10/06/20 02:03:14 +Xr9o2Pu0
東京で新居を探した時の話。
そのうちの、間取りと家賃の良さで候補になっていた一軒に家族だけで下見に行ったときのこと。
そこはなんというか、団地のような所で入り口からして少し汚かった。
ポストもボコボコ。自転車の並び方もぐちゃぐちゃな状態。
更にポストの下にはごみ出しに関する警告を書いた紙が壊れたフライパンにくくりつけられて地面に置いてある。
一応、階段を上って廊下も見たけれど、どう考えても住みたい雰囲気じゃない。
共用の廊下なのに何を気にすることなく植木鉢とかが置いてある…。
父親もやめたほうがいいと言い出し、部屋の中を見ることもなく、候補からは簡単に外された。
結局、その後見つかった物件が非常に好条件だったし部屋も廊下もポストもw綺麗だったので新居はそこ(今これ書いてる部屋)に決まった。
その後、親戚の家で夕食をご馳走してもらったのだが、その際に候補から外したその部屋の話をした。
ここがだめだったとか、あれがだめだったとか、主に欠点の話。
そのうち父が「俺はあれが決定的だったな、傘立て」と言い出した。
「傘立て?なにそれ?」と聞くと、「あれ?お前気付かなかった?」と、こんな話をし始めた。
俺と同じように父も廊下に上がり、ひとしきり廊下に並んだドアを見ていた。
すると、一軒のドアの前に傘立てが置いてあるのが見えた。
その傘立てには何故か夥しい数の傘がぎっちりと刺してあったらしい。
部屋の間取りは、六畳ぐらいの部屋がふすまに仕切られて二つあり、あとは小さいキッチンがあるだけの簡素なもの。
その中にそれだけの傘を必要とする数の人間が住んでいるというのか?
あるいはその部屋に住んでる人間がもし一人、あるいは二人だったとしても、それだけの数の傘を持つ意味は一体…?
父は(あ、これは絶対なんかあるな)と思い、その家を候補から外すことに決めたという。
その話を聞いたとき、あの部屋に決めなくて良かった、と心の底から思いました…。
あと、その物件近所だからよく通るんだけど、何故かいつ行っても人の気配が無いんだよなあ。
あれだけの自転車が並んでんのに。