10/11/05 15:45:53 kgJsQNOo0
昔読んだ短編を何となく思い出したからうろ覚えで書く
人を食う「怪物」が存在する中世風(?)の世界が舞台
物語を他人に語って利益を得る職業(道化みたいな)の男がいた(年齢不明)
男は下層階級の出身であり、ボロボロでみずぼらしい格好をしていたが、何故かその日は上流階級の人間が暮らす町をさ迷っていた
その日は一年で最も気温が下がる日で、そんな日は必ず怪物が徘徊して人を襲う
男は飢えと寒さと怪物への恐怖に耐えながら宿を与えてくれる家を探し歩き、やがて町で一番大きな屋敷にたどり着く
男は屋敷の門を叩き、「どうか一晩泊めて下さい。馬小屋でもかまいません」と哀れげに頼んだ。対応に出てきた召し使いの女は「今夜は人を泊められない」と拒否したが、男があまりにも哀れそうな声を出すので仕方なく門の中へ招き入れた
男は薪小屋へ案内され、召し使いは「明日になれば朝食を持ってくる」と言った。空腹だった男は失望したが、叩き出されるよりはマシだと思って文句は言わなかった
召し使いは男を泊める条件として「何があっても薪小屋の外を見ない。薪小屋から出ない」という約束をさせた。召し使いは何かに怯えているようだった
疲労からすぐに寝入った男だったが、飢えと寒さによって夜中に目を覚ましてしまう。すると、薪小屋の外から肉の焼けるいい匂いが漂ってきた
男が恐る恐る薪小屋の外を覗こうと扉を開くと、肉や木の実や酒やパンやバターといった様々な食べ物の匂いが入り込んで来て、男の口の中に大量の唾が溢れた
小屋の外の中庭の中央で積み重ねられた薪が燃えており、その側に大きなテーブルが置かれ、テーブルには様々なご馳走が大量に並んでいた
つづく