11/08/08 21:58:07.73
先月半ばから8月初めまでのローマは、クーラーの必要がないくらい涼しく、
むしろ明け方は夏掛けを必要とするほどであった。今後、酷暑がぶり返したときが
恐ろしいがクーラーをつければ済むことだ。
日本ならさしずめ新聞が「節電への天の助け」とでも書くところだろうが、
この国には今さら「節電」など呼び掛ける必要がないほど、普段から電気の
使用にケチになっている。
過去四半世紀に2度の国民投票で「脱原発」を決定・再確認したイタリア
国民は、天然ガスと石油を燃料とする火力発電に頼り、不足分は隣国の
原発大国フランスから輸入しているため、欧州連合(EU)内で一番高い
電気料金を支払っているからだ。
万一、フランスが電力輸出を断れば全国的な停電となり、クーラーは
おろか全産業がストップする恐れもあるが、気にする様子はない。また、
EU諸国が本気で「脱原発」に踏み切った場合、天然ガスと石油の国際
価格がさらに高騰し、電気料金が天井知らずの高さになる恐れがある
ことも気にしない。
まさに、今後の日本国民が向かおうとしている姿を先取りしているような
ノンキな国である。イタリアはわが国にとって常に「反面教師」的なところが
ある面白い国である。(坂本鉄男)
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