10/03/19 00:42:14 9lXEWBqf0
専門学校時代、東京にでてきた俺は卒業を迎えようとしていた。
卒業制作は学校の事情により制作時間が少なく、
俺は毎日追われるように必死にやっていた。
なんとか無事制作が終わり、卒業制作発表会。
舞台の前に出て、一人づつ作品についてスピーチ。
「はぁ・・・なんとか終わったな」
発表が終わって教室に戻ると、親から携帯に着信がきていた。
そのあと発表会の打ち上げがあったので、電話はいったん放置して
一晩中飲んだあと、朝の電車にのった。
自分の駅についたとき、電話がきてたことを思い出し、親に電話をかける。
一緒に住んでた地元のじいちゃんが亡くなったということだった。
息を引き取った時間をきくと、ちょうど俺が発表会で前にでてスピーチをしている時間だった。
俺はその足で地元の北海道に帰った。
じいちゃんは俺が東京に出る前の日、ちょうど再入院で病院に入った。
「東京で悪いのにひっかかったら言うんだぞ」って出発前に病院で言ってくれたっけな。
身内が亡くなればすぐ地元に戻らなければいけない。
俺は思った。じいちゃん、俺が終わるのを待ってくれてたのかなって。
亡くなる前の日まで苦しんでいたのに、最後の日はとても安らかにしていたときいて涙が出た。
偶然と言えばそれまでだが、本当うれしかったよ。
ありがとう、じいちゃん。