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米陸軍が米上院議員などの要人を対象に、アフガニスタンでの戦費や人員の増強を支持させる
ため違法な心理作戦を実施していたという衝撃的な記事が、24日の米音楽誌ローリング・ストーン
(Rolling Stone、RS)に掲載された。
アフガニスタン軍の訓練を担当するウィリアム・コールドウェル陸軍中将の首席幕僚から、アフガ
ニスタンを訪問した米上下両院議員や外国高官などを対象に心理作戦を実施するよう繰り返し命じ
られたと、同中将の部下で「Information Operations(情報作戦、IO)」と呼ばれる専門チームを
率いて心理作戦を実行したマイケル・ホームズ陸軍中佐が同誌に明かしたという。
■「どうすれば議員を操れるか」
IOメンバーの証言と内部文書によれば、4か月にわたった作戦の対象には、2008年の大統領選候補
ジョン・マケイン上院議員や、上院軍事委員会のカール・レビン委員長、ジョゼフ・リーバーマン
上院議員、ジャック・リード上院議員などが含まれていた。また、マイケル・マレン米統合参謀本部
議長、ドイツ内相、チェコの駐アフガニスタン大使なども対象となったという。レビン、リード
両上院議員は心理作戦の影響を受けたことはないとしている。
コールドウェル中将の首席幕僚はホームズ中佐に、どうすれば米議員たちを中将の思い通りに操れるか
尋ねてきたという。ホームズ中佐は、「IOにおける私の任務は、我々が望む通りに敵が行動するよう、
彼らの頭の中を操ることだ。味方を対象にすることは禁じられている。議員を対象にするのは、一線を
越えている」とRS誌に証言した。作戦を中断しようとしたところ、ホームズ中佐に対する嫌がらせが
始まったという。
この記事についてコールドウェル中将の報道官は、RS誌に送った声明で、疑惑を全面的に否定している。
■米軍は調査へ
記事を受けて米国防総省は、アフガニスタン駐留米軍のデービッド・ペトレアス司令官がこの件に
ついて「調査を命じる準備をしており、不適切性や違法性があれば措置を取る」と発表した。
ロバート・ゲーツ国防長官もこの問題を「認識」しており、調査の実施を支持しているという。
米国民を対象に心理作戦を行うことは米法律で禁じられている。
RS誌が米軍のスキャンダルを記事にしたのは今回が初めてではない。2010年には、アフガニスタン
駐留米軍のスタンリー・マクリスタル司令官(当時)が政府高官を批判したという記事を掲載し、
マクリスタル司令官は解任された。この記事も今回と同じく、マイケル・ヘイスティングズ氏が
執筆した。
AFP通信(25日18:07)
URLリンク(www.afpbb.com)
Rolling Stone(英語 24日)
Army Deploys Psy-Ops on U.S. Senators
URLリンク(www.rollingstone.com)
URLリンク(assets.rollingstone.com)