑った。
「お前が知識とハッタリを詰め込んでた頃、あいつは本物を見てたんだよ」
なんてこった。
中学の頃からの同級生、高校でも同じクラスになったハナヤマ。
言葉遣いも、オカルトマニアなのも、妙なことがかっこいいと思えて仕方ない病気の一部だと思っていたのに。
少なくともオカルトに関して、ハナヤマは、本物だった。
「マジかよ・・・・・・」
俺の呟きに、先輩はまた笑った。
「まあ、面白さはお前が上だ。あいつは俺に似てるから」
俺はなんだか、すごく悔しかった。

先輩とハナヤマ 終

233:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 18:50:40 t9BVKduC0
私メリーさん。今戦場にいるの。

「メリーさんだ! メリーさんが出やがった! ちくしょう、ちくしょう!!」
「殺してやる! 殺してやる!! こ……うわああああ!?」



234:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 18:53:25 t9BVKduC0
罵声が耳に心地よい。
悲鳴が耳に心地よい。
ここでは鋼鉄の玉が戦場を飛び交う。
臓腑を震わすような轟音が上がる度に、誰かが金切り声で叫ぶ。
土と血煙を巻き上げ、死の臭いが空を焦がす。


235:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 18:57:59 s+WRDDMG0
情報を小出しにすれば、ウニに近づけると思ってるようじゃなぁ。
一個一個のレベルが高いから許されるやり方だよ。
二番煎じがやって受け入れられると思うなら、甘すぎる。

236:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 18:58:46 Ay1wHNj10
メリーさん・・・w

237:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:09:02 eGnSc+fm0
稲男乙
もう少し投下ペース落とした方がいいかも

238:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:47:50 t9BVKduC0
鉛色の空には慈悲の欠片も見えない。
もだえ苦しむ肉の塊を、私は容赦なく踏み砕き蹂躙する。
私は戦場の死神。
今日も泥の中を一人歩く。

私メリーさん。今─戦場にいるの。



239:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:50:31 t9BVKduC0
メリーさん「私メリーさんッ!! ずっとずっと貴方の後ろに居たッ」

男「これが俺のスタンド……『メリーさん』かッ!!」

メリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリぃぃいぃいい



240:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:50:59 zI2kfZkNO
なんつーか、本当にスカスカだよな……

ウニに近づこうとしてるから書き方も人物の見せ方も全てがとってつけたよう
もっとオリジナリティを押し出せば良いのに

後、どや顔臭が漂い過ぎててうざい
向日葵の話とか特に

241:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:52:43 t9BVKduC0
この惑星の住人は、都市伝説と言う俄かには信じがたい噂を実しやかに囁いている。


メリーさん「私メリーさん。今あなたのうしろにいるの」

「!?」
「………………」

ただ―――

メリーさん「私メリーさん。最近は全然驚かれないから自信がないの……」

この惑星の都市伝説にも……色々ある



242:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:55:44 t9BVKduC0
「もしもしぃですぅ、私メリーさんですよぉ、
あぁ、あのう、まきますか? まきませんか?
今ならとぉってもかわいい妹が後ろについてくるかもしれませんですよぉ? 
あっ・・・切られたでーすぅ・・・。」



243:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:57:23 t9BVKduC0
はぁぁぁ、やっぱり、なかなかマスターなんて見つけられっこねぇですぅ。

「オーッホッホッホ! お久しぶりかしらぁ、翠メリー!!」
「あっ、何しにきやがったですか!! ・・・って神奈川!?」
「か! な! め! り! かしらっ!!」
「その金メリがなにしてやがるです!?」


244:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 19:58:53 t9BVKduC0
「ン~フッフー! マスターも見つけられないあなたのメリーミステカ(mrmstk)をいただきにきたのかしらっ!」
「はぁん? お前みたいなおバカにやられる翠メリーじゃないですぅ! おとといきやがれですぅ!!」
「いったわねぇ~、これを食らうのかしらぁ!! 第一楽章・・・攻撃のワルツっ!!」
    ぎょろろろろろぉん!!


245:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 20:21:08 t9BVKduC0
「攻撃の♪ わるつっ! わるつ! わるつ! わるつ!! 攻撃の わるつ! わるつ! Orz!!」
「きゃあああああああっ! やめるですぅ!!」
「まだまだよぉ♪ つづいてぇ~、追撃のカノンっ!!」
「お・の・れ・金メリィッ!!もう怒ったですっ!!下でにでてりゃあつけあがりやがってぇ!! 焼き鳥にしてやるです!!」



246:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 20:22:54 t9BVKduC0
・・・ンッフッフッフッフ・・・  イァーアッハッハハッハッハッハッハッハッハーっ!!
「もう許さんです・・・
  スィ・・・!  スィ・・・!  スィ・・・・ド! ッリィィィィィィムゥゥッ!!!!!!!」

「かーじゅーきーぃぃぃぃっ!!」



247:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 20:26:18 t9BVKduC0
・・・核融合に匹敵するエネルギーを持つ、
翠メリーのスィスィスィドリームの直撃を受けておじじは死亡した・・・。




248:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 20:49:04 t9BVKduC0
最近、巷ではメリーさんの怪談が流行ってるらしい。
もちろん、オレもメリーさんくらいは知っている。都市伝説級の口裂け女にゃちと及ばないものの、かなり有名な怪談だ。
説明するまでもないと思うが、大ざっぱに言うとメリーさんは以下の特徴を持つ。
知らない番号、あるいは非通知で携帯に電話がかかってくる。出ると幼い少女の声で、
『私メリーさん。今○○にいるの』
という言葉が聞こえるそうだ。その○○は最初、近所のどこかから始まるらしい。例えば学校であったり公園であったり。


249:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 20:51:34 t9BVKduC0
そう、そこからが恐怖の幕開けである。電話は毎日鳴るようになり、出ると少女のいる場所はどんどん家に近くなっていく。
家の前、玄関、二階、部屋の前……。
とうとう逃げ場のなくなったターゲットは恐怖に怯えながら部屋の中にこもる。そして着信が鳴り…最後の電話に出るのだ。
『私メリーさん。今─あなたの後ろにいるの』
ぎゃー!
……というのがオレの知ってる感じのメリーさんである。


250:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 20:52:45 t9BVKduC0
まあそもそも嫌なら着信拒否するか出なきゃいいんだし、わざわざ律儀に出て襲われるってとこが作り話くさいんだけどな。
しかし……メリーさんが流行ったのは携帯もなかったような一昔前のことだ。
それが何故今になって再び流行っているのかは分からない。が、オレの学校やネット掲示板等では今ホットなブームらしい。
もしかすると、最初のうちは引っかかっていた犠牲者たちも段々賢くなり、一時期は獲物がいなくなってしまったが、
昨今のオレオレ詐欺とかのグループみたいに、メリーさん業界も知恵を振り絞って新たな手口を開発したのかもしれない。
なーんて、あるわけないか!


251:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 21:01:43 t9BVKduC0
オレは携帯に打ち込んだバカバカしい長文を消して、連れとのメリーさん話から話題を変えるべく、Y談的な文章を打っていく。
とそのとき、丁度今メールを返そうと思ってた連れの番号が画面に表示され、お気に入りの着うたが流れ始めた。
「おう、びっくりした……。ったくなんだよ、電話すんならハナからメール送るなっつうの」
メリーさんのことを考えていたのもあって、急な着信に驚いたオレは文句を言いながらも通話ボタンを押して電話に出た。
「もっす。んだよ、電話してくんなら『私メリーさん』んなよ」
…………。


252:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 21:05:03 t9BVKduC0
ひやりと背筋が寒くなった気がした。オレの言葉にかぶせて少女の声が聞こえたからだ。もちろん連れは間違えようのない男声。
沈黙。向こうは何も言わない。それが余計に不安を煽り、動悸を激しくさせる。
必死に頭を回転させ、そしてオレは一つの答えにたどり着いた。そうだ。連れが女友達か妹を使ってイタズラをしたに違いない。
丁度メリーさんの話をしてたとこだったし、野郎、オレを一杯食わせようとしてるらしい。そうと分かりゃ怖くなんてない。
オレは逆にうまいことからかってやろうとニヤリと笑い、お得意のドエロトークのスペシャルエヂションをかましてやるため口を開く。
「そっ『今あなたの後ろにいるのぉおおぉおおおぉぉぉ』」
息がかかった。耳に。


253:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 21:06:52 t9BVKduC0
よくテレビでやってるような機会音声のようなスロー再生した男声のようなモノが、電話の向こうと耳元のステレオで聞こえてきた。
そうか。やっぱメリーさん業界も不況で新たな手口を考えついたらしい。でも振り向かなきゃいいんだよな?
なんて思っていると(恐怖で体が硬直しているだけだが)突如として頭がグワシとつかまれ、そのままオレの首は凄い力で振り向かさ




254:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/19 22:06:14 tu3cKi94O
メリーがいるって事は、何か投稿があったな

255:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 00:16:48 5NAbm7Hq0
>254 確かに。メリー → 投稿有り 目印だね

ウニの語り調で読めるのは、1、2話くらい
師匠シリーズのパラレルにしたって、人マネじゃ限界来るぞ



256:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 01:42:29 B8wtwh9+0
プロじゃないんだし模倣から始めるのは悪いことじゃない
書いてるうちに自分のスタイルが出来てくるだろうから今はウニのマネでも良いから
気にせずどんどん書けばいいよ

257:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 02:27:52 4uSvSxxz0
でもさすがにこのペースで書かれると読むのがめんどゲフンゲフン

258:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 03:17:31 L8pZFa84O
やたらパクリを擁護してるやついるがウニファンとしては、例えそれがリスペクトだろうがオマージュだろうが気分良くないんだよ
今まで『ウニ』が積み重ねて来た『師匠シリーズ』を簡単にマネされるのは嫌なんだよ

だからもう止めてくれよ

259:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 03:44:51 FvIqLguQO
今日も眠れない仮眠時間。
 
 マンション
 
雨が降り頻る深夜に俺はAから呼び出された。メールには面白い物が見れると書いてあった。
安いビニール傘を開いて、部屋から外に出る。ざあざあと降り頻る雨に濡れたアスファルトを歩く。
暫く歩いて、目的地についた。入居者が殆ど居ない古いマンション。度々霊の目撃証言が出る、幽霊マンションだ。
深夜だからということもあるのだろう。部屋の明かりは皆一様に落とされていた。
誰も暮らしていないように思える団地の駐車場には、車は一台も停まっていない。そんな寂れた駐車場に、人影を見つける。
「よう」
Aが居た。
家着である黒いスウェットの上に、鋲をアホみたいに打ち込んだ革ジャンという、彼女なりの『深夜にコンビニへ行く時の格好』で。

260:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 03:46:15 FvIqLguQO
「あのアホみたいにフリルが付いた黒い傘はどうしたよ」
「ありゃ日傘だ」
俺と同じく透明なビニールの傘を差したAは、こっちだと言って歩き出した。
Aを追いながら、俺はAが言う面白い物をあれこれと考える。
ここは確かに心霊スポットではあるのだが、滅多に恐怖体験目当ての人間が入ることは無い。
なにせ、数は少なくても確りと人が暮らしている場所で、怖い思いをしたいなら、もっと有名な場所がある。
このマンションは、心霊スポットとしてはかなりマイナーだった。
「ここだ」
Aが足を止めたのは、錆の浮いた外灯の下。外から各部屋の玄関が見える位置。
「ここの怪談を知ってるか」
「階段を降りてくる子供の足音だろ。まさかそれじゃないよな。それだったら前にも見た、というか聞いたぞ」
俺がまだ足も無い中学生だった頃、友人達とここに来た事がある。そこで俺は、異様な勢いで階段を駆け降りる音を聞いている。
……子供の足音かどうかは、解らなかったが。
「それを聞いて安心した。面白いぞ」
Aはどこを見ているかはっきりしない目で俺を見て、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。
「雨の日限定。おら、そろそろだ」
そう言ってAは、傘越しにどこかを指差した。

261:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 03:47:44 FvIqLguQO
指差したのはマンションの六階。
Aが指差した先を俺は凝視する。かり、と左耳から音がした。
見たから鳥肌が立ったのか、それとも鳥肌が立ってからそれを見たのかは解らない。
 
居る。
 
……女だ。
Aが指差していた場所、六階の部屋の玄関前に女が立っている。
女はぼうっと立ち続けていたが、やがてふらりと身を乗り出す。
あ、と思った。
女は六階から転落した。
ぞ、と背筋が凍える。自殺だ。それも、幽霊の自殺。
落ちた女は動かない。

「それで、」
Aが呟く。俺はAの横顔を見る。Aは何も言わず、また指を差した。
促されるように視線を引き戻すと、音がする。たんたんたんたんたんという、大急ぎで階段を駆け降りる音が。
たんたん、たんたんたん、……たん。
音が止んだ。
いつの間にか、落ちた女は消えていた。

262:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 03:48:59 FvIqLguQO
「な、面白かっただろ? あの女、毎回毎回ああやって落ちるんだ」
帰り道、今まで何度かあれを見た事が有るらしいA言った。
「……まあ、自殺する幽霊なんて見たのは初めてだ。けど、いまいち訳が解らない」
雨は止みそうになかった。俺達は透明なビニール傘を差し、歩き続ける。
「まんまだよ。子供の足音。落ちた母親に驚き、階段を駆け降りる子供」
「……何となく想像はついてた。でもよ、何で姿が見えないんだ」
そこが解らなかった。俺に見えないならまだしも、Aにも子供の姿が見えないらしい。
Aは暫くの間黙っていた。ざあざあと降り頻る雨の音が続き、ようやくAは口を開く。
「あれは多分、あの母親が聞いた音だ。落ちてから意識が切れ、死ぬまでの間に聞いた最後の音。
 我が子が自分を案じて階段を駆け降りる音。……あの女は、それが聞きたくて何度も自殺してるのかもな」
「……成程」
 やけにしんみりとしたAの口調に、俺は妙に納得してしまった。
そんなことがあるのかという疑問は、そんなこともあるのだろうという諦めに似た納得に変わる。
「或いは」
唐突に立ち止まったAが言う。そのまま数歩進んでしまった俺は、Aを振り返った。
「あの女の願いなのかもな。死ぬ瞬間くらいは、我が子に自分の身を案じて欲しい。自分の子に、側に来て欲しい。
 実際には来なかった自分の子を、実際には孤独だった自分の死を、ああやって補完しているのかもしれない」
どっちだろうなあ。
Aは呟き、それきり、別れるまで口を開かなくなった。

 
 マンション、了

263:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 06:26:29 NBa9klCp0
面白かった!おつ!

264:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 06:53:51 5/K/WYCl0
>>259
コテ酉つけちゃいなよ乙

265:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:06:11 3KeHDINk0
「よぉ。」
 十数年ぶりに会った友人は、すっかりくたびれていたが、昔と変わらないどこかやんちゃな様子で挨拶した。
 しわだらけのロングコートに片手を突っ込み、ボサボサの髪をさらに苛めるように頭を掻いている。
 目の下にはクマが出来ていた。
 私は簡単な挨拶を返し、テーブルを挟んだ向かいの席を勧めた。


266:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:09:46 3KeHDINk0
 駅前の平日の喫茶店には、打ち合わせに来ている会社員や、ノートパソコンをいじくる学生がそこかしこに見える。
 その中で学生にはとても見えず、またスーツも着ていない私たち2人は少し異質なものに端からは見えただろう。
 私の心に妙な不安がよぎった。
「うーさみさみ。もうすっかり冬だな。」
「ああ。これでますます帰りにタクシー代がかさむ。」


267:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:17:54 3KeHDINk0
 疲れた笑いを浮かべながら友人は座る。
 それから彼はメニューも見ずにカプチーノを頼んだ。
「今は何を?」
 私が訊くと、友人は首をふる。


268:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:19:56 3KeHDINk0
「普通に会社員やってたけど、昨日辞めたよ。ありゃあ駄目だ。」
「何かあったのか?」
「全然家に帰れないんだ。」
 ノルマが厳しいのだろうか。
 そんなことを思いながら残り少ないコーヒーをすする。


269:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:22:48 3KeHDINk0
 彼と最後に会ったの小学校の頃だったか。
 当時はかなり仲が良かったはずだが、それから多くの出来事を経験する内に、それらの記憶は押し潰されて、断片的な思い出しか残っていなかった。
 だがこうして向き合ってみると、たしかにこの男と過ごした記憶がこの体に染み付いているのが、実感として感じられる。
 しばらくの間私たちは、それらの思い出について、また、他の友人の消息について語り合った。
 語り合いながら、お互いにタイミングをはかっていた。


270:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:33:53 3KeHDINk0
「それで―」
 私はハッとした。
 いつの間にかカップは空になっている。
 友人がいぶかしがる風に私の顔を見た。
「おい、大丈夫か?」
「ああすまない。少し疲れているのかな。」



271:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:36:58 3KeHDINk0
「で、話聞いてたか?」
「いや……すまん。何の話だったっけ。」
 眉間を押さえる私に対して、友人は呆れたようにため息をついた。
「だから、小学校の時よく読んだ怪談だよ。」
「怪談……?」
「ほら、“私、メリーさん。今あなたの後ろに居るの”ってやつ。」
「ああ。あったな、そんなの。」
 懐かしい怪談だ。


272:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 10:39:22 3KeHDINk0
 何かの本で見つけて、よく彼が私の後ろで彼女の真似をしてふざけたっけ。
「話は覚えてるか?」
「大体はな。」
「よし、じゃあコレだ。」


273:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 12:08:24 3KeHDINk0
そう言って友人はポケットから携帯電話を取り出し、私に寄越した。電源は入っていない。
 意図がわからないので友人に問うと、彼は悪戯っぽい笑みを浮かべながら「電源入れてみな。」と言った。
 不審に思いながらも私はその携帯電話を開き、電源ボタンに親指を伸ばす。
 てっきり金を貸してくれとでも言うのかと思っていたのに。
 電源が入る。


274:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 12:10:56 3KeHDINk0
 途端に、けたたましい着信音が店内に鳴り響いた。
 他の客が不快そうな眼差しを向けてくる。
 私は驚き、思わず通話ボタンを押してしまった。
 友人に電話を返そうとするが、彼はどこか悪意のこもった笑顔を浮かべたまま、私にそのまま電話に出るよう促す。
 その彼の態度を恐ろしく感じた私は唾を飲み込み、恐る恐る電話を耳にやる。


275:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 12:23:23 3KeHDINk0
 震える声で言った。
「も、もしもし……?」
「……私……」
 スピーカーからは、妙にかすれた、少女のような声が聞こえてきた。
「あ、すいません、私は……」
「……メリーさん。」
「……は?」


276:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 13:12:55 3KeHDINk0
「私、メリーさん。今、あなたの家の前に居るの……」
「えっとあの、失礼ですが―」
 ブツッ!!
 電話は唐突に切れた。


277:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 13:21:40 3KeHDINk0
わけがわからないまま黒い画面を眺めていると、突然延びてきた友人の手に、携帯電話を奪われた。
「ああ、ありがとう。本当にありがとう。これでようやく家に帰れるよ。」
 そそくさと携帯電話をしまい、席を立つ友人に私は説明を求める。
 彼はテーブルのそばで伝票と自分の財布の中身を見比べながら言った。
「いやあさ、一週間前にメリーさんから電話がかかってきてさ。


278:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 13:49:51 3KeHDINk0
俺の家はマンションなんだけど、悪戯かと思って相手してたら、俺の住んでる下の階まで来ちまってさ。」
 何の話かわからない。
「家の電話は線を抜いても鳴りっぱなしだし、会社に寝泊まりしてたんだけど、これじゃあ気が狂いそうだったからさ。
悪いけど頼んだわ。お礼にここはおごるよ。」


279:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 14:01:22 3KeHDINk0
「おい、なんだよコレは!」
 彼は横目で私を見た。
「なあに、別の人間に電話に出てもらえばいいだけさ。
その内お前の携帯にも彼女から電話がくるはずだ。見覚えの無い番号には気をつけろよ。」
「だからこれは何なんだ!説明しろ!!」
「わからない奴だな。」
 私たちは外へ出た。


280:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 14:38:58 3KeHDINk0
「……メリーさんだよ。小学生の時、俺たちが好きだった怪談……」
「あんなもの、ただのフィクションだ。」
「本当にそう思うのか?」
「当然だろ!」
「そうかい。」
 その時、私の携帯電話が鳴った。


281:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 14:42:40 3KeHDINk0
 戦慄した。
 震える手で液晶表示を見る。
 見覚えの無い番号だった。
 友人は笑う。


282:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 16:23:29 QVvTVjgf0
並ぶ『あぼーん』が話と話のしおり的存在になってきてるよ

283:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 16:32:24 3KeHDINk0
「出てみろよ。フィクションなら、お前は助かる。」
 携帯電話を片手に立ち尽くす私を尻目に、彼はゆったりとした仕草でこちらに背を向け、そして歩きだした。
 冬空の下で汗だくになりながら、私は鳴り続ける電話を握りしめていた。




284:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 16:35:56 3KeHDINk0
深夜の道を歩く。
 人通りは少なく、街灯も無い道。
 そこで俺の携帯電話は鳴った。
 驚きつつ液晶を見ると、番号は昼間会ったあの友人のものだった。
 思わず込み上げる笑いをこらえつつ、通話ボタンを押す。


285:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 17:01:38 OI8Ez39e0
Aシリーズの人乙
コテつけて!

286:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/20 17:41:39 B2uEJaB00
稲男乙
おもしろいから、ジャンジャンやっとくれ

その語り口だって、ウニの専売ってわけじゃねぇしw

287:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 01:55:08 CUNHXRU60
はじめまして。親戚との話です。

約十年前のお盆のことだ。
当時高校二年生だった俺はアパート経営をしている親戚のおっさんからアルバイトを頼まれた。
日給五千円。どころか実質一時間程度で済むので時給五千円。
アルバイトの内容もなんとも俺好み。
いわく付物件を見てくるだけのちょろいバイトだ。
勿論受けないわけがなかった。

お盆明け。
俺の遠い親戚且つ同じ高校の後輩と一緒にそのいわく付物件を訪れた。
後輩を連れてきた理由はいたって単純だ。
親戚の中でも特に見えるやつだったのでいわば保険だ。
一階の右から二番目のドアの前に立つ。
「おると思うか?」
「入ってみなわからん」
後輩は肩を竦める。
何が出てくるか期待に胸躍らせながら玄関の鍵を開けた。
入ってすぐに短く狭い廊下。左手に二つドアがありトイレと浴室のようだった。
「奥やな。トイレも風呂も無視していい」
もう見えてるんかいと内心後輩にツッコミを入れながら靴を脱ぎ廊下を抜けて正面のドアを開けた。
8畳ほどのダイニング。
奥の左手に和室、右手に洋室があった。
ドアが開けっぱなしにされていたので、ダイニングから和室洋室両方の部屋の奥までが見通せた。

288:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 01:56:14 CUNHXRU60
特に何も見えない。
が、あちらからの視線は痛いほどに感じた。
「見えてるか?」
「バッチリ。もう帰ってええ?」
帰ろうとする後輩を待たせて俺はダイニング、洋室を見てまわる。
洋室の中を携帯電話のカメラで撮影していたら後輩から声がかかる。
「おるんは和室や」
見えない自分の目を呪いつつ和室に足を踏み入れる。
見える限りは何もない。
携帯電話のカメラで和室の中を撮影しまくった。
十分くらいして後輩が帰ろう帰ろうと言うので俺が「お前怖いん?」と尋ねると
「怖くはないけど気色悪い」
そう言い、後輩も和室に入ってくる。
おもむろにその場にしゃがむと畳に手を滑らせる。
すくい上げると無数の長い黒髪が後輩の手に絡みついていた。

その後は駅前の喫茶店まで後ろも振り返らずに逃げた。
コーヒーを二杯注文して席についたところでやっと落ち着いて話ができた。
「お前、何が見えてた?」
「説明するのは簡単やで?でもまず携帯の画像確認してみ?」
後輩は面倒くさいのかあまり話したくなさそうだった。
言われた通りにひとまず携帯の画像を確認した。
撮影したはずの和室の画像すべてに黒くて大きい影が映りこんでいた。
後輩にも確認させると「そうやろうと思ってた」と彼は苦笑してコーヒーを口にした。
「俺、何で見えへんかったんやろう」
一応俺も小さい頃から幽霊というものが見えていた。
だから後輩には見えて、自分には見えないことが当時としてはたいへんショックだった。

289:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 01:57:10 CUNHXRU60
「気ぃ落とさんでええよ。兄ちゃんはちょっと近すぎただけや。
 兄ちゃんは普通の幽霊と思い込んでたんやろうしな。
 俺もダイニングに入るまではそう思うてたし」
つまりは普通の幽霊ではなかったということだ。
「兄ちゃんは二足歩行の幽霊を思い浮かべとったんやないんか?」
「確かに。もしかして四つ足で歩いてたん?」
「そこが間違うてる。幽霊が足あるとは限らない。
 俺らの常識にあてはめたらあかん。
 今回の幽霊さんはな、上におったんよ。上にな」
後輩は人差し指を天井に向けた。天井を見上げる。
もちろんそこには何もない。白い天井が広がっていた。
「上からぶら下がってたっちゅうことか」
「それも違うなー。髪の毛だけや。
 天井から畳の上につくまで長い髪の毛が垂れ下がってとぐろ巻いてたんや。
 兄ちゃんは運悪くその髪の毛の中におったから、そんな画像しか撮れんかったんやろうな」
後輩は涼しい顔をしていたが、こっちはたまったもんじゃない。
見えてるなら止めてほしかった。
体中に髪の毛が絡みついている気がして一生懸命服を叩いていたら笑われた。
「ちゃんと見たいんやったらもう一回行ってもええよ?
 たぶんダイニングの方から集中して見れば見えると思うで」
後輩からのありがたい申し出を俺は丁重にお断りした。

終わりです

290:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 02:24:11 1JJMTc0H0
>289
ここはシリーズ物スレなわけだが、
それシリーズ化するんか?

おもしろいから是非してほしい。


291:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 03:20:15 R8iBwIcs0
前に読んだ気がするんや

292:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 05:47:01 74jWgPsjO
ABシリーズ乙!
良かったよ

293:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:09:35 NFNSjXpW0
「よぉ。」
「私だ。」
 電話の向こうに居るのは、やはり彼のようだった。
「電話、どうにかなったか?」
「いいや。……これから、どうにかするつもりだ。」
 彼の声からは生気は感じられない。


294:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:11:13 NFNSjXpW0
 急に俺は彼に申し訳なく感じた。
「おい、お前今どこに居るんだ?」
「……」
「おい。」
「お前の後ろに居る。」


295:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:13:18 NFNSjXpW0
 その瞬間、軽い衝撃と共に、俺の背中に激痛が走った。
 くたびれたコートのポケットから、ボイスレコーダーと、それにテープで繋がったもうひとつの携帯電話がこぼれ落ち、血溜まりに転がった。




296:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:15:25 NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・係長の後ろにいるの・・・



297:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:18:31 NFNSjXpW0
「さぁ、メリー君、君も今日から係長だ!
部下もできるわけだからね、がんばってくれたまえ!」
「はい・・・ありがとうございます。」



298:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:31:31 NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・課長さんの後ろにいるの・・・



299:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:35:06 NFNSjXpW0
「・・・昨日、課長が亡くなった・・・、
どうか混乱しないで、みんなは自分の仕事に専念してほしい、
今日から・・・メリー君が課長だ、力を合わせて仕事してくれ・・・!」



300:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:40:44 NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・ウフフ、部長の後ろにいるのよ・・・



301:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 10:47:50 NFNSjXpW0
「・・・皆さん、昨夜部長が倒れました。
緊急入院して意識不明の状態です。
今後、この部署は私が取りしきるよう、専務から申し付かりました。
今後、よろしくお願いいたします・・・。」



302:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 11:02:45 NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・取締役の後ろにいます・・・



303:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 11:25:22 NFNSjXpW0
「私、メリーさん。 ちょっ待って! 切らないで! やっと公衆電話見つけて電話できたの。
 もう小銭もほとんどないしテレホンカードも度数切れ。ここで切られたらもう電話できないの!
 だからここで言うわ。
 私、メリーさん。十分後にあなたの後ろに出現するn」


304:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 11:44:54 NFNSjXpW0
電話は途中で切れてしまった。どうやら小銭が切れたようだ。
俺は十分後に背後に現れたメリーさんをつれて携帯ショップへ行った。
今では当たり前のようになってしまった携帯電話を前にはしゃぎまくるメリーさん。
買って上げるというと目を輝かせて喜んでくれた。

携帯代分働くと言ってうちに住み込み始めてから三年。今日は婚姻届をプレゼントする予定だ。



305:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 22:05:25 Mm3mCT4d0
>>304
なんか知らんが ・・・    萌えた

306:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 23:40:55 NFNSjXpW0
「メリーさんの電話、ってのを知ってるか?」
 開口一番─というわけでもないが、しばらくぶりに会った奴は挨拶を交わすのもそこそこにそう切り出した。
 手に持ったビールのグラスを見つめ、割りと茶化した風もなく。
 となればそれなりに真面目な話なのだろう。しかしいかんせん場所が渋いおでんの屋台ときてる。
 思い出話や愚痴に花咲かせるものだと思い込んでいた俺はまったく予期していなかった台詞に面食らっていた。


307:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/21 23:41:17 NFNSjXpW0
「……えと、メリーさんって、あの電話がかかってくるメリーさん……だよな?」
「ああ」
 俺の認識が正しければ、それは都市伝説の一つである。特にオカルト好きな奴ではなかった気がするが。
「で、そのメリーさんがどーしたんだ? まさか……電話がかかってきたって言うんじゃねーだろーな……?」
 恐る恐るといった感じの口調を意識しながら言う。


308:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 00:06:47 XhPjhEc+0
 もしかすると、こういうノリから始めて驚かせ、その後の会話を盛り上げるネタを覚えたのかもしれない。
 となれば乗ってやらないわけにはいかないだろう。
 そんなことを考えていると、奴はふっと笑った。
 俺はその笑いに違和感を覚える。引っかかったという感じではなく、演技を見透かしたような含みがあったからだ。
「私のとこにはかかってきてないよ。ただ、気になってね」
「気になるって、なにが?」


309:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 00:09:39 XhPjhEc+0
 話が見えない上に酒の席で意味不明な話題をふられていることもあり、少しだけもどかしさを感じ始めていた。
「メリーさんの話にはいくつか説がある。一番基本なのが、女の子が捨てたメリーって人形が電話をかけてきて、最後には『あなたの後ろにいるの』で終わるってパターンだな」
「ほお」
「そっから派生して、振り向いたら殺されるだとか、ひき逃げした運転手に被害者の少女から電話がかかってくるなんていくつかの話がある」
「ふぅん」
「あとは、メリーさんが相手にしてもらえずに泣いたり、少女が超高層マンションに住んでて、たどり着く前にメリーさんがギブアップしたり、なんていう話もあったな」
「ぶっ、それは初耳だな」


310:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 00:11:42 XhPjhEc+0
 想像したらメリーさんがちょっと可愛く思えてきた。まあ都市伝説というか誰かが考えたギャグなんだろうけど。
「まあそんな具合に色々派生があるが……お前の知ってるメリーさんの話は、どういう感じだった?」
「は? いや、どういう感じって言われても……お前が言ってるのと同じだけど。詳しいことなんて知らないし」
「いいから、詳しく知らないでもいいからお前がイメージしてたメリーさんの話を大ざっぱでいいから聞かせてくれ」
 一体なんだってんだろうか。最初は冷静だったのに話しているうちに興奮してきたのか、奴は少し強引に話を迫る。


311:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 00:13:28 XhPjhEc+0
「あー……だから、女の子から電話がかかってきて、今どこどこにいるから、ってのが続いて最後は後ろにいる……って感じだよ」
「女の子については? 元の話が人形だとか知ってたか?」
「いや、知らなかったけど」
「後ろにいる、ってなった後の展開は?」
「さあ……ただ、なんとなく殺されるイメージがあるけど」
「そっか……」


312:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 00:16:29 XhPjhEc+0
 奴は今度こそ神妙な顔をして黙り込んでしまった。そして俺は今度こそわけの分からん話にもどかしさが怒りに変わった。
「なあ、お前一体何が言いたいのさ? ……こっちは久しぶりに会って楽しく酒が飲めるって思ってたの」
「妹が蒸発した」
「…………は?」
「妹が行方不明になっちまったんだよ……。消える前に家族とか友達にメリーさんが来る、って言ってたんだ。だから……な」
 おでん屋の店主のグラスを磨く手が止まる。背中に当たる秋風が嫌に冷たくなってきた。まるでそこに冷気を帯びた何者かがいるかのように。




313:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 03:27:22 XZJ6vbSOO
何でメモ帳とかに纏めてから投稿出来ないんだろうか

314:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 04:44:52 V+eeRrJI0
スクロールするとあぼ~んだらけなのが笑えるw

315:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 11:41:15 zWLg20Cr0
>>313
普段から書き溜めてる訳じゃなく、他の人の投稿の直後から、顔真っ赤にして書きながら投稿してるからだろ。

316:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 13:29:19 Hz89C4KgO
話がツマンナイのにご苦労なこったなw

317:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 16:32:37 t5dcqYvs0
[計画]

1/10
全てが思い通りに動いている―。

神尾美加との対談を終えた私は、応接室で1人、最終的な計画の確認をする。
何か抜かりはないか?問題はないか?不安要素は?

長いこと考え、出た結論は―

全て、問題なし。

先ほど、神尾美加と明日の夕方に会う約束をした。
それで最後の準備が整った訳だ。

時刻は19時過ぎ。
私は部屋の内線で、待機しているように言っておいた藤木を呼ぶ。

…これから、一気にカタをつける。

たった今から明日の夜―いや、明後日の朝までに、全てを排除する。
私にとって邪魔なもの、不要になったものを全て。
そして、望むものを手に入れる。


318:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 16:36:32 t5dcqYvs0
2/10
藤木「神尾の美加ちゃんは、帰ったのですねぇ」

部屋に来た藤木が、椅子に腰掛けながら残念そうに言う。
私「今日のところはな。明日、また会うことになる」
藤木「また、ここに?」
そう言って足元を指す藤木。

私「いや。外で会って、私の別荘に連れて行くつもりだ」
藤木「へぇ…」
ニヤニヤしながら藤木が言う。
何を考えたのか、すぐに分かる。

私「そこで、彼女には霊感を身に付けてもらう」
藤木「あぁ…そういえば、何か知らないけどそんな事が可能でしたっけね」

…藤木は壷のことは知らない。
まぁ、当たり前だ。コイツに話す馬鹿は居ない。

私「それで、君には今からやってもらいたいことがある」
藤木「…今から?」
私「そう。全てを終わらせるための計画だ。心して聞いてくれ」

そう言って私は、彼に話を始めた。


319:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 16:39:51 t5dcqYvs0
3/10
私「まずは…今から、汐崎を私の別荘に移してもらう」
藤木「別荘に?」
私「あぁ。ここからだと2時間は掛かるが、まぁ、眠らせて連れて行けばいいだろう」
藤木「…了解です」
なぜ?という顔をしながら了解する藤木。
余計なことを言わなくなった点、少しは成長したようだ。

私「汐崎には、そこで死んでもらう」
藤木「お…。じゃあ、自分の出番ですね?」
心なしか、嬉しそうに言う藤木。仕方のない奴だ。

私「いや、汐崎は明日…夜になってから、こちらで始末する」
藤木「そうですか…って、明日は神尾がそこに行くのでは?」
私「あぁ、そうだな」
藤木「2人を会わせるので?」
…やはり、首を突っ込んできた。

私「いや、会うことはない。汐崎は地下に閉じ込めておくからな」
物置となっている地下室。彼はそこに放り込んでおくつもりだ。

私「汐崎は、神尾ではなく、別の人間に会うことになる」
藤木「…誰です?」

良い質問だ。私はほくそ笑み、それに答える。

私「桐谷隆二だよ」


320:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 16:43:33 t5dcqYvs0
4/10
藤木「おぉ?あの男を捕まえたので?」
驚いて聞いてくる藤木。

私「いや。まだ泳がせている…というところだな」
藤木「…はぁ」
私「アレは用心深いからな。そう簡単には捕まえられん」
藤木「ふむ…」

私「だから、別荘に招待してやる。こちらの土俵に」
藤木「…どうやって?」
話の流れから、少し頭を使えば分かると思うのだが…相槌だけで、コイツは何も考えないな。

私「桐谷は今、神尾をマークしている」
藤木「神尾を…」
私「だから、簡単な話だ。その神尾を連れて行けば、自然と奴も釣れる」
藤木「あ、なるほど…」

そう、簡単な話だ。
桐谷は壷を狙っている。私が持っている、あの壷を。
あれは今厳重に保管しているため、奴が手を出せる機会は限られている。
その機会の1つが…私が壷を使うときだ。
奴は神尾を張って、彼女に壷を見せるときを狙ってくるだろう。

…ならば、こちらでその時を作ってやる。
来ると分かっている人間を捕まえることは、容易いことだ。


321:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 16:47:44 t5dcqYvs0
5/10
藤木「そこで捕まえて、汐崎とご対面、って訳ですね」
汐崎「そう。そして、そうなってから汐崎を始末する」
藤木「そうなってから…あ!分かりましたよ」
流石にピンと来たようだ。

藤木「桐谷が汐崎を殺したようにみせるって訳ですね」
私「あぁ、そうだ」
藤木「なるほどなるほど…」

当然、その時には桐谷にも死んでもらう。
…見掛け上は、自殺として。

それで、1つの構図が出来上がる。
兄の死に疑いを持った弟が、兄の上司を”犯人”として、殺害する。
死人に口なし―汐崎が死ねば、彼を犯人に仕立て上げるのは簡単だ。
その後、仇討ちとはいえ、殺人を犯したその弟は、罪の意識に悩まされ…自殺。

ありふれた話だ。
こんなものは、簡単に作り上げることができる。


322:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 16:50:19 Thq8k/id0
ご苦労様です。

323:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 16:51:47 t5dcqYvs0
6/10
藤木「桐谷と汐崎はそうするとして…あの子はどうします?父親がそうやって死んだとなると…」

そうなれば当然、汐崎真奈美が問題になり、放っておけば厄介な事になるだろう。
…それは、「父親が監禁され、その後に不審な死を遂げた」という事についてではない。
厄介になる理由―それは、彼女が壷のことを知っているからだ。
高城と共に、桐谷から話を聞いてしまったからだ。

私は高城からの報告の後、すぐに桐谷を見つけ、マークしていた。
故に、桐谷が高城を訪ねたこと、その後、汐崎真奈美も加えて話をしていたことを知っている。
所詮奴らは、私の掌の上にあった訳だ。
全て見通されているとも知らずに、馬鹿な奴らだ…。

私「汐崎真奈美も排除する」
藤木「…やりますか」
私「勿論だ。明日の夕方、彼女を本部に連れてくる」
藤木「どうやって…って、簡単ですね。汐崎に会わせると言えば、来るでしょうねぇ」
私「あぁ」
その際、彼女が連絡を―高城沙織に確認の連絡をしないように、手を回しておく必要はある。

私「連れてきて、あの宿直室に放り込んでおく」
藤木「…便利ですねぇ、あの部屋。俺も今度使おうかなぁ」
私「…」
藤木「あ、すみません…」
軽口を叩くな、と睨むと、小さくなる藤木。

…残念だ。
コイツが、もう少し頭を使える奴なら、な。


324:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 16:58:12 t5dcqYvs0
7/10
私「汐崎の娘を連れてきた後、高城もその部屋に連れて行く」
藤木「…やっぱり、本部長も?」
私「当然だろう」
藤木「惜しいなぁ…」
高城に執着していた藤木にとって、彼女が始末されるのは、やはり惜しいようだ。

藤木「なんか、こう…できないですかねぇ?」
私「…何?」
藤木「こっちで面倒見ますから、本部長は任せてくれませんか…?」
私「…」
やはり、呆れる愚か者だな。

私「…高城は、お前が扱える相手か?」
藤木「いや、まぁ…」
私「お前の頭で、何とかなる女か?結果は目に見えている」
藤木「そうかも知れませんが…力で捻じ伏せて、とか…」
ごねる藤木。

…残念だ。
コイツは、聞き分けも悪い…。


325:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 17:02:32 t5dcqYvs0
8/10
私「藤木…」

私は椅子から身を乗り出し、藤木を見つめながら言う。

藤木「…はい?」
私「高城の正体を教えてやる」
藤木「へ?」
私「…高城だけじゃない、汐崎真奈美の正体も」
藤木「…」
何のことか?という顔をしながら、身を乗り出してくる藤木。
その藤木に、私は言う。

私「あの2人は、魔女だ」
藤木「…」
何を言い出すのか…と思っているだろうが、私は低い声で続ける。
これは、必要なことだから。

私「分かるか?奴らは、魔性の女だ。人間を―男を、取って喰う」
藤木「副会長…?」
只ならぬ雰囲気に、やや怯えた声を出す藤木。

軽いな。
コイツは簡単に、心に隙を見せる…。


326:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 17:05:48 t5dcqYvs0
9/10
私「魔女はどうするべきだ?」
藤木をジッと見つめたまま、私は言う。

藤木「いや、何を仰って…」
私「魔女は、火炙りだ。…違うか?」
藤木「その…」
私「違うのか?」
藤木「…」
私「違うのか?藤木」
私は彼の目を―その奥までを見つめ、力を込めて聞く。

藤木「その…通りです…」
力なく答える藤木。
私「ならば、やるべきことは分かったな?」
藤木「…はい」
私「では、行け」
藤木「…はい!」
そう言って椅子から立ち上がる藤木。

藤木「失礼します!」
そして、意気揚々と部屋を出て行った。


327:赤緑 ◆kJAS6iN932
10/10/22 17:08:47 t5dcqYvs0
10/10
私「フン…」

藤木が出て行った後、私もゆっくりと部屋を出て、外へと向かう。

残念だが、藤木は優秀な部下にはなれない。
…が、優秀な兵隊にはなれる。
今夜、ジックリと仕上げてやろう。
奴には、大仕事をして貰わなければならない。

本部から外に出たところで、私は一度振り返る。

随分と大きくなったものだ…。
建物を眺め、そんな事を考える。

路上で易者をしていた頃には、想像も出来なかったものを、私は手に入れた。
約20年の歳月をかけて、ここまで成長させたもの。
誰が何と言おうと、私のもの…。

それをどうしようと、全て私の勝手だ。
これは私だけのものであるべきだ。

―捨てることができて、初めて自分のものと言える。

私は、そう考えている…。




328:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 17:13:27 Thq8k/id0
いつもありがとうございます。

329:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 19:08:11 XhPjhEc+0
口裂け女「私、綺麗?…いや、そんな事は置いといて。ちょっとメリーさん私見ちゃったのよ~」

メリーさん「あら、何を?」

口裂け女「貴女の旦那がさぁ…。ほらIN(ピー)Xで働いててうちの隣に住んでるおかっぱ頭の~」

メリーさん「ああ、花子ちゃんね。あの子と私の旦那がどうかしたの?」

口裂け女「実はね。二人がホテル入るとこ見ちゃったのよ…。」



330:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 19:09:07 XhPjhEc+0
メリーさん「………そう……教えてくれてありがと」
メリーさんは携帯を取り出し旦那へ電話をかけた

メリーさん「私、メリーさん。今、神奈川県横浜市中区××町×××にいるの」
電話を切り
旦那の所へと走り去って行った




口裂け女「今日は修羅場ね…」



331:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 19:28:30 XhPjhEc+0
花子さん「ほら、早く卍解(ばんかい)した方がいいんじゃないの?死んじゃうわよ」

メリーさん「そう・・・。そんなに見たいのなら見せてあげるけど、後悔しないことね」

メリーさん「 卍  解 (ばんかい) ! ! ! 」

メリーさんが卍解(ばんかい)した時には花子さんの視界にはもういなかった

花子さん「・・・な・・・・何処に・・・消えた?!」

メリーさん「私、メリーさん。今貴女の後ろにいるの」



332:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 20:04:51 XhPjhEc+0
花子さん「・・・なん・・・・・・・だと・・・?いつのまn」

ズバン!!
花子さんを圧倒的な力と移動スピードでブッた斬り決着がついた

メリーさん「私が卍解(ばんかい)した時点で貴女の負けは決まってたのよ」

  


メリーさん「っていう漫画面白そうじゃない?」
 
三本足のリカちゃん「いや、もうあるから」



333:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 20:29:19 XhPjhEc+0
「お願い、娘と、娘と話をさせて!」
私は、その男に向かって電話越しに叫んだ。
私の可愛い娘は、誘拐されており、電話の相手は犯人なのだ。
「ああ……そうだな。その代わり、金はしっかりと出してもらうぜ」
下卑た笑いが止むと、聞こえてきたのは娘の声だ。
「ママ、怖い、助けて!」
娘を落ち着かせると、私は秘策を教える。
「ママの言う通りにするのよ?」



334:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 20:36:16 Hz89C4KgO
>>333
ウゼエ

335:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 20:40:45 XhPjhEc+0
娘が、犯人の後ろに立つ。
「もしもし、私、メリー」
電話を通じ、娘の視界が私にも見える。
娘と、声を重ねる。
電話。呪文。足りない力は私が補って、呪いは完成する。
「今、あなたの後ろにいるの」
そうして、娘は、【血】に目覚めた。


336:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 21:00:41 MLu9ea8r0
メリーさんwww

337:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 21:03:03 XhPjhEc+0
「アハハ、アハハハハハ!」
「ば、化け物ッ!」
恐怖に歪んだ男の目に最期に映ったのは、
髪をふり乱して血走った目をした娘の姿だった。



338:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 21:03:26 pe4ERHhK0
>>334
メリーをNG指定でスッキリ。

339:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 21:04:41 XhPjhEc+0
私は、私達は、【メリーさん】
人の心の闇から生まれ、成長し、人の中に潜むもの。
もしもあなたが綺麗な【メリー】という女性と結婚して
可愛い娘が生まれたら気を付けなさい。
その子もまた【メリー】と言うのなら、特に、ね。
彼女達は、私達の眷族なのだから。




340:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/22 22:14:47 mvxwPn920
一年の秋。
その頃俺は遅刻を罪と思っていなかった。
別に出席時数だけ取れていればいいので困ることは無かったが、一時期頻繁に遅刻をかましていた。
原因はネットにハマったことなのだが、俺はそれをちょっとかっこいいと思っていた。
あー全然寝てねーわー、だとか、ちょっと自慢げに言っていたような気がする。
我ながらとんでもなく馬鹿だと思うが、とにかく一ヶ月ほど殆ど毎日遅刻していたのだ。
大体一時間目をスルーして登校していたのだが、ある日ふと気付く。
同じ時間に登校している女の子がいたのだ。
いつも彼女は徒歩で、俺は自転車だったから、いつも追い抜いていた。
白くて、細くて、なんというか、病院の窓から葉が落ちるのを眺めていそうな、そんな女の子だった。
女の子というが、恐らく年上だった。
彼女は同級生にいなかったから、多分先輩なんだろう。
鮮明に覚えている。
押せば倒れそうな後ろ姿も、ポニーテールにしていた黒い髪も、すれ違う寸前見た白いうなじも。
追い抜いてから振り向いたことは無かったから、どんな顔をしていたのかはわからない。
ただ、なんとなく綺麗な顔をしているように思っていた。
ある日、俺はまた遅刻した。
いつものように自転車を走らせていると、あの人が逆側の歩道にいた。
いつもと違う。
俺は少しがっかりした。
今日は彼女の後姿を見ることが出来ない。
俺は気になって仕方なかった。
仕方なかったから、ついやってしまったのだ。
俺は彼女を通り過ぎて、すぐ振り向いた。
俺は彼女の顔が見たかった。
俺の想像の中にいる、綺麗な顔と一致しているか確かめたくて。
しかし、振り向いた先には、誰もいなかった。

341:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/22 22:17:07 mvxwPn920
「見たことありませんか。その人。一年じゃないみたいなんですけど」
放課後、俺は先輩に彼女の特徴を伝えた。
もしかしたら三年生かもしれないと思ったからだ。
「ああ、あるよ」
先輩は事も無げに答えた。
俺は多少拍子抜けした。
「あ、そうですか・・・・・・何年なんです?あの人」
先輩は驚いた顔をしている。
「え・・・・・・なにか」
「いや、お前も大概にっぶいなあと思ってな。わからなかったのか。そいつがいるのっていつもあそこじゃなかったか。立体交差の、次の交差点辺り」
その通りだった。
「知ってるんですか。じゃあ先輩も会ったことが?」
今度は呆れ顔だった。
「あのな。お前、いくら同じくらいの時間帯だって、毎日毎日全く同じ場所ですれ違うのはおかしいと思わんのか」
あ。
俺は馬鹿だ。
俺が彼女を見かけるポイントは、時間に関わらず同じ場所だった。
つまり、ということは、まさか、もしかして。
「・・・・・・えっと、そっち系ですか」
先輩はうんうんと頷いている。
全く考えてなかった。
俺にあんなにはっきり見える幽霊がいるなんて。
「いつだったかなあ、最初は。俺が一年の年にはもう居たと思う。それから、あれはずっとあそこにいるよ」
「でも、俺にそんなにはっきり見えるなんてことありますかね。先輩ならともかく」
先輩はにやりと笑う。
最近わかってきたのだが、この表情をした時、先輩は俺に想像もつかないような黒い事を言う。

342:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/22 22:20:09 mvxwPn920
「アメーバって知ってるだろ。それが物を侵食する・・・・・・食作用、って言うんだがな。まあ、連中の食事だ。その時、仮足と呼ばれる突起を出す。偽足とも言うが」
何の話だろうか。
俺は生物は好きじゃない。
理数系ではあるが、どちらかというと物理が得意なのだ。
「その突起で物を侵食するんだよ。飲み込むんだ。じわじわとな。あの女は、それだ」
「つまり、ルアーとか、そういう物だと考えていいんですか。あの人は」
「お、いい例えだ。先駆けだな。お前には見えないんだろうが、あいつの後ろにはわけのわからん物がいるぞ。黒くて、どろどろした、取り込まれた奴らの固まりがな」
彼女に興味を持ってしまうと、引き込まれるのだろうか。
より多くの人を引き込む為に、少しでも感覚の鋭い人には見えるようになっているのだろうか。
わからないことばかりだ。
「あいつらは仲間を探してるんだ。一人でも多く。あの交差点、結構事故多いだろ。つまり、そういうこと」
俺はなんだか嫌だった。
あの人がそんな事の為に存在していると思いたくない。
「でも、それなら俺に近い歩道で居た方がいいんじゃないですか。今日は逆側に移動してましたけど」
先輩は鼻で笑う。
「あいつらの考えてることなんてわからないよ。お前があれにどんな感情を持っているかは知らん。けど、俺は事実を言っただけだ。アドバイスは『関わるな』だよ」

343:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/22 22:23:10 mvxwPn920
帰り道、俺はあの交差点を通った。
彼女は見えない。
俺はもしかしたら、顔も知らない彼女に恋をしていたのかもしれない。
それは、人を取り込む為の能力が俺に影響していたのか、それとも俺自身の感情だったかはわからない。
横断歩道の向こう、今朝彼女が歩いていた歩道を眺める。
俺はその光景を目に焼き付けてそっと目を閉じる。
瞼の裏の残影には、こちらを向いて寂しそうに笑う彼女が映っていた。
「・・・・・・じゃあね」
俺は、横断歩道の向こうに手を振った。
瞼に残った彼女の顔は、やっぱり、とても綺麗だった。

向こう側の少女 終

344:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 22:26:05 3cbu50mb0
ウニ臭はするが良作。
GJ

345:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 23:06:06 5Lb1zqBcO
向日葵の時は否定的な意見を書いたけど、
今回のはイケるね。


346:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 23:12:54 b4GkTo1l0
乙 

相反する視点から現象を見せられると、「人の」裏表を見ているようで面白味がある。
だからウニの話は面白かったんだな。コピーのおかげでよく分かった。

347:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/22 23:52:32 3mjIQd+Z0
いねお乙

348:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 00:16:16 VAdP4cPp0
赤緑&稲男乙です!

349:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:27:55 rZanC2L7O
コテ酉つけた。Aの話投下してるフロントマンだ。
 
それと、洒落怖投下分に出てくる「B」に関する話のネタがめちゃくちゃ少ないんで、
今回から「B」を俺につきまとう変なモノの仮称から、関連する話が多いもうAとは別の霊感持ちの人の仮称に変更する。
旧Bに関する話はもうしないと思う。基本的に見たら逃げるだから話せるようなネタが無い。
紛らわしいと思うけど、洒落怖から見てくれてる人は覚えといて。
後、これから投下する話、なんかめちゃくちゃ長くなった

350:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:29:31 rZanC2L7O
定時制の学校に通う二十歳過ぎの高校生なんてものをやっていた時代、仕事が縁で仲良くなったのがBだった。
地元では有名な空手道場の娘で、当時大学生をしていた彼女は(BはAよりも年下だ)A程ではないが結構な霊感を持っており、
その体験談は中々興味深い。今回する話も、結構な変わり種だ。
 
 
 こっくりさん
 
 
働きながら学校に通っていた学生時代、部活に参加する時間が無かった俺は、週に二回程ジムに通って汗を流していた。
ジムと言っても会費を払って参加するような上等なものではなく、自治体の運営する一時間いくらのやつだ。
Bと仲良くなってからは彼女もジム通いを始めた。
一緒にジムに行き、終わったらスポーツドリンク片手に少々話すのが、いつのまにか俺と彼女の習慣になっていた。
(因みにAも誘ったが、ダルいと言って断られた)
この話を聞いたのも、ジム終わりの事だ。


351:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:31:10 rZanC2L7O
「中学生の頃、幼馴染みに誘われて何度かこっくりさんをしました」
Bの幼馴染みはいわゆる『自称霊感少女』で、
「あなたには悪い霊が憑いている」
などとクラスメイトに言ってオカルトの知識を披露したり、時にはタロット占いや交霊術を行っていた。
『本当に見える』Bは、幼馴染みの行動には何も言わず、たまに誘われる交霊術の集まりにも黙って参加した。
その幼馴染みはBに本当は霊感なんて持っていないことを告げていたが、Bは自分が霊感を持っていることを、彼女に黙っていた。
「とてもじゃないが言えませんよ。……私じゃなくて幼馴染みに霊感が有れば良かったのにと思った事も有りました」
本当は霊感なんて無いのに、自分には霊感が有ると周囲に吹聴していた幼馴染みにそのことを言うのは、やっぱり躊躇われたのだろう。
言われるがままに交霊会に参加し、何も現れないことを知りながら怖がるフリをしていたBは、次第に罪悪感を抱くようになった。
そんな時にこっくりさんに誘われ、同時にあることを頼まれる。
「私が10円玉を動かすから、Bもそれを手伝って。ね、Bにしか頼めないの。お願い」
今までも交霊会で自作自演をしていた幼馴染みは、ついにはこっくりさんでも仕込みをすることにしたらしい。
Bは断り切れず、ついには仕込みに協力することを承諾した。


352:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:33:26 rZanC2L7O
まずは間隔を開けて机を二つ並べ、どこからか持ってきた鏡を二つの机にかかる橋のように渡す。
そしてその上に五十音と『はい』、『いいえ』、赤い鳥居が書かれた半紙を乗せるという幼馴染みの考えたやり方で、そのこっくりさんは行われた。
人の居ない放課後の教室に集まった面子は、幼馴染みの霊感に一切の疑念を持たない幼馴染みの信者二人と幼馴染本人、そしてB。
「……こっくりさん、こっくりさん。おいでください」
鳥居の上に置いた十円玉の上に全員が指を乗せ、幼馴染みがこっくりさんに呼び掛ける。
「こっくりさん、こっくりさん……」
びく、と十円玉が動く。幼馴染みだ。Bは小さく驚いた声を上げ、信者の一人は凄い、と漏らす。
幼馴染みは集中して疲れたように小さく息を吐く。役者だ。
「こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃいましたら返事をして下さい……」
十円玉が動き始めた。対面に向かい合った幼馴染みの動きに合わせ、Bも十円玉を操作する。
十円玉は打ち合わせ通り、『はい』の所へ。信者二人は息を飲んだ。Bも一緒に息を飲む。

353:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:35:46 rZanC2L7O
自作自演のこっくりさんは続く。Bの幼馴染みは信者の二人に、
「こっくりさんに聞きたいことを言って」
と促す。信者二人は一回ずつ質問し、幼馴染みが十円玉を動かすことでその質問に答える。
安全。手順を間違えなければこっくりさんは知りたいことに答えてくれる。
信者の二人はこっくりさんという十円玉を通して答えるBの幼馴染みの言葉に喜び、楽しそうに笑う。
信者二人の質問が終わり、次はBがこっくりさんに質問することになった。
「……この中で一番早く死ぬのは誰ですか」
Bが言った瞬間、こっくりさんへの質問の結果について笑いながら話していた信者二人の動きが止まり、幼馴染みがBを睨む。
勿論、打ち合わせ通りだ。Bはこの後こっくりさんに憑かれたふりをし、それをBの幼馴染みが祓うという流れだ。
かく、と力が抜けたようにBは顔を俯かせた。息を飲むような音。Bはこっくりさんに憑かれたフリをして、
 
十円玉が動いた。
 
Bは驚いた顔で俯かせた顎を上げ幼馴染みを見る。幼馴染みもこちら見ていた。
Bと同じく驚いた顔で。

354:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:36:39 rZanC2L7O
十円玉が動く。
 
『み』
『ん』
『な』
 
幼馴染みはBと十円玉に交互に視線を向ける。Bは左右に首を振る。
私じゃない、のジェスチャー。
十円玉は鏡の上に置かれた半紙の上を動き続ける。
 
『す』
『ぐ』
『し』
『ぬ』
 
悲鳴が上がり、椅子が倒れた。
Bは一人取り残される。
十円玉に、人差し指を置いたまま。

355:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:40:40 rZanC2L7O
――――
 
……そこまで聞いて、息を飲んでいた俺にBは軽く笑いかけた。
「仕込みですよ」
「ぁ?」
間抜けな声が出てしまった、と思ったのを覚えている。
「だから、仕込みなんです。その時十円玉を動かしてたのは私です」
ふふふ、と笑ってBはスポーツドリンクを飲み干した。
「……役者だなあ。語るのも上手い」
「女は皆そうですよ。じゃなきゃ、女なんてやってられません」
俺もBの幼馴染みもその信者も、彼女の演技に見事騙されたことになる。
「それで、なんでまた」
「いい加減、幼馴染みにそういうことをやめて欲しかったから、ですね。けれど直接言うなんてことはできない。
 だからあんな事をしたんですよ。懲りてくれたら、ってね」
成程なあ、と俺は頷いた。
「男ばっかりの環境で育ちましたから、女友達なんて幼馴染み以外には居なかったんですよ。
 空手もやってましたし、小学生の頃は男女とさんざからかわれて今でもトラウマですしね。
 だから、幼稚園の頃から一緒にいてくれた幼馴染みが、尚更大切だったんです」
俺からするとBは良い意味で男らしいさっぱりとした性格をしているが、まるで男みたいだ、なんて感じることは全くない。
外見だって背は高いがファッションにも気を使っているし、化粧も上手い。
黒い口紅と黒いマニキュアと黒いペディキュアを塗りたくり、アホみたいに鋲を打ち込んだ黒い革ジャンを愛用しているゴスパン女、
Aに見習わせたいくらいの美人だ。
でもそれは、男女とさんざんからかわれ続けた反動なのかもしれないなと考えた。
「それで、幼馴染みは懲りてくれた?」
「そうですね……話を続けますね」
Bは話を続ける。
俺は幾分リラックスして、その話に耳を傾けた。

――――

356:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 01:40:41 oEK7j9zj0
過供給でそろそろしんどくなって来た…
過疎よりいいことなんだよね

357:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 01:42:30 CMckk4V50
いい子にして続きを待つ・・・。
コーヒーが美味しい月夜ですなぅ。

358:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:42:35 rZanC2L7O
三人が飛び出し、一人きりになった教室でBは嘆息した。上手くいった。これで幼馴染みが懲りてくれると良いんだが。
そんなことを思いながら、もしかしたらこのことで幼馴染みの信者から怖がられるかもという考えが頭を過ぎる。
「はあ」
とBは深く嘆息したそうだ。これからの事を考えると憂鬱になる。視線は自然と下を向き、
 
見てしまった。
自分の指は、未だに十円玉から離れていない。
 
Bは愕然とした。
十円玉から指が離れていないことに気付かなかった。途端背筋が粟立つ。何か居る。誰かが居る。
指は動かない。いや、感覚がない。
それでも十円玉から指を離そうとした。やっぱり指は動かない。右肩から先が動かない。足も動いてはくれない。
感覚が無い。自分の体じゃない。十円玉も動かない。けれどBは十円玉から目が離せなかった。十円玉が、今にも動き出しそうで。
Bは思った。
まさか、本当に、
 
……こっくりさんに憑かれたのか?
 
「こっくりさん、」
言葉が漏れた。確認しないといけない。
「……こっくりさんですか?」
十円玉が動く。

359:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:46:12 rZanC2L7O
動き始めた十円玉は答えを示す。示された回答は、十円玉が止まった場所は、
 
『いいえ』。
 
Bは混乱した。こっくりさんじゃない。なら、誰が。
 
「あっ」
 
そう声を上げたのを今でも忘れられないとBは言う。
居る。この場にはもう一人居る。目の前に居るじゃないか。
 
Bは、鏡の中の自分と目が合った。
 
十円玉を動かしているのはこいつだ。十円玉を動かしているのは自分だ。
 
Bは鏡に映る自分を威圧するように気合いの声を上げた。体からすとんと何かが落ちたような気がする。しかし右手は十円玉から離れない。
もう一度気合いの声を上げた。Bは左腕を振り上げ、鏡に向けて拳を叩き付けた。

360:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 01:48:18 rZanC2L7O
――――
 
鏡が割れた音は聞こえなかったそうだ。砕け散った鏡から目を逸らし、椅子に座ったままのBは、気が抜けて暫く動けなかったという。
その内Bの気合いか教室から逃げ出した三人の叫び声か、どちらかを聞き付けた教師がやってきて、Bは酷く叱られたそうだ。
 
「凄いな」
Bの話を聞き終えた俺は始めにそう呟いた。
話の始めを聞いた時は、こっくりさんを呼ぶふりをしたらホントにこっくりさんが来てしまったんじゃないかと予想していたが、
こっくりさんに憑かれたふりをして信者を騙す予定だった幼馴染みを騙したら、いつのまにか自分が、
というのは予想外だったし、
自分が体験した、Aの言う所の『自己霊に憑かれる』というのにダブるような気がしたからだ。
「自分に憑かれるっていうのなら、俺も経験があるなあ。体が動かないって事は無かったけど」
「自分に憑かれる?」
「いや、分かんないけどな。自己霊だったか自分霊って言って、自分の生き霊が自分に憑くってことがあるみたいで。
 Bが今話したのも、それに近いのかと思たから」
「なるほど」
Bは自分に憑かれるという考えがなかったらしく、真剣な顔で頷いた。
「実はあの一件以来大きい鏡が苦手で。今でも大きい鏡を見る時は覚悟してましたが……自分の生き霊、ですか」
「覚悟?」
「鏡を割る覚悟ですよ、正拳突きで」
俺は正拳で鏡を割る胴着姿のBを想像し、ちょっと笑ってしまった。
Bもおどけるような笑みを浮かべ、綺麗な眉をくい、と上げてみせる。
「……それで、幼馴染みは懲りてくれた?」
「それは、」
 
――――

361:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 01:54:53 CMckk4V50
紫煙くゆらす秋の夜

362:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 01:56:58 VAdP4cPp0
詩人やね
満月か…


363:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 01:59:42 CMckk4V50
結膜炎が痒くて眠れず、ケツ捲って明日の朝の病院診察時間まで
耐久2チャンだよ~。 かぃぃのぉ~。

我が顔に
 愛犬びびる
  ドラキュラか!

364:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 02:11:58 rZanC2L7O
さるさん引っ掛かった


Bの幼馴染みは結局懲りたりはしなかったらしい。
Bは教師に何か言われても
「一人でやった」
と答えたそうだが、Bの幼馴染みは
「Bは実は霊感が強く、悪霊が憑いていて危険。あのこっくりさんもBが滅茶苦茶にした。Bには近付かない方が良い」
と吹聴して回ったそうだ。
「なかなか当たってるじゃないか」
とBはおかしくなったと言う。自分には確かに霊感があり、悪霊はついていないがあのこっくりさん滅茶苦茶にしたのも自分だ、と。
Bは何も言い返さずに幼馴染みと付き合うのを止めた。幼馴染みの信者から怖がられたり徹底的に無視されたりしたが、
「かえってそれが良かったかもしれないですね。他の人にまで無視されたりしないように、人当たり良くしようと頑張りましたから。
 それでもやっぱり、寂しいですが」
とのこと。さっぱりしてるなあと凄く感心すると同時、暴露してやりゃ良いのにと思った俺は、器が小さいのだろうか。

365:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/23 02:13:00 rZanC2L7O
――――
 
事の顛末を全て聞いた俺は、ふと一つ聞き忘れていることに気付いた。
「十円玉はどうした?」
「ああ、言ってませんでしたね」
Bは財布から十円玉を取り出した。所謂ギザ十のそれを俺に見せる。まさか。
「捨てなかったのか」
「ええ。こっくりさんでは使った十円玉はさっさと使うのがルールですが、あれはこっくりさんなんかじゃ有りませんし。
 逆に捨てたら祟られそうだと思って持ってましたが……さっきの話を聞いて手離さなくて良かったと思いましたよ」
俺は首を傾げる。
「すまん、さっきの話って」
「ほら、自己霊の話ですよ。この十円玉を手離すというのは、自分を手離すのに近い意味が有るのかなって今思ったんです」
そう言って彼女は財布にギザ十をしまった。その仕草はいかにも大事なものを扱うそれだった。
後日、彼女は地元で大きな神社からお守りを買ってきて、それに十円玉を入れた。
Bはきっと今も、あの時に使われた十円玉を大切に持っているのだろう。
仕事で十円玉をお客様に渡したりする時、俺はたまにそんな事を考える。

 
 こっくりさん、了。

 
我ながら長いなあ。読んだ人いたら乙

366:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 02:13:51 CMckk4V50
乙!

薄情な幼馴染だねえ。      カンと推察能力は高かったのかなw

367:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 02:15:09 CMckk4V50
<(_ _)> 先走ってしまうところだった。

368:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 02:36:01 VAdP4cPp0
俺乙です!

369:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 02:43:51 YLZe90fFO
俺くん乙!


370:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 04:40:20 ZZY01G9TO
霊能力者が達観傾向にあるのは、この手のシリーズ物の共通事項なのか?

371:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 06:04:44 Q9ZXrEQE0


所で少し前だけど、犬が生き埋めにされていたニュースがあったよね。
あれってウニが書いてた師匠シリーズ田舎に出てくる犬神とやらかな?

372:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 07:01:42 Jpi9sy5BO
コテ酉付けたんですね、乙です。

霊能者は人と違う分、達観か諦観してないと生きていけない……んじゃないかなあ。
富山の犬生き埋めは、微妙に犬神の手順と違うあたりどうでしょう。

373:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 09:38:17 pET59uRJ0
>>365
生身Bの話なの了解
Cでも良かった気がするけど意味があんだろうね
全部、実話ってのがいいんだよね

374:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 11:00:30 ZOAZ3awf0
Cは俺氏やAの師匠じゃなかったか?

375:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/23 21:58:27 xP5TslBB0
三年の冬の話。
一年の頃は、先輩に憧れてついて回った。
二年の頃は、先輩が俺を遠ざけ始め、俺も無理に追いかけなくなった。
そして、三年。
先輩はあまり俺に関わらなくなった。
俺も何だかんだ独り立ちし始め、何かの相談の時くらいしか先輩に頼らなくなった。
それは、先輩の思い人に対する感情を自問した時からだったか、それとも先輩の引き連れる狂気に恐れをなした時からだったか。
今となってはわからない。あるいは、両方だったのかもしれない。
いや、両方だった。たぶん。
とにかく当時、先輩は常識と正気から遠く離れていたし、俺は先輩にどこか気まずい思いを感じていた。
そんな、ある日。
先輩に対する気まずさの、その原因であるヨーコさんが俺の家を訪ねてきた。
一応住所は教えておいたのだが、まさか本当に来ることがあると思っていなかったので、俺はかなり焦った。
母さんと弟が「あいつが女の子を家に呼ぶなんて」みたいなことを言って騒いでいる。
ばたばたと玄関に向かい、ドアを開ける。
「こんにちは」
「あ、ども。え、っと、とりあえず、上がります?散らかってますけど」
ヨーコさんは首を振る。
「いい、違う。ちょっと話を聞いて」
どうやら急ぎのようだ。
よく見ると、いつもの私服と感じが違う。
とりあえず着てきたような、ちぐはぐな感じだ。
襟元が着崩れて鎖骨が見えている。
どうやら、相当慌てたらしい。
「なんですか、話って」
ヨーコさんはそっと目を閉じて、覚悟を決めたように言った。
「あの人がいなくなる。夢で見たんです」

376:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/23 22:00:35 xP5TslBB0
俺は自転車をこぐ。
荷台にはヨーコさんが乗っている。
二人乗りは初めてのようで、腰を必死に掴んできた。
「夢で、って、あれですか、例の」
俺は後ろに話しかける。
「うん、多分そう。たまにあるんだけど」
ヨーコさんは、見える人だ。
幽霊が、とかに留まらず、人の視界や、過去や、未来が。
それはコントロール出来る物でないから、本当に未来の事か、それともただの夢なのかはヨーコさんの感覚でしかわからない。
こぎながら、腋を通して後ろを見てみる。
「足、後輪の軸の所に乗せてください。ちょっとがに股になっちゃいますけど、バランスいいですから。で、どういう夢なんですか」
ぶらぶらさせていた足を軸に乗せるのを確認して前に向き直る。
ヨーコさんは少し声を大きくして答える。
「私が、あの人に会いに行く夢。歩いて、あの人の部屋の前に行くんだけど、部屋の中には誰もいないんです」
はっきりしない。
ただの夢のようにも思えるが、ヨーコさんはただならぬ物を感じたようだ。
俺は脚に力を込める。
「・・・・・・揺れるんで、しっかり掴まっててください」
目前の信号は赤に変わろうとしている。
体重をかけて加速して、俺はぎりぎりで走り抜ける。
先輩が、いなくなる。
あの人は、やっぱり良くわからないから、俺達に何も言わず去っていくこともリアルに感じられた。
自分の意思で、もしくは、何かから逃げるように。
ぎゅ、ぎゅとペダルを回す。
いなくなるのはもう逃れられないとしても。
せめて、最後に一言でも。
なんだか泣きそうになって、歯を食いしばった。
コンビニの前を通り過ぎる。
歩行者が前から来る。
ギリギリのところをすれ違う。
先輩、先輩。
図書館の前を通り過ぎる。

377:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/23 22:02:32 xP5TslBB0
・・・・・・俺は、全力でブレーキを握った。
背中に体重を感じる。
ヨーコさんが予期せぬ反動に耐え切れず、前につんのめったのだった。
「ど、うしたんで、すか」
背中に声が伝わる。
「・・・・・・あれ、先輩のです」
図書館の駐輪場には、古いロードレーサーが停めてあった。
クロモリのフレームに、斜めに走る擦り傷が目印。
でかでかとスペースをとって、壁に立てかけてある。
誰かから譲り受けたという、先輩の自転車だ。
俺が自転車を降りると、ヨーコさんもよたつきながら降りる。
「お尻、痛・・・・・・」
風に飛ばされてぼさぼさの髪を手で直しながら図書館の入り口へ向う。
俺もその後についていった。
『開館』という看板が出ている。
入り口に手をかけて、ヨーコさんの動きが止まる。
いた。
一週間分の新聞がストックしてある、入り口すぐの休憩スペース。
新聞を机にばっさと広げて座っている。
あの顔色の悪い男は、間違いなく先輩だ。
ヨーコさんはその場でしゃがみこんでしまった。
「良かった・・・・・・」
俺は両開きの扉を開けて中に入る。
先輩が俺に気付いて手を上げた。
「よお、なんだ、息荒いな。どうかしたのか」
驚くほどいつも通りだ。人の気も知らないで。
俺は一発殴ってやろうかと思った。
「いえね、ヨーコさんが、先輩がいなくなる夢を見たって言うんで。今いっそいで飛んで来たんですよ。無駄足だったみたいですけど」

378:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/23 22:05:38 xP5TslBB0
そう、多分ヨーコさんは知らなかったのだ。
先輩は、冬が苦手だ。
夏はどんなに暑くても平気な顔をしているが、冬、ちょっと寒くなると暖かい所へ逃げる。
先輩のアパートにはエアコンがないから、公共施設・・・・・・特にこの図書館、暖房の効いた空間をよく利用するのだ。
ヨーコさんの見た夢は、『アパートを訪ねたら先輩がいなかった』というものだったらしい。
つまり、俺のところに寄らず、先輩の部屋を訪ねていたら、やっぱり先輩はいなかったんだろう。
なにせ、図書館に行っているのだから。
「おお、予知か。いや、やっぱり素晴らしい、ヨーコは。詳しく聞きたいな」
俺はなんだかどうでもよくなって、先輩の向かいのソファーにぼすっと沈んだ。
「あー、いいですよー。それより、入り口の所にヨーコさんいるんですよ。なんかへたっちゃってて。行ったほうがいいんじゃないですか」
先輩は入り口に視線をやり、ガラス戸の向こうのヨーコさんを確認すると立ち上がった。
「おいおい、地べたに座っちゃって・・・・・・スカートなのに。全くどうしたんだ」
入り口に向って歩く先輩を見ながら、俺は苦笑する。
そうだ、先輩が例えいなくなるとしても、俺にはきっと一言あるだろう。
なにせこの三年間、俺程先輩の近くにいた人間はいないのだから。
心配しすぎた。
ヨーコさんの予知夢だって、コントロール出来ないのならば外れることもあるのだ。
先輩がヨーコさんになにやら言い訳をしている。
ヨーコさんはまだへたったままだ。
こうやって見ると、やっぱり先輩はヨーコさんの事が好きなんだなあと思う。
それに、先輩がいなくなると思い込んだヨーコさんの取り乱し方。
やっぱり、あの二人がお似合いだ。
・・・・・・俺なんかの、入る隙間もなく。
先輩がヨーコさんを立たせ、俺の所に帰ってくる。

379:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/23 22:07:15 xP5TslBB0
「おい、お前が送ってきたんだろ。帰りもちゃんと送ってやれよ。ママチャリで」
へいへいと立ち上がり、また新聞を読もうとしている先輩を置いて図書館を出る。
扉に手をかけた時、先輩が俺に言った。
「あいつの予知は、外れないぞ。だからこそ、素晴らしい」
俺は鼻で笑って手を振った。
帰り道、ヨーコさんはなんだか申し訳なさそうだった。
騒がせてしまったことが少し恥ずかしいらしい。
なんだかおかしくなって、俺はくすくす笑った。
ヨーコさんも、ちょっと拗ねたようにして、でもやっぱり笑った。
ヨーコさんのマンンションに着く。
自転車を降り、髪を直し、服を正してから。
「またね」
と言って、ヨーコさんは微笑んだ。

数日後、俺はヨーコさんから、先輩が失踪した事を聞いた。

先輩とヨーコさんと俺と失踪 終

380:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 23:12:01 KGYPgfkj0
>>374
そーだったっけ。既にCは登場してたんだ

381:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/23 23:15:18 1Q1HgmAmO
俺シリーズ良いね~
長さを感じさせない内容だった!

382:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 06:37:50 bUJ1oxcd0
稲男乙

383:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 11:20:56 4ycDA5qZ0
メリーさんAがあらわれた!
メリーさんBがあらわれた!
メリーさんCがあらわれた!
メリーさんDがあらわれた!
メリーさんEがあらわれた!

俺は逃げだした!

「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」

しかし回り込まれたしまった!



384:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 11:23:52 4ycDA5qZ0
 自宅への帰宅途中、俺の頭の中では奴に相談された話が混沌と渦巻いていた。
 帰り際にかっくらったビールは今まで生きてきた中で最もまずく、思わず吐き捨てたくなるほどだった。
 おまけにたった一口しか飲んでいないのに頭がくらくらして嫌な胸焼けまでする。
 頭を押さえて舌打ちをしながら緩慢な足取りで帰路を行く。



385:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 11:43:49 4ycDA5qZ0
『…………』
 思わず口を開き─けれど言葉は出なかった。
 言われたことの意味が分からなくて……いや、もちろんどっちの単語も理解はできる。だがあまりに現実味がなくて。
 冗談にしてもマジにしてもすこぶる性質の悪い話だと思った。
『……ごめんな。信じらんないよな……』
「あ、いや……』


386:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 11:49:31 4ycDA5qZ0
 特に失望したような様子もなく、きっと俺のリアクションが予想の範囲内だったのだろう、奴はすまなそうな顔をする。
 正直……まるで対応の仕方が分からなかった。
 現実的に考えて行方不明ならば事件か何かで完全に警察の仕事だ。



387:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 11:52:30 4ycDA5qZ0
 本当にメリーさんという幽霊(人形?)に殺されたり消されたりしたのなら……それもそれで警察か霊能者の仕事だろう。
 何故近頃まったく会っていなかった俺にわざわざ連絡を取ってまでそんな話をしたのか、少しも奴の思考が読めなかった。

388:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 12:27:55 4ycDA5qZ0
『え…っと……と、とりあえず話を簡単に整理してくれよ。悪い、俺も混乱しちまってさ……』
 奴は両手で持ったグラスに目を落としながら話し出す。
『妹…お前も知ってるだろ、あいつが一週間くらい前にいなくなった。部屋の状態から考えて、警察は事件の可能性が高いって言ってる』
『あ、一応警察には届けたんだな』


389:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 12:40:13 4ycDA5qZ0
 メリーさんとか言い出すから、てっきり警察にも届けずに騒いでいるのかと思ってた。
 というか警察が事件の可能性が高いっていうくらいだから、こいつが勝手に怪談話を信じ込んでいるだけなのかもしれない。
 奴は一度じとりとした目を俺に向ける。思わず怯むと、目を逸らして奴はまた話し始めた。


390:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 12:44:26 4ycDA5qZ0
『部屋には争った跡みたいなのがあったからな。メリーさんなんてオカルト話より、現実的な線で捜査を進めるのは当然だとは思う』
『……もしかして、警察にもメリーさんの話……したのか?』
『そりゃあな。あいつもいなくなる前には異常に怖がってたし、それに……』
 そこで一旦言葉を切ると、目を閉じてしばらく考えるような表情をした後、奴はまた口を開いた。


391:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 13:26:54 PnpKkKfOO
赤緑は登場人物が延々と状況説明をしてるだけ。
漫画の説明キャラしか出て来ない。
「お前は転校して来たばっかりで知らないだろうが、この学校は…」
みたいな、それだけで成り立ってるそんな感じ。

392:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 13:42:33 XnxSdlcyO
>>379
やり過ぎじゃないの?
二次創作よりたちが悪い

393:1:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 15:27:51 W0BiH2uiO
懲りずに自演か

394:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 16:29:20 4ycDA5qZ0
『何が手がかりになるか分かんないから話さないわけにはいかないだろ』
『まあ……そういうもんか』
『私はな……ストーカーか何かなんじゃないかと思ってるんだ』



395:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 19:58:38 6bMnPPQ70
メリーさん・・・w

396:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 21:36:29 qas1knto0
>>379
最初の方のしか読んでないけど、流石にこれはないわ

397:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 22:00:46 XKtFUXmi0
>>379
ひでえパクりwwww
さすがに恥を知れと言わざるを得ないww

398:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 22:42:35 bDfqTz8k0
>>396-397
俺は読みたいので、お前らは見なければいいからレス不要にしてくれ。
じゃなければ、あぼーんすりゃいいし。

399:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 22:50:47 qas1knto0
>レス不要にしてくれ。
お前は何を言っているんだ

というか、俺は別に作品自体は嫌いじゃないぞ
尊敬するのはいいし、雰囲気を似せるのもいいが、パクリは駄目だろう。

400:のりぴっぴ
10/10/24 22:53:07 2eBsF7wLO
>>398
パクり だめ ぜったい!

401:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 23:10:03 4ycDA5qZ0
ストーカー。オカルト話を信じ切っていると思っていた奴の口から漏れたその現実的で危険性の高い言葉に、俺は目を見開く。
『メリーさんってのが比喩か何かで、ストーカーのことを指してるんじゃないか……って、そう思って色々調べたんだよ』
『……だから俺が知ってるメリーさんのイメージみたいなのを聞いたのか』


402:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 23:13:50 4ycDA5qZ0
『メリーさんの特徴的な印象が犯人に繋がってるかもしれないから……悪いとは思ったけど、お前なら真剣に聞いてくれると思って』
 そう言うと奴は突然立ち上がり、先ほどとは打って変わって声のトーンを上げ、
『悪かったなっ、久しぶりに会ったのに辛気臭い話しちまってさ。今度また飲み直そうぜ。ここは多めに払っとくから、せめて腹膨らませて帰ってくれな』
『あ、おい!』
 止める間もなく、奴は万札を置いて風のように消えて行ってしまった。放心した後、俺はグラスのビールを一気に煽り立ち上がった。



403:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 23:52:07 /Y2YTpUYO
>マンンション
クソフイタwwwwww

……しかしなぁ「失踪」「予知」「夢」「図書館」はいくらなんでもアウト
最早パクリの域に達してるだろw
もしくは、師匠シリーズから言い回しと設定だけ借りたオナニー小説

404:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/24 23:54:07 G6P0Y6/1O
そんな今更…

405:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 00:43:21 M/Oy0IlO0
一話目はウニ臭いけどおもしろい!って感想だった
今はウニのモロパクりじゃねーか!って感じ
いや、おもしろいのは変わらないから俺は良いけど
人によっては反感買うだろう

406:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 02:11:34 R3VxSvNQ0
どっかで見たような絵柄だけどそこそこ面白いと思ってたマンガのトレパク騒動を見てしまった感じ

407:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 03:01:14 D6WaK1a0P
それでも確か「実話」ベースなんだよね…?

408:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 04:51:49 PfLRoEhY0
ナナシとか研究生の作者の話は面白かったな

409:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 06:51:20 EkadK0q80
>>406
フェアリーテイルのことかーーー

410:稲男 ◆W8nV3n4fZ.
10/10/25 08:34:13 FQiYgIdoO
演出はかなり過剰にしていますが、話に登場する人物は全て実在の人物を基にしていますし、話の筋自体も実際にあった話を下に敷いています。
まあ実際のところは「頭のおかしい先輩とやたら勘のいい電波ちゃんと馬鹿な俺」って感じだったのですが。
今回の話もかなりの部分が盛られているのですが、先輩の失踪とそれを言い当てたという部分は実話ですから、パクリと言われようと筋を変えるわけにもなあと思い大筋の変更無しで投下しました。

411:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 08:42:36 R4oL3ubHO
ほら、わざわざ弁解しちゃう
実話だろうが創作だろうが面白けりゃ関係ないのによ
いちいち実話だってことを知らせなくてもいいのにね?w

そんなに自分語りしたくて堪らないのかな?パクリ野郎さんは?

412:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 09:32:24 3cnp1oea0
いねおとこくん。

煽りは気にすることは無いよ。

煽りが入ると言うことは、面白いということだw

413:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 09:46:41 z3TAS/vpO
最初は良かったのに相当レベルが落ちたよ

414:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 11:23:13 aPFFQqxx0
嫌いになったのなら黙ってNGにでもしろよ。
好きで読んでる人間もいるんだから、煽りとかでエタられることになったら困る

415:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 12:56:53 EkadK0q80
多分それ目的でやってんじゃないかな。
作者を追い出してスレを潰したい輩がいるようだしね。

416:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/25 13:06:07 nN00/r9EO
 写真Ⅰ
 
ジムの終わり、見てもらいたいものがあるんですと言ってBが取り出したのは写真だった。
Bは大学の友人グループで心霊スポットに行った時に起きた、ちょっとした霊障を解決して以来、
霊感持ちだということが噂になり、時折相談を持ち掛けられるようになったそうだ。
写真の鑑定もその一つで、判断に悩むとこうして俺に写真を見せてくることが度々あった。
「最近の写真だそうです」
そう言ってBが見せたのは、大学生らしい青年がサッカーをやっている写真だった。
写真から受けたイメージは、『べったりと張り付く』。
被写体となった青年は、今正にボールを蹴ろうとしているような姿勢をとっている。
恐らくは写真に写っていないゴールに向け、シュートを打とうとする瞬間なのだろう。
シュートは決まったのか? 外れたのか? と考えさせるような写真で、写真の良し悪しが分からない俺にも、
「よく撮れてんなあ」
と思わせるようなものだった。
「そうですね、けれど惜しむらくは、」
「うん」
その時、俺とBの視線は恐らく同じところを見ていた。
「欠けていること」
写真の中の青年には、左足が無かった。
左耳から、かり、という音がした気がする。

417:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/25 13:08:27 nN00/r9EO
Bの話を総合する。
写真はサッカー部だかサッカーサークルだかに入っている男、つまりは被写体になっている男から受け取ったものだ。
よく遊ぶグループではないが、以前からよく声を掛けられていたため、内心またかと思いつつも、つい鑑定を引き受けたらしい。
こういった体の一部が透明になった写真は、なんらかの予兆であることが多いのだが、
今回の写真はどうもそういったものでは無いような気がしたために、こうして俺に相談してきたとのこと。
加えて、Bが写真を見せられた時に聞いた話が面白い。
「この写真、最初は普通だったそうです」
今にもボールを蹴ろうとする後ろに振り上げた足と、そして軸足とが最初はしっかりと写っていたそうだ。
それが今は無い。
「どうしてか分かります?」
「いや、駄目だ。ただ、何かあることだけは分かる。本人に何か変わったことはない? 左足が何かおかしいとか」
「……左足に何かがついている気はしましたが」
Bは悩むように顔を俯けた。しかし、感じたものが頭の中で纏まらないのだろう。
その様子を見て俺は言った。
「会ってみるか」
好奇心が刺激されるのだ。怖いもの知らずとか、怖いもの見たさとかではない。単純に、知りたいと思ってしまう。
怖い目には出来るだけ逢いたくないとか、取り憑かれたくないとか、それとは別の次元で知りたい経験したいと思ってしまう。
「そうなると……明日は暇ですか?」
Bは携帯を取り出し、メールを打ちながら言った。
「夜までは暇だな」
こうして、被写体の彼に実際に会う事が決定した。

418:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 13:08:35 XNeFVBb90
自分でここまで読まれるほどの文才もないくせに
文句だけいう奴って最悪。
しかもあぼーんすら出来ないならくるなよ。



419:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/25 13:10:14 nN00/r9EO
翌日夕方、俺はBと一緒に被写体の彼の家に行くことになった。
被写体の彼は独り暮らしで、大学近くの小さなアパートの一室が彼の部屋だった。
呼び鈴を押すと、彼はすぐに出て来た。
「……こんちわっす。……この人が?」
軽く挨拶をして、彼はBに尋ねた。
何だか無愛想だなと思ったが、霊感があるという他人なんて胡散臭いものだよなあと考え、気にしないことにした。
Bの紹介なんだから、と思わなくも無かった。
「そう。入っても大丈夫?」
「じゃ、スイマセン。今日は宜しくお願いします」
小さく頭を下げられたので、いやいやと言って俺も軽く頭を下げた。
 
その時、今まで何回か見たことがあるものが彼の左足に見えた。
夜に働いている時に何度か見た事があるもの。
一瞬、困惑した。それは本来彼に憑くはずのものでは無かったから。
けれど、それが彼に憑いている事こそが、そのまま今回の核心を物語っていた。
ああ、そういうことか、と。
それを理解して、俺は胸が悪くなった。


420:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/25 13:13:53 nN00/r9EO
部屋に入り、とりあえず全員座ったところで、彼はおずおずとこちらを見た。
「それで、何か見えます?」
単刀直入に言うことに決めていた。部屋に入って五分も経たない内に、俺はもう帰りたくなっていた。
「死霊」
え、と被写体の彼が言うと同時に、Bもはっとして俺を見る
「形は」
「赤ん坊だな」
『それ』は今、座った彼の横に居た。俺はBに教えるようにそれを指差し、Bはそちらに目を向ける。
ややあってBの綺麗な眉が吊り上がる。
その反応から、彼女も俺と同じものを見て、同じことに思い至ったことが知れた。
「え、なんすか、なんすか!」
Bの反応を見て、被写体の彼も怖くなったのだろう。声を荒げる彼を見て、俺は白々しいと思った。
「何かって水子だよ。君さあ、子供堕ろさせただろ」
何度か見たことがある。仕事で水商売の人と接した時などにたまに見るそれが、彼の左足に憑いている。
被写体の彼は泡を食ったようにいや、と小さく呟く。
「病院でまっとうな方法で堕ろさせたのか、それともまともじゃない方法で堕ろさせたかは知らないけどさあ」
言いながら、十中八九後者だろうと俺は思っていた。
Bは後者には思い至らなかったようで、驚いたように俺を見た後、更に険を増した表情で被写体の彼を見る。
「母親はこの写真を撮った人だな?」
被写体の彼は怯えたように頷いた。
「その人、今どうしてる」
彼は言い訳じみた言葉をもごもごと言ったあと、小さく知りませんと答えた。
舌打ちをする。
「水子供養。それとその人に謝り倒せ。じゃないとヤバい」

421:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/25 13:17:17 nN00/r9EO
下手をしたら『その人』はもう死んでいるかもと考えたが、次の瞬間にはそれは無いと思い直した。
『その人』が死んでいたら、この程度で済む訳がない。
俺の言葉に被写体の彼はいや、でも……などと泣きそうな顔で言うだけだった。
「じゃあ知らねえよ」
吐き捨てて俺はBを促し立ち上がった。
もうこの場に居たく無い。彼の左足に憑いている崩れたそれを、視界に入れたく無い。
「無理です、勘弁して下さい」
被写体の彼が泣きそうな顔で言った。
「だから」
「無理ですよ! 何とかして下さいよ!」
俺が物を言う前にBがキレた。
殴りかかったと一瞬勘違いする程の剣幕で被写体の彼の胸ぐらを掴み上げ、無理矢理立ち上がらせる。
「ガキかお前は! 自分でやった事だろうが!」
耳が痛くなるくらいの大渇。Bは突き放すように被写体の彼の胸ぐらから手を外すと大股で部屋を出ていく。
被写体の彼は大声を挙げて泣き始める。俺は何かを言おうとしたが、
「なんで俺が」
という嗚咽混じりの言葉を聞いて、諦めた。彼に言う言葉は、何も無い。
もう立ち去ろうと踵を返した俺は、部屋を出る前にもう一度だけそれに目を遣る。
左耳から、かりかり、と二度音がした。

422:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/25 13:20:21 nN00/r9EO
数日後のジム上がりにBが小さな声であの事に触れた。触れたと言っても、一言だけだが。
それまでは俺達の間で、あの事に関する話は全く出なかった。
「すいませんでした」
あの話について、Bが言った言葉はこれが最後だった。
「気にすんな」
俺はそう言って、コーラを飲んだ。ビールが飲みたいな、と思った。
 
被写体の彼がどうなったかは、あれから数年経った今でも知らない。

423:俺 ◆cLBpi8LhvQ
10/10/25 13:41:26 nN00/r9EO
書き忘れてたw

 写真Ⅰ、了。

 
短くまとめるつもりが結局この長さに……なぜだ

424:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 13:43:39 oWLx7Vg/0
>>423
おつー
読ませるための描写その他が長さに直結?
まぁ短くまとめすぎるのも味気ないので個人的にはバランスよいかなと

425:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 13:47:05 3cLcoEBh0
乙、今回も面白かったよ

俺さんの話は大抵当事者のその後の結末は分からないままなんだね
考えて見れば呪われたり取り憑かれたりした人物のその後を追っかけるなんて
気が滅入る事したくないもんなぁ


426:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 16:48:27 PfLRoEhY0
>>423
おっつんです。
因果応報ってのもこういう形で表れると怖いね。

427:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 17:36:11 jCwDCOS4O
>>423
もったいぶった言い回しを多用するから長くなるんじゃないか?

428:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 21:07:06 TKAIK0Px0
>>423
>短くまとめるつもりが結局この長さに……なぜだ

ハードボイルド調で書いたらどうだ?
いわゆる、乾いた文体と言うやつ。

429:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 21:35:30 6mJcdFWW0
今考えるとあいつ、かなり切羽詰ってる感じだったな……。
 そこまで特別に妹との仲が良かったわけじゃないと記憶してるが、やはり肉親がストーカー被害とかでいなくなれば落ち込むものか。
 メリーさん……。


430:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 21:36:32 6mJcdFWW0
 都市伝説とあいつの妹の蒸発……一体どういう関係があるのだろうか。中途半端に聞かされただけだとどうにも歯がゆい。
 人形…電話…あなたの後ろに……
「!!」


431:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 21:37:51 6mJcdFWW0
 背筋が急に薄ら寒くなり、慌てて後ろを振り返る。
 ……もちろん何もいるわけはない。街灯で等間隔に照らされた暗い夜道が続くだけだ。
 やはり大人になっても作り話だと理解していても、何か得体の知れない存在がいるかもしれないと思ってしまうのは人間の性なのか。
 バカバカしい。明日も仕事だ。早く帰って寝、
 ─急に携帯の着信音が鳴り響く。


432:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 21:39:07 6mJcdFWW0
 タイミングがタイミングだけに心臓が口から飛び出しそうなほどに跳び上がり、激しい動悸に襲われながら犬のように息をする。
 震える手で携帯のディスプレイを見れば、なんてことはない、あいつからの電話だった。
 マジで死ぬかと思ったじゃねえか……。何か言い忘れたことでもあったのだろうか、とりあえず文句を言わなければと通話ボタンを押す。


433:自治スレでローカルルール他を議論中
10/10/25 21:56:05 IEqqSRNK0
>>423
推敲に推敲を重ねるんじゃああああああああああああああああああああ!!!!

434:1/4
10/10/25 22:06:27 FPmbdacs0
皆さんの投稿を見ていると私も何か色々と書いてみたくなったので便乗して……。
初投稿ですがヨロシクお願いします。

『かまいたち』


私が以前住んでいた地元に仲の良かったお婆さんがいました。
田舎だったので近所同士の付き合いが深く、そのお婆さんの家も近所だったので、
よく私も犬の散歩の途中や、出掛けた帰りに彼女の家に立ち寄らせてもらい、
二人暮らしだという娘さん(50歳前後?)に厚かましくもお茶菓子等を出してもらっては
それをいただきながら色んな話を聞かせてもらいました。

そのお婆さんというのが怖いもの好きというか好奇心旺盛で、
白髪で細身ですが背筋はいつもしゃんと伸ばして、凛とした佇まいが印象的でした。
また性格もしっかりしていますが優しく、若々しい赤フレームのメガネが似合うお洒落さんでもありました。
(今思うとサマーウォーズのお婆さんがそっくりです)

ただ、
どういう理由か聞けないままですが、彼女には両腕が無く、
ビシリと着こなした和服もその袖だけは、いつも彼女の両肩からだらりとぶら下がっていました。
生まれつきでは無い、らしい、とだけ私の母が何故か知っていましたが……。

ちなみにさっきから過去形で書いてますが、まだ御存命(のハズ)です。引っ越してから全然連絡とっていないんです。

435:2/4
10/10/25 22:07:14 FPmbdacs0
さて本題なのですが、
そのお婆さんとは別にもう一人、よく顔を知ったご老人が近所にいました。
たぶんお婆さんと同い年くらいのおじいちゃんで、いつも玄関先で椅子に座って、ラジオを聞きながら日向ぼっこをしていました。

そのおじいちゃんというのが、歩いている姿を見かけるのがかなりレアで、
たまに見かけても杖を突いてプルプルしながら歩くので、見ていて不安で仕方ありませんでした。
足が悪いのだろうかと思い、ある日お婆さんに、それとなくそのおじいちゃんのことを聞いた時、
実は結構仲が良いらしいお婆さんはそのおじいちゃんの足について教えてくれました。

「あぁ、○○のおじいさんねぇ……」
と言ってお婆さんは少し迷うような表情を見せたあと、
「『かまいたち』って、知ってる?」
と、逆に私に質問を返して来ました。
このスレにいるような皆さんだと知らない人は少ないでしょう。知らない人もググればすぐわかるかと思います。
(念のために説明すると、屋外にいる時に何も無いのに突然身体の一部に切り傷が出来る現象で、
それがそういう名前の妖怪の仕業とも、そういう名前の風の仕業とも言われているのです。
地方によっては違うこともあるかもしれませんが、おおかたこのような感じで合っていると思います)

で、その『かまいたち』ですが……。
恐らくその構造はとても単純なもので、道に飛び出した植物の枝葉等に気付かぬ間にかすって切れてしまい、
それがしばらく歩いた後、何も無い場所でひりひりと痛みはじめ、そこで初めて傷に気が付くため、そんな噂ができた……。
と、きっとそういうものでしょう。

私はお婆さんの質問に頷いた後、でもあれって、と言って同じようなことをお婆さんに話したと思います。
しかしお婆さんは私の話をしっかり聞き終えて、それから言うのです。
「う~ん。……いや、『かまいたち』は本当にいるのかも知れない」


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