10/08/20 22:28:36 Its3HdqA0
U君とは学園で一緒だった。記憶に有る限りいつも私の傍に居て、私をいじめるK君から
守ってくれた。
ずっと一緒だった。でも、U君が高校生になってからあまり私と話をしてくれなくなった。
そして突然居なくなった。
私も成人したので働かなきゃならないとお母さんに言われた。私にはお母さんは居ない。
だから学園長の事を「お母さん」って言ってた。周りの子は学園長と呼んでたけど。
お母さんの紹介で、学園の近くの飲食店で働く事になった。
2年ほど過ぎたある日、Kがお店に来た。向こうは気付いてないようだったので
知らないふりをしていたけど、3回目くらいで気付かれてしまった。
馴れ馴れしく話しかけて来るKが嫌だったけど、仕事なので愛想良くしていた。
ある日仕事から帰ってアパートのドアのかぎを開けたと同時に、Kが後ろから
私を部屋に押し込んできた。
私は妊娠した。子供が出来てしまった。大嫌いだったK君の子供。
こんなのダメ。いやだ。きっとだんだんK君に似て来るんだ。私の子供で、Kの子供で、
私と子供を捨てたKの子供で、私たちはずっとずっとずっと親子で、だんだん大嫌いな
Kに似て来るこの子をずっとずーーーーーーっと見続けなければならないんだ。
「すいません、もしかしてA子じゃないですか?」
U君だった。なんて事だろう。こんな姿になってから再開してしまうなんて。
どうしてもっと早く!あと半年早く来てくれれば!また守ってもらえたのに!!!
でもやっぱり私はU君が好き。離れたくない。でもこの子が居てはきっと気が付く。
だんだんあの男に似て来るこの子が居ては、二人は幸せになれない。
お母さんに相談してみよう。望んだ子ではないと。好きな人の子ではないと。
ああ・・・そうか・・・私もそうなんだ・・・。
この子も私と同じ苦労と苦しみを背負って生きるのね・・・フフフ・・・良い気味。