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ウィキリークスが暴露したTPP交渉の狙い
日本農業新聞5月19日付が報じたところによると、2月29日に米国とニュージーランドの当局者の間でTPP交渉が行われ、その内容を在ニュージーランド米大使館がまとめて本国に送ったのだが、
その公電の内容をウィキリークスが暴露している。
最も重要な箇所はニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官が、「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。
もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。
それが長期的な目標だ」と語った所だ。「押しつぶす」というのは「put the squeeze」の訳で、「squeeze」には「経済的に圧迫する、搾り取る」の意味があり、妥当な意訳だ。
これについて、同紙がシンクレア氏に直接取材したところによると、発言の真偽については確認を拒んだが、「TPP交渉では投資や金融、知的所有権など
幅広い分野が対象になり、中国を含めたアジア太平洋州で経済の(米国型の)自由化を進めることが交渉の目的であると強調」したとしており、「国内の規制や
基準の緩和・撤廃につながり農業だけでなく国民生活の多くに影響を与える可能性がある」と警告している。
米国型の自由主義とは市場原理主義(新自由主義)のことであり、リーマンショックや今日の欧米の財政・金融不安に象徴されるように、
欧米の資本主義経済体制を破綻に導いた理念と政策のことである。
これをわが国に押し付けるのが、TPPの真の狙いである。
わが国としては市場原理主義に基づく欧米の資本主義体制を克服した「共生共栄型資本主義」を世界に輸出する使命があると思うが、
現民主党政権のあまりの対米隷属ぶり、無知さに呆れるばかりである。