10/11/27 00:19:39 4Z17xieH0
どっちが先に世に出た話かは分からないが、
携帯で奇妙~kimyo~ってサイト見てたらよく似た話があったので転載。
このスレも一通り見てるけどガイシュツだったらすまん。
【外道さん】
彼女の実家は山奥深い村だ。
いまでは廃村となってしまったが、そこで奇妙なものを幾度となく見たという。
友達と二人で遊んでいた時のこと。
村はずれの山麓だったのだが、うしろの藪をガサガサと揺らして何か出てきた。
茶色い毛並みの兎だった。しかし、何かがおかしい。
兎なのに、二本足で与太つきながら歩いている。
口元からは血が滴っており、赤く染まった前歯が覗いていた。
何よりも怖かったのはその目だった。
完全に据わっている。兎の目ではなかった。
兎は値踏みするように彼女らを見ていたが、すぐにこちらに向かってきた。
悲鳴を上げて逃げ出したが、村の近くまで追いかけられたという。
「外道さんが出た」
大人たちが口々にそう言って駆け回っている。
彼女たちはしつこく「噛まれなかったか?」と問い質された。
兎一匹のために山狩りまでおこなわれたようだが、結局見つからなかったらしい。
教えてもらったところでは、その山奥には外道さんという物の怪がいるそうだ。
外道さんは山の生き物に取り憑く。
疲れたものは肉を喰らうようになり、間もなく血まみれになって死ぬ。
外道さんに噛まれると、噛まれた者もまた外道さんに成ってしまうのだと。
そのためか、二人はしばらく隔離されて様子を調べられた。
彼女が言うには、兎も確かに怖かったが、それよりも村中の子供たちから
「外道」と呼ばれて虐められたことが、子供心に何より堪えたのだそうだ。