10/09/19 08:31:14 lh0to3TE0
高校の頃、席から離れずにずっと窓の外を見ているのがカッコいいと思ってた。
移動教室や体育は例外として、絶対に席から立たないと決めていた。
ずっと外を見て、黄昏ている自分に酔っていたよ。
昼飯も必ずカロリーメイトと缶コーヒー。トイレは一度も行ったことがない、というか行かない。
クラスメイトと馴れ合うのはカッコ悪いと思っていたから会話なんて数えるぐらい。
朝一番に席に座り、放課後もみんなが帰るまではずっと座っているのが日課になってたな。
そんな日々を半年続けてたんだが思わぬ事態が俺を襲った。
朝から体の調子がおかしかったんだが、昼休みになった頃からそれは訪れた。
俗に言う『腹痛』である。
こればかりはどうしようもないと思った。
半年続けてきた事だけど流石にやばいと思い、席を立とうとすると、
クラスのDQNから「うわ!! あいつ動けるのかよwwww」と騒がれた。
いつのまに俺は動けないキャラになったんだこの茶葉ねゴキブリがと思ったが、
それを聞いた周りが予想以上に騒ぎ始めた。
ここまで言われたら意地でも我慢してやると思い、いつものように外を見る。
平静を装ってたつもりだが、おそらく顔は真っ青だったと思う。
授業が終わって、みんなが帰るまでは何とか持たせると決意した。
昼休みが終わって数学の授業。
よりによって小テスト。問題もロクに解けない。
まさしく鬼の形相。
結局開始から5分後、極度の緊張と我慢により、ついに呪縛を解き放ってしまった。
その瞬間、俺は限りなくゼロに近かった社会的地位を完全に失った。
父さん、そんな僕でも今は何とか自力で食べていってます。