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米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは7日、ギリシャの信用格付けを3段階引き下げた。
デフォルト(債務不履行)リスクが高まっていると指摘した。発表を受けてギリシャ国債相場は下落。
ギリシャ財務省は格下げには正当性がないとの声明を出した。
ムーディーズはギリシャの格付けを「B1」と、従来の「Ba1」から引き下げた。
税徴収の遅れへの懸念と1100億ユーロ(約13兆円)規模の救済の条件である
財政引き締めの「実行リスク」を理由に挙げた。
ムーディーズのギリシャ担当シニアアナリスト、サラ・カールソン氏は7日の電話インタビューで
「デフォルトのリスクは著しく高まった」として、「当社の中心的なシナリオはギリシャ政府が目標を達成し
債権者に損失を負わせる必要はないというのものだが、そのシナリオ通りにならないリスクも十分にある」と説明した。
欧州連合(EU)首脳らは月内に域内債務危機対応の包括案で合意を目指している。
欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を活用したギリシャの国債買い戻しや
救済融資の金利引き下げが合意に盛り込まれるとの期待は、ドイツの反対で後退した。
ギリシャ10年債利回りは一時12.32%となり、ドイツ債との利回り格差は
4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大の902bpを付けた。CMAによれば、
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)でギリシャ国債を保証するコストは27bp上昇し1013bpとなった。
「理解できない」
ギリシャ財務省は電子メールで配布した声明で、ムーディーズの決定について「理解できない」とし、
ムーディーズは財政赤字縮小に向けたギリシャ政府の前進に注意を払っていないと論じた。
格下げは「ギリシャ経済の現状や見通しではなく、
格付け会社の誤ったインセンティブや説明責任の不足をあらわにしている」と反論した。
カールソン氏は、EU首脳会議の結果はギリシャの長期的見通しに大きく影響しないと予想。
また、赤字削減でのギリシャの進展を高く評価するものの、政府当局者は依然として、
救済条件を満たすために大きな困難に直面していると指摘した。
ギリシャ政府は財政赤字圧縮に向けた2012-14年の追加措置を今月末までに発表する見込み。
救済条件は対国内総生産(GDP)比の赤字を期限までに3%以内とすることを求めている。
bloomberg.co.jp
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