11/06/19 10:46:22.27
私は父に連れられて、上京した。
父はレコード会社や事務所に私を連れていき、深々と頭を下げて私のことを頼んでくれた。
そして三日後、久留米に帰ることになった。
「あとはひとりでやるしかなかとぞ。みなさんのいうことをよく聞いて、頑張りなさい」
父の言葉に、私はいたたまれなくなってきた。
私の思いとは無関係なように涙が湧いてきて、まぶたから大粒の玉になってあふれ出た。
言葉はなかった。私は父の胸に顔をうずめた。涙が背広に点々とにじんでいった。父がやさしくいった。
「やっぱり久留米へ帰ろう」「帰らん!」
激しく首を振ると、涙の粒が飛んだような気がした。
「聖子」神田法子より
感動的な父娘愛ですね。こういった経緯を知ると、初期聖子の曲を今一度、聴きなおしてみたくなります。
それにしても聖子は可愛いですね