10/08/21 11:06:07 IH39jULO0
メリーさんは言いました。
『私メリーさん。あなたの後ろにいるの』
それは全世界じゅうに同時に配信されました。
ボットネットウイルスに感染した全部の端末をメリーさんの回線に繋げたのです。
本来なら田代砲と化す集中アクセスも、ハイスペックなメリーさんには全然効きません。
何百何千何万の端末に同時に宣告してしまって、メリーさんはどうするのでしょうか。
心配いりません。
メリーさんは自動的なので、条件さえ整えば場所も時間も関係ないのです。
次々と背後にたち、次々と呪い殺してゆきます。
次々と殺してゆくのですが、何人かは全然殺せませんでした。
ゴルバチョフを殺そうとすると位相転位して逃げられ、
ローマ法王を殺そうとするとグラディエイターに逆に虐殺されました。
プリン頭の男なんて、メリーさんにたくさんプリンを食べさせてきました。
ヤケに美味しいから余計に質が悪いです。
メリーさんは身長120cm120キロになりかけて、たまらず逃げ出しました。
眉毛の太いゴルなんとかさんも全然殺せませんでした。
FF7のキャラに似た名前だったような気がしますが、
メリーさんはクラウドフェチなので赤犬の名前をポチに変えてしまっていて全然思い出せませんでした。
28:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:06:14 IH39jULO0
「ゴルポ……ポチサーティーン……なんだったかなぁ」
メリーさんは殺し回ります。
でも“山嵐”を大プッシュしてくる人はころせませんでした。
ラキ☆なんとかって人にクラウド×スコールのBL小説を批評してもらって、
メリーさんは泣いてしまいました。
思いのほか辛口だったのです。
泣きはらしたメリーさんは涙で海抜を上げてしまって空中人魚を普通に水中人魚にしてしまいましたがハイスペックなので全く問題ありません。
海に沈んだ東京の街をマダール泳法でスイスイ進みます。
「私ごぼがぼごぼ、メリーさんごぼごぽごぼ、今あなたの後ろにゴボボボ……」
ただ少し公衆電話が使いにくくなったのが難点です。
29:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:07:17 IH39jULO0
「ふふふ。そう、私は島京プリン……君ほど真実に肉薄した者は居ない。褒めてあげよう」
「私メリーさん。今あなたの─」
「メリー?はて何処かでお会いしたかな?私は今忙しいんだ。プリンをお食べ」
「─あなたの後ろに……きゃ!な、何なの?!プリンが動いてるの?!」
「さぁ、遠慮せずにお食べ。ふふふ」
「ぷ、プリンが勝手に口に!?やめ、ごぼがぼごぼ……ッ!!……」
「ふふふ、お嬢さんはデザートに夢中のようだ。さぁ、君もお食べ。たくさん、ね……」
30:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:08:10 IH39jULO0
『はい、もしもし』
「もしもし、わたしメリーさん」
『あっ、久しぶりー!』
「へっ?」
『高校の同窓会以来だっけ? 今何してるの?』
「え、えっと……今、あなたの家の近くのタバコ屋の前にいるの」
『本当に? それじゃあさ、今から家来ない?』
「あ……うん」
『それじゃあ、待ってまーす!』
ピッ!
「……誰と勘違いしてるの?」
31:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:08:34 IH39jULO0
prrrr!prrrr!―ピッ!
『……』
「もしもし、わたしメリーさん」
『……』
「今、あなたの家の前にいるの」
『……』
「……あの、もしもし?」
『たすけt』
ピッ!
「……これから行く所で何が起こっているの?」
32:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:08:48 IH39jULO0
prrrr!prrrr!―ピッ!
『中島さん!?』
「……えっと、わたしメリーさん」
『あっ……すみません……』
「う~……今、貴方の家の前にいるの」
『あっ、すみません! キャッチです』
ピッ!
「……中島さんに負けたの?」
33:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:09:04 IH39jULO0
prrrr!prrrr!―ピッ!
『はい、もしもし』
「もしもし、わたしメリーさん」
『おおおおおおおっ!! マジでか!!!』
「今、貴方の家の前にいるの」
『スクール水着を用意して待ってます!!!!』
「……」
『待ってまーす!!!!!』
ピッ!
「……行かなきゃ駄目なの?」
34:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:09:23 IH39jULO0
prrrr!prrrr!―ピッ!
『お電話ありがとうございます。創作引越しセンターです』
「もしもし、わたしメリーさん」
『はい、メリー様ですね。今日はどうなされましたか?』
「今、貴方の家の前にいるの」
『家の前と言いますと、御引越し先の家の前という事でしょうか?』
「……」
ピッ!
「……やっぱり業者関連は駄目なの」
35:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:09:55 IH39jULO0
深夜、メリーは電話ボックスのなかから電話を掛けていた。
「私メリーさん。今、駅前に……」
『そうか。だけど、僕はもう君の後ろにいるよ』
「!」
メリーは咄嗟にしゃがみ込んだ。
メリーがしゃがみ込んだとほぼ同時、メリーが電話を掛けていたボックスが半ばから“ズレた”。
しゃがむ時にまい上がったメリーの毛束の数本が斬れハラリと舞う。
ズレた電話ボックスの上半分が崩れ落ちて目茶苦茶に音を発てた。
電話ボックスの切り口は、何かとんでもなく鋭い刃物に一瞬で両断されたかのように綺麗なものだった。
メリーは立上がり、背後を見た。
街頭の薄明かりに僅かに照らされる線。
黒いシルエットがワイヤーを手繰っていた。
黒いシルエットは左右非対象の笑みを浮かべた。
メリーは斬られて毛先が揃ってしまった髪を気にしながら言った。
「困っちゃうな、私から行って殺すのが決まりなのに」
黒いシルエットは非対象の笑みを崩さない。
「僕は自動的なんだ。自らの意思で進んで現れるわけじゃあない。君だって似たようなも
のだろう?」
「どうかな……でも、言われてみればそうかもしれない。あなた誰?」
「僕は……奇妙な泡(ブギーポップ)。君のような存在に近しいもの、さ」
「ふーん」
メリーは半分になってしまったドアを開け、電話ボックスから出た。
「じゃあ始める前に、これだけ聞いて」
「何だい?」
「ふふふ、様式美ってやつよ。─“私メリーさん、今からあなたを殺すの”」
メリーは微笑んだ。
シルエットは非対象の笑みを強めた。
ふたつの都市伝説が交錯した。
36:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:10:12 IH39jULO0
黒いシルエットが走っていた。
身体にフィットした黒いライダースーツ、漆黒のバイク、そしてネコミミめいた突起がついたメット。
無音で走るそのバイクは、まるで跳ね馬が如き凶悪な加速を見せた。
─白バイ、いないだろうな?
バイクを駆る女、セルティ・ストゥルルソンはなるだけ目立たないように、しかし迅速に速度を上げた。
その時だった。
ガシャーーンッッッ!!
─?!
歩道からとてつもない轟音が響き、セルティは思わず速度をおとした。
50メートルくらい離れてからリアを振り回して180°ターンし、轟音の方を見やる。
見やった先では、下半分の電話ボックスに佇む赤いドレスの少女と、円筒型の黒いシルエットが睨み合っていた。
─相変わらずイカれた街だなぁ。
セルティは愛馬コシュタバワーを止め、影でできた死神の鎌を携えて、
街のイカれた部分の具象みたいな二人の仲裁に入った。
自らの空っぽのメットの事を棚上げして。
37:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:10:46 IH39jULO0
毎週土曜日の深夜0時になると必ず電話がかかってくる。
ディスプレイには非通知としか表示されない。
「もしもし?」
『私メリーさん。駅前にいるわ』
今日も“メリーさん”からの電話だ。
「この前、酔っ払いに絡まれたって言ってたけど大丈夫ですか?」
『大丈夫よ、近くには交番もあるし』
「そうですか気を付けてくださいね」
僕がそう言うと電話は一方的に切れた。
数分後またもや電話がかかってきた。
「もしもし?」
『私メリーさん。今TSU○YAで勢いに任せて映画借りたの。2泊3日で5本も』
「観る時間あります?」
『……頑張るわ。そうそう、友達が出演してるのもあるの』
「友達ですか?」
『ええ、楽しみにしてなさい』
38:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:10:51 IH39jULO0
カタカタとキーボードを叩く音が響く。
「よし、投下っと」
僕は今某スレにSSを投下しているところだ。
最近のお気に入りは新ジャンル系のスレだ。
「そろそろ、電話くる頃だけど……」
中々メリーさんからの着信がない。
どうしたんだろうか。
考えていると電話が鳴った。
「もしもし?」
『私メリーさん。今コンビニでジ○ンプを読んでるの。サ○デーとマ○ジンも読むから長くなりそう』
「長時間の立ち読みは迷惑ですよ。僕の部屋にその3冊おいてますから」
『そうなの?なら良いわね』
そう言ってメリーさんは電話を切った。
メリーさんはマイペースだ。
「もしもし?」
『私メリーさん。今**公園にいるんだけど、道が分からないの』
「……何回目ですか?」
『……』
「もしもし?」
『私メリーさん。今貴方の部屋の前にいるの』
「ちゃんと着きましたね」
『ええ、着いたわ』
「鍵は開いてますから」
「もしもし?」
『私メリーさん。今貴方の後ろにいるの』
今日も僕とメリーさんは徹夜で遊ぶ。
因みにメリーさんが借りた映画の中には“リング”があった。
39:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:11:48 IH39jULO0
「私メリーさん。あの、その、用事っていうか、その、声が聞きたくなって……」
「……来てください」
40:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:12:07 IH39jULO0
「私メリーさん、今ゴミ溜めにいるの」
「ふーん?」
「もっとはっきり言えば、あなたの後ろにいるの」
「ゴミ溜めでゴメンなさい…」
41:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:12:22 IH39jULO0
メリー「わたしメリーさん。今―」
ゴルゴ「……どうした」
メリー「夜空がとても綺麗なの!」
42:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:13:08 IH39jULO0
メリー「私、メリーさん。今あなたの後ろに居るの。」
?「そう。……じゃあとりあえず死んでくれる?」
メリー「久しぶりなの。アリスちゃん。」
アリス「久しぶりね、メリーちゃん。」
?「久しぶり~」
メリー「あ、リカちゃん。」
アリス「久しぶり。真ん中の足変えたかしら?」
リカ「久しぶり!うん、前の三本目の足古くなっちゃったから。」
?「あら、皆もう来てたの?」
メリー「口裂けお姉ちゃんなの!」
43:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:13:12 IH39jULO0
リカ「久しぶりー」
口裂け「貴女は昨日も会ったでしょ。仕事場近いし。ところで、私綺麗?」
アリス「……いちいち答えるの面倒だから死んでくれる?」
口裂け「貴女もこの鎌の錆になりたいのかしら?」
メリー「皆仲良くしようなの!」
リカ「うんうん。」
アリス「……わかったわよ。」
口裂け「よし、じゃあパーっとやりましょう!」
メリー「うんなの!」
リカ「カンパーイ!」
アリス「……早いわよ。死んで欲しいわ。」
リカ「ごめんごめん。じゃあ、改めまして。」
一同「乾杯!」
~妖怪学校同窓会にて~
44:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:13:46 IH39jULO0
小人「はい。コチラ、活け作りと挽き肉と抉り出しをお持ちしました~」
赤マント「隣の席、さっきから五月蝿くね~?」
ドッペルゲンガー「何処の居酒屋でもそんなモンだろ?」
コインロッカーベイビー「何でメリー達呼ばなかったの?」
だるま女「え~!なに?もしかしてメリーの事好きなの~?」
コインロッカーベイビー「あ、いや、そういうわけでは…////」
エンジェル様「お前(こっくりさん)が呼んどくって言ったのに何で呼んで無いんだよ!」
こっくりさん「お前(エンジェル様)が呼んどくって言って無いから呼んで無いんだよ!」
エンジェル様「なんだよ!お前が呼ばなかったから来ないんだろ」
こっくりさん「なんだよ!お前が呼べば来たかも知れなかっただろ」
エンジェル様「どうして俺があんな奴らを呼ばなくちゃいけないんだよ」
こっくりさん「どうしてあんな奴らが俺を呼んじゃいけないんだよ」
コインロッカーベイビー「だったら2人で一緒に呼べば良かったじゃないか」
こっくりさん、エンジェル様「「いいや、元々呼ぶ気無かったけどね」」
人面犬「ぺディグリーチャムうめぇ♪」
居酒屋「猿夢」より
45:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:14:05 IH39jULO0
「私メリーさん、今あなたの後ろに居るの」
承太郎「俺の後ろに誰かが居るッ!最近とり憑かれたみたいなんだ」
46:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:14:19 IH39jULO0
「わたしメリーさん、今あなたの後ろにいるの」
「そっちは前です、すいませんね、裏表分かりにくい体で」
47:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:14:37 IH39jULO0
透明になる薬を手に入れたわ。ゴックン。
すごい、本当に消えて行くわ!
服を脱いだらカンペキよ。あら。さっそく着信。
『私メリーさん、今あなたの後ろにいるの』
ふふっ嘘ね。だって私は見えないんだから。
『私メリーさん、ファンデ落とさないと完璧には消えないの』
あらやだ本当。これじゃ顔だけ宙に浮いてるみたいだわ。
でもメリーさん、あなたはどこにいるの?
『私メリーさん、ずっと部屋の中にいたの』
48:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:14:50 IH39jULO0
隙間女「ボク、隙間女って言われてるんだけど…、好きで隙間に入ってる訳じゃ無いんだ。」
隙間女「ビルとビルの隙間に500円が落ちてて、それを頑張って無理に取ろうとしたら…挟まっちゃったんだよ。それから全く出れなくなって……あっ、でも今は落ち着いてるから良いんだけどねwww」
隙間女「隙間男っていうのが居るらしいけど、あれはボクの事だよ。喋り方もだけど自分の事をいつも「ボク」って言ってるし、見た目も男の子って感じだから勘違いされちゃったのかな?w」
隙間女「好きなのは、ドンキとビレッジバンガードかな?ごみごみしてたり隙間沢山あるから。嫌いなのはゴキブリと鼠だね。隙間から急に現れて、人の体によじ登って来るんだ」
隙間女「メリーさんはボクの高校の先輩だよ。確か軽音学部で学園祭の時、V系のバンドのボーカルやってたんだ。今とは比べ物にならないよw」
メリーさん「ねえ、アンタさっきから誰に言ってるの?」
49:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:15:25 IH39jULO0
「私メリーさん、ジョージソロスがポンド危機を引き起こした時、影の黒幕として背後に居たの」
50:本当にあった怖い名無し
10/08/21 11:15:39 IH39jULO0
俺の名は目理 伊三。作者すら漢字変換が分からなくなってきたメリーさん刑事である。
なまじ当て字なんかするからそういうはめに陥るのだ。
まあそれはともかくとして、今俺は道路交通法に違反しているであろう相手と話している。
「お前ねえ、パトカーより早い速度なんか出しちゃいかんだろ。
そしたら俺も見逃すわけにはいかないから、な。
交通事故の凄惨さってのはお前が一番知ってるはずだろうが。
ほら、一応免許証出せ。……へえ、持ってるとは思わなかった。
ふうん、中々男前じゃねえか。……お前のとは確認できないけどな」
そう告げると、目の前の男はがっくりと肩を落とした。
「そうしょげるな。ああそうだ、今ウチんとこで白バイ隊員募集してるんだ。
何だったら、上司に相談してやるぞ?
緊急車両ならどんな速度出したって他人に迷惑かけない限り怒られないからな」
男はブンブンと俺の手を取って上下に動かす。どうやら嬉しいらしい。
「あーはいはい、分かった分かった。……あ。でもお前無線使えないか」
ぴたり、と男の動きが一瞬停止し、そのままなよなよと地面に崩れ落ちる。
「ええいちょっと待て、そういうのも連絡を取るから、な。とりあえず俺と来い」
数ヵ月後。都市伝説・妖怪対策本部こと警視庁第零課には、紆余曲折の末
首の無い新人白バイ隊員が所属することになった。
51:本当にあった怖い名無し
10/08/21 13:51:28 yrkQavcQO
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