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「ぼくの部屋に来たらガムもキャンディーもあるよ。遊びにおいでよ」。
それは1960年初め、草野球チームから始まった―。
4人組アイドルグループ"ジャニーズ"の誕生から、約半世紀に渡り時代のトップ
アイドルを生み続けてきたジャニーズ事務所。その長い歴史の中で起きた様々な事柄を、
時間軸に沿って記した 研究書『完全保存版 ジャニーズの歴史―光も影も45年』
(鹿砦社、2008年)は、一グループを掘下げることの多いジャニーズ関連本の中で、
ジャニーズ帝国の全体像を掴むのに最適な一冊と言えるだろう。
同書には、ジャニーズからHey!Say!JUMPまで、ほぼ全てのグループの輝かしい活躍や
受賞歴、紅白歌合戦の出場歴といった「光」の部分から、タレントの不祥事、逮捕、
合宿所やホテルでの"あのこと"といった「影」の部分まで細かく記載されている。
当たり前のことだが、人気絶頂のグループがいる同時期に、下降線を辿っている
グループがいて、更には合宿所(現在は無い)でデビューの頃合いを窺う少年がいる。
例えば、それまでパッとしなかったSMAPの人気が出始め、木村拓哉が『あすなろ白書』
(フジテレビ系)でブレイクした1993年の翌年、田原俊彦はワイドショーでの「僕はビッグ
ですから」発言で一線から退き、光GENJIは大沢樹生と佐藤寛之が脱退し、その1年後には
グループが解散する。同書は目には見えづらい"人気"という空気を、様々な出来事から
紐解く楽しみもあるのだ。
また、ある程度の実績を付けてからレコードデビューさせる手法や、メンバーの入れ替えや
掛け持ち、ミュージカル重視の姿勢など、いわゆる"ジャニーズ・ルール"が、ジャニーズや
フォーリーブスの時代から既にあったことに驚かされる。これには、ジャニー喜多川氏の
ブレない信念について、改めて考えさせられることだろう。
(続きは>>2-3あたり)
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『完全保存版 ジャニーズの歴史―光も影も45年』(鹿砦社)