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【アメリカ】超音波で脳を制御:兵士の注意力を向上させたり、痛みを緩和―米軍研究[9/14] - 暇つぶし2ch1:月曜の朝φ ★
10/09/14 23:23:05
アリゾナ州立大学の神経科学者William Tyler氏は、数年前から、米陸軍研究所から資金提供を
受けて神経科学技術の研究に取り組んできたが、今回、その研究が米国防総省の国防高等研究
計画庁(DARPA)の目に留まった。DARPAは、非侵襲的脳刺激法を改良する研究として、同氏の
研究所に『Young Faculty Award』賞を授与したのだ。

すでに科学者たちは最先端の脳刺激法を考案し、パーキンソン病や鬱病などの疾患の治療に
利用している(日本語版記事)。だが、現在の脳深部刺激療法には、電極や電池を体内に移植
する侵襲的手術が必要だ。また、外部からの超音波刺激は、通常は「多くの罹患部が存在する
脳深部の回路」まで届かない、とTyler氏は『Armed With Science』に書いている。

Tyler氏が率いる研究チームは、外部から多数の脳回路を刺激できる『経頭蓋パルス超音波』
を開発した。この装置は、既存の方法と違って、脳深部の部位に的を絞って超音波を照射でき
ることがすでに分かっている。また、2?3ミリメートルしかない脳の特定ゾーンに照準を合わせ
ることができる。しかも、試作品の装置は、標準的なヘルメットの中に収まるくらい十分小さい。

このマイクロ・コントローラー装置を利用すれば、超音波で脳の様々な部位を刺激して、兵士の
注意力や認識力を向上させたり、ストレスや痛みを緩和させるほか、外傷性脳損傷(Traumatic
brain injury, TBI)を防いだりすることができると期待されている。

「外傷性脳損傷で実際に損傷を与えるのは、最初の損傷ではなく、数時間後に発生する代謝
性障害やフリーラジカル、腫れだ。リモコン操作で直ちに介入することができれば、生涯にわ
たる脳損傷を防ぐことが可能になるだろう」とTyler氏は述べている。

[外傷性脳損傷は、脳の一部が局所的にダメージを受ける脳挫傷とは異なり、脳の軸索が
広範囲に損傷を受けるもの。高次脳機能障害に至った場合、記憶力、注意力の低下や人格
やコミュニケーション能力等に問題が生じる。外見上、健常人と何ら変化は無いが、社会適
応性が損なわれるため苦しむ患者が多い。

地雷や携帯型小型ミサイルを改造した即席爆発装置(IED)では、爆風は音速を超える。外見
上は無傷に近いものの、帰還後に記憶障害や歩行障害に苦しむ例が増えたため、米国政府
は2009年に診断基準を変更。2001年から2009年10月まで約14万人が受傷したとの結果を
まとめている]
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