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「日本を歴史の加害者とするためか 原書の一部を割愛した岩波文庫の訳書」 櫻井よしこ
『週刊ダイヤモンド』 2009年1月17日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 772
URLリンク(yoshiko-sakurai.jp)
64年前の1945年、広島、長崎に原爆が投下され、日本が瀕死状態にあったとき、「朝日新聞」
は8月14日の社説でこう書いた。
「すでに幾多の同胞は戦災者となっても、その闘魂は微動だもせず、いかに敵が焦慮の新戦術
を実施しようとも、一億の信念の凝り固まった火の玉を消すことはできない」
一方で、日本政府内では同年8月9日から10日にかけてポツダム宣言受諾と降伏に向けての
動きがあわただしかった。そして、『実録朝日新聞』(58年発行)によると、「新聞社にだけはこの
情報が入っていた」。
つまり「朝日」は、日本降伏の可能性を察知しながら報道せず、国民に“微動”だにしない“闘魂”
を求め、一億総国民が“火の玉”となって戦い続けよと社説で檄を飛ばしたのだ。
これらの記事をまとめた『読んでびっくり朝日新聞の太平洋戦争記事』(安田将三、石橋孝太郎著、
リヨン社)を「朝日」は著作権を楯に、絶版に追い込んだ。不都合な歴史を日の下にさらしたくない
ため、陰に陽に圧力をかけたといってよいだろう。歴史を、特定の価値観に基づいて歪曲することは、
戦後の日本において巧妙かつ執拗に行なわれてきた。
(中略)
岩波文庫版の『紫禁城の黄昏』は、どうしても読者にジョンストンへの否定的な印象を与えてしまう。
(中略)
岩波文庫版では、右の内容を描いた第16章は丸々、省かれた。第1章から第10章もすべて落と
された。結果、国民党や中国共産党にとって都合のよい内容となった。まさに、それこそが岩波版
訳書の目的であろう。
この種の歴史の歪曲で日本人の歴史を見る目が曇らされたからこそ、私たちは、主張すべきことも
主張できないでいる。結果、外交、海、陸、全分野で日本は侵蝕されつつある。この危機の本質に
気づいて初めて、日本の再生が可能になると、私は痛感している。