11/10/21 15:16:06.61 YlfmC5kl0
小説読んだよ。その感想ね。
「自分の感情を知ってほしい、自分がどんな人間なのか知ってほしい」恐らくはそういった作者自身の欲求が
小説全体を流れているんだな。
この小説は自分の気持ちってものを世間に私ってほしいという強烈な欲求の表れだと感じた。
能力や才能を示したいという欲求が立志伝中の中には偶に語られるけど、
この作者がみんなに注目してほしいのは自分の気持ちだ。
メインテーマは「哀れだが芯の強い男である主人公と最悪の人格を持った悪妻との関係で起こった主人公の感情」だな。
小説の設定や状況説明がやたらと粗雑でありえないほどうそ臭くもり上がらないのは、
作者が重要視しているのがあくまでも主人公の「感情」だからなんだろうな。
この作者は設定や説明やストーリーの見せ場にはあまり執着が無いんだ。
妻を悪く書くことだけで満足している雰囲気。
でもこの欲求的なテーマと裏腹に主人公が終始して演技がかってる。
主人公の感情の作り物臭さ、小説という舞台で更に演じているような、劇中劇のような演技臭さ。
それこそオチで「主人公はずっと演じていたのでした」って付くならまぁ分かるけれど、そうじゃない。
例えばハムレットだと思われたいので日常生活で「ハムレットならこういうだろう」っていうmy台本を
朝から晩まで演じている人がいたとする。周りの人も最初のうちはああハムレットみたいな人なんだな、って思うかもしれない。
でも大抵の人間ていうのはそのぐらいの演技や嘘を見抜く能力をもってる。
時間があればハムレットを演じていることぐらい分かってしまう。
じゃあハムレットを演じているわけではない等身大の自分はどうなのか？っていう。
作者は本当はそれを知ってほしいんじゃないのか？それとも知られちゃ困るのだろうか？と小説を横において悩んでしまった。
多分ね、この作者は自分を守りたい気持ちが物凄く強いんだよ。
小説なんて一番かけないタイプの性格だと思うんだけども、でも自分を知ってほしい気持ちが強いんだね、
その自分を守りたい気持ちと自分を知ってほしい気持ちの間に生まれたのが演技性なのかなと思った。
主人公の感情に肯定的になってもらうにはひたすら可哀想な夫にしたほうが都合が良い。
妻を悪妻にするのは簡単な装置だ。