10/10/13 10:14:54
米国が核爆発を伴わない未臨界核実験を9月半ばに実施していたことが12日、分かった。
実験は06年8月以来4年ぶりで、「核のない世界」を提唱するオバマ政権下では初めて。
オバマ大統領には核廃絶の主導役として期待が高く寄せられてきた中で、国際的な批判も
出そうだ。
米エネルギー省国家核安全保障局(NNSA)の発表によると、実験は「バッカス」と名付けられ、
原爆開発でも知られるロスアラモス研究所が9月15日、ネバダ核実験場で実施した。
核分裂連鎖反応が起きない量のプルトニウムに爆発の衝撃を与え、その動きを調べる内容で、
核爆発は起きなかったとしている。データを収集し、保管中の核兵器が爆発事故を起こさない
「安全性」や、実際に使う時に設計通りの破壊力が出せる「信頼性」を維持することが目的だ
という。
オバマ政権は、安全保障上の核兵器の役割を縮小するとし、ロシアとの新たな核軍縮条約の
早期発効や核テロ対策などに力を注ぐ。
ただし、核兵器が存在する限りは現在の核戦力を維持する方針も明確にしており、核関連設備の
近代化や管理体制を強化するために関連予算を増額していた。
あらゆる核実験を禁じる包括的核実験禁止条約(CTBT、未発効)の批准を目指す一方で、
未臨界実験は同条約に違反しないとの立場だ。
だが、未臨界実験は、核兵器の廃絶を目的とするCTBTの精神に反し、同条約の空洞化に
つながるとの批判は根強い。また、核爆発が本当に起きていないかどうか、地上から
検証することは難しく、そのことに懸念を表明する国も多い。
米国はクリントン政権下の97年に初めて未臨界実験を実施し、今回は24回目。
ブッシュ前政権は10回行った。NNSAは今後の実験計画について「実施の際には公表する」
とだけコメントした。
ソースは
URLリンク(www.asahi.com)